2011年 02月 22日
本の整理 |
手に届くところに本がないと落ち着かないわたし、当然のことながら本は増える一方です。
折に触れて本の処分(もう絶対に読まないだろう本を売る)もしてきました。フランスに来る時は、どんな家に入れるのか見当もつかず、したがってできるだけ荷物が少なくなるよう、断腸の思いで蔵書を厳選しました。残る本はすべて、どさくさにまぎれて実家に置いてきました。
しかしすでに嫁して自分の家を持つ身、いつまでも実家を物置代わりに使うのも申し訳なく、ついに重い腰を上げて本の整理を始めました。今流行の“電子化”です。
最近は本を自炊(自分でpdf化する)人もいるのだそうですが、本を送りつけると有料で電子化してくれる業者もあります。今回はそんな業者を頼みました。
家族に電話で本のタイトルを片っ端から読み上げてもらって、電子化しても惜しくないと思うものだけ選び出しました。で、段ボール箱に詰めて業者に送ってもらいました。業者は中身を確認して料金の見積もりを出してくれます。
いろいろなオプションも選べるようになっていますが、基本は1冊100円程度。それなら悪くないんじゃない?とわたしも思っていたんですが、実は落とし穴がありました。1冊100円なのは総ページ数が350頁以下の本なんです。それを超えると200頁ごとに追加料金がかかる仕組みになっています。でも350頁の本って薄いんですよ。文庫本で例を挙げるなら、堀辰雄とか芥川龍之介の本なら大丈夫。でも一目見て少し厚いかなと見える本、例えば小野不由美とかドストエフスキーなんかは絶対に追加料金がかかってしまうのです。最近は文庫本の活字が大きくなってスペースも増えていますから、この350頁というハードルは厳しいです。京極夏彦クラスになると、一体何冊分のお金を払うことになるんだ!という感じですね。
愛着のある本、何回も繰り返して読みたいと思う本は、わたしはやっぱり紙で残しておきたいのです。それらを除いて今回は160冊ほどの文庫本を処分しました。160冊のうちの1/3は350頁超でした。わずか数日で電子化は完了しましたが、なんと160冊でメモリは10GBを超えました。
印刷物の電子化は、特に空間を節約したい人には朗報です。何とかしないと本の重さで2階が落ちそうだという人とか。確かに電子化にふみきれば空間的重量的問題は解決します。でも、電子化するにも結構な負担がかかるなぁと今回は感じました。例えば、家がつぶれるくらい本があるとしたら、500冊なんて可愛いレヴェルではないでしょ。文庫本わずか160冊で10GBですからね。1000冊も出したらどれだけメモリを喰うことか。しかも世の中350頁を超える本なんてざらにあります。となると追加料金も必至。すごいコストがかかります。それに、これだけの量になると読み込みの際にとんだ頁がないかどうかチェックするのだって相当な労力です。
今回遠隔整理を手伝ってくれた弟によると、「本棚1段分くらいスッキリした」とのことでした。しかし、相変わらず電子化したくなかった文庫は残っているわけだし、ハードカヴァーは手つかずです。ハードカヴァーはねぇ、更に選ぶのが難しいです。本としての体裁が美しいですからね。軽量化のためとはいえ、その美しさを損なうのは惜しい。本当に惜しい。
電子化という素晴らしい整理方法を手に入れたかと思いきや、やっぱりアンタッチャブルな部分は存在するわけで、つまりは「活字中毒で本の購入が止められない。好きな本は紙で読みたい。本という形態が好き」という自分の欲こそが、実はスペースを狭める最大の敵なのだと思い知ったことでした。
折に触れて本の処分(もう絶対に読まないだろう本を売る)もしてきました。フランスに来る時は、どんな家に入れるのか見当もつかず、したがってできるだけ荷物が少なくなるよう、断腸の思いで蔵書を厳選しました。残る本はすべて、どさくさにまぎれて実家に置いてきました。
しかしすでに嫁して自分の家を持つ身、いつまでも実家を物置代わりに使うのも申し訳なく、ついに重い腰を上げて本の整理を始めました。今流行の“電子化”です。
最近は本を自炊(自分でpdf化する)人もいるのだそうですが、本を送りつけると有料で電子化してくれる業者もあります。今回はそんな業者を頼みました。
家族に電話で本のタイトルを片っ端から読み上げてもらって、電子化しても惜しくないと思うものだけ選び出しました。で、段ボール箱に詰めて業者に送ってもらいました。業者は中身を確認して料金の見積もりを出してくれます。
いろいろなオプションも選べるようになっていますが、基本は1冊100円程度。それなら悪くないんじゃない?とわたしも思っていたんですが、実は落とし穴がありました。1冊100円なのは総ページ数が350頁以下の本なんです。それを超えると200頁ごとに追加料金がかかる仕組みになっています。でも350頁の本って薄いんですよ。文庫本で例を挙げるなら、堀辰雄とか芥川龍之介の本なら大丈夫。でも一目見て少し厚いかなと見える本、例えば小野不由美とかドストエフスキーなんかは絶対に追加料金がかかってしまうのです。最近は文庫本の活字が大きくなってスペースも増えていますから、この350頁というハードルは厳しいです。京極夏彦クラスになると、一体何冊分のお金を払うことになるんだ!という感じですね。
愛着のある本、何回も繰り返して読みたいと思う本は、わたしはやっぱり紙で残しておきたいのです。それらを除いて今回は160冊ほどの文庫本を処分しました。160冊のうちの1/3は350頁超でした。わずか数日で電子化は完了しましたが、なんと160冊でメモリは10GBを超えました。
印刷物の電子化は、特に空間を節約したい人には朗報です。何とかしないと本の重さで2階が落ちそうだという人とか。確かに電子化にふみきれば空間的重量的問題は解決します。でも、電子化するにも結構な負担がかかるなぁと今回は感じました。例えば、家がつぶれるくらい本があるとしたら、500冊なんて可愛いレヴェルではないでしょ。文庫本わずか160冊で10GBですからね。1000冊も出したらどれだけメモリを喰うことか。しかも世の中350頁を超える本なんてざらにあります。となると追加料金も必至。すごいコストがかかります。それに、これだけの量になると読み込みの際にとんだ頁がないかどうかチェックするのだって相当な労力です。
今回遠隔整理を手伝ってくれた弟によると、「本棚1段分くらいスッキリした」とのことでした。しかし、相変わらず電子化したくなかった文庫は残っているわけだし、ハードカヴァーは手つかずです。ハードカヴァーはねぇ、更に選ぶのが難しいです。本としての体裁が美しいですからね。軽量化のためとはいえ、その美しさを損なうのは惜しい。本当に惜しい。
電子化という素晴らしい整理方法を手に入れたかと思いきや、やっぱりアンタッチャブルな部分は存在するわけで、つまりは「活字中毒で本の購入が止められない。好きな本は紙で読みたい。本という形態が好き」という自分の欲こそが、実はスペースを狭める最大の敵なのだと思い知ったことでした。
by poirier_AAA
| 2011-02-22 18:53
| 日本語を読む
|
Comments(4)
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kanafr at 2011-02-23 10:43
私はサッと読んであまり残らない本だとブックオフ行きにしますが、どうしてもやっぱりとっておきたくなる本の方が多く、今や悲惨な状況です。
本を開いた時に、好きな本って活字が向こうから読んでくれと言わんばかりになっていませんか?
本を開いた時の匂いやワクワク感っていいですよねえ。
そして何回も読んでウッカリ栞をはさまず折ってしまった跡など、又そのページを開くと、その時の周りの空気までよみがえってくる気がします。
本を開いた時に、好きな本って活字が向こうから読んでくれと言わんばかりになっていませんか?
本を開いた時の匂いやワクワク感っていいですよねえ。
そして何回も読んでウッカリ栞をはさまず折ってしまった跡など、又そのページを開くと、その時の周りの空気までよみがえってくる気がします。
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poirier_AAA at 2011-02-23 17:47
>Kanafrさん、
わたしも同じように“本”という形態が好きですね。新しい本はできれば紙で読みたいし、特に気に入ったものは紙の状態で近くに置きたいんです。データ化したのは、だから「資料として」とっておきたいと思った本だけです。
物理的に本が1冊あると、そこには1つの別世界があると視覚で実感できるんですよね。厚い本だと、それだけ長く遊べると予想できるわけで、そんな「目に見える誘い」が好きなのかも、と自分では思っています。本を開いた時のワクワク感、残りページが少なくなった時の、先は知りたし離れ難しという相反する気持ち、紙の本だと際立つんですよねえ。
わたしも同じように“本”という形態が好きですね。新しい本はできれば紙で読みたいし、特に気に入ったものは紙の状態で近くに置きたいんです。データ化したのは、だから「資料として」とっておきたいと思った本だけです。
物理的に本が1冊あると、そこには1つの別世界があると視覚で実感できるんですよね。厚い本だと、それだけ長く遊べると予想できるわけで、そんな「目に見える誘い」が好きなのかも、と自分では思っています。本を開いた時のワクワク感、残りページが少なくなった時の、先は知りたし離れ難しという相反する気持ち、紙の本だと際立つんですよねえ。
こんなサービスあるんですねぇ。仏にも存在するんでしょうか?(←使う予定はまるっきりありませんが。)インターネット、PCの便利さを物凄くありがたがっている1人ではあり、色々な情報をネットから拾っているわけですが、小説やらだけはPC上で読む気がまったくしません。本に飢えていた時、青空文庫を薦められましたが全然気乗りせず、、でした。
とはいえ出版業界はインターネットの普及のせいでなかなか廃刊になってしまった雑誌も多いと聞きます。なんとか頑張って欲しいものです。とかいいつつなかなか本を買わない人間でもあるのですが。。
とはいえ出版業界はインターネットの普及のせいでなかなか廃刊になってしまった雑誌も多いと聞きます。なんとか頑張って欲しいものです。とかいいつつなかなか本を買わない人間でもあるのですが。。
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poirier_AAA at 2011-02-24 18:52
>mjさん、
日本は本当に便利ですよね〜。ビジネスチャンスを逃しませんっという貪欲さがあるというか、機に聡いのよねぇと思います。フランスはどうなんでしょうね?Fnacがfnac bookというのを年末に出しましたけれど、そんなに売れているとも聞きませんし。英語圏の方がどんどん先に進んでいる感じかも知れません。
小説だけはPC上で読む気がまったくしません、って仰るの、よくわかります。わたしも基本はそうなんですよ。ページをめくって読むのが好きなんです。そうなんだけれど、やっぱり持てる量には限度があるので今回の大決心に至りました。これが自分の嗜好にあうかどうかは、もう少し様子を見てから、ですね。
日本は本当に便利ですよね〜。ビジネスチャンスを逃しませんっという貪欲さがあるというか、機に聡いのよねぇと思います。フランスはどうなんでしょうね?Fnacがfnac bookというのを年末に出しましたけれど、そんなに売れているとも聞きませんし。英語圏の方がどんどん先に進んでいる感じかも知れません。
小説だけはPC上で読む気がまったくしません、って仰るの、よくわかります。わたしも基本はそうなんですよ。ページをめくって読むのが好きなんです。そうなんだけれど、やっぱり持てる量には限度があるので今回の大決心に至りました。これが自分の嗜好にあうかどうかは、もう少し様子を見てから、ですね。