2022年 01月 20日
あっちも、こっちも |
年末年始休暇のツケを清算している段階なのだろうか、フランスでは1月も半ばになって一気に感染者が増えた。個人的な肌感覚でいうなら、休暇明け直後(まだ緊張感が残っている頃)は思ったほど大変なことにはならず、逆に2週間経った今の方があっちでもこっちでも感染者が出ている感じがする。打ち上げ花火が四方八方から上がっているような、モグラ叩きで一度に4匹くらいモグラが飛び出して来るような、とにかく忙し過ぎて視線を回すのが追いつかない。前にも「コロナが近づいて来た」と何回か書いているけれど、今は近づいて来たなんてものではなく、肉薄している、満員電車ですぐ隣に立っている、という感じ。
先週後半、息子Aのクラスでポジティヴの生徒が出たので、その日から都合3回(接触判明直後、その2日後、4日後)、Aは抗原検査をしている。幸い全部ネガティヴだった。
土曜日、親戚の洗礼式に出れば、「実は職場で接触したかもしれない」「うちの子もクラスの子が陽性で」なんて話がぞろぞろ出てきた。それでもみな出席前に一応検査はして来ているのでリスクは抑えられているはずとは思っていたけれど、週が明けてから2人感染者が出てしまった。しかも、よりによって会食の時わたしの隣と斜め前に座ったカップル。マスクなしで食事、会話して少なくとも1時間は一緒にいた人である、これは詰んだと思った。ついにわたしも感染したかと本気で首を洗って検査に出かけ、びくびくしながら結果を見たらネガティヴだった。ほっとした。
同じく週明け、息子Bのクラスでも感染者が出た。さっそく3回分の自主検査のキットをもらって来て検査している。2回目が済んで、いまのところずっとネガティヴ。このまま逃げ切って欲しい。
これで今週はどうやら乗り切れそうだと気が緩みかけていたところに、ついさっきメールが来た。なんと、また息子Aのクラスで感染者が出たとのこと。つい先だって3回目の検査を終わらせたところだったのに、また新しく検査を始めないとならない。あぁ、また薬局に行って検査キットをもらって来ないと。
これまでは薬局なんて1年に1回行くか行かないかくらいの頻度でしか縁がなかった。今年に入ってからのわずか2週とちょっとの間にいったい何回足を運んだことか。いつ行っても列ができているので客の立場としては「なんとかしてよ」だし、薬局の人からしたら「ちょっと待ってよ、ここまで大変なことになるなんて聞いてないってば」かもしれない。検査キット、きちんと必要な量を確保できているんだろうかと、ちょっと心配にもなる。
日本の家族と電話で話したら、フランスはすごいことになっているけれど大丈夫なの?と随分心配された。たしかに感染者数は増えているし、そのせいで検査の頻度も上がっていて、そういう意味では心配でもあるし面倒でもある。でも、日本の家族が想像しているような際立った不安感、危機感はないような気がする。ワクチンのおかげで、感染するだけで危険と恐れる対象ではなくなって来たのだと思う。面倒臭い隣人と共存、という感覚なのかもしれない。
打ち上げ花火状態の感染が少しでも落ち着いて、せめて忘れた頃に打ち上がってびっくりする花火、くらいになってくれるといい。もうしばらくかかりそうだけれども。
by poirier_AAA
| 2022-01-20 19:51
| 日々の断片
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