2010年 09月 17日
こどもの日本語・フランス語事情⑤ |
子どもたちが年少クラスを卒業したとき、この1年で随分フランス語に馴染んだなぁと感心したものですが、夏休み中にまた一段と上達したように感じます。7月中、週3日だけでしたが学童保育に通わせていたのが良かったのかもしれません。
気がつくと、使える単語の数が飛躍的に増えていました。日常の動作を表す基本的な動詞や、学校生活で目にするものの名前などは、あっというまに覚えて来ます。先生やまわりの大人たちがよく使うフレーズなども、そっくりそのまま覚えてきて、それをアレンジして使えるようになりました。その結果、代名詞も現在/過去/近未来の時制も、自然に頭の中に入ってきています。
フランス語に慣れてきたからでしょうか、聞く力もグンと伸びたようです。童謡の歌詞を結構聞き取れているようですし、お話のCDでも「〜なんて言ってるよ」と台詞を再生して面白がります。
語彙が増えていくのは、細胞分裂とよく似ています。ひとつの細胞が2つに分裂し、その1つずつが更に2つに分裂し、そうやってどんどんと関連する言葉が増えて行くのです。子どもの上達ぶりを見ていると、ぷちぷちと絶え間なく細胞分裂する音が聞こえてくるような気すらします。語彙は、興味さえあれば芋蔓式にどんどんと増やしていけるものなんだなぁと、自分の怠惰な学習態度を反省させられる思いです。
音の認識は霧の中の散歩のようなものです。ざわざわとした音の洪水の中から、突然聞き覚えのある音(音節)がひとつ、またひとつと姿を現し始め、その音同士がくっついて自分にとって意味のあるもの(言葉)が姿を現すのです。それまではただのザワザワでしかなかったフランス語の音が、いつの間にか子どもの頭の中で意味をなす存在として認識されるようになったのです。慣れの問題だと片付けてしまえばそれだけですが、脳内に新しい回路が開いたようなものですから、ちょっとしたエポックメイキングな出来事とも言えるでしょう。
もちろん、まだまだ矯正しなければならない発音もありますし、語彙も同じ年の子と比べると不足しています。でも、もう親が心配して手取り足取り助けてやるという段階(フランス語が異質な言葉だった段階)は完全に過ぎたと思います。極端な話、あとは学校にお任せしてしまって大丈夫、他のフランス人の子どもたちに追いついて問題の無いレヴェルに達するだろうと思われるのです。
逆に、これから意識しなければならないのは日本語だと思います。今でも日本語の方がはるかに達者な彼らですが、フランス語がどんどんと侵入してきているのです。幼稚園での話をしているときは特にそうです。「今日のデジュネは、ヴィアンドだったよ。デセールはフレーズだったんだけど、シュクルがかかっていたから残しちゃったの」という具合。言いたいことは全部わかるのですけれど、わたしは日本語で言い直して確認するようにしています。「そう、今日のお昼ご飯はお肉が出たのね。イチゴに砂糖がかかっていたの?砂糖がかかっているのは嫌い?」
日常生活で日本語を見る機会が少ないせいか、平仮名には(自分の名前以外)ほとんど興味を示しません。逆にアルファベットには興味津々で「僕の名前を書いて」「先生の名前を書いて」と頼んできます。で、書いてやるとそれを覚えてしまうのです。さて、平仮名の読みをどうやって教えていったらいいかな?読めるようになっても、書けるようにするのは更に大変でしょう。
夏休み前は、子どもたちが幼稚園で苦労しないようにアルファベットでも教えてやるか、などと考えていたわたし(考えるだけで何もしなかったけど)ですが、新学期が始まった今は、どうやって日本語の読み書きを教えるか、今度こそ真剣に考えて実行に移さなければなるまいぞと思っている次第です。正直言って、こんなに早くフランス語が入り込んで来ようとは予想もしていませんでした。重荷にならない範囲で何とか日本語も伸ばして(維持して)やれるよう、工夫してみようと思います。
気がつくと、使える単語の数が飛躍的に増えていました。日常の動作を表す基本的な動詞や、学校生活で目にするものの名前などは、あっというまに覚えて来ます。先生やまわりの大人たちがよく使うフレーズなども、そっくりそのまま覚えてきて、それをアレンジして使えるようになりました。その結果、代名詞も現在/過去/近未来の時制も、自然に頭の中に入ってきています。
フランス語に慣れてきたからでしょうか、聞く力もグンと伸びたようです。童謡の歌詞を結構聞き取れているようですし、お話のCDでも「〜なんて言ってるよ」と台詞を再生して面白がります。
語彙が増えていくのは、細胞分裂とよく似ています。ひとつの細胞が2つに分裂し、その1つずつが更に2つに分裂し、そうやってどんどんと関連する言葉が増えて行くのです。子どもの上達ぶりを見ていると、ぷちぷちと絶え間なく細胞分裂する音が聞こえてくるような気すらします。語彙は、興味さえあれば芋蔓式にどんどんと増やしていけるものなんだなぁと、自分の怠惰な学習態度を反省させられる思いです。
音の認識は霧の中の散歩のようなものです。ざわざわとした音の洪水の中から、突然聞き覚えのある音(音節)がひとつ、またひとつと姿を現し始め、その音同士がくっついて自分にとって意味のあるもの(言葉)が姿を現すのです。それまではただのザワザワでしかなかったフランス語の音が、いつの間にか子どもの頭の中で意味をなす存在として認識されるようになったのです。慣れの問題だと片付けてしまえばそれだけですが、脳内に新しい回路が開いたようなものですから、ちょっとしたエポックメイキングな出来事とも言えるでしょう。
もちろん、まだまだ矯正しなければならない発音もありますし、語彙も同じ年の子と比べると不足しています。でも、もう親が心配して手取り足取り助けてやるという段階(フランス語が異質な言葉だった段階)は完全に過ぎたと思います。極端な話、あとは学校にお任せしてしまって大丈夫、他のフランス人の子どもたちに追いついて問題の無いレヴェルに達するだろうと思われるのです。
逆に、これから意識しなければならないのは日本語だと思います。今でも日本語の方がはるかに達者な彼らですが、フランス語がどんどんと侵入してきているのです。幼稚園での話をしているときは特にそうです。「今日のデジュネは、ヴィアンドだったよ。デセールはフレーズだったんだけど、シュクルがかかっていたから残しちゃったの」という具合。言いたいことは全部わかるのですけれど、わたしは日本語で言い直して確認するようにしています。「そう、今日のお昼ご飯はお肉が出たのね。イチゴに砂糖がかかっていたの?砂糖がかかっているのは嫌い?」
日常生活で日本語を見る機会が少ないせいか、平仮名には(自分の名前以外)ほとんど興味を示しません。逆にアルファベットには興味津々で「僕の名前を書いて」「先生の名前を書いて」と頼んできます。で、書いてやるとそれを覚えてしまうのです。さて、平仮名の読みをどうやって教えていったらいいかな?読めるようになっても、書けるようにするのは更に大変でしょう。
夏休み前は、子どもたちが幼稚園で苦労しないようにアルファベットでも教えてやるか、などと考えていたわたし(考えるだけで何もしなかったけど)ですが、新学期が始まった今は、どうやって日本語の読み書きを教えるか、今度こそ真剣に考えて実行に移さなければなるまいぞと思っている次第です。正直言って、こんなに早くフランス語が入り込んで来ようとは予想もしていませんでした。重荷にならない範囲で何とか日本語も伸ばして(維持して)やれるよう、工夫してみようと思います。
by poirier_AAA
| 2010-09-17 18:34
| 子どもと暮らす
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