2016年 03月 23日
少しずつ世界を見る |
ブリュッセルでテロがあったことを、昨日の午後子どもに話しました。
空港もメトロも、子どもたちにはわりあい身近な場所です。
どこでどんなふうに爆発したのかを説明すると、
かなり現実味を持って想像できるようで、とても怖がります。
そして、最後は必ずこの問いが残ります。
どうして自爆しようと考える人がいるのだろう?
自分の命より、不特定多数の人を殺すことの方が大事なの?
フランスとかその周辺だと自爆テロ事件が多いよね。
日本はそんなことないんでしょ? 日本ではテロなんてないよね。
そう聞かれたので、20年前の地下鉄サリン事件のことを話しました。
東京の地下鉄も知らない場所ではないので、とても驚いていました。
誰がどうしてそんなことをしようと考えたのか、
どんなふうに事が起きたのか、
犯人はガスで死ななかったのか、
どのくらいの人が被害にあったのか、
犯人たちはどうなったのか、
矢継ぎ早にいろいろなことを質問されました。
子どもたちが一番知りたがったのは、犯人たちがどう裁かれたか、でした。
死刑判決を受けた人、無期懲役判決を受けた人、
その両方がいることを説明しました。
死刑判決が出ても、すぐに刑が執行されるわけではないこと、
死刑に関しては国によって考え方の違いがあることなどを簡単に話しました。
息子Aは、死刑は良くないと思う、と言いました。
息子Bは、それだけ悪いことをしたということじゃないか、と言いました。
それで2人で自然に死刑賛成反対の議論を始めたのを、
わたしはとても興味深く聞きました。
小学4年生の息子たちは、科学の授業でちょうど地震や津波の勉強をしています。
ちょうどいい機会だと思ったので、
5年前に日本で起きたことの話を、あらためてしました。
大きな地震があったこと。
そのあと大きな津波が来たこと。
その大きな津波で、人や町が波にのまれたこと。
そして原発で問題が起きたこと。
津波のせいで家族を亡くしたり、家を失った人がいると知り、
子どもは2人とも心底恐怖を感じたようです。
歩きながら話していたのですが、手をつなごうと言い出しました。
その一方で、どうしてそんなことになってしまったんだろう?
そう問いがわきあがってくるのが止められません。
津波が来たとき、どうやったらみんなが逃げられたんだろう?
原発はどうなるのかな?
同じような地震と津波が来たら、また同じことが起こるのかな?
昨日は重い話がたまたま3つも重なってしまい、辛くなったようです。
こういう話をするのは、いまはちょっと止めようよ。
そう言って、2人は子どもの世界(レゴの世界?)に戻って行きました。
世の中で起きている悲しいことの話を子どもにするとき、
わたしは自分の意見は最初は言いません。
あったことだけ、知っている事実だけを話します。
すると子どもたちは、ごくごく自然に本質を突く問いを発し始めるのです。
問いはオープンなままで残ればいいと思っています。
そうやって、どうしてかな?本当にそれでいいのかな?と考えていけばいい。
うちの子たちはまだまだ精神的に幼いし、特に怖がりでもあるので、
世の中で起きていることを知るのが怖くてたまりません。
でもそのくせ、何が起きているのかを知りたいという強い欲も見せます。
外に出て、すこし外の風にあたって、
あわてて首を引っ込めて巣穴に戻る小さな動物のようです。
そうやって少しずつ外に慣れて、
でも、一方ではいつでも逃げ込める安心な巣穴を持って、
それで子どもは大きくなっていくのかな、
そんなふうに思ったことでした。
空港もメトロも、子どもたちにはわりあい身近な場所です。
どこでどんなふうに爆発したのかを説明すると、
かなり現実味を持って想像できるようで、とても怖がります。
そして、最後は必ずこの問いが残ります。
どうして自爆しようと考える人がいるのだろう?
自分の命より、不特定多数の人を殺すことの方が大事なの?
フランスとかその周辺だと自爆テロ事件が多いよね。
日本はそんなことないんでしょ? 日本ではテロなんてないよね。
そう聞かれたので、20年前の地下鉄サリン事件のことを話しました。
東京の地下鉄も知らない場所ではないので、とても驚いていました。
誰がどうしてそんなことをしようと考えたのか、
どんなふうに事が起きたのか、
犯人はガスで死ななかったのか、
どのくらいの人が被害にあったのか、
犯人たちはどうなったのか、
矢継ぎ早にいろいろなことを質問されました。
子どもたちが一番知りたがったのは、犯人たちがどう裁かれたか、でした。
死刑判決を受けた人、無期懲役判決を受けた人、
その両方がいることを説明しました。
死刑判決が出ても、すぐに刑が執行されるわけではないこと、
死刑に関しては国によって考え方の違いがあることなどを簡単に話しました。
息子Aは、死刑は良くないと思う、と言いました。
息子Bは、それだけ悪いことをしたということじゃないか、と言いました。
それで2人で自然に死刑賛成反対の議論を始めたのを、
わたしはとても興味深く聞きました。
小学4年生の息子たちは、科学の授業でちょうど地震や津波の勉強をしています。
ちょうどいい機会だと思ったので、
5年前に日本で起きたことの話を、あらためてしました。
大きな地震があったこと。
そのあと大きな津波が来たこと。
その大きな津波で、人や町が波にのまれたこと。
そして原発で問題が起きたこと。
津波のせいで家族を亡くしたり、家を失った人がいると知り、
子どもは2人とも心底恐怖を感じたようです。
歩きながら話していたのですが、手をつなごうと言い出しました。
その一方で、どうしてそんなことになってしまったんだろう?
そう問いがわきあがってくるのが止められません。
津波が来たとき、どうやったらみんなが逃げられたんだろう?
原発はどうなるのかな?
同じような地震と津波が来たら、また同じことが起こるのかな?
昨日は重い話がたまたま3つも重なってしまい、辛くなったようです。
こういう話をするのは、いまはちょっと止めようよ。
そう言って、2人は子どもの世界(レゴの世界?)に戻って行きました。
世の中で起きている悲しいことの話を子どもにするとき、
わたしは自分の意見は最初は言いません。
あったことだけ、知っている事実だけを話します。
すると子どもたちは、ごくごく自然に本質を突く問いを発し始めるのです。
問いはオープンなままで残ればいいと思っています。
そうやって、どうしてかな?本当にそれでいいのかな?と考えていけばいい。
うちの子たちはまだまだ精神的に幼いし、特に怖がりでもあるので、
世の中で起きていることを知るのが怖くてたまりません。
でもそのくせ、何が起きているのかを知りたいという強い欲も見せます。
外に出て、すこし外の風にあたって、
あわてて首を引っ込めて巣穴に戻る小さな動物のようです。
そうやって少しずつ外に慣れて、
でも、一方ではいつでも逃げ込める安心な巣穴を持って、
それで子どもは大きくなっていくのかな、
そんなふうに思ったことでした。
by poirier_AAA
| 2016-03-23 18:43
| 子どもと暮らす
|
Comments(8)
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saheizi-inokori at 2016-03-23 21:15
素晴らしい教育だと思います。
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kanafr at 2016-03-24 07:36
まずは子供達に事実だけを伝えて、考えさす。これってとっても大事な事だと思います。
沢山質問をしながら、考え、そして又ちょっと質問をし考える...それが凄く必要ですもの。
あの11月のテロの後、多くの学校でこんな風に指導したという話を聞きました。
子供の質問は、いつでも自然に本質を突く...私もそう思います。
お子さん達にとって、最高の教育をされるいいお母様ですね。
沢山質問をしながら、考え、そして又ちょっと質問をし考える...それが凄く必要ですもの。
あの11月のテロの後、多くの学校でこんな風に指導したという話を聞きました。
子供の質問は、いつでも自然に本質を突く...私もそう思います。
お子さん達にとって、最高の教育をされるいいお母様ですね。
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poirier_AAA at 2016-03-24 16:37
>saheiziさん、こんにちは。
これが教育なのでしょうか?
大人が子どもと話す、子どもに伝える、それだけのこと、ずっとむかしから人種国籍を問わず人が続けてきたことです。
そういうごく自然な行為が「教育」と呼ばれることに、わたしは不自然さを感じてしまうのですが。
これが教育なのでしょうか?
大人が子どもと話す、子どもに伝える、それだけのこと、ずっとむかしから人種国籍を問わず人が続けてきたことです。
そういうごく自然な行為が「教育」と呼ばれることに、わたしは不自然さを感じてしまうのですが。
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poirier_AAA at 2016-03-24 16:47
>kanafrさん、こんにちは。
考えることって大事ですよね。大人が変に誘導しないことで、子どもは一人でどんどん考えを積み上げていくような気がします。
テロがあったりすると、いつも思うのです。こういう行為に及んだ人は、果たして自問自答をしていたのだろうか?と。前に少年兵になった人の話を読んだことがあるのですが、小さい頃からそういう環境に引き込まれてしまうと、考えるとか自問するとか、そういうことをしないのに慣れてしまうようですね。だから他の人がどう呼びかけてもなかなか心に届かない。そういう人たちにとって、自分をみつめるというのはものすごく怖いことに感じるかもしれない、と思います。
考えることって大事ですよね。大人が変に誘導しないことで、子どもは一人でどんどん考えを積み上げていくような気がします。
テロがあったりすると、いつも思うのです。こういう行為に及んだ人は、果たして自問自答をしていたのだろうか?と。前に少年兵になった人の話を読んだことがあるのですが、小さい頃からそういう環境に引き込まれてしまうと、考えるとか自問するとか、そういうことをしないのに慣れてしまうようですね。だから他の人がどう呼びかけてもなかなか心に届かない。そういう人たちにとって、自分をみつめるというのはものすごく怖いことに感じるかもしれない、と思います。
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saheizi-inokori at 2016-03-24 21:53
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poirier_AAA at 2016-03-25 02:22
>saheiziさん、こんにちは。
あはは、じつはわたしも。
佐平治さんなら、こういうことを言われるかもと先を読みながら書いていらっしゃるかもしれないなぁと思いながら書きました。
最近、「教育」という言葉を聞くと「洗脳」に近いイメージで感じられるようになって。。。。生きる力をつけるのが教育の本当の目的なんじゃないかなぁと思っているのです。
あはは、じつはわたしも。
佐平治さんなら、こういうことを言われるかもと先を読みながら書いていらっしゃるかもしれないなぁと思いながら書きました。
最近、「教育」という言葉を聞くと「洗脳」に近いイメージで感じられるようになって。。。。生きる力をつけるのが教育の本当の目的なんじゃないかなぁと思っているのです。
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saheizi-inokori at 2016-03-25 10:05
educateって「(力を)引っ張り出す」というような意味だと教えられました。
今の日本の教育は「押しつけ・詰込み」です。
今の日本の教育は「押しつけ・詰込み」です。
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poirier_AAA at 2016-03-25 19:19
>saheiziさん、こんにちは。
フランスの学校がかなりゆるいせいもあるのですが、日本の学校って大変そうだなぁと思うことが多いです。
ポルトガルの田舎にいくと60代以上の人の中に小学校4年間しか勉強していないという人がゴロゴロいるのです。でも、そういう人たちがごくごく真っ当に生きているわけで、、、、時代が違うといってしまえばそれまでですけれど、学校ってなんだろうとあらためて考えたくなります。
フランスの学校がかなりゆるいせいもあるのですが、日本の学校って大変そうだなぁと思うことが多いです。
ポルトガルの田舎にいくと60代以上の人の中に小学校4年間しか勉強していないという人がゴロゴロいるのです。でも、そういう人たちがごくごく真っ当に生きているわけで、、、、時代が違うといってしまえばそれまでですけれど、学校ってなんだろうとあらためて考えたくなります。