2013年 09月 10日
言葉を発する |
晩ご飯のテーブルで家族揃ってポルトガル語の発音練習遊びをしていたら、
子どもが首の下の辺りを撫でながら言った。
おもしろいよね。
このあたりに言葉を作る機械が入っているみたいだよ。
言葉は頭から来ると思っていたわたしは、
なるほど、子どもはそんなふうに考えるのかとおおいにびっくりした。
確かに「声」として発せられる言葉は肺から声帯、口を通って出る。
首の下あたりは音の源だ。
でも、言葉=音は言葉の在り方の一部でしかない。
まず脳が言葉を選んで、
脳から「この音を音声化せよ!」という指令がとんで、
肺から送り出された空気が声帯を震わせ、
更に口や舌がその音を出すのに必要な形を作って、ようやく形になる。
脳がただしい指令を出さなくても、
肺が息を送らなくても、
口や舌が正しく動かなくても、
音声としての言葉は完成しない。
それを考えると、人間同士が喋ってコミュニケーションをとっていることが、
ほとんど奇跡的な出来事のように感じられる。
だってそうでしょう?
会話がコミュニケーションの手段として成り立つためには
少なくとも話したいと思う相手と自分の
それぞれの体内の機能が立派に連携を果たしていなければ駄目なのだから。
言葉は頭の中に溢れているのに、音としての言葉を発することができない、
発作で体の自由が利かなくなった叔父のような例もあれば、
脳内の言葉も音声化の機能もすべて揃っていても、
耳が良く聞こえなくて自分の音を確認できないために、
求められる音を作るまでに苦労しなければならない人もいる。
ついついあたり前のこととして有り難みも感じずにいてしまうけれど、
「早くしなさいっ」と子どもを声で急かすことができるのも、
「そんなに怒らなくてもわかってるよ」と憎まれ口をたたけるのも、
授かった体がきちんと機能してくれていればこそ。
感謝せねば。
そして、ということは、だ。
外国語を身につけるということは、
1、耳から入った音を正確に再現できるように口を訓練する
2、頭に入っている言葉を瞬時に音として出せるように命令系統を訓練する
という2つの練習をする必要がある、ということじゃない?
これまでの人生のほとんどをどっぷり日本語に浸って育った耳と、
若くてまだまだ固まっていないスポンジみたいな耳では、
機能的な柔軟度は大分違いそうだけれど、まぁドンマイ。
要は筋肉トレーニングみたいなものなのだから、
その動きに体を慣らすこと、それが一番大事なんだと思う。
それにしても、新しい言語の発音を身につけるって大変。
いつになったら自分が出したいと思う音をすぱっと出せるようになるんでしょ?
自分の出している音が全然ポルトガル語っぽく聞こえないので、
がっくりする毎日が続いている。
気長にこつこつ行くべし。
子どもが首の下の辺りを撫でながら言った。
おもしろいよね。
このあたりに言葉を作る機械が入っているみたいだよ。
言葉は頭から来ると思っていたわたしは、
なるほど、子どもはそんなふうに考えるのかとおおいにびっくりした。
確かに「声」として発せられる言葉は肺から声帯、口を通って出る。
首の下あたりは音の源だ。
でも、言葉=音は言葉の在り方の一部でしかない。
まず脳が言葉を選んで、
脳から「この音を音声化せよ!」という指令がとんで、
肺から送り出された空気が声帯を震わせ、
更に口や舌がその音を出すのに必要な形を作って、ようやく形になる。
脳がただしい指令を出さなくても、
肺が息を送らなくても、
口や舌が正しく動かなくても、
音声としての言葉は完成しない。
それを考えると、人間同士が喋ってコミュニケーションをとっていることが、
ほとんど奇跡的な出来事のように感じられる。
だってそうでしょう?
会話がコミュニケーションの手段として成り立つためには
少なくとも話したいと思う相手と自分の
それぞれの体内の機能が立派に連携を果たしていなければ駄目なのだから。
言葉は頭の中に溢れているのに、音としての言葉を発することができない、
発作で体の自由が利かなくなった叔父のような例もあれば、
脳内の言葉も音声化の機能もすべて揃っていても、
耳が良く聞こえなくて自分の音を確認できないために、
求められる音を作るまでに苦労しなければならない人もいる。
ついついあたり前のこととして有り難みも感じずにいてしまうけれど、
「早くしなさいっ」と子どもを声で急かすことができるのも、
「そんなに怒らなくてもわかってるよ」と憎まれ口をたたけるのも、
授かった体がきちんと機能してくれていればこそ。
感謝せねば。
そして、ということは、だ。
外国語を身につけるということは、
1、耳から入った音を正確に再現できるように口を訓練する
2、頭に入っている言葉を瞬時に音として出せるように命令系統を訓練する
という2つの練習をする必要がある、ということじゃない?
これまでの人生のほとんどをどっぷり日本語に浸って育った耳と、
若くてまだまだ固まっていないスポンジみたいな耳では、
機能的な柔軟度は大分違いそうだけれど、まぁドンマイ。
要は筋肉トレーニングみたいなものなのだから、
その動きに体を慣らすこと、それが一番大事なんだと思う。
それにしても、新しい言語の発音を身につけるって大変。
いつになったら自分が出したいと思う音をすぱっと出せるようになるんでしょ?
自分の出している音が全然ポルトガル語っぽく聞こえないので、
がっくりする毎日が続いている。
気長にこつこつ行くべし。
by poirier_AAA
| 2013-09-10 20:46
| 言葉を学ぶ
|
Comments(4)
Commented
by
saheizi-inokori at 2013-09-10 21:06
気管を広げる薬をシューしてるので変なかすれ声になっています。
自分じゃないみたいですよ。
自分じゃないみたいですよ。
0
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by
poirier_AAA at 2013-09-11 16:58
>saheiziさん、こんにちは。
咳がひどいのでしょうか? 季節の変わり目は体調も崩しやすいですから、どうぞお大事になさってくださいね。
わたしもときどき喉をやられて声が出なくなることがあります。自分じゃないみたい!と思いながら、それがちょっと楽しかったりもします。
咳がひどいのでしょうか? 季節の変わり目は体調も崩しやすいですから、どうぞお大事になさってくださいね。
わたしもときどき喉をやられて声が出なくなることがあります。自分じゃないみたい!と思いながら、それがちょっと楽しかったりもします。
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by
saheizi-inokori at 2013-09-12 10:23
若いころの煙草の吸い過ぎでCOPDの軽いやつ。
直らない、進行を止める、といってもあまり手はなさそうです。
直らない、進行を止める、といってもあまり手はなさそうです。
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by
poirier_AAA at 2013-09-12 18:12