2015年 06月 08日
6月 |
パリに住んでいると、6月は「fou(気狂い)」の月だと思う。
夏らしさが増せば増すほど、
女たちはこぞって肌を出し、
男も女もできるだけ陽の当たる場所に長くいようとする。
もうじきヴァカンスだというムードがむんむんと漂い始める。
と同時に学生たちもちょっとおかしくなる。
近所のおばさんと話していたら、
そこの娘さんは高校生だそうだが、もう今週から夏休みだそうだ。
ええっ、まだ6月になったばかりじゃありませんか!と思うのだが、
もう授業は終わりだそうだ。
授業が終ったティーネージャーたちは、
これでしばらく学校から解放される〜っとばかりに一気に緩んで、
着ぐるみパーティをする者もあれば、
卵の投げ合い、水の掛け合いで顰蹙をかう者もあり。
道ばたで突如奇声を発して通行人をギョッとさせたかと思えば、
気安い飲食店で傍若無人な態度で騒いだりもする。
自分たちも通って来た道だと思うからか、
まわりの大人たちも、そういう若者たちを比較的温かく見守っている。
ところで、わたしは若者の「自分が世界の中心」みたいな態度が嫌いだ。
若さというのは傍若無人なものだと思うし、
だからこそ若さなのだと思うし、そうでなくてはとも思う。
でも、老人も目の悪い人も歩いている公道で卵を投げるか?
赤ちゃんがよちよち歩いている公園でびゅんびゅん走り回るか?
こういう発散の仕方は甘やかされた子どものおふざけじゃないかと思う。
子どもを学校に送って行く途中、
道のわきでたむろしていた女学生の一人がいきなり奇声を発し、
足下に置いてあった空き缶をがんがんと踏みつぶしたかと思ったら、
それを思いっきり車道に向かって蹴った。
空き缶はわたしたちのすぐ傍をかすめて飛んで行った。
息子たちは目が点である。
ねぇ、なんであんなことするの?
さあねぇ、あんまり勉強し過ぎてタガが外れたんでしょ、きっと。
それ、変じゃない? 勉強すると頭がおかしくなるの?
あんまり頭を使い過ぎたんでしょ。
ひとつのことを一所懸命に思い詰めてやると、ときどきそうなるんだよ。
頭がおかしくなるほど何かに集中したことがない息子たちには、
とうてい想像の及ばない世界である。
息子たちはしばらく考えた末にこう問うた。
ねぇ、ぼくたちも大きくなったらああいうことすると思う?
さぁねぇ。
命の危険がなくて人に迷惑をかけないなら、多少羽目を外してもいいと思うけど、
卵でべたべたになった服を洗わされるのはごめんだから。
自分で汚したものは自分で全部きれいにしてよね。
それならわたしは何も言わない。
息子Aがニッコリしていった。
ボク、そういうことは絶対にしないよ。
だからママン、ボクの服をずっと洗っていいからね。
ボクの服をずっと洗っていいからね、って、
あなたはなんて微妙な日本語を使うの。。。。。
太陽がぎらぎら輝き、木々の緑が目に眩しい。
この、命が燃え立つような時期、
わたしの頭もなんだかざわざわと波だって落ち着かない。
夏だ、夏だ、命を燃やせ!
体中が自然の呼び声に応えて浮き足立っているような気がする。
夏らしさが増せば増すほど、
女たちはこぞって肌を出し、
男も女もできるだけ陽の当たる場所に長くいようとする。
もうじきヴァカンスだというムードがむんむんと漂い始める。
と同時に学生たちもちょっとおかしくなる。
近所のおばさんと話していたら、
そこの娘さんは高校生だそうだが、もう今週から夏休みだそうだ。
ええっ、まだ6月になったばかりじゃありませんか!と思うのだが、
もう授業は終わりだそうだ。
授業が終ったティーネージャーたちは、
これでしばらく学校から解放される〜っとばかりに一気に緩んで、
着ぐるみパーティをする者もあれば、
卵の投げ合い、水の掛け合いで顰蹙をかう者もあり。
道ばたで突如奇声を発して通行人をギョッとさせたかと思えば、
気安い飲食店で傍若無人な態度で騒いだりもする。
自分たちも通って来た道だと思うからか、
まわりの大人たちも、そういう若者たちを比較的温かく見守っている。
ところで、わたしは若者の「自分が世界の中心」みたいな態度が嫌いだ。
若さというのは傍若無人なものだと思うし、
だからこそ若さなのだと思うし、そうでなくてはとも思う。
でも、老人も目の悪い人も歩いている公道で卵を投げるか?
赤ちゃんがよちよち歩いている公園でびゅんびゅん走り回るか?
こういう発散の仕方は甘やかされた子どものおふざけじゃないかと思う。
子どもを学校に送って行く途中、
道のわきでたむろしていた女学生の一人がいきなり奇声を発し、
足下に置いてあった空き缶をがんがんと踏みつぶしたかと思ったら、
それを思いっきり車道に向かって蹴った。
空き缶はわたしたちのすぐ傍をかすめて飛んで行った。
息子たちは目が点である。
ねぇ、なんであんなことするの?
さあねぇ、あんまり勉強し過ぎてタガが外れたんでしょ、きっと。
それ、変じゃない? 勉強すると頭がおかしくなるの?
あんまり頭を使い過ぎたんでしょ。
ひとつのことを一所懸命に思い詰めてやると、ときどきそうなるんだよ。
頭がおかしくなるほど何かに集中したことがない息子たちには、
とうてい想像の及ばない世界である。
息子たちはしばらく考えた末にこう問うた。
ねぇ、ぼくたちも大きくなったらああいうことすると思う?
さぁねぇ。
命の危険がなくて人に迷惑をかけないなら、多少羽目を外してもいいと思うけど、
卵でべたべたになった服を洗わされるのはごめんだから。
自分で汚したものは自分で全部きれいにしてよね。
それならわたしは何も言わない。
息子Aがニッコリしていった。
ボク、そういうことは絶対にしないよ。
だからママン、ボクの服をずっと洗っていいからね。
ボクの服をずっと洗っていいからね、って、
あなたはなんて微妙な日本語を使うの。。。。。
太陽がぎらぎら輝き、木々の緑が目に眩しい。
この、命が燃え立つような時期、
わたしの頭もなんだかざわざわと波だって落ち着かない。
夏だ、夏だ、命を燃やせ!
体中が自然の呼び声に応えて浮き足立っているような気がする。
by poirier_AAA
| 2015-06-08 21:08
| 日々の断片
|
Comments(10)
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Ich
at 2015-06-08 23:31
x
やはり静かになどしていられなくなりますね(^o^)/
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Mtonosama at 2015-06-09 06:13
ゴダール監督の『きちがいピエロ』を思い出してしまいました。
大学生の頃、夢中になったのに、
30過ぎて、もう一度映画館へ観に行った時、
あの頃の興奮と熱狂が消えうせていました。
人生ってこういうことか・・・
と寂しくなりました。
若いということはやっぱり特権なのでしょうね。
大学生の頃、夢中になったのに、
30過ぎて、もう一度映画館へ観に行った時、
あの頃の興奮と熱狂が消えうせていました。
人生ってこういうことか・・・
と寂しくなりました。
若いということはやっぱり特権なのでしょうね。
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アユーシャ
at 2015-06-09 17:00
x
私も超ミニミニスカートをはいて歩いています。卵は勿体ないから投げないけれど。
こちらの学校も今週最終週で、もう夏休みにしちゃってる家庭もちらほら。暑いのに学校に通わせるなんて!という考えもあるんですね。
Aくんの言葉が面白い。ふふふ。
こちらの学校も今週最終週で、もう夏休みにしちゃってる家庭もちらほら。暑いのに学校に通わせるなんて!という考えもあるんですね。
Aくんの言葉が面白い。ふふふ。
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poirier_AAA at 2015-06-09 17:18
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poirier_AAA at 2015-06-09 17:22
>Mtonosamaさん、こんにちは。
特権だと思います。
本人はその時には自覚してないけど、後になって「あれがそうだったか」と思い返すんじゃないでしょうか。そう思うようになった時が若さを失った時なんだろうなぁと思うのです。
若い時でないと味わえないというものが、本にも映画にもあるような気がします。同じように年取ったからこそわかるというのもありますし。両方味わえるのが一番かな、なんて。
特権だと思います。
本人はその時には自覚してないけど、後になって「あれがそうだったか」と思い返すんじゃないでしょうか。そう思うようになった時が若さを失った時なんだろうなぁと思うのです。
若い時でないと味わえないというものが、本にも映画にもあるような気がします。同じように年取ったからこそわかるというのもありますし。両方味わえるのが一番かな、なんて。
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poirier_AAA at 2015-06-09 17:36
>アユーシャさん、こんにちは。
金曜日は33度ほどあったからさすがに最小限の布だけで歩きたくなりましたけど、今週になったら22℃くらい。風が結構あるし日陰は涼しいし、いまひとつ夏服気分は盛り上がらなくて出し惜しみしているところです。この涼しさだから、学校もまだまだ行ってて欲しい(笑)。
息子AはBと比べると日本語があんまりできないのですが、ときどきぽろっと直訳的な面白い台詞を吐くのです。日本語が出来ないからこの言葉、というよりは頭の中がそういう発想なんだろうな。。。
金曜日は33度ほどあったからさすがに最小限の布だけで歩きたくなりましたけど、今週になったら22℃くらい。風が結構あるし日陰は涼しいし、いまひとつ夏服気分は盛り上がらなくて出し惜しみしているところです。この涼しさだから、学校もまだまだ行ってて欲しい(笑)。
息子AはBと比べると日本語があんまりできないのですが、ときどきぽろっと直訳的な面白い台詞を吐くのです。日本語が出来ないからこの言葉、というよりは頭の中がそういう発想なんだろうな。。。
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fusk
at 2015-06-09 17:42
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20年ほど前ですが。
若い男の学生が、老婦人を見て「婆あ、婆あ」っておどけながら悪ぶって?冷やかしたらしい。するとそのご婦人、ぴしゃりと平手で学生の顔を叩き「誰でも歳はとる」と言い返したそうでした。
側で見ていた夫は「おお、フランスのばーさんはやるなあ」とすっきりしたいい気持ちになったと言いました。
若い男の学生が、老婦人を見て「婆あ、婆あ」っておどけながら悪ぶって?冷やかしたらしい。するとそのご婦人、ぴしゃりと平手で学生の顔を叩き「誰でも歳はとる」と言い返したそうでした。
側で見ていた夫は「おお、フランスのばーさんはやるなあ」とすっきりしたいい気持ちになったと言いました。
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poirier_AAA at 2015-06-09 18:31
>fuskさん、こんにちは。
あぁ、それはすっきりしそう(笑)。
でも、今から20年前というところが曲者ではないですか? 聞くところによると、そのくらいまではまだ体罰も結構あったらしいです。でも、今は親からも先生からも体罰を受けたことがない子がほとんどでしょうから、下手に平手打ちなんかしようものなら「なんという野蛮な」という話になりそうな。。。。
うちの近所に学費の高い私立校があるのですが、ここの一部の子どもたちを見ているとお金持ちの家の甘やかされた子どもほど始末に負えないものはない、なんて思ってしまうのです。もうお金の威力がわかっているんでしょうね。公立学校の悪ガキが素直で可愛く見えますよ。
あぁ、それはすっきりしそう(笑)。
でも、今から20年前というところが曲者ではないですか? 聞くところによると、そのくらいまではまだ体罰も結構あったらしいです。でも、今は親からも先生からも体罰を受けたことがない子がほとんどでしょうから、下手に平手打ちなんかしようものなら「なんという野蛮な」という話になりそうな。。。。
うちの近所に学費の高い私立校があるのですが、ここの一部の子どもたちを見ているとお金持ちの家の甘やかされた子どもほど始末に負えないものはない、なんて思ってしまうのです。もうお金の威力がわかっているんでしょうね。公立学校の悪ガキが素直で可愛く見えますよ。
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fusk
at 2015-06-09 18:43
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体罰で思い出しました。
息子が小学校の頃ですから。30数年前。
悪いことを?すると机に手を出さされて、物差しで叩かれたそうですが。
先生が叩く瞬間に手をひっこめて叩きそびれるとお目こぼしになる?これじゃまるでお遊戯ですね。笑。
息子が小学校の頃ですから。30数年前。
悪いことを?すると机に手を出さされて、物差しで叩かれたそうですが。
先生が叩く瞬間に手をひっこめて叩きそびれるとお目こぼしになる?これじゃまるでお遊戯ですね。笑。
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poirier_AAA at 2015-06-09 19:49
>fuskさん、こんにちは。
なんだかネットの調子が悪くて、途中でコメント欄が消えてしまうのです。このお返事を書くのももう6回目ですよ。今度こそ送れますように。
相手に手を叩かれないうちにさっと逃げる、そういう手遊びを子どもに教えてもらいました。わたしの方がトロくていつも逃げ遅れてしまうのですけど。
息子のクラス、はなしに聞くだけでも相当すごい子がいるのです。ビシッと叱る人が身近に居ないんでしょうね。先生も注意するだけで怒らないし。そういう子は平手打ちされても意味がわからないかもしれないな〜なんて思います。
なんだかネットの調子が悪くて、途中でコメント欄が消えてしまうのです。このお返事を書くのももう6回目ですよ。今度こそ送れますように。
相手に手を叩かれないうちにさっと逃げる、そういう手遊びを子どもに教えてもらいました。わたしの方がトロくていつも逃げ遅れてしまうのですけど。
息子のクラス、はなしに聞くだけでも相当すごい子がいるのです。ビシッと叱る人が身近に居ないんでしょうね。先生も注意するだけで怒らないし。そういう子は平手打ちされても意味がわからないかもしれないな〜なんて思います。