2017年 08月 31日
空耳ポルトガル語 |
ポルトガル語がよくわからないので、
人がポルトガル語で話している間はほぼ傍聴に徹する。
初めのころは、正真正銘のちんぷんかんぷんだった。
ここはどこ?わたしはだれ?の世界である。
そういう状態で3時間や4時間は続く食事会に出るのは
かなりのストレスでもあったし、時間の無駄のようにも感じた。
あんまりつまらないので、じーっと周りの人を観察していたものだ。
ポルトガルの人たちも日本人と同じような掛け声を使うんだ、と気づいたのは、
そんなふうにひたすら観察役に徹していた頃だった。
よく会うおばさんが、人の注意を引きたい時に「おーりゃ、おりゃ」と言う。
日本で「おりゃ〜」といえば、なにか技をかける時の掛け声だけれど、
それとよく似ていて、なんだか可愛いと思った。
同じように「おうさ」という言葉にも気がついた。
どうやら人の話を遮ろうとするときに使う言葉のようだった。
「さぁ、もうひと仕事するか」「おうさ」
江戸時代の町人の会話を想像して、これも微笑ましかった。
その可愛い掛け声「おりゃ」と「おうさ」が
れっきとした動詞の命令形であったと知ったときの驚きと言ったら!
ただのカエルが美形の王子様に変わったかと思った。
醜いアヒルの子が長じて美しい白鳥になったような。
ええええ〜っ、あなたの本当の姿はこれだったのね!?である。
「おりゃ」は「見る」の命令形だから「見て見て」。
「おうさ」は「聞く」の命令形だから「ちょっと聞いて」。
話を遮るときに使うようだと思っていたが、
正確に言うと、こちらの話を聞こうとしないで話し続ける人に掛ける言葉で、
「少しは黙ってこっちの話を聞いてくださいよ」という感じ。
わけもわからないままポルトガル語を聞き続けた結果、
これって日本語みたいだよね、という単語やフレーズ、
言ってみれば空耳単語、空耳フレーズがたくさんできた。
きけばきくほど「讃岐そば」としか聞こえないフレーズがある。
(讃岐うどんはあるけど、讃岐そばなんてないよね)
色っぽく歌われる歌が「ちょっとまって」を連発しているように聞こえる。
cansado(疲れた)と聞けば、「監査度」と漢字変換してしまう。
ポルトガル語を教科書で勉強していると、
数ある空耳ワード、空耳フレーズを、
カエルから王子様に戻してやる地道な作業をしているみたいなだ、と思う。
一瞬、庭が王子様でいっぱいになった図を想像して、笑ってしまった。
by poirier_AAA
| 2017-08-31 15:47
| 言葉を学ぶ
|
Comments(6)
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fusk-en25 at 2017-08-31 18:38
ほらほら、
三日坊主も。。長年の積み重ね。。ってあるもんでしょ。
監査度は傑作でしたが。おりゃ、おうさはいいですねえ。
私のフランス語の対応みたいうやわ。。。(ただしいまだに蛙ばかりの)
フランス社会の集まりにはしっかり喋らないと馬鹿にされるので
頑張る?あまりに草臥れるとこちらで結婚されている女の人たちが言われますが
私は状況判断して観察しているだけで
ほとんど喋らなくても、馬鹿にされた気分になったことは全くなくて
(鈍くて気がつかないだけか。笑)
いつも不思議な気がします。
三日坊主も。。長年の積み重ね。。ってあるもんでしょ。
監査度は傑作でしたが。おりゃ、おうさはいいですねえ。
私のフランス語の対応みたいうやわ。。。(ただしいまだに蛙ばかりの)
フランス社会の集まりにはしっかり喋らないと馬鹿にされるので
頑張る?あまりに草臥れるとこちらで結婚されている女の人たちが言われますが
私は状況判断して観察しているだけで
ほとんど喋らなくても、馬鹿にされた気分になったことは全くなくて
(鈍くて気がつかないだけか。笑)
いつも不思議な気がします。
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poirier_AAA at 2017-08-31 21:46
> fusk-en25さん、こんにちは。
いまだに全然話せませんけど、普通の会話を結構な量聞いてきたので、音のストックだけはあるかな?という感じです。文字を眺めていると、あぁあの人はこの単語をこんな感じで発音していたっけなぁと思い出せるようになって、あぁこれって1歳児くらいの感じかしら?と思ったりして(笑)。ここから幼稚園児までいけるかどうかが問題ですね。
うーん、いろいろな状況があるのでしょうけれど、たしかに、言葉ができない=社会的に価値がない人間(一人前の大人ではない)と見下した態度をとる人は残念ながらいますよねぇ。一方で、言葉のハンデは別物としてきちんと敬意を払ってくれる人もいますけれど。
馬鹿にされたくないから頑張って話そうと思っている人は、ここで認めてもらおうと必死なのではないでしょうか?そういう気持ちもわかるんですよ。いつまでもお客様でいられないという焦りもあるでしょうし。ただ、日本語での会話だって入れる時入れない時、入りたい時入りたくない時ってありますしねぇ。話の合う合わないも、国籍を問わずにありますし。会話の最低限の礼儀は相手を不快にさせないことかなぁと思うくらいです。それ以上の話は、あとは個人の好みや目指すところの問題ですよね。
いまだに全然話せませんけど、普通の会話を結構な量聞いてきたので、音のストックだけはあるかな?という感じです。文字を眺めていると、あぁあの人はこの単語をこんな感じで発音していたっけなぁと思い出せるようになって、あぁこれって1歳児くらいの感じかしら?と思ったりして(笑)。ここから幼稚園児までいけるかどうかが問題ですね。
うーん、いろいろな状況があるのでしょうけれど、たしかに、言葉ができない=社会的に価値がない人間(一人前の大人ではない)と見下した態度をとる人は残念ながらいますよねぇ。一方で、言葉のハンデは別物としてきちんと敬意を払ってくれる人もいますけれど。
馬鹿にされたくないから頑張って話そうと思っている人は、ここで認めてもらおうと必死なのではないでしょうか?そういう気持ちもわかるんですよ。いつまでもお客様でいられないという焦りもあるでしょうし。ただ、日本語での会話だって入れる時入れない時、入りたい時入りたくない時ってありますしねぇ。話の合う合わないも、国籍を問わずにありますし。会話の最低限の礼儀は相手を不快にさせないことかなぁと思うくらいです。それ以上の話は、あとは個人の好みや目指すところの問題ですよね。
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Mtonosama at 2017-09-01 08:40
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poirier_AAA at 2017-09-01 22:13
> Mtonosamaさん、こんにちは。
キゾンバという扇情的なダンスがあるんですけど、それが入ったフレーズでした。
たぬき蕎麦ならあり得るのに、直前の音が「た」ではなくて「さn」だったんです(笑)。
あまりにも違いすぎて笑っちゃいますよね。
空耳フレーズが聞こえるたびに夫に伝えていたら、夫まで「これを聞くともう日本語にしか聞こえない」と言うようになって。空耳の影響力は絶大ですね^^。
キゾンバという扇情的なダンスがあるんですけど、それが入ったフレーズでした。
たぬき蕎麦ならあり得るのに、直前の音が「た」ではなくて「さn」だったんです(笑)。
あまりにも違いすぎて笑っちゃいますよね。
空耳フレーズが聞こえるたびに夫に伝えていたら、夫まで「これを聞くともう日本語にしか聞こえない」と言うようになって。空耳の影響力は絶大ですね^^。
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stanislowski at 2017-09-02 16:56
言葉を学ぶのにはやはり耳からなんでしょうか。例えば、私は長年フランス語を学習していますが未だに聞き取れません。語句を増やすのが先なのか?聞き取りに集中して音を取るのが先なのか?悩みます。(思えば、梨の木さんは耳がいいですよね!)
フランス語を母国語とする人たちとのコンタクトも少ないので、私の言い回しも、現地の人はこんな言い方はしないだろうってな感じで、それでも一応伝えたいことはなんとか。
文法は現在、過去、未来、半過去ぐらいまで一通りやりました。ちょっとやる気をなくしているのを年齢のせいにしている私。
夏にロカマドゥール、鍾乳洞パディラックに行ってきました。あの地方にはまりそうです。梨の木さんが記事にしてくださったおかげで非常に楽しい旅になりました。
フランス語を母国語とする人たちとのコンタクトも少ないので、私の言い回しも、現地の人はこんな言い方はしないだろうってな感じで、それでも一応伝えたいことはなんとか。
文法は現在、過去、未来、半過去ぐらいまで一通りやりました。ちょっとやる気をなくしているのを年齢のせいにしている私。
夏にロカマドゥール、鍾乳洞パディラックに行ってきました。あの地方にはまりそうです。梨の木さんが記事にしてくださったおかげで非常に楽しい旅になりました。
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poirier_AAA at 2017-09-02 18:15
> stanislowskiさん、こんにちは。
記憶するときに何に頼るか、視覚か聴覚か、あるいは体感か、人によっていろいろあるらしいです。わたしは長いこと自分は視覚派だと思っていたのですけど、実はかなり聴覚派だったみたい。音の記憶がどうやら一番残っているようなんです。
フランス語、わたしも聞き取れてません〜。でも、聞き取れないのって大概は言葉や言い回しを知らないからなんですよね。耳で覚えておいて後で辞書で調べたり、家族に「ねぇ、こういうシチュエーションでこんな感じの言葉を聞いたんだけど何?」と確認するようにしています。知っていることはほぼ間違いなく聞き取れるはずなので、やっぱり語彙を増やすのは必須ですね(←と、これは自分のポルトガル語対策としても考えていることで)。
ロカマドゥール方面、いいでしょう。すごくいいですよね。わたしたちもすごく気に入ったので、もう1回行ってもいいよね、もうちょっと色々見てみたいよね、と話しているところです。
もうじき新学期も始まりますね。どうぞ楽しい週末を!
記憶するときに何に頼るか、視覚か聴覚か、あるいは体感か、人によっていろいろあるらしいです。わたしは長いこと自分は視覚派だと思っていたのですけど、実はかなり聴覚派だったみたい。音の記憶がどうやら一番残っているようなんです。
フランス語、わたしも聞き取れてません〜。でも、聞き取れないのって大概は言葉や言い回しを知らないからなんですよね。耳で覚えておいて後で辞書で調べたり、家族に「ねぇ、こういうシチュエーションでこんな感じの言葉を聞いたんだけど何?」と確認するようにしています。知っていることはほぼ間違いなく聞き取れるはずなので、やっぱり語彙を増やすのは必須ですね(←と、これは自分のポルトガル語対策としても考えていることで)。
ロカマドゥール方面、いいでしょう。すごくいいですよね。わたしたちもすごく気に入ったので、もう1回行ってもいいよね、もうちょっと色々見てみたいよね、と話しているところです。
もうじき新学期も始まりますね。どうぞ楽しい週末を!