2011年 04月 21日
タイムリーな映画2本 |
あいもかわらず毎日ネット漬けで、そんな中で見つけた映画2作品をご紹介したいと思います。
1つ目は「Into Eternity」というドキュメンタリー作品。
邦題は『100,000年後の安全』。マイケル・マドセン監督・脚本。
オフィシャル・サイトのアドレスはこちらです。
(日本)http://www.uplink.co.jp/100000/theater.php
(フランス)http://www.chrysalis-films.com/intoeternity.html
(アメリカ)http://www.intoeternitythemovie.com/
わたしはまだ見ていません。フランスでは5月18日に公開予定なのです。日本では各地で公開中&公開予定だそうで、わたしはおちまさとさんのレヴューで読みました。
http://ameblo.jp/ochimasato/entry-10866627886.html#cbox
高レベル放射性廃棄物の捨て先に、多くの国が頭を悩ませています。これはフィンランドで建設中の地下最終処理場についてのドキュメンタリーです。
そのレビューを読んでわたしが驚愕したのが、フィンランドの人たちの発想でした。高レベル放射性廃棄物は安全な状態になるまで、10万年間かかると言われているそうです。で、フィンランドはこの最終処理場を10万年間安全に廃棄物を埋めておけるように考えて造っているようなのです。
10万年なんて途方もない時間です。われわれが生きている西暦でようやく2000年。ラスコーの壁画が描かれたのが1万5千年ちょっと前だといいますから、想像もできません。でも、フィンランドの人たちはそれを考えているのだそうです。10万年も経つ間には言語だって変わるかもしれない、なにか目印を立てて禁忌の場所にした方がいいのではないか、などと考えているんだそうです。
すごいですよね。日本人とフィンランド人、同じ人間とはとても考えられません。この視野の広さ、想像力の存在。ちゃんと10万年後の子孫のことを考える人たちと、自分の数十年間の人生がなんとか賄われればそれでいいやと考える人たちと。この違いは何でしょう?いや、絶対に観てみよう。
2つ目は邦画で、「東京原発」。
2004年の作品だそうです。当時は日本に居たはずなのに、こんな映画が出ていたなんて全然知りませんでした。反則だとわかりつつ、YouTubeで全編を観ました。
オフィシャルサイトはこちらです。http://www.bsr.jp/genpatsu/main.htm
これ、凄いです。2004年製作だけれど、まるで今回のことを見越しているかのようなどんぴしゃの内容でした。これはできるだけ多くの人に見てもらいたい、特に東京都民に見てもらいたいと思いました。
カリスマ都知事がある日突然言い出すのです「東京都に原発を誘致するぞ!」
都庁の責任者達は大騒ぎです。会議室にこもって、あぁでもない、こうでもないと意見を言い合います。この会話の内容がいかにもその辺で話されていることと同じで滑稽です。素人が言い合っていても埒があかないということで、専門家が呼ばれます。で、都庁のお偉方がレクチャーを受けるのです。この部分、知りたいことがすっきりと情報として出されているので、わたしはとても興味深く見ました。
「猛毒のパニック・サスペンス・エンターテイメント」なんて紹介されていますけれど、今実際に起っていることと比べたら、毒なんて全然ないくらい。胸がすくような言葉が出て来て爽快ですらあります。「地方のわずかな反対者と1億人の傍観者」とかね。
***
原発をどうにかしたいと考えている人は沢山いるのではないかと想像します。でも、反原発派って社会的にはずっと虐げられてきたんですよね。研究しようにも予算がつかない。関わると仕事を干される。敢えて逆らうのは大変なことです。その結果、原発擁護派にはそうそうたるメンバーが名を連ね、資金面でも権力面でも強大な、難攻不落の砦ができました。脱原発を叫んでも城塞に砂利のつぶを投げて攻めるようなもので、全然勝ち目がないようにすら見えました。
でも「自然派エネルギー財団」を設置するんだそうですね。ようやく反原発・脱原発にも拠り所ができるのかもしれません。期待を込めて注目したいです。
1つ目は「Into Eternity」というドキュメンタリー作品。
邦題は『100,000年後の安全』。マイケル・マドセン監督・脚本。
オフィシャル・サイトのアドレスはこちらです。
(日本)http://www.uplink.co.jp/100000/theater.php
(フランス)http://www.chrysalis-films.com/intoeternity.html
(アメリカ)http://www.intoeternitythemovie.com/
わたしはまだ見ていません。フランスでは5月18日に公開予定なのです。日本では各地で公開中&公開予定だそうで、わたしはおちまさとさんのレヴューで読みました。
http://ameblo.jp/ochimasato/entry-10866627886.html#cbox
高レベル放射性廃棄物の捨て先に、多くの国が頭を悩ませています。これはフィンランドで建設中の地下最終処理場についてのドキュメンタリーです。
そのレビューを読んでわたしが驚愕したのが、フィンランドの人たちの発想でした。高レベル放射性廃棄物は安全な状態になるまで、10万年間かかると言われているそうです。で、フィンランドはこの最終処理場を10万年間安全に廃棄物を埋めておけるように考えて造っているようなのです。
10万年なんて途方もない時間です。われわれが生きている西暦でようやく2000年。ラスコーの壁画が描かれたのが1万5千年ちょっと前だといいますから、想像もできません。でも、フィンランドの人たちはそれを考えているのだそうです。10万年も経つ間には言語だって変わるかもしれない、なにか目印を立てて禁忌の場所にした方がいいのではないか、などと考えているんだそうです。
すごいですよね。日本人とフィンランド人、同じ人間とはとても考えられません。この視野の広さ、想像力の存在。ちゃんと10万年後の子孫のことを考える人たちと、自分の数十年間の人生がなんとか賄われればそれでいいやと考える人たちと。この違いは何でしょう?いや、絶対に観てみよう。
2つ目は邦画で、「東京原発」。
2004年の作品だそうです。当時は日本に居たはずなのに、こんな映画が出ていたなんて全然知りませんでした。反則だとわかりつつ、YouTubeで全編を観ました。
オフィシャルサイトはこちらです。http://www.bsr.jp/genpatsu/main.htm
これ、凄いです。2004年製作だけれど、まるで今回のことを見越しているかのようなどんぴしゃの内容でした。これはできるだけ多くの人に見てもらいたい、特に東京都民に見てもらいたいと思いました。
カリスマ都知事がある日突然言い出すのです「東京都に原発を誘致するぞ!」
都庁の責任者達は大騒ぎです。会議室にこもって、あぁでもない、こうでもないと意見を言い合います。この会話の内容がいかにもその辺で話されていることと同じで滑稽です。素人が言い合っていても埒があかないということで、専門家が呼ばれます。で、都庁のお偉方がレクチャーを受けるのです。この部分、知りたいことがすっきりと情報として出されているので、わたしはとても興味深く見ました。
「猛毒のパニック・サスペンス・エンターテイメント」なんて紹介されていますけれど、今実際に起っていることと比べたら、毒なんて全然ないくらい。胸がすくような言葉が出て来て爽快ですらあります。「地方のわずかな反対者と1億人の傍観者」とかね。
***
原発をどうにかしたいと考えている人は沢山いるのではないかと想像します。でも、反原発派って社会的にはずっと虐げられてきたんですよね。研究しようにも予算がつかない。関わると仕事を干される。敢えて逆らうのは大変なことです。その結果、原発擁護派にはそうそうたるメンバーが名を連ね、資金面でも権力面でも強大な、難攻不落の砦ができました。脱原発を叫んでも城塞に砂利のつぶを投げて攻めるようなもので、全然勝ち目がないようにすら見えました。
でも「自然派エネルギー財団」を設置するんだそうですね。ようやく反原発・脱原発にも拠り所ができるのかもしれません。期待を込めて注目したいです。
by poirier_AAA
| 2011-04-21 07:47
| 観る・鑑賞する
|
Comments(8)
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at 2011-04-21 14:05
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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poirier_AAA at 2011-04-21 16:08
>鍵コメさん、こんにちは。
難しい問題だと思います。長くなりそうですので、後ほどそちらのブログのコメントで書き込ませて頂きます。
難しい問題だと思います。長くなりそうですので、後ほどそちらのブログのコメントで書き込ませて頂きます。
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at 2011-04-21 21:08
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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at 2011-04-21 21:32
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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kanafr at 2011-04-22 07:46
今は政府に福島県人をどうするつもりか!とおっしゃっていますが、実は福島県知事自身が、原発推進派で原発周辺の土地所有者なので今まで東電に土地を貸し、かなり莫大な収入を得ていたそうです。
東電からしたら、そりゃあないでしょ!って思うでしょうね。
結局何の恩恵も受けていない一般市民や子供や動物達が犠牲になっている。
もう腐りきっています!
孫さんあたりが動いてくれないかなあって思っていたのですが、新しいプロジェクト始まりましたね。
時間はかかると思いますが、やらなきゃ!です。
東電からしたら、そりゃあないでしょ!って思うでしょうね。
結局何の恩恵も受けていない一般市民や子供や動物達が犠牲になっている。
もう腐りきっています!
孫さんあたりが動いてくれないかなあって思っていたのですが、新しいプロジェクト始まりましたね。
時間はかかると思いますが、やらなきゃ!です。
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poirier_AAA at 2011-04-22 16:14
>kanafrさん、こんにちは。
福島県知事さん、自分の懐具合のことばかり考えていて将来的なリスクに想像が及ばなかったんでしょうねぇ。失礼ながら、そのくるりと掌を返して東電だけを批判してみせる姿は滑稽そのものです。自治体の長としての認識も責任感も低すぎですよ。
「お金もあるけど正義感もある」とか「権力もあるけど正義感もある」っていうタイプの大物が日本にいなくなってしまいましたよね。どっちを向いても人の顔色や自分の立場を死守しようと言う小者ばかり。これじゃあ子どもだって夢も持てません。
わたしが知らなかっただけで、日本にも反原発&脱原発の運動はしっかりと存在し、それなりの効果もあげているそうです。それに孫さんの知名度と発信力が加われば少しは様相が変わるかもしれません。わたしも、やらなきゃ!と思っています。
福島県知事さん、自分の懐具合のことばかり考えていて将来的なリスクに想像が及ばなかったんでしょうねぇ。失礼ながら、そのくるりと掌を返して東電だけを批判してみせる姿は滑稽そのものです。自治体の長としての認識も責任感も低すぎですよ。
「お金もあるけど正義感もある」とか「権力もあるけど正義感もある」っていうタイプの大物が日本にいなくなってしまいましたよね。どっちを向いても人の顔色や自分の立場を死守しようと言う小者ばかり。これじゃあ子どもだって夢も持てません。
わたしが知らなかっただけで、日本にも反原発&脱原発の運動はしっかりと存在し、それなりの効果もあげているそうです。それに孫さんの知名度と発信力が加われば少しは様相が変わるかもしれません。わたしも、やらなきゃ!と思っています。
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at 2011-04-22 16:46
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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poirier_AAA at 2011-04-22 17:48
>鍵コメさん、初めまして。
わたしも実は同じ方のブログから拝見して存じ上げておりました。素晴らしい活動をしていただいて、わたしもお礼を申し上げたいです。
この映画のことは本当に偶然知りました。もしそちらで今見られるようなら、是非見て感想をお聞かせいただきたいです。
誰だって生きるためにはお金が必要ですから、原発を誘致すれば助かるかもと考える気持ちもわかるんですよね。でも、そこからどうやってこの映画のような考え方に進んで行ったのか、住民や政治家がどんなふうに動いて変わったのか、それを知りたいなぁと思いました。海外の動きを知ることができたら、日本人も少しずつ考え方が変わるかもしれませんよね。
わたしも実は同じ方のブログから拝見して存じ上げておりました。素晴らしい活動をしていただいて、わたしもお礼を申し上げたいです。
この映画のことは本当に偶然知りました。もしそちらで今見られるようなら、是非見て感想をお聞かせいただきたいです。
誰だって生きるためにはお金が必要ですから、原発を誘致すれば助かるかもと考える気持ちもわかるんですよね。でも、そこからどうやってこの映画のような考え方に進んで行ったのか、住民や政治家がどんなふうに動いて変わったのか、それを知りたいなぁと思いました。海外の動きを知ることができたら、日本人も少しずつ考え方が変わるかもしれませんよね。