2018年 02月 19日
こういういこともあるさ |
パリに大雪が降った直後の週末、
家族で出かけようと車に乗ったら、なんとエンジンがかからない。
急激に気温が下がったからバッテリーが上がってしまったかな?と思って、
少し待って何回か試してみたのだが、やっぱりかからない。
サポートデスクに電話して相談したら、すぐに修理の人を派遣してくれた。
バッテリーも新しくしたし、
念のため1時間ほど高速も走ったし、これでもう一安心と
日曜日の夕方、子どもは家に残して夫と2人で郊外のイケアに出かけた。
サクッと買い物を済ませた、その帰り道のこと。
なんと、坂道の途中で車が動かなくなってしまった。
えっ、えっ、えええ〜っ、何がおきたの?
慌てて、ふたたびサポートデスクに電話した。
そして家にも電話を入れた。
帰り道で車が故障しちゃったの。
少し時間がかかりそうだけど、心配しないで待っていてね。
結局その場ではどうすることもできず、
我が家の愛車はトラックに積まれて修理屋に運ばれていった。
乗っていた夫とわたしは、保険会社が送ってくれたタクシーで家に帰った。
車が動かなくなってから家にたどり着くまで、3時間弱。
わずか3時間ですべてが落ち着くべきところに落ち着いたのだから、
これはものすごく運が良かったケースだと思う。
かかった時間ばかりでなく、思い返せば不幸中の幸いといえることばかり。
雪も雨も降っていなかったし。
乳幼児と一緒だったわけでもない。
ヴァカンス帰りでカボチャやトマトを山のように積んでいたわけでもない。
携帯電話の電池残量も危うかったが、なんとかギリギリ最後まで保った。
トイレが我慢できなくて気が狂いそうになることもなかった。
夫もわたしも風邪気味だったりすることもなく、いたって元気だった。
だから、冷たい風がぴゅうぴゅう吹き抜ける人気のない道路脇で、
細いきれいなお月さまを見ながら、下らない話をしてタクシーを待てた。
これがラッキーでなかったら、何をラッキーと呼ぶ?と言いたいくらいだ。
水やビスケット、懐中電灯の類は、用心のためいつもトランクに入れてある。
でも、それだけでは足りないかもと今回思った。
フランスの道路は人家の近くを走っていないことの方が多いのだから、
携帯電話の電池が切れてしまったら、もうどうしようもない。
車内で充電できるような簡単な道具を持っていた方がいいかもしれない。
あと、どんなに近いと思っても、出かける前には必ずトイレを済ませておくこと。
これもすごく大事。
トイレの心配をしなくていいだけで、心の安らかさが違う。
あと、冬の夜の車内はダウンを着ていても相当寒かったから、
用心のための非常用ブランケットみたいなものを持ってもいいかもしれない。
こういう不慮の出来事って無闇にエネルギーを消耗するものだけれど、
そんな中にあって少しだけ嬉しかったのは、
トラックで助けに来てくれた人がポルトガル出身だったことだ。
一言二言フランス語で話しただけで、夫はすぐにピンと来たらしい。
ひょっとしてポルトガルの人ですか?と聞いて、
確認できたらすぐにポルトガル語の会話に切り替わった。
それとともに、雰囲気もぐっと気のおけない感じに変わった。
必要な手続きの間にポルトガルの話題で雑談までしてしまって、
わははは〜と笑ったら、肩のあたりの緊張が一気に解けた気がした。
ようやく家に帰り着いてみると
お腹をすかせた子どもたちが食べられそうなものを探しまわった末、
アペリティフ用のナッツを見つけてガツガツ食べているところだった。
あぁ、すぐに食べられるものもある程度常備しておかないと、と思った。
我が家は市販のおやつ類はほとんど買わないし、
食事も1回でほとんど綺麗に終わってしまうので、残り物がたまらない。
作り置きしても作り置きの意味がないくらいの速度で終わってしまう。
結果、冷蔵庫には調理前のものばかりが残っている状態。
こういう状態は料理人が元気で家にいて電気も水も使えるときはいいけれど、
料理人不調、停電、断水などとなったら、もうどうにもならない。
ここも改善の余地あり。
慌てて料理をし、ようやく食事にありついたのが夜10時。
冷え切った体に熱いスープがしみわたった。
by poirier_AAA
| 2018-02-19 19:46
| 日々の断片
|
Comments(4)
Commented
by
pallet-sorairo at 2018-02-19 20:36
ひゃぁ、フランスじゃすぐに修理に来てくれないよね、
梨の木さんどうしたろう!
と、ひやひやしながら読み始め進みました。
よかったですねぇ、私までほっとしましたよ(^^ゞ
いろいろ要改善の部分がはっきりして来たのは怪我の功名かな。
こういうの雨降って地固まるっていうのかしら??
私もいろいろ参考になりました、ありがとう。
梨の木さんどうしたろう!
と、ひやひやしながら読み始め進みました。
よかったですねぇ、私までほっとしましたよ(^^ゞ
いろいろ要改善の部分がはっきりして来たのは怪我の功名かな。
こういうの雨降って地固まるっていうのかしら??
私もいろいろ参考になりました、ありがとう。
0
Commented
by
poirier_AAA at 2018-02-19 21:44
> pallet-sorairoさん、こんにちは。
フランスは、まぁ日本のようにスラスラと物事が進むことはないのですが、それでも必要なサポートはきちんとされるようにはなっているので、焦らずに手続きを踏めばなんとかなるのです。といって、電話をかけまくったのは夫ですが。わたしは隣で「大丈夫、なんとなるよ。心配することないよ」と、平常心を保つ役に徹しました(笑)。
ちょっと泥縄式ですけど、でもこういう経験から学ぶことってありますよね。
とりあえず携帯電話の充電問題は早急に解決しようと思っているところです。
フランスは、まぁ日本のようにスラスラと物事が進むことはないのですが、それでも必要なサポートはきちんとされるようにはなっているので、焦らずに手続きを踏めばなんとかなるのです。といって、電話をかけまくったのは夫ですが。わたしは隣で「大丈夫、なんとなるよ。心配することないよ」と、平常心を保つ役に徹しました(笑)。
ちょっと泥縄式ですけど、でもこういう経験から学ぶことってありますよね。
とりあえず携帯電話の充電問題は早急に解決しようと思っているところです。
Commented
by
fusk-en25 at 2018-02-20 00:29
携帯電話のない時代に。。
シャンゼリゼで車が止まってしまい。大慌てでした。
結局車を牽引してもらい3時間後に家に帰った。
ま。メトロがありますからね。
でもその時こんな緊急時に備えることなんて思いもつきませんでした。
今。時々自転車がパンクしたらどうしよう?と思ったりもします。
そんな時はそこに置いて帰ればいいのか?
長時間置いとくと、タイヤもサドルも無くなっていたなんてことがありますしね。
家まで5kmもあると自転車を押して帰るのも何だしなあ。
悩むとこです。
うちは常備菜なら。。ゆうに1ヶ月ぐらい、こもれますが。笑。
ただしこれも家で私がいればですが。。。
シャンゼリゼで車が止まってしまい。大慌てでした。
結局車を牽引してもらい3時間後に家に帰った。
ま。メトロがありますからね。
でもその時こんな緊急時に備えることなんて思いもつきませんでした。
今。時々自転車がパンクしたらどうしよう?と思ったりもします。
そんな時はそこに置いて帰ればいいのか?
長時間置いとくと、タイヤもサドルも無くなっていたなんてことがありますしね。
家まで5kmもあると自転車を押して帰るのも何だしなあ。
悩むとこです。
うちは常備菜なら。。ゆうに1ヶ月ぐらい、こもれますが。笑。
ただしこれも家で私がいればですが。。。
Commented
by
poirier_AAA at 2018-02-20 17:19
> fusk-en25さん、こんにちは。
いや、シャンゼリゼやパリの中だったら、あるいは郊外でも人家があるところだったら、人に迷惑をかけることに冷や汗をかきこそすれ、ここまで焦ることはなかったと思います。人通りも人家もまったくない高速道路直前の100m手前、携帯電話だけが頼りという状況でした。車を牽引してもらって避難した場所も、これまた週末の誰もいない工場地帯で見事に無人で。携帯電話は嫌いですけど、こういうときはこれ以上頼りになるものはありませんね。
作り置きで1ヶ月も保つものありますか?(あ、冷凍という手があるか)まぁ我が家は保存期間より保存する前に終わってしまうことの方が問題なのですが。籠城は1週間から10日くらいならいけると思います。ただ、料理できなくなったらもうダメですね。。。
いや、シャンゼリゼやパリの中だったら、あるいは郊外でも人家があるところだったら、人に迷惑をかけることに冷や汗をかきこそすれ、ここまで焦ることはなかったと思います。人通りも人家もまったくない高速道路直前の100m手前、携帯電話だけが頼りという状況でした。車を牽引してもらって避難した場所も、これまた週末の誰もいない工場地帯で見事に無人で。携帯電話は嫌いですけど、こういうときはこれ以上頼りになるものはありませんね。
作り置きで1ヶ月も保つものありますか?(あ、冷凍という手があるか)まぁ我が家は保存期間より保存する前に終わってしまうことの方が問題なのですが。籠城は1週間から10日くらいならいけると思います。ただ、料理できなくなったらもうダメですね。。。