2011年 09月 07日
日本人の旅行スタイル? |
いつものマルシェに出かけ馴染みの魚屋さんの列に並んでいたら、日本人観光客とおぼしき小グループが目に入りました。
外見からして多分日本人だろうと思っていたけれど、よく見たら手には日本語のパリガイド、電子辞書、ネットからプリントアウトしたと思われる紙の束を持っている。間違いなく日本人です。
どうやら手に持った紙と、わたしが並んでいた魚屋を見比べている様子。
「たぶんここだよ。○○のすぐ横の店がお勧めって書いてあるから」
「そっか、じゃあここで買おう」
そんな会話の後、彼らはぞろぞろと列の最後尾に付きました。
わたしはちょっと驚きました。日本の情報力、恐るべし。こんな普通のマルシェまでも結構細かく紹介され、お勧めの店まで載っているんだ〜。
電子辞書を持っているとはいえ、威勢の良さが楽しい魚屋さんです。お困りの時には助けに行こうと、わたしは目の端っこで彼らの姿を追い続けました。どうやら指差しと身振り手振りでなんとかなった模様。良かった良かった。
最近パリでは中国からの団体観光客をよく見かけます。韓国からの観光客もかなりいます。でも日本人の団体さんはあまり見ないような気がします。みんな一緒に名所観光というスタイルは以前ほど流行らなくなり、いまは個人あるいは気のあった仲間同士で暮らすように旅する、というのが主流になってきたのでしょうか。そういう人たちのための短期滞在用アパートも沢山あります。
パリジェンヌのようにアパルトマンに暮らして、マルシェで食材を仕入れて料理し、街をお散歩する。一時の怒濤の観光旅行と比べると、日本人もゆったり旅を楽しむ余裕が出てきたのかなあと思っていました。が、実はあまり変わっていないのかしら?結局のところ、名所情報がタウン情報に変わっただけで、日本人はやっぱり人からの情報を追い続けているのかもしれないという気がしました。
マルシェで買い物をしてみようと思うなら、どうしてガイドじゃなく自分の勘に頼って買ってみようと思わないんだろう?試してみたら美味しかった、試してみたら不味かった、そんな経験こそが良い旅の思い出になるのに。そういう巡り合わせの楽しさは、「ガイド」とか「ネット情報」からは絶対に得られないのに。
日々ネット情報の恩恵を受けている人間が言うのも変な話だけれど、情報がありすぎるってのも良し悪しだよねぇと思うのです。まっさらな状態で新しい人やモノと出会い、自分の五感と経験を総動員して考え判断する、ソレについて自分が感じたことを人に伝える。そんな、ある意味動物的な経験を積み重ねることでしか育てられない“人間力”みたいなものがあるんじゃないでしょうか。そして、言葉も文化も違う外国での旅は、常に新しいものと遭遇するチャンスに満ちているわけです。
なんだかモッタイナイなぁと思って眺めていましたが、いささか「重箱の隅」的な余計なお世話、とも言えますね。いかん、いかん。
外見からして多分日本人だろうと思っていたけれど、よく見たら手には日本語のパリガイド、電子辞書、ネットからプリントアウトしたと思われる紙の束を持っている。間違いなく日本人です。
どうやら手に持った紙と、わたしが並んでいた魚屋を見比べている様子。
「たぶんここだよ。○○のすぐ横の店がお勧めって書いてあるから」
「そっか、じゃあここで買おう」
そんな会話の後、彼らはぞろぞろと列の最後尾に付きました。
わたしはちょっと驚きました。日本の情報力、恐るべし。こんな普通のマルシェまでも結構細かく紹介され、お勧めの店まで載っているんだ〜。
電子辞書を持っているとはいえ、威勢の良さが楽しい魚屋さんです。お困りの時には助けに行こうと、わたしは目の端っこで彼らの姿を追い続けました。どうやら指差しと身振り手振りでなんとかなった模様。良かった良かった。
最近パリでは中国からの団体観光客をよく見かけます。韓国からの観光客もかなりいます。でも日本人の団体さんはあまり見ないような気がします。みんな一緒に名所観光というスタイルは以前ほど流行らなくなり、いまは個人あるいは気のあった仲間同士で暮らすように旅する、というのが主流になってきたのでしょうか。そういう人たちのための短期滞在用アパートも沢山あります。
パリジェンヌのようにアパルトマンに暮らして、マルシェで食材を仕入れて料理し、街をお散歩する。一時の怒濤の観光旅行と比べると、日本人もゆったり旅を楽しむ余裕が出てきたのかなあと思っていました。が、実はあまり変わっていないのかしら?結局のところ、名所情報がタウン情報に変わっただけで、日本人はやっぱり人からの情報を追い続けているのかもしれないという気がしました。
マルシェで買い物をしてみようと思うなら、どうしてガイドじゃなく自分の勘に頼って買ってみようと思わないんだろう?試してみたら美味しかった、試してみたら不味かった、そんな経験こそが良い旅の思い出になるのに。そういう巡り合わせの楽しさは、「ガイド」とか「ネット情報」からは絶対に得られないのに。
日々ネット情報の恩恵を受けている人間が言うのも変な話だけれど、情報がありすぎるってのも良し悪しだよねぇと思うのです。まっさらな状態で新しい人やモノと出会い、自分の五感と経験を総動員して考え判断する、ソレについて自分が感じたことを人に伝える。そんな、ある意味動物的な経験を積み重ねることでしか育てられない“人間力”みたいなものがあるんじゃないでしょうか。そして、言葉も文化も違う外国での旅は、常に新しいものと遭遇するチャンスに満ちているわけです。
なんだかモッタイナイなぁと思って眺めていましたが、いささか「重箱の隅」的な余計なお世話、とも言えますね。いかん、いかん。
by poirier_AAA
| 2011-09-07 21:07
| 日々の断片
|
Comments(4)
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saheizi-inokori at 2011-09-07 21:05
同感です。ただ他人と一緒だとどうしても歩留まりの良い旅にしようと冒険を避けます。好みも違うし。だから一人旅が面白い。私は国内旅行ですが。
0
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poirier_AAA at 2011-09-07 21:16
>saheiziさん、こんにちは。
早速のコメントありがとうございます。
確かに、人と一緒の時には敢えて冒険する気になれないこともありますね。
国内旅行、もっと自由が利く時にしておくべきでした。これからの日本国内旅行は、夫と子どもを引き連れての「ディスカバー・ジャパン」シリーズになりそうですから‥。
早速のコメントありがとうございます。
確かに、人と一緒の時には敢えて冒険する気になれないこともありますね。
国内旅行、もっと自由が利く時にしておくべきでした。これからの日本国内旅行は、夫と子どもを引き連れての「ディスカバー・ジャパン」シリーズになりそうですから‥。
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coco
at 2011-09-08 18:48
x
ふむむ~、OLの立場からいうと、休みが取りやすくなった
とは言えやっぱりまだまだ2週間がMAXじゃないかな?
その中で極力“失敗しないように”上手くパリ生活を
堪能したいと思うと何らかの情報どおりに動こうとして
しまうかもしれないですねぇ~。でも1ヶ月もあれば、
あちこち通って自分の目・耳・舌そして感覚で発見の
旅にでたいもんですね~。 分かるような、理解しがたい
ような。。
とは言えやっぱりまだまだ2週間がMAXじゃないかな?
その中で極力“失敗しないように”上手くパリ生活を
堪能したいと思うと何らかの情報どおりに動こうとして
しまうかもしれないですねぇ~。でも1ヶ月もあれば、
あちこち通って自分の目・耳・舌そして感覚で発見の
旅にでたいもんですね~。 分かるような、理解しがたい
ような。。
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by
poirier_AAA at 2011-09-09 15:49
>cocoさん、こんにちは。
ああ、確かに。1週間であれもこれもと思うと、当然迷ったり試したりするの時間がもったいないかもしれませんね。
でも、わたしは昔っから忙しい旅行があんまり好きじゃなかったのです。今はますます拍車がかかってます。あれこれと欲張ると疲れちゃう。時間と体力と気分とで相談しながら、じゃあこうしてみようかなぁ〜というゆるゆる旅行もいいもんですよ。
ああ、確かに。1週間であれもこれもと思うと、当然迷ったり試したりするの時間がもったいないかもしれませんね。
でも、わたしは昔っから忙しい旅行があんまり好きじゃなかったのです。今はますます拍車がかかってます。あれこれと欲張ると疲れちゃう。時間と体力と気分とで相談しながら、じゃあこうしてみようかなぁ〜というゆるゆる旅行もいいもんですよ。