2011年 06月 17日
修行が足りません |
しょっちゅうこのブログを読んで下さっている方なら覚えていらっしゃるかもしれません。しばらく前に、建物の強制排気システムが壊れた〜という泣き言を書いたことがあります。
夏至も近いという6月のこの時期に、どういうわけかパリではしょっちゅう雨が降っていて、通常では考えられないくらいジメジメの湿気に満ちた毎日を送っているのです。(気候の変化でパリにも梅雨が出来たか?)で、洗濯物は部屋干しするのが基本のこちらですから、当然家の中の湿度も高くなります。ここに強制排気システム(換気扇)があるかないかで、天国と地獄が分かれるのです。
現在の我が家(正確に言うと同じ建物内の全戸)は、地獄にあります。
管理人マダムに偶然行き会う日を手ぐすね引いて待っていた先週。金曜日にようやく彼女と接触できました。
あの〜、換気システムが壊れてますよね。いつ頃修理が入るんですか?最近は雨ばっかりだから湿っぽくて困っちゃうんですよ。
すかさず訴えましたら、彼女は言いました。
あぁ、換気ね。確か火曜日に壊れたんだったわよね。3階のマダムが教えてくれたのよ。修理の人は今日来ますからね。ところで、義理の父が昨日亡くなったのよ。
訃報を聞いたらそれ以上は換気扇の話はできません。でも今日修理が入ると言うなら万々歳だわと、心も軽くお別れしました。が、結局なおりませんでした。管理人マダムはそのまま長い週末を使ってお葬式に行ってしまいました。わたしは腹の虫が収まりません。夫が帰って来たので、その顛末を聞いてもらいました。そこで夫の一言。
ボクは驚かないね。だって、まだカーヴだってほったらかしなんだから。
そう、この話も覚えていらっしゃる方がいるかもしれません。もう1ヶ月ほど前になりましょうか。地下のカーヴに泥棒が入って15軒分くらいのカーヴのドアの鍵を壊して行ったのです。確かカーヴの入り口の鍵を取り替えるとか、ドアを壊されたカーヴの修理をするとか、初めの1週間はマダムはずいぶん調子のいい返事をしていたのでした。なんと、それがまだ何一つ実現していないのです。
夫は普段はすごく穏やかな人なのですが、怒ると猛烈な皮肉屋になります。放っておいたら管理人マダムを相手に、冷ややかな顔つきで痛烈な皮肉を言うに違いありません。
わたしはね、このマダムは褒めると働くタイプと見ているのです。下手に皮肉を言ったら逆効果になるかもしれません。だから思わず夫に言ったのです。ねぇ、気持ちはわかるけど言葉には気をつけてね。
しかし、夫にそうはいったものの、わたし自身も相当頭に来ています。彼女の怠慢はとことん腹に据えかねているので、自分も皮肉を言わないではいられない気持ち。もうね、言葉が喉元まで上がって来ているんです。
昨日は、2回もマダムと出くわしました。1回目はちょっと言葉まで交わしました。ここですかさず、と思った途端、
そういえば、ヴァカンスはいつから?早く行きたいわよねぇ。義父のお葬式でポルトガルに行って来たけど、暑くてカラッとしていて良かったわよ〜。
わたし、これを聞いた瞬間怒りが爆発しそうになりましたよ。仕事もしないで休むことばっかり考えるんじゃない!と怒鳴りたくなりました。換気扇のことを話し始めたら、間違いなく怒り心頭モードになるなと自分でもわかったので、ひとまず退散。怒っちゃいけない、怒っちゃいけない。
家に帰って「頭を冷やせ〜、冷静に、無邪気にニッコリ、愛想良く行け〜」と自分に暗示をかけました。
そんな努力にも拘らず、再び出くわして彼女の不景気な顔(この時は虫の居所が悪かった模様)を見た途端、またどす黒い怒りが込み上げて来て‥‥‥、結局、喉の奥から挨拶だけ絞り出して通り過ぎてしまいました。
強制排気システムが壊れてもう10日。カーヴに泥棒が入ってもう50日。
冗談で「なおるのはヴァカンス明けの9月か?」なんて言っていたけれど、もう冗談ではなくなるかもしれません。夫もわたしも、こころの奥底までタールのように黒くてイヤな匂いのする怒りで一杯になっています。
こういうとき、つくづく思うんです。修行が足らんわ〜と。
忍耐力方面の修行ではなくて、怒り克服方面の修行です。
どんなに怒っていてもね、いつもと変わらないにこやか〜な笑顔で、お天気の話でもするようにいかなきゃいけません。
そういえば、あの換気扇の修理ね、先週結局なおらなかったわねぇ。いつなおるかと思って楽しみにしていたんだけど、なおらなくて、困っちゃったわー。ほら、いま雨が多いでしょ。なんだか日本の梅雨みたいじゃない。世界中異常気象だからパリの気候も変わっちゃったってことかしらね。でも、こういう湿気の多い時に換気扇がないと家の中が湿っぽくてイヤになっちゃうわ。おまけにほら、うちの夫はお魚が好きでしょ。だからお魚を焼きたいんだけど、換気扇がなければ家中に魚の匂いが充満してしまうじゃない。本当に困っちゃうのよ。早くなおると良いわねぇ。修理屋さん、もうヴァカンスのことで頭が一杯で働いてくれないのかしら、ありがちだけど困るわよねぇ。きちんと働いてくれなきゃ、こっちだってお金を払いたくなくなるわよ、おほほほほ。
相手の顔を見たとたん顔が引きつってくるようでは、わたしも相当修行が足りないんですよねぇ。いかんわ〜。何があってもにこやかで、ぐさりと急所を突き刺す矢を花のような微笑みとともに放てるような、したたかマダムにならねば。うむ、人は環境によって育てられるのだ。
夏至も近いという6月のこの時期に、どういうわけかパリではしょっちゅう雨が降っていて、通常では考えられないくらいジメジメの湿気に満ちた毎日を送っているのです。(気候の変化でパリにも梅雨が出来たか?)で、洗濯物は部屋干しするのが基本のこちらですから、当然家の中の湿度も高くなります。ここに強制排気システム(換気扇)があるかないかで、天国と地獄が分かれるのです。
現在の我が家(正確に言うと同じ建物内の全戸)は、地獄にあります。
管理人マダムに偶然行き会う日を手ぐすね引いて待っていた先週。金曜日にようやく彼女と接触できました。
あの〜、換気システムが壊れてますよね。いつ頃修理が入るんですか?最近は雨ばっかりだから湿っぽくて困っちゃうんですよ。
すかさず訴えましたら、彼女は言いました。
あぁ、換気ね。確か火曜日に壊れたんだったわよね。3階のマダムが教えてくれたのよ。修理の人は今日来ますからね。ところで、義理の父が昨日亡くなったのよ。
訃報を聞いたらそれ以上は換気扇の話はできません。でも今日修理が入ると言うなら万々歳だわと、心も軽くお別れしました。が、結局なおりませんでした。管理人マダムはそのまま長い週末を使ってお葬式に行ってしまいました。わたしは腹の虫が収まりません。夫が帰って来たので、その顛末を聞いてもらいました。そこで夫の一言。
ボクは驚かないね。だって、まだカーヴだってほったらかしなんだから。
そう、この話も覚えていらっしゃる方がいるかもしれません。もう1ヶ月ほど前になりましょうか。地下のカーヴに泥棒が入って15軒分くらいのカーヴのドアの鍵を壊して行ったのです。確かカーヴの入り口の鍵を取り替えるとか、ドアを壊されたカーヴの修理をするとか、初めの1週間はマダムはずいぶん調子のいい返事をしていたのでした。なんと、それがまだ何一つ実現していないのです。
夫は普段はすごく穏やかな人なのですが、怒ると猛烈な皮肉屋になります。放っておいたら管理人マダムを相手に、冷ややかな顔つきで痛烈な皮肉を言うに違いありません。
わたしはね、このマダムは褒めると働くタイプと見ているのです。下手に皮肉を言ったら逆効果になるかもしれません。だから思わず夫に言ったのです。ねぇ、気持ちはわかるけど言葉には気をつけてね。
しかし、夫にそうはいったものの、わたし自身も相当頭に来ています。彼女の怠慢はとことん腹に据えかねているので、自分も皮肉を言わないではいられない気持ち。もうね、言葉が喉元まで上がって来ているんです。
昨日は、2回もマダムと出くわしました。1回目はちょっと言葉まで交わしました。ここですかさず、と思った途端、
そういえば、ヴァカンスはいつから?早く行きたいわよねぇ。義父のお葬式でポルトガルに行って来たけど、暑くてカラッとしていて良かったわよ〜。
わたし、これを聞いた瞬間怒りが爆発しそうになりましたよ。仕事もしないで休むことばっかり考えるんじゃない!と怒鳴りたくなりました。換気扇のことを話し始めたら、間違いなく怒り心頭モードになるなと自分でもわかったので、ひとまず退散。怒っちゃいけない、怒っちゃいけない。
家に帰って「頭を冷やせ〜、冷静に、無邪気にニッコリ、愛想良く行け〜」と自分に暗示をかけました。
そんな努力にも拘らず、再び出くわして彼女の不景気な顔(この時は虫の居所が悪かった模様)を見た途端、またどす黒い怒りが込み上げて来て‥‥‥、結局、喉の奥から挨拶だけ絞り出して通り過ぎてしまいました。
強制排気システムが壊れてもう10日。カーヴに泥棒が入ってもう50日。
冗談で「なおるのはヴァカンス明けの9月か?」なんて言っていたけれど、もう冗談ではなくなるかもしれません。夫もわたしも、こころの奥底までタールのように黒くてイヤな匂いのする怒りで一杯になっています。
こういうとき、つくづく思うんです。修行が足らんわ〜と。
忍耐力方面の修行ではなくて、怒り克服方面の修行です。
どんなに怒っていてもね、いつもと変わらないにこやか〜な笑顔で、お天気の話でもするようにいかなきゃいけません。
そういえば、あの換気扇の修理ね、先週結局なおらなかったわねぇ。いつなおるかと思って楽しみにしていたんだけど、なおらなくて、困っちゃったわー。ほら、いま雨が多いでしょ。なんだか日本の梅雨みたいじゃない。世界中異常気象だからパリの気候も変わっちゃったってことかしらね。でも、こういう湿気の多い時に換気扇がないと家の中が湿っぽくてイヤになっちゃうわ。おまけにほら、うちの夫はお魚が好きでしょ。だからお魚を焼きたいんだけど、換気扇がなければ家中に魚の匂いが充満してしまうじゃない。本当に困っちゃうのよ。早くなおると良いわねぇ。修理屋さん、もうヴァカンスのことで頭が一杯で働いてくれないのかしら、ありがちだけど困るわよねぇ。きちんと働いてくれなきゃ、こっちだってお金を払いたくなくなるわよ、おほほほほ。
相手の顔を見たとたん顔が引きつってくるようでは、わたしも相当修行が足りないんですよねぇ。いかんわ〜。何があってもにこやかで、ぐさりと急所を突き刺す矢を花のような微笑みとともに放てるような、したたかマダムにならねば。うむ、人は環境によって育てられるのだ。
by poirier_AAA
| 2011-06-17 18:15
| 日々の断片
|
Comments(5)
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saheizi-inokori at 2011-06-17 19:58
ははは!
でもそれでもダメかもね。やっぱり、襟首掴んで怒鳴りあげるしかないなあ。
でもそれでもダメかもね。やっぱり、襟首掴んで怒鳴りあげるしかないなあ。
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poirier_AAA at 2011-06-17 20:29
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kanafr at 2011-06-18 07:33
あのね、梨の木さんのアパルトマンには住民の為のsyndicatがありませんか?もし賃貸だけのアパルトマンだったら、管理費を支払っているので大家さんに責任があります。
このマダムはいくらなんでもひどすぎますよ。普通は住民が文句を言ったら、大家さんは管理人に警告するか解雇してアパートの住民から苦情がでないようにします。
多分、住んでいらっしゃる方達が外国人が多いとか、会社が借りているところだからとかで言わずにいたんじゃないでしょうか?
だからかもしれませんが、このマダム完全に住民は何も言わないってなめきっています。
何度言ってもやらないなら、住民の皆さんで話しあうとか、大家さんに手紙を書いて、書き留めで送りつけます。
大体皆さんそうしてると思いますよ。
もうこれだけ行ってやらないなら、やるべきだと思います。
このマダムはいくらなんでもひどすぎますよ。普通は住民が文句を言ったら、大家さんは管理人に警告するか解雇してアパートの住民から苦情がでないようにします。
多分、住んでいらっしゃる方達が外国人が多いとか、会社が借りているところだからとかで言わずにいたんじゃないでしょうか?
だからかもしれませんが、このマダム完全に住民は何も言わないってなめきっています。
何度言ってもやらないなら、住民の皆さんで話しあうとか、大家さんに手紙を書いて、書き留めで送りつけます。
大体皆さんそうしてると思いますよ。
もうこれだけ行ってやらないなら、やるべきだと思います。
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poirier_AAA at 2011-06-18 21:50
>kanafrさん、こんにちは。
ここは全部賃貸ですね。わたしたちが直接大家に直接話すことはまれで、ほとんどすべてのことをこのマダムを窓口にしてやっています。だから賃貸人の感覚としては、大家を相手にするより管理人を相手にする方に余計に気を使う(下手に関係を悪化させたら後が大変)という雰囲気があるのです。
できれば事を荒立てないで、彼女が自発的に動くのを待とうと思ってここまで来ました。業者の都合もあるだろうし、人から急かされてする仕事ってイヤなものですからね、武士の情けです。
でも、さすがにもう限界です。大家に手紙で訴える事を考えています。
ここは全部賃貸ですね。わたしたちが直接大家に直接話すことはまれで、ほとんどすべてのことをこのマダムを窓口にしてやっています。だから賃貸人の感覚としては、大家を相手にするより管理人を相手にする方に余計に気を使う(下手に関係を悪化させたら後が大変)という雰囲気があるのです。
できれば事を荒立てないで、彼女が自発的に動くのを待とうと思ってここまで来ました。業者の都合もあるだろうし、人から急かされてする仕事ってイヤなものですからね、武士の情けです。
でも、さすがにもう限界です。大家に手紙で訴える事を考えています。
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poirier_AAA at 2011-06-18 22:05
>saheiziさん、こんにちは。
コメント、拝見しました。ちょっとだけ公開をためらう言葉がありましたので非公開とさせていただきました。
>気迫が希薄!
って、漢字テストの同音異義語で使えそうですよ。
少し頭を冷やしてからクレームの手紙を書こうと思います。
コメント、拝見しました。ちょっとだけ公開をためらう言葉がありましたので非公開とさせていただきました。
>気迫が希薄!
って、漢字テストの同音異義語で使えそうですよ。
少し頭を冷やしてからクレームの手紙を書こうと思います。