2012年 11月 12日
パリ観光 その1 |
最近は「暮らすように旅する」のが流行っているそうです。
今回訪ねて来た身内にそんな気持ちがあったかどうかわかりませんが、我が家の(特にお子様の)ペースに合わせて観光してまわった上、パリにいる間は毎日我が家で夕食を食べてもらったので、否が応でも生活感がひしひしと伝わる滞在であったと思われます。
そんな観光の話でも。
最近就航した羽田発真夜中の飛行機に乗ってやって来た旅人は、道路が空いていたこともあって8時過ぎには我が家に到着しました。
クロワッサンにパン・オ・ショコラに焼きたてのバゲットにと、いかにも夢のフランス的な朝食(クロワッサンは“特別な朝食”の部類です)をとってから、お土産を拡げたり、お子様の相手をしたり、ちょっと休んだりした後、折角だからと近所のマルシェに出かけてみました。
パリのマルシェの中には観光客が多いところもあるそうですが、今回案内したのは本当に「普通の」マルシェでした。それほど人が多いわけでもないし,出ているお店もごく普通の感じです。
でも、見慣れない食材がずらりと綺麗に並んでいる様子は、やはり壮観です。
日本のお店だと並べ方がこうはならないことが多いし、そもそも剥き出しの野菜が山盛りになっているとか、魚がショーケースもなく展示されていることだってありません。肉屋を覗けば、豚足だの皮を剥がれたウサギだのも並んでいます。首が付いたまま羽根をむしられた鶏もあります。
そんな、いかにも肉食人種的な食材を選んで料理するのもいいだろうと思っていましたが、魚屋の店先で新鮮な生ダコのぶっとい脚が山積みになっているのを見つけて、
「タコわさって美味しいよね」
と揃って反応してしまい、アッと言う間に話がまとまったのでした。
わさび醤油でタコ、と来たら,もう肉食する気がなくなりました。
そういうことならこれも買っちゃおう!と、殻つきの牡蠣も1ダース買いました。
もう、きりっと冷えた白ワインのことしか考えられません。
宝物のように食材を抱えて帰ろうとした我々の目に、そこだけなんとなく雰囲気が違うカップルの姿が飛び込んできました。いや、まさか、こんなにも庶民的なマルシェでこのお方に会うことがあろうとは!なんとまぁ無防備な。いや、これがフランス風なのでありましょうか。
あまりお天気が良くなかったので、昼食後は当初の予定だった散歩を諦めて、ルーヴル美術館に出かけることにしました。
ルーヴル美術館は到底1日で回れるような場所ではないし、たとえばそれが可能だったとしても疲れ過ぎてしまって何も心に残りません。見たいところを絞りに絞って一部分をじっくり見学することにしました。
それから「ボクたちの家を見せたいの」と言い張る子どもに引っ張られて、ナポレオン3世のアパルトマンを見に行きました。すごいでしょう、ピカピカなんだよ。今日はお客様だからこの大テーブルでご飯を食べよう、などという勝手な息子たちの言葉を聞きながら、広い部屋の埃を払って歩いている自分、厨房から長い廊下を通って食事を運び給仕する自分の姿を思い浮かべてげんなりしておりました。
わたしたちがルーヴル美術館にいる間に、どうやら雨が上がった模様。
それならエッフェル塔に行こう!エッフェル塔を見せたいんだよ!と、これまた子どもたちの熱い希望に引っぱられて、日没後の寒い散歩をすることになりました。
エッフェル塔の近くに着いたのがちょうど午後6時少し前。
すぐにピカピカが始まったのはラッキーでした。
お天気が悪いから大したことは出来ないね、と言いながらも結構な距離を歩かせてしまいました。これだけ疲れればきっと眠りも深かったことでしょう。時差ぼけ解消には少し役立ったかもしれません。
この日の夜は、予定通り海の幸尽くしでした。
タコのぶつ切りのわさび醤油
生牡蠣
主菜は干だらとじゃがいもを茹でたもの。
生野菜
白ワイン
たくさん食べましたが、爽快な満腹感でした。
なんだか小学生の日記みたいでお恥ずかしい。
とりあえず自分の記録のためということで、大目に見て下さいまし。
今回訪ねて来た身内にそんな気持ちがあったかどうかわかりませんが、我が家の(特にお子様の)ペースに合わせて観光してまわった上、パリにいる間は毎日我が家で夕食を食べてもらったので、否が応でも生活感がひしひしと伝わる滞在であったと思われます。
そんな観光の話でも。
最近就航した羽田発真夜中の飛行機に乗ってやって来た旅人は、道路が空いていたこともあって8時過ぎには我が家に到着しました。
クロワッサンにパン・オ・ショコラに焼きたてのバゲットにと、いかにも夢のフランス的な朝食(クロワッサンは“特別な朝食”の部類です)をとってから、お土産を拡げたり、お子様の相手をしたり、ちょっと休んだりした後、折角だからと近所のマルシェに出かけてみました。
パリのマルシェの中には観光客が多いところもあるそうですが、今回案内したのは本当に「普通の」マルシェでした。それほど人が多いわけでもないし,出ているお店もごく普通の感じです。
でも、見慣れない食材がずらりと綺麗に並んでいる様子は、やはり壮観です。
日本のお店だと並べ方がこうはならないことが多いし、そもそも剥き出しの野菜が山盛りになっているとか、魚がショーケースもなく展示されていることだってありません。肉屋を覗けば、豚足だの皮を剥がれたウサギだのも並んでいます。首が付いたまま羽根をむしられた鶏もあります。
そんな、いかにも肉食人種的な食材を選んで料理するのもいいだろうと思っていましたが、魚屋の店先で新鮮な生ダコのぶっとい脚が山積みになっているのを見つけて、
「タコわさって美味しいよね」
と揃って反応してしまい、アッと言う間に話がまとまったのでした。
わさび醤油でタコ、と来たら,もう肉食する気がなくなりました。
そういうことならこれも買っちゃおう!と、殻つきの牡蠣も1ダース買いました。
もう、きりっと冷えた白ワインのことしか考えられません。
宝物のように食材を抱えて帰ろうとした我々の目に、そこだけなんとなく雰囲気が違うカップルの姿が飛び込んできました。いや、まさか、こんなにも庶民的なマルシェでこのお方に会うことがあろうとは!なんとまぁ無防備な。いや、これがフランス風なのでありましょうか。
あまりお天気が良くなかったので、昼食後は当初の予定だった散歩を諦めて、ルーヴル美術館に出かけることにしました。
ルーヴル美術館は到底1日で回れるような場所ではないし、たとえばそれが可能だったとしても疲れ過ぎてしまって何も心に残りません。見たいところを絞りに絞って一部分をじっくり見学することにしました。
それから「ボクたちの家を見せたいの」と言い張る子どもに引っ張られて、ナポレオン3世のアパルトマンを見に行きました。すごいでしょう、ピカピカなんだよ。今日はお客様だからこの大テーブルでご飯を食べよう、などという勝手な息子たちの言葉を聞きながら、広い部屋の埃を払って歩いている自分、厨房から長い廊下を通って食事を運び給仕する自分の姿を思い浮かべてげんなりしておりました。
わたしたちがルーヴル美術館にいる間に、どうやら雨が上がった模様。
エッフェル塔の近くに着いたのがちょうど午後6時少し前。
すぐにピカピカが始まったのはラッキーでした。
お天気が悪いから大したことは出来ないね、と言いながらも結構な距離を歩かせてしまいました。これだけ疲れればきっと眠りも深かったことでしょう。時差ぼけ解消には少し役立ったかもしれません。
この日の夜は、予定通り海の幸尽くしでした。
タコのぶつ切りのわさび醤油
生牡蠣
主菜は干だらとじゃがいもを茹でたもの。
生野菜
白ワイン
たくさん食べましたが、爽快な満腹感でした。
なんだか小学生の日記みたいでお恥ずかしい。
とりあえず自分の記録のためということで、大目に見て下さいまし。
by poirier_AAA
| 2012-11-12 18:29
| パリを歩く
|
Comments(8)
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stanislowski
at 2012-11-12 19:15
x
うわぁーとマルシェの野菜の色が鮮やかだと思い、次にわさび醤油とタコときて、次の写真に参りましたー。
大統領閣下にマダム、警備のお付の人も居たのでしょうか?
興奮しながら記事を読みました。
豪華な夕食、私もお相伴に預かりたかったです。
大統領閣下にマダム、警備のお付の人も居たのでしょうか?
興奮しながら記事を読みました。
豪華な夕食、私もお相伴に預かりたかったです。
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coco
at 2012-11-12 23:07
x
人それぞれかもしれないけれど、地元の生活風景を覗きながらの
観光って私にはとっても魅力的。以前、パリを訪れたときもルカの
いとこが、名付け子の誕生日祝いを買いに行くから着いて来る?
とか冷蔵庫を補充したいから一緒に来る?とかって誘ってくれ
たのがとっても楽しかった。(odeon在住!!)
やっぱりガイドさんに引っ張られて西へ東へって分刻みのスケジュール
よりもこちらのほうが思い出に残ると思います!
牡蠣に白ワイン・・・よ、よだれが。。
観光って私にはとっても魅力的。以前、パリを訪れたときもルカの
いとこが、名付け子の誕生日祝いを買いに行くから着いて来る?
とか冷蔵庫を補充したいから一緒に来る?とかって誘ってくれ
たのがとっても楽しかった。(odeon在住!!)
やっぱりガイドさんに引っ張られて西へ東へって分刻みのスケジュール
よりもこちらのほうが思い出に残ると思います!
牡蠣に白ワイン・・・よ、よだれが。。
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saheizi-inokori at 2012-11-13 08:54
四国で海の幸をいただきましたが、牡蠣だけが無かったなあ。
同じ海の幸でもこういうメニューを読むとまるで違うもののような感じがします。味も違うかもしれない。
同じ海の幸でもこういうメニューを読むとまるで違うもののような感じがします。味も違うかもしれない。
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poirier_AAA at 2012-11-13 17:03
>stanislowskiさん、こんにちは。
それが、あんまり警備の人が見えなかったんですよ。1人、多分この人はと思われる男性はいたんですが、その人もなんだかのんびりしていたし、カップルは話しかけてくるおじさんやおばさんとにこやかに世間話しているし、絶対に日本では有り得ない風景だ〜と思いました。
stanislowskiさん、パリに遊びに来て下さいよ〜。こんなもので御馳走と言ってもらえるなら、いつだって歓待致しますわよ。
それが、あんまり警備の人が見えなかったんですよ。1人、多分この人はと思われる男性はいたんですが、その人もなんだかのんびりしていたし、カップルは話しかけてくるおじさんやおばさんとにこやかに世間話しているし、絶対に日本では有り得ない風景だ〜と思いました。
stanislowskiさん、パリに遊びに来て下さいよ〜。こんなもので御馳走と言ってもらえるなら、いつだって歓待致しますわよ。
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poirier_AAA at 2012-11-13 17:10
>とのさん、こんにちは。
タコって、ひょっとして地味ながら人気がある食材なのかもしれませんね。自分も含めてこれに食い付く人が多すぎます(笑)
干だらとジャガイモも、自分の中では味噌汁に白いご飯的に次ぐ「ホッとする食事」です。疲れている時でも、干だらのちょっとした塩気と旨味に、あつあつのジャガイモにビネガーをたっぷりかけて一緒に食べると、心も胃もすっきり落ち着くのです。日本から来た家族にも好評でしたよ。
タコって、ひょっとして地味ながら人気がある食材なのかもしれませんね。自分も含めてこれに食い付く人が多すぎます(笑)
干だらとジャガイモも、自分の中では味噌汁に白いご飯的に次ぐ「ホッとする食事」です。疲れている時でも、干だらのちょっとした塩気と旨味に、あつあつのジャガイモにビネガーをたっぷりかけて一緒に食べると、心も胃もすっきり落ち着くのです。日本から来た家族にも好評でしたよ。
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poirier_AAA at 2012-11-13 17:20
>cocoさん、
cocoさんはきっとそうだろうと思っていました。住んでいる人と一緒に買い物に行ったりするのって楽しいですよね。高級スーパーじゃなくて、普通のスーパーの商品を眺めるのが絶対に楽しい!
わたしは引き蘢りがちな専業主婦だし、いわゆる流行ものにはまったく興味のない人間なので、逆に○○のお店に連れて行って!とか××で食べて見たいわぁ〜とか言われると困ってしまうんですよね。一番性にあっているのは、そこらへんのレストラン(ミシュランのお勧めとかじゃなく)でそこそこのものを食べながら、あとはひたすら歩いて歴史探訪すること、かな。たぶん、あんまり人には付き合ってもらえないタイプだね。
cocoさんはきっとそうだろうと思っていました。住んでいる人と一緒に買い物に行ったりするのって楽しいですよね。高級スーパーじゃなくて、普通のスーパーの商品を眺めるのが絶対に楽しい!
わたしは引き蘢りがちな専業主婦だし、いわゆる流行ものにはまったく興味のない人間なので、逆に○○のお店に連れて行って!とか××で食べて見たいわぁ〜とか言われると困ってしまうんですよね。一番性にあっているのは、そこらへんのレストラン(ミシュランのお勧めとかじゃなく)でそこそこのものを食べながら、あとはひたすら歩いて歴史探訪すること、かな。たぶん、あんまり人には付き合ってもらえないタイプだね。
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poirier_AAA at 2012-11-13 17:26
>saheiziさん、こんにちは。
そうですね。海が違うと(気候も違うから)味もきっと違うでしょうね。
タコ、久しぶりですごく美味しかったんですが、日本料理の繊細さはないと思います。茹でているのは適当な料理人のわたしだし、わさびもお土産で持って来てもらったチューブ入りでしたから。
四国でお刺身なんて、ほんとうに羨ましいです。
そうですね。海が違うと(気候も違うから)味もきっと違うでしょうね。
タコ、久しぶりですごく美味しかったんですが、日本料理の繊細さはないと思います。茹でているのは適当な料理人のわたしだし、わさびもお土産で持って来てもらったチューブ入りでしたから。
四国でお刺身なんて、ほんとうに羨ましいです。