2013年 09月 28日
外国語が流暢であるということ |
2020年のオリンピックに関しては、
招致できるかどうかを巡る一連の騒ぎだけでなく、
決まってからは大喜び派と絶望派の溝の深さを思い、
更に、フランスの風刺画を巡ってまきおこった議論を眺め、
ひどくやりきれない気持ちになって、落ち込みからなかなか立ち直れなかった。
そんなわけで、
ネット上で大評判となっていた日仏ハーフ女性の仏語スピーチも、
ようやく最近になって聞いてみる気になった。
ネット上では、彼女のスピーチが勝因だよという声が多い。
日本の心をしっかりと伝えることが出来た、
あの「おもてなし」が素晴らしかった、と。
正直に言うと、(やっかみに聞こえるだろうなぁと思いつつ)
彼女のフランス語はとても「微妙な」感じがしたのだった。
何かとてもひっかかるものがあって、
多くの人と同じように「感動した〜」の域にゆきつかない。
どうしてかなぁとずっと考えていて思いついたのは、
あぁ、あれは日本人のフランス語だったのだ、ということだった。
純粋に音声的な面で見れば、
彼女の発音は日本人の多くのフランス語学習者が憧れる域にあると思う。
でも独特のアクセントがあるのも確か。
わたしは英語の影響かな、と思ったし、同じ音声を聞いていた夫は、
ケベックの人かな?いやそうじゃない?これはどこのアクセントだ?
とひどく混乱した顔をしていた。
でも、アクセントがあることはまったく問題ではない。
それよりも気になったのは、フレーズのリズム感と、
文章の組み立て(アピールの仕方)だった。
声の抑揚の付け方が、はっきりと日本の女性アナウンサー調で、
フレーズのリズム感もフランス語と言うよりは日本語に近い。
そして、あの話の持って行き方も日本人向けだ、と思った。
少なくともフランス人は、あれでは説得できない。
つまり、彼女はフランス語をしゃべっていたけれど、
その中身は完全に「日本語&日本社会モード」だったと思うのだ。
ハーフであることを生かして仕事をしている人でも、
土台は紛れもなく日本で、日本社会に根を張って生きているということだ。
とても不思議な感じがするけれど、ときどきそういうことが起こる。
音声的、語彙的には完全な外国語と言えるのに、
内容とかポイントの置き方などで、その言葉を使う人達に上手く通じない。
欧州人が彼女と話すことがあれば、
間違いなくフランス語が流暢な日本人だ、と思うだろう。
決して日本語が流暢なフランス人とは感じないはず。
逆にいえば、語学教室の先生も真っ青のカタカナ外国語でも、
話の運び方や説得の仕方などが「そちら風」であれば、
相手はふむふむと敬意を持って真剣に聞いてくれるだろうと思う。
これは日本人が良く言うところの
「これだけ頑張ったんだから気持ちは通じるはず」
という世界とはまったく違う話で、
ある部分は技術でもあると思うし、習慣化した思考方法の問題でもある。
オリジンから考えれば2つの文化を担っても不思議はない彼女が、
実際は紛れもなく日本的なものの考え方で生きている一方で、
これまたオリジンとしては両親ともに日本人の水林章氏が、
顔を見なければ外国人が話しているとはわからない、
とフランス人にいわしめるほど「立派な」フランス語を話してしまう。
どちらが優れているという話ではなく、
人は日頃慣れ親しんでいる環境から大きな影響を受けている、ということだ。
そして、外国語が流暢であるということは、
単に音声的語彙的レヴェルの話では済まず、
いかに相手の思考パターンに乗っ取って確実に言いたいことを伝えられるか、
ということなのだろうなと、あらためて思ったのだった。
招致できるかどうかを巡る一連の騒ぎだけでなく、
決まってからは大喜び派と絶望派の溝の深さを思い、
更に、フランスの風刺画を巡ってまきおこった議論を眺め、
ひどくやりきれない気持ちになって、落ち込みからなかなか立ち直れなかった。
そんなわけで、
ネット上で大評判となっていた日仏ハーフ女性の仏語スピーチも、
ようやく最近になって聞いてみる気になった。
ネット上では、彼女のスピーチが勝因だよという声が多い。
日本の心をしっかりと伝えることが出来た、
あの「おもてなし」が素晴らしかった、と。
正直に言うと、(やっかみに聞こえるだろうなぁと思いつつ)
彼女のフランス語はとても「微妙な」感じがしたのだった。
何かとてもひっかかるものがあって、
多くの人と同じように「感動した〜」の域にゆきつかない。
どうしてかなぁとずっと考えていて思いついたのは、
あぁ、あれは日本人のフランス語だったのだ、ということだった。
純粋に音声的な面で見れば、
彼女の発音は日本人の多くのフランス語学習者が憧れる域にあると思う。
でも独特のアクセントがあるのも確か。
わたしは英語の影響かな、と思ったし、同じ音声を聞いていた夫は、
ケベックの人かな?いやそうじゃない?これはどこのアクセントだ?
とひどく混乱した顔をしていた。
でも、アクセントがあることはまったく問題ではない。
それよりも気になったのは、フレーズのリズム感と、
文章の組み立て(アピールの仕方)だった。
声の抑揚の付け方が、はっきりと日本の女性アナウンサー調で、
フレーズのリズム感もフランス語と言うよりは日本語に近い。
そして、あの話の持って行き方も日本人向けだ、と思った。
少なくともフランス人は、あれでは説得できない。
つまり、彼女はフランス語をしゃべっていたけれど、
その中身は完全に「日本語&日本社会モード」だったと思うのだ。
ハーフであることを生かして仕事をしている人でも、
土台は紛れもなく日本で、日本社会に根を張って生きているということだ。
とても不思議な感じがするけれど、ときどきそういうことが起こる。
音声的、語彙的には完全な外国語と言えるのに、
内容とかポイントの置き方などで、その言葉を使う人達に上手く通じない。
欧州人が彼女と話すことがあれば、
間違いなくフランス語が流暢な日本人だ、と思うだろう。
決して日本語が流暢なフランス人とは感じないはず。
逆にいえば、語学教室の先生も真っ青のカタカナ外国語でも、
話の運び方や説得の仕方などが「そちら風」であれば、
相手はふむふむと敬意を持って真剣に聞いてくれるだろうと思う。
これは日本人が良く言うところの
「これだけ頑張ったんだから気持ちは通じるはず」
という世界とはまったく違う話で、
ある部分は技術でもあると思うし、習慣化した思考方法の問題でもある。
オリジンから考えれば2つの文化を担っても不思議はない彼女が、
実際は紛れもなく日本的なものの考え方で生きている一方で、
これまたオリジンとしては両親ともに日本人の水林章氏が、
顔を見なければ外国人が話しているとはわからない、
とフランス人にいわしめるほど「立派な」フランス語を話してしまう。
どちらが優れているという話ではなく、
人は日頃慣れ親しんでいる環境から大きな影響を受けている、ということだ。
そして、外国語が流暢であるということは、
単に音声的語彙的レヴェルの話では済まず、
いかに相手の思考パターンに乗っ取って確実に言いたいことを伝えられるか、
ということなのだろうなと、あらためて思ったのだった。
by poirier_AAA
| 2013-09-28 21:07
| 言葉と文化のはざま
|
Comments(18)
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kanafr at 2013-09-29 01:38
私はオリンピック開催が決まった時病院にいたんですが、あれほどガッカリした事はありませんでした。
今の日本の状況で、オリンピックはやるべきではないって思っています。
だから安倍さんのスピーチも聞く気がしませんでした。
その日仏ハーフの方のスピーチも私は聞いていないんですが、№2が彼女のスピーチを聞いたらしく「日仏ハーフって言ってるけど、この人のフランス語は、日本人が日本で習ったフランス語だね。両親のどちらかがフランス人なら家庭で話すだろうから、こうはならない筈だけどなあ」と不思議がっていました。
今の日本の状況で、オリンピックはやるべきではないって思っています。
だから安倍さんのスピーチも聞く気がしませんでした。
その日仏ハーフの方のスピーチも私は聞いていないんですが、№2が彼女のスピーチを聞いたらしく「日仏ハーフって言ってるけど、この人のフランス語は、日本人が日本で習ったフランス語だね。両親のどちらかがフランス人なら家庭で話すだろうから、こうはならない筈だけどなあ」と不思議がっていました。
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saheizi-inokori at 2013-09-29 10:23
長野県の人の話を聞いているとどこといって方言もないし変なアクセントもないのに、ああ、長野だなあと懐かしい気持ちが起きることがあります。
話法というか、なかなかうまく説明できないのですが、そこにたしかに山々に囲まれた信濃に育った人がいるのですねえ。
話法というか、なかなかうまく説明できないのですが、そこにたしかに山々に囲まれた信濃に育った人がいるのですねえ。
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ayusha
at 2013-09-30 04:51
x
お久し振りです。
あのスピーチを日本で見ていてフランスの方の反応を伺いたいと思ってました。勝因はスピーチの他にしっかりあるのでしょうね。
今まで日本人は誠実過ぎてチャンスを失うことが度々あったけど、嘘はったりを言って競争に勝つ時代になったのだと思いました。ひ・と・で・な・し、チーン。
あのスピーチを日本で見ていてフランスの方の反応を伺いたいと思ってました。勝因はスピーチの他にしっかりあるのでしょうね。
今まで日本人は誠実過ぎてチャンスを失うことが度々あったけど、嘘はったりを言って競争に勝つ時代になったのだと思いました。ひ・と・で・な・し、チーン。
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poirier_AAA at 2013-09-30 15:37
>kanafrさん、こんにちは。
わたしも、聞いたのはこれと高円宮妃のスピーチだけですね。首相と都知事のは聞く気になりません。プレゼンテーションでみなが真剣に頑張ったから熱意が伝わった、などとあちこちで書かれていますが、あれは日本人が考えるところの熱意でしかなく、他の国の人には酷く無邪気なスピーチに聞こえたのではないかなと思います。
No.2君も同じように感じていたのですね。たぶん家庭内でもほとんどフランス語では会話していないのでしょうね。日仏チャンポンであっても、うちの7歳の息子の方がそういう意味でははるかにフランス人的なものの考え方をしていると感じるくらいですよ。ご両親の一方、フランス出身の方が、日本の生活にかなり順応されているのではないかと思いました。
わたしも、聞いたのはこれと高円宮妃のスピーチだけですね。首相と都知事のは聞く気になりません。プレゼンテーションでみなが真剣に頑張ったから熱意が伝わった、などとあちこちで書かれていますが、あれは日本人が考えるところの熱意でしかなく、他の国の人には酷く無邪気なスピーチに聞こえたのではないかなと思います。
No.2君も同じように感じていたのですね。たぶん家庭内でもほとんどフランス語では会話していないのでしょうね。日仏チャンポンであっても、うちの7歳の息子の方がそういう意味でははるかにフランス人的なものの考え方をしていると感じるくらいですよ。ご両親の一方、フランス出身の方が、日本の生活にかなり順応されているのではないかと思いました。
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poirier_AAA at 2013-09-30 15:41
>saheiziさん、こんにちは。
おっと、それは衝撃的なお話です。同じ日本語圏内でもそういうことを感じられるんですね。わたしはどうかなぁ?関西出身と関東以北出身はなんとなく区別できそうな気もしますが、県単位では難しそうな気がしますよ。
おっと、それは衝撃的なお話です。同じ日本語圏内でもそういうことを感じられるんですね。わたしはどうかなぁ?関西出身と関東以北出身はなんとなく区別できそうな気もしますが、県単位では難しそうな気がしますよ。
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poirier_AAA at 2013-09-30 15:57
>ayushaさん、こんにちは。
お久しぶりです。お元気でしたか?
久しぶりのayusha節で、気分がスカッとしました。
あの仏語スピーチ、当然ながらフランスでは全然話題になっていません。日本だって他の国がどんなスピーチをしたかなんて気にしてませんからね、同じことです。
いや、開催地がプレゼンで決まるなど、信じているのは無邪気な子どもぐらいではないでしょうか。こんなイヴェントのためにジャカジャカお金をかけて肝心の国民には出し渋ってるんですから、普通に考えたら「なにやってるの!?」と思うでしょ。風刺画にクレームしたところで、まともに相手などしてもらえるわけがありません。
お久しぶりです。お元気でしたか?
久しぶりのayusha節で、気分がスカッとしました。
あの仏語スピーチ、当然ながらフランスでは全然話題になっていません。日本だって他の国がどんなスピーチをしたかなんて気にしてませんからね、同じことです。
いや、開催地がプレゼンで決まるなど、信じているのは無邪気な子どもぐらいではないでしょうか。こんなイヴェントのためにジャカジャカお金をかけて肝心の国民には出し渋ってるんですから、普通に考えたら「なにやってるの!?」と思うでしょ。風刺画にクレームしたところで、まともに相手などしてもらえるわけがありません。
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at 2013-09-30 20:58
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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らうとら
at 2013-09-30 21:04
x
こんにちは。
お話のスピーチ、私は全然聞いていないのですが、また聞いたとしても何かを判断できるほどの耳は持ち合わせていませんが、記事を拝読して遥か昔の同じような経験を思い出しました。
その方は血統的には日本人で、日本にお住まいだったのですが、ご主人が確か米国の方で、ある時、ある問題についてどう対処したらよいだろうと尋ねた私に対してのお答えが、発音、文法、語彙は完璧に日本語なのに(日本生まれ/育ちの日本人なのですから当然ですが)、論理の展開と断定の仕方が、これまた完璧に日本語の話法から離れていて、「うわあ、これ話しているのは日本語だけど、頭の中は英語だ」と妙に感心したのを覚えています。
それぞれの言語には、その言語に付随した論理展開構造のようなものがあって、その構造から外れると、たとえ文法や発音は完璧でも、どこかちぐはぐで奇異な印象を与えるおかしな言葉になるのでしょうね。
ところで彼女のスピーチ、ご主人には一瞬ケベッコワに聞こえたのですか(笑)? うちの似非ケベッコワが何と言うか、今度うちの夫にも聞かせてみます。
お話のスピーチ、私は全然聞いていないのですが、また聞いたとしても何かを判断できるほどの耳は持ち合わせていませんが、記事を拝読して遥か昔の同じような経験を思い出しました。
その方は血統的には日本人で、日本にお住まいだったのですが、ご主人が確か米国の方で、ある時、ある問題についてどう対処したらよいだろうと尋ねた私に対してのお答えが、発音、文法、語彙は完璧に日本語なのに(日本生まれ/育ちの日本人なのですから当然ですが)、論理の展開と断定の仕方が、これまた完璧に日本語の話法から離れていて、「うわあ、これ話しているのは日本語だけど、頭の中は英語だ」と妙に感心したのを覚えています。
それぞれの言語には、その言語に付随した論理展開構造のようなものがあって、その構造から外れると、たとえ文法や発音は完璧でも、どこかちぐはぐで奇異な印象を与えるおかしな言葉になるのでしょうね。
ところで彼女のスピーチ、ご主人には一瞬ケベッコワに聞こえたのですか(笑)? うちの似非ケベッコワが何と言うか、今度うちの夫にも聞かせてみます。
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poirier_AAA at 2013-09-30 22:10
>鍵コメさん、こんにちは。
日本人を説得する文章って、なんとなくイメージはつかめるのですけれど巧く説明できません。それに巧く説明したらしたで、非常に角が立ちそうな気もしますし。
わたしは、みんなで理解し合うって幻想じゃないかと思っています。生まれも育ちも生きて来た環境も違う人、つまり利害の一致しない人達の気持ちが1つになるわけなんてないです。
こういうと鍵コメさんは絶望するかもしれないけれど、これは別の見方をすれば、どんな場合でも必ず救いの要素がある、ということでもあると思うんですよ。皆が同じことしか考えないなら、突破口ができませんから。そういう集団は長く生き残れないと思います。
違っていてあたり前、というところから出発するしかないんじゃないでしょうか?
日本人を説得する文章って、なんとなくイメージはつかめるのですけれど巧く説明できません。それに巧く説明したらしたで、非常に角が立ちそうな気もしますし。
わたしは、みんなで理解し合うって幻想じゃないかと思っています。生まれも育ちも生きて来た環境も違う人、つまり利害の一致しない人達の気持ちが1つになるわけなんてないです。
こういうと鍵コメさんは絶望するかもしれないけれど、これは別の見方をすれば、どんな場合でも必ず救いの要素がある、ということでもあると思うんですよ。皆が同じことしか考えないなら、突破口ができませんから。そういう集団は長く生き残れないと思います。
違っていてあたり前、というところから出発するしかないんじゃないでしょうか?
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poirier_AAA at 2013-09-30 22:21
>らうとらさん、こんにちは。
まさにおっしゃるとおりなのです。彼女の場合、容器はフランス語であるにもかかわらず、内容物は(わたしには)完全な日本語と聞こえたので、最初に聞いたときは非常に混乱しました。
このスピーチ、ほとんどの動画が同時通訳音声がかぶってしまっているのですが、わずかですが字幕のものも存在します。探すときは「字幕付き」と指定して下さいね。これが一瞬ケベコワに聞こえたのは、きっとちょっと英語風の発音があったからだと思うんです。
ところで、きっと中国語になるとまた発想が変わって来るのでしょうね。中国語はそれでも主語+動詞が先にくるタイプの言葉なので、少しは西洋語の発想(メンタル)に近いのでしょうか?
まさにおっしゃるとおりなのです。彼女の場合、容器はフランス語であるにもかかわらず、内容物は(わたしには)完全な日本語と聞こえたので、最初に聞いたときは非常に混乱しました。
このスピーチ、ほとんどの動画が同時通訳音声がかぶってしまっているのですが、わずかですが字幕のものも存在します。探すときは「字幕付き」と指定して下さいね。これが一瞬ケベコワに聞こえたのは、きっとちょっと英語風の発音があったからだと思うんです。
ところで、きっと中国語になるとまた発想が変わって来るのでしょうね。中国語はそれでも主語+動詞が先にくるタイプの言葉なので、少しは西洋語の発想(メンタル)に近いのでしょうか?
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milletti_naoko at 2013-10-01 03:36
Poirier_AAAさん、こんばんは。私も、東京オリンピックのニュースには、ひどくやり切れない気持ちになりました。最近は仕事や旅行で慌しかったこともあり、日本のプレゼンテーションがフランス語で行われたとは思いもかけませんでした。私が昔日本の高校で教えていたときも、クラス代表、学年代表の生徒の読む文章には、必ず教員からの作成指導や校正、読み方の練習がありましたので、今回のプレゼンテーションもきっと上部からの指導が入っているはずで、スピーチをされた方のイントネーションはともかくとして、世界に向かっての発信でありながら、日本的な思考やコミュニケーションの枠から抜け出せないでいるのは、ひょっとしたら、そういう指導をした方たち、そしてそういう人たちの考えの基盤を作り出した、日本の問題の多い国際化と外国語教育なのではないかという気がしました。
オリンピックよりも、まずは、国の政策自体も大きな原因の一つとして生み出された災害に、調子のいい言葉ばかり並べずに、本当に被災地の方や日本に住む方々のために、真剣に取り組み、できるだけ問題を解決するべきでしょうに……
オリンピックよりも、まずは、国の政策自体も大きな原因の一つとして生み出された災害に、調子のいい言葉ばかり並べずに、本当に被災地の方や日本に住む方々のために、真剣に取り組み、できるだけ問題を解決するべきでしょうに……
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mj
at 2013-10-01 04:00
x
大変ご無沙汰しております。お変わりありませんでしょうか。
仏語でのプレゼン、興味を惹かれ、動画チェックしていました。梨の木さんの様に色々な「?」をまとめることはできませんでしたが、「おぉ凄いー」とは思えなかった(自分のことはおいておいて、ですが、勿論)のでした。先日、友人たちと、このプレゼンの話になり、感想を求められてしまったため、思ったとおり答えたものの、自分の感想にイマイチ自信もなかったのですが、こちら読んで安心しました!!
仏語でのプレゼン、興味を惹かれ、動画チェックしていました。梨の木さんの様に色々な「?」をまとめることはできませんでしたが、「おぉ凄いー」とは思えなかった(自分のことはおいておいて、ですが、勿論)のでした。先日、友人たちと、このプレゼンの話になり、感想を求められてしまったため、思ったとおり答えたものの、自分の感想にイマイチ自信もなかったのですが、こちら読んで安心しました!!
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fusk
at 2013-10-01 07:57
x
私もスピーチはまったく聞いて無くて
実は招致に立候補しているのも直前迄知りませんでした。
なんと世間から遠ざかっているか。。。って思いました。笑。
外国語を話す時に、確かに流暢に話すと言うのは素晴らしいことなんですが。
ただ単に流暢だけでは何もならない、内容が伴わなければといつも思います。
このスピーチでも幾らかそう言う感じだったのかな?と想像したりもしました。
それにしても日本のテレヴィのアナウンサーの特に女性の話し方はわざと没個性にしているのでしょうけれど。奇妙な感じがします。
私が大阪人で日本から長く離れているからかもしれませんが。
実は招致に立候補しているのも直前迄知りませんでした。
なんと世間から遠ざかっているか。。。って思いました。笑。
外国語を話す時に、確かに流暢に話すと言うのは素晴らしいことなんですが。
ただ単に流暢だけでは何もならない、内容が伴わなければといつも思います。
このスピーチでも幾らかそう言う感じだったのかな?と想像したりもしました。
それにしても日本のテレヴィのアナウンサーの特に女性の話し方はわざと没個性にしているのでしょうけれど。奇妙な感じがします。
私が大阪人で日本から長く離れているからかもしれませんが。
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らうとら
at 2013-10-01 09:00
x
うーん、中→英翻訳が専門の夫が時々漏らす愚痴から推察すると、中国語の論理展開が西洋語に近いということはなさそうです。ちょっと端折り過ぎた説明ではありますが、中国語の文章は無味乾燥中立的であるべき法務分野のものですら、正確な記述より文章としての体裁、流麗さを重視する傾向があって、ために論理の展開がなおざりになりがちで、そのまま翻訳したのでは英語の論理になじまないということのようです。
私も昔、毎日、中国語の新聞記事を日訳していて、このまま訳したのでは日本の読者は何が言いたいのかわからないだろうなあ、と思うことが多々ありました。「どうしてここでこういう展開になるわけ?」という文章が多くて。まあこれは中国語の問題ではなくて、記者の質の問題かもしれませんが。
と、偉そうなことを言っている私自身、日本語が身に沁みついてしまっていてその構造から抜けられず、何語を喋っても頭の中は日本語!なのですから、ひとのことをあれこれ言えた義理ではありませんけれどね(笑)
私も昔、毎日、中国語の新聞記事を日訳していて、このまま訳したのでは日本の読者は何が言いたいのかわからないだろうなあ、と思うことが多々ありました。「どうしてここでこういう展開になるわけ?」という文章が多くて。まあこれは中国語の問題ではなくて、記者の質の問題かもしれませんが。
と、偉そうなことを言っている私自身、日本語が身に沁みついてしまっていてその構造から抜けられず、何語を喋っても頭の中は日本語!なのですから、ひとのことをあれこれ言えた義理ではありませんけれどね(笑)
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poirier_AAA at 2013-10-01 16:15
>なおこさん、こんにちは。
そうですね。たしかに今回のスピーチについては必ずや上からのチェックが入っているはずで、となるとやはり「日本の問題の多い国際化と外国語教育」のことを考えないではいられませんね。
わたしは教育者の立場に立ったことはないのですが、日本の国語教育は何をどう伝えるかということをしっかり教える前に、どう感じたかを書きなさいと求められることが多いような気がしているのです。(小学校1年生の国語の教科書からして、そう感じました)そんな国語教育の影響もあって、こうしたスピーチでも裏付けとなる理論展開をすることなく「頑張ります!日本は素晴らしいんです!」的な話に終始してしまうのかな、とも思いました。
オリンピックを招致しようと考えることがそもそも信じられませんが、招致のために首相がわざわざ海外に出向き、英語で一所懸命に日本をアピールする姿を見て、果たして原発事故についてここまで政治家が一所懸命になった姿を一度でも見たことがあっただろうかと苦々しく感じました。そして、そういう首相の姿を見ても怒りが巻き起こらない日本の社会に不安を感じました。
そうですね。たしかに今回のスピーチについては必ずや上からのチェックが入っているはずで、となるとやはり「日本の問題の多い国際化と外国語教育」のことを考えないではいられませんね。
わたしは教育者の立場に立ったことはないのですが、日本の国語教育は何をどう伝えるかということをしっかり教える前に、どう感じたかを書きなさいと求められることが多いような気がしているのです。(小学校1年生の国語の教科書からして、そう感じました)そんな国語教育の影響もあって、こうしたスピーチでも裏付けとなる理論展開をすることなく「頑張ります!日本は素晴らしいんです!」的な話に終始してしまうのかな、とも思いました。
オリンピックを招致しようと考えることがそもそも信じられませんが、招致のために首相がわざわざ海外に出向き、英語で一所懸命に日本をアピールする姿を見て、果たして原発事故についてここまで政治家が一所懸命になった姿を一度でも見たことがあっただろうかと苦々しく感じました。そして、そういう首相の姿を見ても怒りが巻き起こらない日本の社会に不安を感じました。
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poirier_AAA at 2013-10-01 16:21
>mjさん、こんにちは。
こちらこそ、すっかりご無沙汰してしまいました。お元気でお過ごしでしょうか?
やっぱりmjさんも同じように感じられましたか。わたしの意見はあくまでも(自分のことは脇に置いての)「なんとなくこう感じた〜」の話に過ぎませんが、kanafrさんのところのNo.2君が似たような感想を漏らされたそうですから、これはかなり自信を持っても良さそうですよ(笑)
こちらこそ、すっかりご無沙汰してしまいました。お元気でお過ごしでしょうか?
やっぱりmjさんも同じように感じられましたか。わたしの意見はあくまでも(自分のことは脇に置いての)「なんとなくこう感じた〜」の話に過ぎませんが、kanafrさんのところのNo.2君が似たような感想を漏らされたそうですから、これはかなり自信を持っても良さそうですよ(笑)
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poirier_AAA at 2013-10-01 16:30
>fuskさん、こんにちは。
フランスにいると、世間から遠ざかっても普通に生きていられますものね(笑)。みんなが同じ商品や話題に跳びつくこともないですし。わたしも、すっかりこちら流のしずかな生活に慣れてしまいました。
先日日本に一時帰国した時、ニュースを見ていてものすごくショックを受けたんですよ。ニュース番組の女性って「お飾り」なんですよね。可愛くしとやかにしていて、絶妙なタイミングで「そうですよね」と間の手を入れるのが仕事なのかな、と見えました。フランスのニュースやドミュメンタリー番組だと、日本なら「猛女」と呼ばれそうな女性キャスターしかでてきませんものね。
フランスにいると、世間から遠ざかっても普通に生きていられますものね(笑)。みんなが同じ商品や話題に跳びつくこともないですし。わたしも、すっかりこちら流のしずかな生活に慣れてしまいました。
先日日本に一時帰国した時、ニュースを見ていてものすごくショックを受けたんですよ。ニュース番組の女性って「お飾り」なんですよね。可愛くしとやかにしていて、絶妙なタイミングで「そうですよね」と間の手を入れるのが仕事なのかな、と見えました。フランスのニュースやドミュメンタリー番組だと、日本なら「猛女」と呼ばれそうな女性キャスターしかでてきませんものね。
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poirier_AAA at 2013-10-01 16:44
>らうとらさん、こんにちは。
さっそくお返事、ありがとうございます!
とても興味深く拝見しました。
>中国語の文章は無味乾燥中立的であるべき法務分野のものですら、正確な記述より文章としての体裁、流麗さを重視する傾向があって
と言う部分を読みながら、思わず中国の福々しい紳士が朗々と漢詩を吟じている姿を思い浮かべて、微笑ましくなってしまいました。でも、翻訳しなければならない立場に立ったら泣かされるでしょうねぇ。美文を書かねばならぬという意識があるということでしょうか。日本語はそういう意識はすっかり忘れてしまいましたから、とても新鮮に感じました。
日本で生まれ育ったわたしたちは、頭の中が全部日本語でも仕方ないですよね。だってもう最初の1語を使い始めた瞬間から日本語の考え方にどっぷり浸かって生きて来たのですから。誰でも皆そうやって、程度の差こそあれ「母語」に支配されているのではないでしょうか。たまたま母語がロマンス語とかスラヴ語系だと似たような言語で強みを発揮できると言うだけで。
さっそくお返事、ありがとうございます!
とても興味深く拝見しました。
>中国語の文章は無味乾燥中立的であるべき法務分野のものですら、正確な記述より文章としての体裁、流麗さを重視する傾向があって
と言う部分を読みながら、思わず中国の福々しい紳士が朗々と漢詩を吟じている姿を思い浮かべて、微笑ましくなってしまいました。でも、翻訳しなければならない立場に立ったら泣かされるでしょうねぇ。美文を書かねばならぬという意識があるということでしょうか。日本語はそういう意識はすっかり忘れてしまいましたから、とても新鮮に感じました。
日本で生まれ育ったわたしたちは、頭の中が全部日本語でも仕方ないですよね。だってもう最初の1語を使い始めた瞬間から日本語の考え方にどっぷり浸かって生きて来たのですから。誰でも皆そうやって、程度の差こそあれ「母語」に支配されているのではないでしょうか。たまたま母語がロマンス語とかスラヴ語系だと似たような言語で強みを発揮できると言うだけで。