2018年 09月 14日
畑の都合 |
今年のポルトガルは、7月の気温が低かったのだそうです。
緯度で言えばずっと北にあるはずのパリよりも気温が低いような、
そんな冴えない7月だったのだとか。
ふーん、そうですか。
そこに住んでいない者なら聞き流してもいいような話でしたが、
それが畑に大きな影響を与えていたとなると、無関心ではいられません。
気温と日差しが足りなくて、
義母の畑のトマトは8月になっても無情にあおいまま。
それがようやく食べられるようになったのが8月も半ばを過ぎてからです。
黒目豆もいつもの収穫高の半分にも満たない量しかできなかったとか。
毎年楽しみにしているイチヂク(8月20日ごろから食べられる)も
今年はついに食べられませんでした。
あぁ残念。
畑に影響するのは天候ばかりではありません。
どうやら庭に害獣が入り込んだらしく、
家畜小屋の外壁沿いに植えていたハヤトウリとキウイが全滅したそうです。
こんな様子を見ると、作物を育てて食べるって大変なことだなぁと思います。
予定通りになるかどうか、先のことは全然わからないのですから。
といって、ともかく植え付けなければ収穫もゼロから動かないわけで、
お天気の予想がつかなくても、まずは期待を込めて植え付けるしかありません。
実らなければ困るし、といって実り過ぎても困ったりして、
つまりはコントロールは効かないとわかっていても頑張るしかないのです。
そんな暮らしを通常モードとして生きている義父母の考え方は、
何かが欲しくなったら店に買いに行けばいいという都会人とはだいぶ違います。
そんな義父母の名言集。
義父:とれたものはとにかく食べるしかないんだ。
(実り過ぎてしまった果樹を前にした言葉)
義母:買わないわよ。なければ食べないだけ。
(黒目豆が足りなくなったらどこで買うんですか?と聞いた時の返事)
あれこれ好きな食材を揃えて食べられるようになったのなんて、
考えてみたらほんの最近のことで、
人間はあるものを食べることで生き抜いてきたんだよな〜と思います。
1日30品目食べましょうという話も、
人が生産現場から離れて生活するようになって、
いろいろなものが簡単に流通し買えるようになったから出てきたのかな。
9月に入ってからも続々ととれつづけるトマト、
ようやく熟れて美味しくなったイチヂクを前に、
あぁいまここに息子家族がいたら!
これを食べさせてやりたかった!
義父母は歯ぎしりして残念がっているそうです。
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by poirier_AAA
| 2018-09-14 21:09
| ポルトガル
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