2012年 12月 05日
息子の悩み |
昨日、学校に子どもを迎えにいったら、2人揃って深刻な顔をして出て来た。
学校楽しかった?と優しく聞いても、答える顔が引きつっている。
どうしたんだろう、何かいやなことがあったのかしらと心臓がきゅっと縮まる。
と、息子が言う。
今日、学校でペール・ノエルに手紙を書いたの。
(ペール・ノエル=サンタクロース)
で、その手紙を本物のポストに投函したんだよ。
ママン、どうしよう。
ぼくたち、一番欲しいものの絵を描いてちゃんと部屋に貼ってあるのに、
あんな手紙を出したら、欲しくない物が来ちゃうかもしれない。
どうしよう。
どうしょう。
心配し過ぎて、半分泣きそうで半分は真剣に怒っている。
息子たちには悪いけれど、心の中で大笑いしてしまった。
可愛いなぁ。
先日宿題が出たのだ。
クリスマスに欲しい贈り物を3つ書いて来なさい。
息子たちは迷って、抵抗していた。
彼らはもうとっくに貰いたい物を選んでいる。
欲しい物は1つしかない。
3つも書かなくていいんだよ。
他のものなんていらないんだよ。
嘘は書きたくないんだよ。
というのを、宿題だからと説得して無理に3つ書かせた。
それがこの悩みに繋がって来たとは。
息子たちは後悔しているのである。
手紙を書くと知っていたら、レゴの飛行機なんて漠然とした言い方でなく、
レゴシティの○○XX番の飛行機、と特定したのに。
手紙を書くと知っていたら、欲しくない物の名前なんて書かなかったのに。
大人ってひどい。
大事なことはちゃんと教えてよ。
わたしは真剣に説明する。
大丈夫。3つの希望が書いてあったら、ペールノエルだって迷うはず。
でも、家にはちゃんと番号を書いた絵が貼ってあるでしょう。
だからペールノエルは手紙と絵と両方見て、
あぁ、この子は本当にこれが欲しいんだなってわかってくれる。
大丈夫、心配しなくてもいいよ。
10分弱の帰り道、何回も何回も「大丈夫」を繰り返して、
息子たちはようやくうっすらと安心したみたい。
話題は一番の懸念事項を離れて、給食のメニューの話になった。
息子たちは幼い。
両親がいて、家があって好きな食事が出て、大事に守られて生きている。
藤原ていが「流れる星は生きている」の中で書いていたことをふっと思い出す。
満州から5歳と2歳と乳飲み子の3人の子を抱えて逃げた彼女。
乳飲み子を抱いて荷物を持った彼女に、他の子を抱いてやるゆとりは無い。
5歳と2歳の子どもたちは、空きっ腹に靴も無くして歩くのだ。
もう歩けないと泣き出した子を、彼女は激しく叱る。
「なにをぐずぐずしている!」
「泣いたら置いていくぞ!」
「馬鹿! 死んじまえ、馬鹿!」
大人でも苦しい逃避行、5歳と2歳の子が遣り遂げるのだ。
真綿に包まれて育った息子たちは、同じ状況を生き延びられるのだろうか。
そんな苛酷な状況にない穏やかな生活を有難いと思う一方で、
こんなに苦労知らずで大丈夫なのかしらとも思う。
守ってやりたい。
でも、突き放すこともしなければならない。
突き放す機会が向こうからやって来ないのが今の時代の難しさかもしれない。
学校楽しかった?と優しく聞いても、答える顔が引きつっている。
どうしたんだろう、何かいやなことがあったのかしらと心臓がきゅっと縮まる。
と、息子が言う。
今日、学校でペール・ノエルに手紙を書いたの。
(ペール・ノエル=サンタクロース)
で、その手紙を本物のポストに投函したんだよ。
ママン、どうしよう。
ぼくたち、一番欲しいものの絵を描いてちゃんと部屋に貼ってあるのに、
あんな手紙を出したら、欲しくない物が来ちゃうかもしれない。
どうしよう。
どうしょう。
心配し過ぎて、半分泣きそうで半分は真剣に怒っている。
息子たちには悪いけれど、心の中で大笑いしてしまった。
可愛いなぁ。
先日宿題が出たのだ。
クリスマスに欲しい贈り物を3つ書いて来なさい。
息子たちは迷って、抵抗していた。
彼らはもうとっくに貰いたい物を選んでいる。
欲しい物は1つしかない。
3つも書かなくていいんだよ。
他のものなんていらないんだよ。
嘘は書きたくないんだよ。
というのを、宿題だからと説得して無理に3つ書かせた。
それがこの悩みに繋がって来たとは。
息子たちは後悔しているのである。
手紙を書くと知っていたら、レゴの飛行機なんて漠然とした言い方でなく、
レゴシティの○○XX番の飛行機、と特定したのに。
手紙を書くと知っていたら、欲しくない物の名前なんて書かなかったのに。
大人ってひどい。
大事なことはちゃんと教えてよ。
わたしは真剣に説明する。
大丈夫。3つの希望が書いてあったら、ペールノエルだって迷うはず。
でも、家にはちゃんと番号を書いた絵が貼ってあるでしょう。
だからペールノエルは手紙と絵と両方見て、
あぁ、この子は本当にこれが欲しいんだなってわかってくれる。
大丈夫、心配しなくてもいいよ。
10分弱の帰り道、何回も何回も「大丈夫」を繰り返して、
息子たちはようやくうっすらと安心したみたい。
話題は一番の懸念事項を離れて、給食のメニューの話になった。
息子たちは幼い。
両親がいて、家があって好きな食事が出て、大事に守られて生きている。
藤原ていが「流れる星は生きている」の中で書いていたことをふっと思い出す。
満州から5歳と2歳と乳飲み子の3人の子を抱えて逃げた彼女。
乳飲み子を抱いて荷物を持った彼女に、他の子を抱いてやるゆとりは無い。
5歳と2歳の子どもたちは、空きっ腹に靴も無くして歩くのだ。
もう歩けないと泣き出した子を、彼女は激しく叱る。
「なにをぐずぐずしている!」
「泣いたら置いていくぞ!」
「馬鹿! 死んじまえ、馬鹿!」
大人でも苦しい逃避行、5歳と2歳の子が遣り遂げるのだ。
真綿に包まれて育った息子たちは、同じ状況を生き延びられるのだろうか。
そんな苛酷な状況にない穏やかな生活を有難いと思う一方で、
こんなに苦労知らずで大丈夫なのかしらとも思う。
守ってやりたい。
でも、突き放すこともしなければならない。
突き放す機会が向こうからやって来ないのが今の時代の難しさかもしれない。
by poirier_AAA
| 2012-12-05 19:30
| 子どもと暮らす
|
Comments(6)
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saheizi-inokori at 2012-12-05 23:37
ママンの真剣な心に育てられたらきっと大丈夫だと思います。
我が孫もまだサンタがいると思っていますよ。
我が孫もまだサンタがいると思っていますよ。
0
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coco
at 2012-12-06 05:07
x
真綿で包んで育てたと思っていても、そのうち少しずつ親から
巣立って、親の知らないところで場数を踏み大人になっていくの
じゃないでしょうかね~。自分もそうだったし!!
今は親として出来る事をして、甘やかせてもいい環境ならなにも
無理やり厳しい状況を作り出す必要もないと思うのですよ。
そう感じられるのもきっとあとわずかですから♪
巣立って、親の知らないところで場数を踏み大人になっていくの
じゃないでしょうかね~。自分もそうだったし!!
今は親として出来る事をして、甘やかせてもいい環境ならなにも
無理やり厳しい状況を作り出す必要もないと思うのですよ。
そう感じられるのもきっとあとわずかですから♪
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kanafr at 2012-12-06 05:48
お子さん達2人の会話の記事を読ませていただくたびに、もうそんな時代はとっくに過ぎてしまった我が家の息子の小さい時のエピソードを思い出し、一人でニンマリしています。
子供って本当にみんな同じ事をしますね。我が家も何がいいか、品物が分からなかったらどうしようって、デパートから持ってきたオモチャのカタログを切り貼りしていた事を思い出しました。
>こんなに苦労知らずで大丈夫なのかしら
お気持ちは分かりますよ。たまたま運がよく戦争を知らず戦闘の激しい所に住まず、飢えも知らないっていうのは、子供の全体数から見たら本当に少ない数だって思いますもの。
親の私ができる事は、そういう世界で生きている友達もいる事、そういうお友達の事も忘れないでほしいと言って聞かせることしかできませんでしたけどね。
子供って本当にみんな同じ事をしますね。我が家も何がいいか、品物が分からなかったらどうしようって、デパートから持ってきたオモチャのカタログを切り貼りしていた事を思い出しました。
>こんなに苦労知らずで大丈夫なのかしら
お気持ちは分かりますよ。たまたま運がよく戦争を知らず戦闘の激しい所に住まず、飢えも知らないっていうのは、子供の全体数から見たら本当に少ない数だって思いますもの。
親の私ができる事は、そういう世界で生きている友達もいる事、そういうお友達の事も忘れないでほしいと言って聞かせることしかできませんでしたけどね。
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poirier_AAA at 2012-12-06 17:19
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poirier_AAA at 2012-12-06 17:45
>cocoさん、こんにちは。
もちろん、放っておいても子どもは巣立っていきますね。でも、無事に巣立つためにはやっぱり準備がいるのです。いきなり飛ぼうとしても飛べないんですよ。
親の羽根の下で大事に守るのと、少しずつ自分1人で生きられるように訓練するのと、その2つの比率を少しずつ変えながらつきあっていくのが子育てだと思います。外の環境が厳しいと、子どもはそれを感じて一人で準備を始めるのです。でも今のように甘やかされた環境だと、守られて全部やってもらっている方がラクチンなので自分でどうにかしようという気持ちにならないんですよ。自分の頭でも考えようとしません。それが問題なの。
いきなり崖から突き落としちゃったりしないから大丈夫よ〜。
もちろん、放っておいても子どもは巣立っていきますね。でも、無事に巣立つためにはやっぱり準備がいるのです。いきなり飛ぼうとしても飛べないんですよ。
親の羽根の下で大事に守るのと、少しずつ自分1人で生きられるように訓練するのと、その2つの比率を少しずつ変えながらつきあっていくのが子育てだと思います。外の環境が厳しいと、子どもはそれを感じて一人で準備を始めるのです。でも今のように甘やかされた環境だと、守られて全部やってもらっている方がラクチンなので自分でどうにかしようという気持ちにならないんですよ。自分の頭でも考えようとしません。それが問題なの。
いきなり崖から突き落としちゃったりしないから大丈夫よ〜。
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poirier_AAA at 2012-12-06 17:55
>kanafrさん、こんにちは。
No.2君も似たような事をしていたんですね。うちの子たちも、品番まで特定した手紙に、詳細を写した絵に、さらにカタログの写真まで貼付けて念には念を入れて準備していますよ。このしつこさ、将来どういう形で出てくるんだろうと思ってしまいます。
そうですね、親にできることは、この生活は決して「普通」のことではないと折に触れて話すことでしょうね。まだまだ想像も実感も及ばない世界の話でしょうが、やがては自分の幸運に感謝できるようになってくれたら良いと思っています。
No.2君も似たような事をしていたんですね。うちの子たちも、品番まで特定した手紙に、詳細を写した絵に、さらにカタログの写真まで貼付けて念には念を入れて準備していますよ。このしつこさ、将来どういう形で出てくるんだろうと思ってしまいます。
そうですね、親にできることは、この生活は決して「普通」のことではないと折に触れて話すことでしょうね。まだまだ想像も実感も及ばない世界の話でしょうが、やがては自分の幸運に感謝できるようになってくれたら良いと思っています。