2016年 09月 22日
水タバコ |
「不思議の国のアリス」はなぜかあまり好きになれなかった。
理由はよくわからない。ただ、ピンとこなかった。
でも、話の中に水タバコを吸う芋虫が出てきたことはよく覚えている。
芋虫の絵がリアルだったので絶対に直視しないように気をつけながら、
その不思議な「水タバコ」なるものがどんなものなのか、
まじまじとその部分を眺めた記憶がある。
パリに住むようになって、
わたしは初めて「水タバコ」の本物に遭遇した。
どうやら水タバコ・カフェらしい。
表のガラスに面したところに、大小様々な水タバコ装置が置かれていて、
薄暗い店内で男たちがのんびりとおしゃべりしながらタバコをふかしている。
開け放ったドアの前を通ると、甘い濃厚な香りが漂ってきた。
お天気のいい日には、店の前のテラス席で吸っている人もいる。
なるほど、水タバコってお話の中だけの物ではないのだ。
それがわかって、なんとはなしに嬉しい気持ちになったことを覚えている。
この夏、ポルトガルからパリに戻る途中、
仮眠を取るためにとあるパーキングエリアに車を停めた。
そこで、地面に敷物を敷いてごろんと寝そべり、
いかにもくつろいだ風に水タバコをふかしているアラブ系の男性を見かけた。
なんと、こんなふうに携帯して楽しむ物でもあるのか、
なるほどなるほど、と感心した。
ちなみに、パリからポルトガルへ向かう道は、
ジブラルタル海峡からモロッコへ里帰りしようという人たちの通る道と重なる。
スペインのブルゴスのあたりを境にポルトガル組とモロッコ組が分かれる。
モロッコ組はそこからマドリッドの脇を通って一気に南下する。
ポルトガル組は西に向かって直進する。
モロッコ組の多くは、大きなワンボックスカーに人と荷物を満載にし、
さらに車の天井に荷物を載せたり、小さな荷台を牽引したりして走っている。
走行距離はポルトガル組の比ではないと思う。
だから夜の休み方も徹底していて、
日が暮れる前にパーキングエリアに入っていい場所をとり、
エリア内の芝生スペースに毛布やマットレスを敷いてごろんと寝る。
(これをやるのは男性のみ。女性はずっと車内で休む)
今回はそこで、ごろんとしながら水タバコをやっている人を見たのだ。
水タバコは、フランス語でも同じように pipe à eau とも言うようだが、
他にも narguiléだの chichaだの arguilehなどと呼ばれるらしい。
不思議の国のアリスのフランス語版を見てみたら「narguilé」だった。
不思議の国のアリス、フランス語で読んでみたい人はこちらから。
すごく読みやすいフランス語です。
by poirier_AAA
| 2016-09-22 22:39
| 言葉を学ぶ
|
Comments(6)
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pallet-sorairo at 2016-09-22 22:56
飛行機の乗り継ぎでドバイに降りたときに
まちで見かけましたよ♪
凄い装置がレストラン?のテラスに何台?かあったので
ちょっとびっくりしたのを思い出しました。
まちで見かけましたよ♪
凄い装置がレストラン?のテラスに何台?かあったので
ちょっとびっくりしたのを思い出しました。
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fusk-en25 at 2016-09-22 23:30
私も水パイプの本物を見たのはパリですね。
でもそれも随分少なくなったような。。。笑。
アリスの方もあんまり好きではない。
なんででしょうね。現実感に乏しい?
なんでここにこんなのがでてくるのよって感じで。
その割にアシモフやアン・マキャフリーは好きなのに。
でもそれも随分少なくなったような。。。笑。
アリスの方もあんまり好きではない。
なんででしょうね。現実感に乏しい?
なんでここにこんなのがでてくるのよって感じで。
その割にアシモフやアン・マキャフリーは好きなのに。
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Mtonosama at 2016-09-23 10:46
ジブラルタル海峡経由でモロッコへ・・・
いいなあ、エキゾチックだなあ。
ジブラルタル海峡はフェリーで渡るのでしょうか。
私のスイミングクラブのおじさんはこの海峡を泳いで渡りました。ドーバーよりは短いけれど、潮が強くて大変だったと言っていました。
そうなんです。ドーバーも何度もわたっているし、日本では津軽海峡も泳いで渡ったんですよ。
と、泳いでいない私が自慢してどうする。
いいなあ、エキゾチックだなあ。
ジブラルタル海峡はフェリーで渡るのでしょうか。
私のスイミングクラブのおじさんはこの海峡を泳いで渡りました。ドーバーよりは短いけれど、潮が強くて大変だったと言っていました。
そうなんです。ドーバーも何度もわたっているし、日本では津軽海峡も泳いで渡ったんですよ。
と、泳いでいない私が自慢してどうする。
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poirier_AAA at 2016-09-23 19:31
> pallet-sorairoさん、こんにちは。
なるほど、ドバイも水タバコ文化圏ですね。
こういう手のかかりそうな装置って現代ではもう使われないんだろうな、と一人で勝手に思い込んでいたんです。それが割と普通に使われているとわかって、ちょっと嬉しくなってしまいました。
なるほど、ドバイも水タバコ文化圏ですね。
こういう手のかかりそうな装置って現代ではもう使われないんだろうな、と一人で勝手に思い込んでいたんです。それが割と普通に使われているとわかって、ちょっと嬉しくなってしまいました。
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poirier_AAA at 2016-09-23 19:48
> fuskさん、こんにちは。
近所のアラブ系食材店の店先に小ぶりの水タバコ装置が飾ってあって、たしか20ユーロ台でした。あれが本当に実用品なのか、それともただの飾りなのか、その区別もつかないんですけど、なかなか手の込んだ装飾がなされていて、へぇこのくらいの値段で買えるのか〜と通るたびに眺めているのです。
アリスに足りないのは、現実感よりもロジック(教訓)かも?なんて思ったりします。最後まで読んでも、いったい何を言いたい話なのだ?って思いますから。子どもにお話をせがまれた大人が、苦し紛れにあれこれぶち込んで作り上げた話みたい(笑)。
近所のアラブ系食材店の店先に小ぶりの水タバコ装置が飾ってあって、たしか20ユーロ台でした。あれが本当に実用品なのか、それともただの飾りなのか、その区別もつかないんですけど、なかなか手の込んだ装飾がなされていて、へぇこのくらいの値段で買えるのか〜と通るたびに眺めているのです。
アリスに足りないのは、現実感よりもロジック(教訓)かも?なんて思ったりします。最後まで読んでも、いったい何を言いたい話なのだ?って思いますから。子どもにお話をせがまれた大人が、苦し紛れにあれこれぶち込んで作り上げた話みたい(笑)。
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poirier_AAA at 2016-09-23 20:00
> Mtonosamaさん、こんにちは。
フランス縦断、スペイン縦断して、ジブラルタル海峡をフェリーで渡り、向こうに着いてからもまたひた走る、なんかロマンがありますよね。現実的には運転手は相当大変だと思いますが。
ひぃ、海峡を泳ぎ渡っちゃう人がいるんですか?
ドーバー海峡とか津軽海峡とか寒くないのでしょうか?
ジブラルタルだって片側は大西洋ですから(大西洋は冷たくて風もある)大変そうですよ。
あと、フェリーに轢かれたりする危険はないのでしょうか?
すごい人がいるのですね。。。。。びっくりです。
フランス縦断、スペイン縦断して、ジブラルタル海峡をフェリーで渡り、向こうに着いてからもまたひた走る、なんかロマンがありますよね。現実的には運転手は相当大変だと思いますが。
ひぃ、海峡を泳ぎ渡っちゃう人がいるんですか?
ドーバー海峡とか津軽海峡とか寒くないのでしょうか?
ジブラルタルだって片側は大西洋ですから(大西洋は冷たくて風もある)大変そうですよ。
あと、フェリーに轢かれたりする危険はないのでしょうか?
すごい人がいるのですね。。。。。びっくりです。