2018年 03月 14日
クロウタドリ |
クロウタドリ(メルル)の声が聞こえるようになると、
あぁ春が近いのだな、と思う。
年が明けた頃にひさしぶりに聞いた声はごくごく短く、
鈍ってしまった喉の調子を整えるための発声練習のようだった。
それでも、そんなに短い鳴き声でも、やはり美声なのだ。
あぁクロウタドリの声だ!とすぐにわかる。
まさに栴檀は双葉より芳し。
春分も近くなった今は、もう毎日がコンサートである。
昼間はあまり鳴かない。
そのかわり、なぜだか真夜中に俄然元気に歌い始める。
そろそろ寝ようかなぁと思う真夜中、
外からはこれでもかとばかりに美声が聞こえて来る。
クロウタドリの声は本当に素晴らしい。
でも、真夜中にこの朗々としたさえずりを耳にすると、
わたしはなんとなく落ち着かなくなる。
梨の木さん、梨の木さん、寝ている場合じゃありませんよ!と
クロウタドリに誘われているような気持ちになるのである。
これを振り切って眠ってしまうなんて、
つれなさすぎるのじゃあるまいか?と思ってしまう。
優しい言葉を囁く恋人につれなくしているような気分である。
クロウタドリはまた、午前4時5時といった時間でも元気である。
本を読んでいるうちにうっかりソファで眠り込んでしまった夜、
夢の中に麗しい鳴き声が響き渡る。
あぁ今日もいい声だねぇ。。。
そう思っているうちに、だんだん夢から現実に引き戻される。
あぁ、またここで寝てしまった!バカ、バカ、バカ。。。
後悔と質の悪い睡眠の後遺症を引きずってベッドに移動する。
あぁわたしって本当にだらしなくて情けないわ。。。
ぐっと苦味を噛み締めているところに、外からは鈴をころがすような歌声。
声が甘ければ甘いほど、噛み締めた苦味が強くなる。
最近は夜が明けるのも早くなった。
少し前は朝8時半でも薄暗かったのに、
最近はもう7時過ぎた頃には外が明るくなっている。
そんな朝もクロウタドリはご機嫌に歌ってみせる。
出勤する家族を見送ろうと窓をあけると、
向かいの敷地の高い木の上でクロウタドリがさえずっている。
ほら、あの声。聞こえる?
お互いに身振りで合図しあって一緒に聞く。
ほんの数秒のことだけれど、いい1日になりそうな気がする瞬間だ。
たまたま選んだこの住まいに、こんな素敵なおまけが付いていたとはね!
都会の真ん中にこんな声を聞かせてくれる鳥が生息しているとはね!
幸せ者だな〜とすっかり春らしい気分で考えたりするのである。
by poirier_AAA
| 2018-03-14 23:33
| 日々の断片
|
Comments(8)
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らうとら
at 2018-03-15 02:58
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梨の木さん、こんにちは。
うちのあたりでは、この鳥をメルルと呼んでいます。
https://fr.wikipedia.org/wiki/Merle_d%27Am%C3%A9rique
フランスのメルルとは、だいぶ違うようですね。
英語名はロビンなのですが、欧州のロビンより大型ですし
色も違うようです。
土の中の虫をエサにしているので、春になると芝生の上を
ちょんちょん飛び跳ねている姿をよく見かけます。
あと1か月半もすれば、このあたりでもメルルを見られるように
なるでしょうが、今はまだだめ。
庭はまだ一面の雪で、フィーダーにやってくるのは
チッキディーやナットハッチ、キツツキばかりです。
うちのあたりでは、この鳥をメルルと呼んでいます。
https://fr.wikipedia.org/wiki/Merle_d%27Am%C3%A9rique
フランスのメルルとは、だいぶ違うようですね。
英語名はロビンなのですが、欧州のロビンより大型ですし
色も違うようです。
土の中の虫をエサにしているので、春になると芝生の上を
ちょんちょん飛び跳ねている姿をよく見かけます。
あと1か月半もすれば、このあたりでもメルルを見られるように
なるでしょうが、今はまだだめ。
庭はまだ一面の雪で、フィーダーにやってくるのは
チッキディーやナットハッチ、キツツキばかりです。
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Mtonosama at 2018-03-15 09:33
クロウタドリって日本のウグイスみたいな鳥なんですね。
引っ越してからはウグイスの声をあまり聞かれないけど、
最初はいかにも「初めて歌ってます」みたいだったのが
段々上手になっていくのを聞いているのがとても楽しみでした。
クロウタドリはナイチンゲールのことなのかなぁ。
ナイチンゲールをドイツ語ではNachtigallというから、
やっぱり夜鳴く鳥かと思って・・・
引っ越してからはウグイスの声をあまり聞かれないけど、
最初はいかにも「初めて歌ってます」みたいだったのが
段々上手になっていくのを聞いているのがとても楽しみでした。
クロウタドリはナイチンゲールのことなのかなぁ。
ナイチンゲールをドイツ語ではNachtigallというから、
やっぱり夜鳴く鳥かと思って・・・
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at 2018-03-15 22:12
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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fusk-en25 at 2018-03-15 23:12
こまどりもツゥーイ・ピーイクとアカハナマンサクの茂みの中で
飛び回っていました。
春だ春だっていう様に。。
マンサクの花をかじっている様です。
そろそろ我がベランダにもお越し願えるかな?
メルルは人懐っこい鳥ですね。
今は捕獲禁止だけれど。
40年ぐらい前まではメスの方はパテにして食べました。
一度食べたことありますよ。缶詰になってた。
飛び回っていました。
春だ春だっていう様に。。
マンサクの花をかじっている様です。
そろそろ我がベランダにもお越し願えるかな?
メルルは人懐っこい鳥ですね。
今は捕獲禁止だけれど。
40年ぐらい前まではメスの方はパテにして食べました。
一度食べたことありますよ。缶詰になってた。
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poirier_AAA at 2018-03-17 02:36
> らうとらさん、こんにちは。
メルルという呼び名は同じでも違うんですねぇ。
こちらのメルルはクロウタドリという名が示す通り真っ黒なのです。でもこのきれいな外見はオスだけで、メスは地味な茶色なんですよ。
都会に住み慣れている鳥らしく、人気のないベランダの植物の陰に巣をかけたりもしますし、ベランダの手すりにとまって囀っていることもあります。たくましいですよね。
本当はもっといろいろな鳥がいるのでしょうが(鳴き声がいろいろ聞こえてくるので)、個体を目にすることがほとんどないので、名前が特定できません。こういうのも植生と同じで、詳しくなったら楽しいだろうなぁと思いながら、いまは耳だけで楽しんでいます。
メルルという呼び名は同じでも違うんですねぇ。
こちらのメルルはクロウタドリという名が示す通り真っ黒なのです。でもこのきれいな外見はオスだけで、メスは地味な茶色なんですよ。
都会に住み慣れている鳥らしく、人気のないベランダの植物の陰に巣をかけたりもしますし、ベランダの手すりにとまって囀っていることもあります。たくましいですよね。
本当はもっといろいろな鳥がいるのでしょうが(鳴き声がいろいろ聞こえてくるので)、個体を目にすることがほとんどないので、名前が特定できません。こういうのも植生と同じで、詳しくなったら楽しいだろうなぁと思いながら、いまは耳だけで楽しんでいます。
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poirier_AAA at 2018-03-17 02:44
> Mtonosamaさん、こんにちは。
ナイチンゲールはまた種類が違うみたいです(wikiによると)。
クロウタドリはこんな鳥です。https://ja.wikipedia.org/wiki/クロウタドリ
クロウタドリの声は夕方とか朝方とか真夜中によく聞こえてくるのですが、昼間でもうたっていることはありますね。でも、昼間はどちらかというとせっせと餌を探して飛び回っている感じでしょうか。お父さん鳥とお母さん鳥が交代で巣を守り、餌を探し、一致団結して子育てするんですよ。
ナイチンゲールはまた種類が違うみたいです(wikiによると)。
クロウタドリはこんな鳥です。https://ja.wikipedia.org/wiki/クロウタドリ
クロウタドリの声は夕方とか朝方とか真夜中によく聞こえてくるのですが、昼間でもうたっていることはありますね。でも、昼間はどちらかというとせっせと餌を探して飛び回っている感じでしょうか。お父さん鳥とお母さん鳥が交代で巣を守り、餌を探し、一致団結して子育てするんですよ。
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poirier_AAA at 2018-03-17 02:51
> 鍵コメさん、こんにちは。
ポルトガルで耳にされたという囀りは、何の鳥だったのでしょうねぇ。こういうとき、鳴き声だけで判別がついたら楽しいだろうなぁと思うのですが。わたしも野鳥の知識がまったくなくてすごく残念なのです。
春のポルトガルはいいですねぇ。夏のように暑くないし大地も灼けていないし。街路樹にオレンジやレモンが実っていたり、アーモンドの白い花が咲いていたり。色彩が優しくて気候も優しくて。観光客も多くないからゆっくりできますしね。鍵コメさんもぜひまたいらしてください。
ポルトガルの話、また書きますね。パリに住みながらポルトガルの話を書くというのもかなり屈折してますけど(笑)わたしもポルトガル、好きなんですよ。
ポルトガルで耳にされたという囀りは、何の鳥だったのでしょうねぇ。こういうとき、鳴き声だけで判別がついたら楽しいだろうなぁと思うのですが。わたしも野鳥の知識がまったくなくてすごく残念なのです。
春のポルトガルはいいですねぇ。夏のように暑くないし大地も灼けていないし。街路樹にオレンジやレモンが実っていたり、アーモンドの白い花が咲いていたり。色彩が優しくて気候も優しくて。観光客も多くないからゆっくりできますしね。鍵コメさんもぜひまたいらしてください。
ポルトガルの話、また書きますね。パリに住みながらポルトガルの話を書くというのもかなり屈折してますけど(笑)わたしもポルトガル、好きなんですよ。
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poirier_AAA at 2018-03-17 02:58
> fusk-en25さん、こんにちは。
ぎょえ〜、メルルを食べることもあるんですね。さすがにそれは想像できませんでした。
でも、鳩や雀なんかもたべるわけですから、考えてみたらそんなに変でもないのでしょう。
うちの父は山育ちなので野鳥を獲って自宅で焼いて食べるなんていうのが大好きでした。
一方母はシティガールというほどではなかったけれど、そういうのは野蛮な習慣だと嫌悪していて。果てしなく平行線で続く喧嘩にウンザリしていたことを思い出してしまいましたよ〜。
ぎょえ〜、メルルを食べることもあるんですね。さすがにそれは想像できませんでした。
でも、鳩や雀なんかもたべるわけですから、考えてみたらそんなに変でもないのでしょう。
うちの父は山育ちなので野鳥を獲って自宅で焼いて食べるなんていうのが大好きでした。
一方母はシティガールというほどではなかったけれど、そういうのは野蛮な習慣だと嫌悪していて。果てしなく平行線で続く喧嘩にウンザリしていたことを思い出してしまいましたよ〜。