2012年 10月 04日
フランス語の近況 |
フランス語を真面目にやり直そうと決心したのが6月のこと。
当初は、毎日作文を書いて夫に添削してもらうという方法を採った。
でも続かなかった。 ‥‥ しゅん。
手紙を書くあたりから始めれば良かったのに、
頑張って背伸びして、いきなり難しいところに飛び込んだのがいけなかった。
準備体操なしに100m泳ごうとするのは、そりゃあ無茶な話でしょう。
おまけにまわりは楽しい楽しい6月の雰囲気だったし。
そうこうしているうちに子どもの夏休みは始まってしまうし。
当初の毎日作文添削計画はあっさりお蔵入りした。
その代わりに続けているのが、ディクテ。
読み上げられる文章を聞き取って書く、という作業。
日本語でだったら全然難しくないと思われる作業なのだけれど、
これがフランス語だと滅法難しい。ほんとに難しい。
フランス語ができないせいも勿論ある。
でも、フランス語って読まない文字がたくさんあるし、
同じ音に聞こえても、書き方が全然違う言葉がある。
それを文脈や文法の知識を総動員して書き取っていく。
頑張ってやっているつもりでも、毎回真っ赤にチェックが入る。
文章を読み上げている夫が、
「この主語は単数かな〜複数かな〜」
とわざとらしく声に出してヒントをくれることもある。
まるっきり子ども扱いされている。
でも、確かに中学生レヴェルにも達していないかもしれない。
ディクテに使う文章は、毎回夫が適当に選ぶ。
家にはわたしが買い込んだまま読んでいない本がたくさん積んであるので、
そんな中から一冊を抜き出して、適当な部分を選んで読みあげる。
「風車小屋便り」だの「カルメン」だの
ミュッセの「ロレンザッチョ」だの
フローベールの「感情教育」だの。
買ったきり読まずに積み上げてあるのは、
手に取った瞬間にぐぐっと惹き付けられる磁力を感じられなかったからだ。
磁力が働くかどうかは、読む側の気分やその他諸々の要素で決まる。
残念ながらまだ「その時が来ていない」本がたくさんある。
でも、不思議なことにディクテをしていると文章に入り込んでしまう。
フローベールの「感情教育」なんて、
一度は読んでみようと思いながらも、あまりにも退屈そうで手が伸びなかった。
それが、文章を書き取ってみると、あら不思議。
冒頭の退屈極まりない描写まで、まるで映画でもみているかのように、
いきいきと情景が浮かび上がってくる。
半過去で綴られた情景と、単純過去で切り込んでくる登場人物の動き。
面白い。
長い話になればなるほど、文章そのものではなく話の運びに注目してしまいがちだけれど、どうして、文を味わうのは筋を追うのに負けず劣らず面白いじゃないの。その作品の雰囲気や質感が、匂いや時代の空気まで、ざわざわと顔の周りに押し寄せてくるような感じがする。
何回も繰り返して読むとか、写経のように書き移してみるとか、
今は流行らない学習方法なんだと思うけれど、
語学に関しては、益も多いのじゃないかと思う。
言葉を覚えるって、所詮は真似から始まるのだから。
週に何回かのディクテだから、扱う文章の量なんてたかが知れている。
それでも、こうしてじっくりとつきあった文章は、
しばらく感じたことがないくらい、記憶に染み込んでいる気がする。
そういう記憶をどれだけ積み重ねられるかが、きっと大事なのだと思う。
だから今のところ全然進歩している気はしないものの、
この習慣はしばらく維持したいなぁと考えている次第。
世のフランス語勉強中の皆様、ディクテ、結構お勧めです。
ちょっと癖になる面白さですヨ。
当初は、毎日作文を書いて夫に添削してもらうという方法を採った。
でも続かなかった。 ‥‥ しゅん。
手紙を書くあたりから始めれば良かったのに、
頑張って背伸びして、いきなり難しいところに飛び込んだのがいけなかった。
準備体操なしに100m泳ごうとするのは、そりゃあ無茶な話でしょう。
おまけにまわりは楽しい楽しい6月の雰囲気だったし。
そうこうしているうちに子どもの夏休みは始まってしまうし。
当初の毎日作文添削計画はあっさりお蔵入りした。
その代わりに続けているのが、ディクテ。
読み上げられる文章を聞き取って書く、という作業。
日本語でだったら全然難しくないと思われる作業なのだけれど、
これがフランス語だと滅法難しい。ほんとに難しい。
フランス語ができないせいも勿論ある。
でも、フランス語って読まない文字がたくさんあるし、
同じ音に聞こえても、書き方が全然違う言葉がある。
それを文脈や文法の知識を総動員して書き取っていく。
頑張ってやっているつもりでも、毎回真っ赤にチェックが入る。
文章を読み上げている夫が、
「この主語は単数かな〜複数かな〜」
とわざとらしく声に出してヒントをくれることもある。
まるっきり子ども扱いされている。
でも、確かに中学生レヴェルにも達していないかもしれない。
ディクテに使う文章は、毎回夫が適当に選ぶ。
家にはわたしが買い込んだまま読んでいない本がたくさん積んであるので、
そんな中から一冊を抜き出して、適当な部分を選んで読みあげる。
「風車小屋便り」だの「カルメン」だの
ミュッセの「ロレンザッチョ」だの
フローベールの「感情教育」だの。
買ったきり読まずに積み上げてあるのは、
手に取った瞬間にぐぐっと惹き付けられる磁力を感じられなかったからだ。
磁力が働くかどうかは、読む側の気分やその他諸々の要素で決まる。
残念ながらまだ「その時が来ていない」本がたくさんある。
でも、不思議なことにディクテをしていると文章に入り込んでしまう。
フローベールの「感情教育」なんて、
一度は読んでみようと思いながらも、あまりにも退屈そうで手が伸びなかった。
それが、文章を書き取ってみると、あら不思議。
冒頭の退屈極まりない描写まで、まるで映画でもみているかのように、
いきいきと情景が浮かび上がってくる。
半過去で綴られた情景と、単純過去で切り込んでくる登場人物の動き。
面白い。
長い話になればなるほど、文章そのものではなく話の運びに注目してしまいがちだけれど、どうして、文を味わうのは筋を追うのに負けず劣らず面白いじゃないの。その作品の雰囲気や質感が、匂いや時代の空気まで、ざわざわと顔の周りに押し寄せてくるような感じがする。
何回も繰り返して読むとか、写経のように書き移してみるとか、
今は流行らない学習方法なんだと思うけれど、
語学に関しては、益も多いのじゃないかと思う。
言葉を覚えるって、所詮は真似から始まるのだから。
週に何回かのディクテだから、扱う文章の量なんてたかが知れている。
それでも、こうしてじっくりとつきあった文章は、
しばらく感じたことがないくらい、記憶に染み込んでいる気がする。
そういう記憶をどれだけ積み重ねられるかが、きっと大事なのだと思う。
だから今のところ全然進歩している気はしないものの、
この習慣はしばらく維持したいなぁと考えている次第。
世のフランス語勉強中の皆様、ディクテ、結構お勧めです。
ちょっと癖になる面白さですヨ。
by poirier_AAA
| 2012-10-04 18:52
| 言葉を学ぶ
|
Comments(6)
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by
yk
at 2012-10-04 20:25
x
梨の木さんこんにちは。
私もディクテ大好きです。ちょっとクイズ性があるのかな。
ラジオの聞き取り(聞き取るだけ。書き取らずに口頭で内容を要約)とか
作文なんかは本当につらい!
ディクテはたぶん初歩的な学習方法なんでしょうね。
でも文の構造を考えながら、時制、人称、単数複数→語尾変化など
考えながら頭をフル回転させるのは面白いと思います。
梨の木さんのようにフランスで生活できるほどの会話能力があり、且つ読みやすく印象的な日本語の文章を書く人でもフランス語作文は大変ですか。
そりゃ私が苦しむのは当たり前ってもんなのねー。
私もディクテ大好きです。ちょっとクイズ性があるのかな。
ラジオの聞き取り(聞き取るだけ。書き取らずに口頭で内容を要約)とか
作文なんかは本当につらい!
ディクテはたぶん初歩的な学習方法なんでしょうね。
でも文の構造を考えながら、時制、人称、単数複数→語尾変化など
考えながら頭をフル回転させるのは面白いと思います。
梨の木さんのようにフランスで生活できるほどの会話能力があり、且つ読みやすく印象的な日本語の文章を書く人でもフランス語作文は大変ですか。
そりゃ私が苦しむのは当たり前ってもんなのねー。
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saheizi-inokori at 2012-10-04 20:42
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by
poirier_AAA at 2012-10-04 21:52
>ykさん、こんにちは。
そうなんですよね、ディクテって謎解きに似ているので(点数さえ付けられなければ)楽しいと思います。でも、そう思うようになったのはごく最近です。それまでは嫌いで嫌いで、いつも避けてきました。フランス語の先生にそう言ったら、ディクテを好きな人なんてフランス人でもあんまりいないよと言われ、ちょっとホッとしました
聞き取りは、多分量をこなすことで楽になってくると思います。フランスに来たら、ヒアリングはやっぱり飛躍的に伸びました。でも、詳細を聞き取るためにはディクテが役に立つらしいですよ。文字に起こせない文の内容は、やっぱりわかるはずもありませんものね。
作文のハードルは(わたしには)高いです(汗)。インプットの量と訓練がものをいうんですよねぇ。わたしの場合はさぼっていたツケが全部ここに集中している感じで、もうトホホ状態です。ぼちぼち練習していくつもりでいますが、同じフランス語仲間から声をかけてもらうと励みになります。頑張りましょう〜。
そうなんですよね、ディクテって謎解きに似ているので(点数さえ付けられなければ)楽しいと思います。でも、そう思うようになったのはごく最近です。それまでは嫌いで嫌いで、いつも避けてきました。フランス語の先生にそう言ったら、ディクテを好きな人なんてフランス人でもあんまりいないよと言われ、ちょっとホッとしました
聞き取りは、多分量をこなすことで楽になってくると思います。フランスに来たら、ヒアリングはやっぱり飛躍的に伸びました。でも、詳細を聞き取るためにはディクテが役に立つらしいですよ。文字に起こせない文の内容は、やっぱりわかるはずもありませんものね。
作文のハードルは(わたしには)高いです(汗)。インプットの量と訓練がものをいうんですよねぇ。わたしの場合はさぼっていたツケが全部ここに集中している感じで、もうトホホ状態です。ぼちぼち練習していくつもりでいますが、同じフランス語仲間から声をかけてもらうと励みになります。頑張りましょう〜。
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poirier_AAA at 2012-10-04 21:56
>saheiziさん、こんにちは。
この記事を書きながら、何故か「舞姫」のことを思い出していました。「石炭をば 早や積み果てつ」です。日本語も、そういえば読んだり聞いたりした言葉がすべての土台になっているのですよね。
この記事を書きながら、何故か「舞姫」のことを思い出していました。「石炭をば 早や積み果てつ」です。日本語も、そういえば読んだり聞いたりした言葉がすべての土台になっているのですよね。
フランス語…ラジオとテレビで勉強しているのですが、本当に初歩の初歩なので、梨の木さんが羨ましいです・・・
一時、プライベートレッスンを受けていたのですが、ある人にラジオやテレビの講座を使えば、一流の先生に教えてもらえるのに、そんな高いお金を出してプライベートレッスン??って言われました。
プライベートレッスンはわかりやすくてとっても良かったけれど、今は一流??の先生に教わっています。
継続は力なりを信じてコツコツ頑張ります。
一時、プライベートレッスンを受けていたのですが、ある人にラジオやテレビの講座を使えば、一流の先生に教えてもらえるのに、そんな高いお金を出してプライベートレッスン??って言われました。
プライベートレッスンはわかりやすくてとっても良かったけれど、今は一流??の先生に教わっています。
継続は力なりを信じてコツコツ頑張ります。
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poirier_AAA at 2012-10-05 17:35
>ももさん、こんにちは。
コメントをありがとうございます。
ももさんもフランス語仲間ですね。
わたしの場合、フランス語は運良く良い先生と良い仲間に出会えたおかげで初級を突破できたと思っています。今も良い先生に巡り会うことができたので、頑張ろうという意欲がむくむく湧いているところなんですよ。
語学って、結局は個人の努力にかかっていると思うのですが、強い動機があったり良い仲間がいたりすると少し楽になりますよね。ネット上ではありますが、こんなふうにお仲間に声をかけてもらえると嬉しいです。頑張りましょうね。
コメントをありがとうございます。
ももさんもフランス語仲間ですね。
わたしの場合、フランス語は運良く良い先生と良い仲間に出会えたおかげで初級を突破できたと思っています。今も良い先生に巡り会うことができたので、頑張ろうという意欲がむくむく湧いているところなんですよ。
語学って、結局は個人の努力にかかっていると思うのですが、強い動機があったり良い仲間がいたりすると少し楽になりますよね。ネット上ではありますが、こんなふうにお仲間に声をかけてもらえると嬉しいです。頑張りましょうね。