2017年 10月 29日
映画になった「天国でまた会おう」 |
2013年にゴンクール賞を受賞した、ピエール・ルメートルの
「Au revoir là-haut(邦題:天国でまた会おう)」は、
ちょっと忘れがたい小説だった。
読んだのはもう3年以上も前だけれど、
今でも鮮明に記憶に残っている場面がいくつもある。
(そのときの感想はここで書いている)
フランス語で読んで、
どんな言葉や文が使われていたか今となってはまったく思い出せないけれど、
登場人物が感じたであろう喜怒哀楽や、戦中と戦後の独特な雰囲気などが、
ザラザラとしたリアルさを持って伝わって来て、
その感覚が、まるで自分が実際に体験したことのように記憶に刻まれた。
この小説が映画化されると知って、最初は少しがっかりした。
原作と並び立つような映画作品はあまりないような気がするので。
でも、予告編を見たら興味がわいた。
これは意外と成功しているかも。
それで観に行って来た。
おもしろかった。
食わず嫌いをしないでよかった、と思った。
あの話を映画化するとしたら、
鍵は芸術家肌でいささか過激なエドゥアールだ、と思っていた。
そのエドゥアール役のNahuel Perezが良かった。
台詞らしい台詞のない役でありながら、顔をマスクで隠す役でありながら、
ただならぬ存在感を醸し出していた。
その父親役にNiels Arestrupを持って来たのも絶妙だった。
あと、小悪党アンリ役もこれでもかという嫌らしさ全開で、巧かった。
監督兼主人公アルベール役のAlbert Dupontel、ブラボー。
Au revoir là-haut
監督:Albert Dupontel(2017)
by poirier_AAA
| 2017-10-29 08:05
| 観る・鑑賞する
|
Comments(2)
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Mtonosama at 2017-10-31 09:19
最近、図書館でイタリア、スペインものを借りて読んでいます。ストーリー展開のあるものを読みたい気分なので、ラモン・センデールのスペイン内乱の話とかカルミネ・アバーテのものとかを読んでます。いずれも初対面の作家ですが、結構集中できます。次はフランスに行こうかな。また、紹介してくださいね。
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poirier_AAA at 2017-11-06 21:02
> Mtonosamaさん、こんにちは。
返事が遅くなってしまってすみません。この1週間、旅行に出かけていました。
イタリア、スペインものですか。どちらの作家の名前も、わたしは初めて知りました。とのさんの感想を是非聞かせていただきたいです。。。それにしても、日本はすごいなぁと思います。こういう海外の作家の作品をどんどん翻訳して出版してくれるんですものね。
最近は自由になる時間があるとポルトガル語に手を伸ばしてしまうので、あまり本が読めていません。ポルトガル語のテキストに結構おもしろい文がたくさんあるので、ついついそこから想像を膨らませて遊んでいるという、、、、語学も、やっぱり面白くなくちゃ続きませんよね(笑)。
返事が遅くなってしまってすみません。この1週間、旅行に出かけていました。
イタリア、スペインものですか。どちらの作家の名前も、わたしは初めて知りました。とのさんの感想を是非聞かせていただきたいです。。。それにしても、日本はすごいなぁと思います。こういう海外の作家の作品をどんどん翻訳して出版してくれるんですものね。
最近は自由になる時間があるとポルトガル語に手を伸ばしてしまうので、あまり本が読めていません。ポルトガル語のテキストに結構おもしろい文がたくさんあるので、ついついそこから想像を膨らませて遊んでいるという、、、、語学も、やっぱり面白くなくちゃ続きませんよね(笑)。