2013年 12月 19日
慌てた話 |
子どもたちが学校で使っているフランス語の読本、
(ちなみに個人所有ではなくて学校の備品。年度の終わりに返却する)
物語、詩、脚本、ノンフィクションなどと項目が別れて、
それぞれに10編程度の作品が納められている。
日本の国語の教科書がやけに道徳的でお子様仕様なのと比べると、
フランスの国語の教材は純粋に言葉による表現を追及している印象。
共感を強要されない風通しの良さが気持ちいい。
息子たちは、中でも脚本が気に入っている。
それぞれ役割分担して読むのが楽しいし、何より話が面白い。
大人が読んでも笑える話。
他にももっと面白い話があるかもしれないと、
図書館で脚本を探してみることになった。
子どもコーナーにも、ちゃんと脚本コーナーってあるのです。
短くて面白そうな雰囲気の本を数冊選んで借りて来た。
夕食後、そのうちの1冊を選んで役割を決めて読み始めた。
2頁くらい進んだ時、あれ?とイヤな予感が頭をかすめた。
「パパはママのおへそに息を吹き込むらしい」
「それって多分苦しいんだと思う。ときどきうめき声が聞こえるから」
「でも、翌朝のママンはすごく機嫌がいいから、きっと体にいいことなんだ」
場面が変わってパパとママンの2人の会話になる。
「キミはまだあの子に話していないんだね」
「卵の話まではしたんだけど、、、、」
「駄目だよ、それじゃ。何か嗅ぎ付けているみたいだもの」
「あなた話してよ。男同士で話した方がいいでしょ?」
あー、やっぱり。
パパが男の子になかなか説明できなくてグズグズしている場面になったので、
これ、なかなか進まなくて面白くないから他の本にしようよ、
我が儘を言って強引に本を取り替えた。
2冊目はもっとわかりやすい言葉遊びの脚本だったので、
子どもたちはあっという間に夢中になって、1冊目の本のことを忘れてしまった。
赤ちゃんってどこからくるの、とか、
どうして男と女は体が違うの、とか、
我が家でもたびたび質問がされることがあって、
そんなときは嘘にならない範囲で説明している。
(キャベツ畑に探しに行くとか、こうのとりが連れてくるとかは言わない)
だから話としては決して唐突ではないんだけれど、
こんなふうに本を書いた人のリズムと理屈で説明されるのは、
ちょっと困っちゃうな、と思ったのである。
それぞれの子の成長に相応しいタイミングがあると思うし。
一緒に笑いたくて読み始めた本なのに、
なんと「赤ちゃんはどこから来る」の話が始まってしまって、
あーびっくりしたなぁ、もう。
どんな話なのか、とりあえず最後まで読んでみようっと。
(ちなみに個人所有ではなくて学校の備品。年度の終わりに返却する)
物語、詩、脚本、ノンフィクションなどと項目が別れて、
それぞれに10編程度の作品が納められている。
日本の国語の教科書がやけに道徳的でお子様仕様なのと比べると、
フランスの国語の教材は純粋に言葉による表現を追及している印象。
共感を強要されない風通しの良さが気持ちいい。
息子たちは、中でも脚本が気に入っている。
それぞれ役割分担して読むのが楽しいし、何より話が面白い。
大人が読んでも笑える話。
他にももっと面白い話があるかもしれないと、
図書館で脚本を探してみることになった。
子どもコーナーにも、ちゃんと脚本コーナーってあるのです。
短くて面白そうな雰囲気の本を数冊選んで借りて来た。
夕食後、そのうちの1冊を選んで役割を決めて読み始めた。
2頁くらい進んだ時、あれ?とイヤな予感が頭をかすめた。
「パパはママのおへそに息を吹き込むらしい」
「それって多分苦しいんだと思う。ときどきうめき声が聞こえるから」
「でも、翌朝のママンはすごく機嫌がいいから、きっと体にいいことなんだ」
場面が変わってパパとママンの2人の会話になる。
「キミはまだあの子に話していないんだね」
「卵の話まではしたんだけど、、、、」
「駄目だよ、それじゃ。何か嗅ぎ付けているみたいだもの」
「あなた話してよ。男同士で話した方がいいでしょ?」
あー、やっぱり。
パパが男の子になかなか説明できなくてグズグズしている場面になったので、
これ、なかなか進まなくて面白くないから他の本にしようよ、
我が儘を言って強引に本を取り替えた。
2冊目はもっとわかりやすい言葉遊びの脚本だったので、
子どもたちはあっという間に夢中になって、1冊目の本のことを忘れてしまった。
赤ちゃんってどこからくるの、とか、
どうして男と女は体が違うの、とか、
我が家でもたびたび質問がされることがあって、
そんなときは嘘にならない範囲で説明している。
(キャベツ畑に探しに行くとか、こうのとりが連れてくるとかは言わない)
だから話としては決して唐突ではないんだけれど、
こんなふうに本を書いた人のリズムと理屈で説明されるのは、
ちょっと困っちゃうな、と思ったのである。
それぞれの子の成長に相応しいタイミングがあると思うし。
一緒に笑いたくて読み始めた本なのに、
なんと「赤ちゃんはどこから来る」の話が始まってしまって、
あーびっくりしたなぁ、もう。
どんな話なのか、とりあえず最後まで読んでみようっと。
by poirier_AAA
| 2013-12-19 17:57
| 子どもと暮らす
|
Comments(8)
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saheizi-inokori at 2013-12-19 18:54
大人が考えるより自然に受け入れるのかもしれないですね。私自身も私の子供たちもなんにも話した記憶はありませんが。
小学校の卒業謝恩会の呼びかけの台本は私が作りました。6年間の思い出をテーマにして同級生にバイオリンでユーモレスクとかBGMを弾かせて得意満面でした。
小学校の卒業謝恩会の呼びかけの台本は私が作りました。6年間の思い出をテーマにして同級生にバイオリンでユーモレスクとかBGMを弾かせて得意満面でした。
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fusk
at 2013-12-19 19:45
x
男の子はキャベツで女の子は薔薇の中から。。。。
なんて差別的?やなあと思ったものでしたが。笑。
日本から子供を連れて遊びに来た友人が
路上のラブシーンにぶつかると目のやりどころに困るのよね。と言っていました。私は随分慣れましたが。笑。
こう言う話はサンタクロースと同じで、夢も必要だし、
と言って嘘をつくわけにもいかず、タイミングが難しい。
そのうちほっといても判って来るのでしょうけれど。。。。
なんて差別的?やなあと思ったものでしたが。笑。
日本から子供を連れて遊びに来た友人が
路上のラブシーンにぶつかると目のやりどころに困るのよね。と言っていました。私は随分慣れましたが。笑。
こう言う話はサンタクロースと同じで、夢も必要だし、
と言って嘘をつくわけにもいかず、タイミングが難しい。
そのうちほっといても判って来るのでしょうけれど。。。。
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poirier_AAA at 2013-12-20 18:09
>saheiziさん、こんにちは。
わたしもそう思います。特に、親が子どもに性について話すのが難しくてもじもじ困っているような話を、いまわざわざ読む必要はないよな〜と。
なんとヴァイオリンの生演奏付きの謝恩会ですか。洒落てますね。わたしは演劇というと、幼稚園のときに先生が無理矢理全員分の役を作って(そのぶん話も歪曲して)やった「こぶとりじいさん」のことしか覚えていません。
ところで「こぶとりじいさん」と書いて変換しようとしたら一発目に「小太り爺さん」と出て来て、まぁびっくりしました〜。
わたしもそう思います。特に、親が子どもに性について話すのが難しくてもじもじ困っているような話を、いまわざわざ読む必要はないよな〜と。
なんとヴァイオリンの生演奏付きの謝恩会ですか。洒落てますね。わたしは演劇というと、幼稚園のときに先生が無理矢理全員分の役を作って(そのぶん話も歪曲して)やった「こぶとりじいさん」のことしか覚えていません。
ところで「こぶとりじいさん」と書いて変換しようとしたら一発目に「小太り爺さん」と出て来て、まぁびっくりしました〜。
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poirier_AAA at 2013-12-20 18:18
>fuskさん、こんにちは。
えっ、男の子はキャベツで女の子は薔薇なんですか!知りませんでした。全員等しくキャベツ出身だと思っていました。そうか、わたしは花(薔薇)より団子(きゃべつ)系の人間だから、男の子の双子なんて授かってしまったのか。。。。。
そうそう、あちこちで仲良くしる人を見かけますよね。路上だとまだましですが、この間はメトロの向かいの席にあつ〜い2人が座ってきて、あの時はほんとに目のやり場がなくて困りました。しかもそういうときに限って本も持っていなくて(笑)
こちらの子はそういう意味では楽なのかもしれないな、なんて思います。日本人って普段のスキンシップからしてないですものね。
えっ、男の子はキャベツで女の子は薔薇なんですか!知りませんでした。全員等しくキャベツ出身だと思っていました。そうか、わたしは花(薔薇)より団子(きゃべつ)系の人間だから、男の子の双子なんて授かってしまったのか。。。。。
そうそう、あちこちで仲良くしる人を見かけますよね。路上だとまだましですが、この間はメトロの向かいの席にあつ〜い2人が座ってきて、あの時はほんとに目のやり場がなくて困りました。しかもそういうときに限って本も持っていなくて(笑)
こちらの子はそういう意味では楽なのかもしれないな、なんて思います。日本人って普段のスキンシップからしてないですものね。
こんにちは。
その「フランス語の読本」、タイトルとか教えてくださいませんか? 私もぜひ読んでみたいので(梨の木さんが慌てた話だけじゃなく...)。
うちのCE1の子のクラスでは、いろんな絵本を次々読んでいる感じなので、詩とか脚本とかノンフィクションとか、子供向けにどんなのがあるのか、すごく興味があります。
その「フランス語の読本」、タイトルとか教えてくださいませんか? 私もぜひ読んでみたいので(梨の木さんが慌てた話だけじゃなく...)。
うちのCE1の子のクラスでは、いろんな絵本を次々読んでいる感じなので、詩とか脚本とかノンフィクションとか、子供向けにどんなのがあるのか、すごく興味があります。
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kanafr at 2013-12-21 05:26
フランスは、中学生になると学校でちゃんと看護師さんだっか薬剤師さんだったか忘れましたが、学校に来て避妊具を用いて説明してくれますよ。
小さい時から先生に、両親にキスしたりするので、日本から来た子供より普通に見れるみたいですね。だから夏休みに日本人学校に通学した時逆に周りの日本人の同級生達がキスするカップルを見て「エッチ!」「エッチ!」と叫ぶのが№2は不思議でならなかったみたいです。
№2と昔の話を色々話していた時に、「実は小学生の頃...」という事で言ったのは、№2の同級生達の両親のように、子供の前で私達がハグしたり、キスしたりの姿をあまりみないので友人に言ったら「そりゃあ離婚するかもしれない」と言ったとかで凄く心配していたらしいです(苦笑)
小さい時から先生に、両親にキスしたりするので、日本から来た子供より普通に見れるみたいですね。だから夏休みに日本人学校に通学した時逆に周りの日本人の同級生達がキスするカップルを見て「エッチ!」「エッチ!」と叫ぶのが№2は不思議でならなかったみたいです。
№2と昔の話を色々話していた時に、「実は小学生の頃...」という事で言ったのは、№2の同級生達の両親のように、子供の前で私達がハグしたり、キスしたりの姿をあまりみないので友人に言ったら「そりゃあ離婚するかもしれない」と言ったとかで凄く心配していたらしいです(苦笑)
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poirier_AAA at 2013-12-21 20:43
>かずひこさん、こんにちは。
Hachette社の「comme un livre: CE1」と言います。調べて見たらアマゾンfrでも扱いがあるようです。上にも書いたように、ここに出てくる昔話とか戯曲などは子どもに対する媚がほとんど感じられず、逆に子どもに少し背伸びをさせて、もっと面白い世界があるんだよと誘うような感じがあって、わたしは気に入っています。
あと、学校で使っているわけではないのですが、先日こんな本を見つけました。「Les 100 plus belles récitations de notre enfance」フランスで教育を受けた人なら、必ずどこかで読んだり勉強したりした記憶のある詩を集めた本です。これもフランス社会の基礎教養を知るという意味で、興味深く読みました。
戯曲ですが、上で慌てた作品は「L'OEUF ET LA POULE」、言葉遊びが面白かったのは「Bonjour; Où sont les mamans?」といいます。お近くの図書館にもあるかもしれません。チャンスがあれば探してみて下さい。
Hachette社の「comme un livre: CE1」と言います。調べて見たらアマゾンfrでも扱いがあるようです。上にも書いたように、ここに出てくる昔話とか戯曲などは子どもに対する媚がほとんど感じられず、逆に子どもに少し背伸びをさせて、もっと面白い世界があるんだよと誘うような感じがあって、わたしは気に入っています。
あと、学校で使っているわけではないのですが、先日こんな本を見つけました。「Les 100 plus belles récitations de notre enfance」フランスで教育を受けた人なら、必ずどこかで読んだり勉強したりした記憶のある詩を集めた本です。これもフランス社会の基礎教養を知るという意味で、興味深く読みました。
戯曲ですが、上で慌てた作品は「L'OEUF ET LA POULE」、言葉遊びが面白かったのは「Bonjour; Où sont les mamans?」といいます。お近くの図書館にもあるかもしれません。チャンスがあれば探してみて下さい。
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poirier_AAA at 2013-12-22 00:57
>kanafrさん、こんにちは。
フランスって、夏になると避妊具のポスターが街中に普通に貼られたりしますよね。あと、男女間のスキンシップが普通に目に入りますし。フランス人にとってのセクシュアリティって、隠したり恥ずかしがったりするものではない自分の大事な一部という感じがあるので、子どもたちも性を受け入れやすいだろうなぁと思います。
そういえば、小学生のとき、女の子だけ体育館に集められて生理の話を聞いたことを思い出しました。ああいう話、男の子にも聞かせればいいのに。隠し事みたいに生理を扱うのがいやでしたね。
スキンシップが愛情を測るための指標なのですね。わたしもあんまり冷たくしないように心がけましょう。
フランスって、夏になると避妊具のポスターが街中に普通に貼られたりしますよね。あと、男女間のスキンシップが普通に目に入りますし。フランス人にとってのセクシュアリティって、隠したり恥ずかしがったりするものではない自分の大事な一部という感じがあるので、子どもたちも性を受け入れやすいだろうなぁと思います。
そういえば、小学生のとき、女の子だけ体育館に集められて生理の話を聞いたことを思い出しました。ああいう話、男の子にも聞かせればいいのに。隠し事みたいに生理を扱うのがいやでしたね。
スキンシップが愛情を測るための指標なのですね。わたしもあんまり冷たくしないように心がけましょう。