2015年 05月 23日
男の子 |
日本に一時帰国したとき、
高校生の男の子を持つ男性と話す機会があった。
高校受験の話から、男の子を勉強させるのは難しいという話になって、
2人でそーだそーだと大いに頷き合ったのがこれ。
「男の子を育てるので難しいのは、待つこと」
「男の子は自分さえその気になれば、放っておいても突き進む」
日本の場合はお母さんたちが子どもの小さい頃から頑張るので、
あまりそういうことは感じないかもしれないが、
あまり頑張らないで育てていると、男の子って糸の切れた凧みたいな感じだ。
ふわ〜り、ふわ〜りと風の向くまま気の向くままに漂って、
自分の足が地面と繋がっていないことにも気がつかない。
目の前の現実は全然目に入らなくて、自分の世界に遊んでしまう。
そうして好きなことは俄然夢中になって、ものすごい集中力でやる。
逆に好きじゃないことには鼻もひっかけない。
やらなければとわかっていても、勉強なんぞ絶対にしたくない。
でも親は、とくに現実的な母親は、ついつい余計な口を出してしまう。
凧のように漂っていたい息子たちを、強引に地面に縛り付けようとしてしまう。
でも、たぶん、たぶんだけれど、それは男の子を損なうような気がしたのだ。
男の子は子ども時代に、大いに「凧」をやる必要があるんじゃないか。
「凧」をやって、自分が夢中になれることを見つけて、
中学生高校生くらいでようやく目覚めて、そこから一気に駆け上る。
わたしは女感覚で見てしまうからついイライラしてしまうのだけれど、
息子たちを見ていると、確かに自分とは全然違う生き物だと感じるのである。
そんな、秘かに感じていたことに男親側から賛同してもらって、
わたしは少しほっとした。
その人はまた、こんなことを言った。
「男の子は機が熟すまでじっと待ってやらなきゃいけないんだけど、
待ちながらも、いろいろみせてやるのが親の仕事かな、と思うんです」
わたしが専業主婦で家にいることもあり、
息子たちはこれまで、いってみれば母親の世界にどっぷり、
そのつもりはなくとも女の目線で見た世界にどっぷりひたって育って来た。
でも、そろそろ10歳が見えてきた今、何となく思うのだ。
親とは違う男の人がいてくれたらいいのに、と。
父親でもいいのだけれど、
現代の父親のように身近すぎる存在ではなくて、
お互いに距離を保ちながら、親とは全然違う世界とリズムをみせてくれる大人の男。
日本にもポルトガルにも息子たちが慕ってやまない大人の男がいるのだけれど、
残念ながらフランスにはそういう人がいない。
一番長い時間をすごすフランスに、そういう人がいたらいいのだけれどなぁ。
こんなことを書く気になったのは、
4手のピアノの曲を探していて、この動画を見つけたから。
こんな感じの落ち着いた先生がいたらいいかも、なんて思った。
高校生の男の子を持つ男性と話す機会があった。
高校受験の話から、男の子を勉強させるのは難しいという話になって、
2人でそーだそーだと大いに頷き合ったのがこれ。
「男の子を育てるので難しいのは、待つこと」
「男の子は自分さえその気になれば、放っておいても突き進む」
日本の場合はお母さんたちが子どもの小さい頃から頑張るので、
あまりそういうことは感じないかもしれないが、
あまり頑張らないで育てていると、男の子って糸の切れた凧みたいな感じだ。
ふわ〜り、ふわ〜りと風の向くまま気の向くままに漂って、
自分の足が地面と繋がっていないことにも気がつかない。
目の前の現実は全然目に入らなくて、自分の世界に遊んでしまう。
そうして好きなことは俄然夢中になって、ものすごい集中力でやる。
逆に好きじゃないことには鼻もひっかけない。
やらなければとわかっていても、勉強なんぞ絶対にしたくない。
でも親は、とくに現実的な母親は、ついつい余計な口を出してしまう。
凧のように漂っていたい息子たちを、強引に地面に縛り付けようとしてしまう。
でも、たぶん、たぶんだけれど、それは男の子を損なうような気がしたのだ。
男の子は子ども時代に、大いに「凧」をやる必要があるんじゃないか。
「凧」をやって、自分が夢中になれることを見つけて、
中学生高校生くらいでようやく目覚めて、そこから一気に駆け上る。
わたしは女感覚で見てしまうからついイライラしてしまうのだけれど、
息子たちを見ていると、確かに自分とは全然違う生き物だと感じるのである。
そんな、秘かに感じていたことに男親側から賛同してもらって、
わたしは少しほっとした。
その人はまた、こんなことを言った。
「男の子は機が熟すまでじっと待ってやらなきゃいけないんだけど、
待ちながらも、いろいろみせてやるのが親の仕事かな、と思うんです」
わたしが専業主婦で家にいることもあり、
息子たちはこれまで、いってみれば母親の世界にどっぷり、
そのつもりはなくとも女の目線で見た世界にどっぷりひたって育って来た。
でも、そろそろ10歳が見えてきた今、何となく思うのだ。
親とは違う男の人がいてくれたらいいのに、と。
父親でもいいのだけれど、
現代の父親のように身近すぎる存在ではなくて、
お互いに距離を保ちながら、親とは全然違う世界とリズムをみせてくれる大人の男。
日本にもポルトガルにも息子たちが慕ってやまない大人の男がいるのだけれど、
残念ながらフランスにはそういう人がいない。
一番長い時間をすごすフランスに、そういう人がいたらいいのだけれどなぁ。
こんなことを書く気になったのは、
4手のピアノの曲を探していて、この動画を見つけたから。
こんな感じの落ち着いた先生がいたらいいかも、なんて思った。
by poirier_AAA
| 2015-05-23 19:03
| 子どもと暮らす
|
Comments(2)
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by
fusk
at 2015-05-24 00:33
x
私、一応性別では「女」ですが
小さい頃の私なら、ここに書かれている男の子の感じでした。
ふわふわして、自分の好きなことしかやらない。笑。
ついちょっと前まで母が私のことを「好きなことしかやらない」と言ってましたしね。笑。
その割には理屈っぽい?(あっこれも男っぽいか。。)
息子も孫も男だったから。よかったのかもしれない。
女の子なら「うちのお母さんはおかしい」と言われそう。笑。
小さい頃の私なら、ここに書かれている男の子の感じでした。
ふわふわして、自分の好きなことしかやらない。笑。
ついちょっと前まで母が私のことを「好きなことしかやらない」と言ってましたしね。笑。
その割には理屈っぽい?(あっこれも男っぽいか。。)
息子も孫も男だったから。よかったのかもしれない。
女の子なら「うちのお母さんはおかしい」と言われそう。笑。
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Commented
by
poirier_AAA at 2015-05-26 18:22
>fuskさん、こんにちは。
わたしは自分が男っぽいとは思わないですが、子どもが男の子で良かったかもとはよく思っているんですよ。
親戚の女の子が細々とした女の子っぽいおもちゃやコスメ道具、可愛いピンクの人形とかで遊んでいるのを見るたび、ぎゃーこんなのを持って来られたらどうやって遊んだらいいかわからん、なんて思っているのです。レゴだのアステリクスだの、あの新幹線とこの新幹線の違いは云々、だの言われている方が、個人的にはずっと楽です(笑)。
わたしは自分が男っぽいとは思わないですが、子どもが男の子で良かったかもとはよく思っているんですよ。
親戚の女の子が細々とした女の子っぽいおもちゃやコスメ道具、可愛いピンクの人形とかで遊んでいるのを見るたび、ぎゃーこんなのを持って来られたらどうやって遊んだらいいかわからん、なんて思っているのです。レゴだのアステリクスだの、あの新幹線とこの新幹線の違いは云々、だの言われている方が、個人的にはずっと楽です(笑)。