2010年 05月 08日
別れはせつなし |
いよいよ親の家から東京に移動しました。
戸建ての家で存分に声を張り上げて走り回る子どもたちと、孫の滞在で終始興奮状態の両親に挟まれて、取り立てて何かをするわけでもなくあっという間に過ぎてしまった10日間でした。強いて言えば、十年一日の如き生活を送れたのが収穫だったかもしれません。何の変哲もない生活でも、それが続いていることが有難いと思う年齢になりました。
民族の大移動のような荷造りに追われた数時間、慌ただしくて両親とゆっくり別れを惜しむ間もありません。見送りのために玄関先に出た母親に別れを告げた時、もうこれでしばらくは会えないのだということを急に思い出して、胸が詰まるような気持ちになりました。滞在のお礼を言ってきちんと別れるつもりだったのに、長く話したら泣き出してしまいそうで「じゃあ元気でね」と言うのが精一杯でした。
駅のホームまで見送りに来てくれた父とも同じです。いざ別れる瞬間になると、双方とも言葉がろくに出てきません。「それじゃあな」「それじゃあね」それだけです。窓越しに孫に向って一所懸命手を振っている父の姿は、列車が動き出すとあっという間に見えなくなり、なんだかそれが無性にせつなくて涙が出ました。
車窓から眺めるのどかな景色は、自分の子ども時代の記憶や、いつも変わらぬ親の家の時間の流れ方、そんなもののすべてを象徴しているようです。もうここに住むことはないと思うけれど、この景色だけはいつも必ず心のどこかにあって、確かな支えとなってくれる気がします。忘れがたき故郷、です。
戸建ての家で存分に声を張り上げて走り回る子どもたちと、孫の滞在で終始興奮状態の両親に挟まれて、取り立てて何かをするわけでもなくあっという間に過ぎてしまった10日間でした。強いて言えば、十年一日の如き生活を送れたのが収穫だったかもしれません。何の変哲もない生活でも、それが続いていることが有難いと思う年齢になりました。
民族の大移動のような荷造りに追われた数時間、慌ただしくて両親とゆっくり別れを惜しむ間もありません。見送りのために玄関先に出た母親に別れを告げた時、もうこれでしばらくは会えないのだということを急に思い出して、胸が詰まるような気持ちになりました。滞在のお礼を言ってきちんと別れるつもりだったのに、長く話したら泣き出してしまいそうで「じゃあ元気でね」と言うのが精一杯でした。
駅のホームまで見送りに来てくれた父とも同じです。いざ別れる瞬間になると、双方とも言葉がろくに出てきません。「それじゃあな」「それじゃあね」それだけです。窓越しに孫に向って一所懸命手を振っている父の姿は、列車が動き出すとあっという間に見えなくなり、なんだかそれが無性にせつなくて涙が出ました。
車窓から眺めるのどかな景色は、自分の子ども時代の記憶や、いつも変わらぬ親の家の時間の流れ方、そんなもののすべてを象徴しているようです。もうここに住むことはないと思うけれど、この景色だけはいつも必ず心のどこかにあって、確かな支えとなってくれる気がします。忘れがたき故郷、です。
by poirier_AAA
| 2010-05-08 01:43
| 日本
|
Comments(2)
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by
spacesis
at 2010-05-09 21:42
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その気持ち、とてもよく分かります。
わたしたち日本人は照れくさがりやで、久しぶりに出会ったときも、
しばらく会えなくなる別れの時も、嬉しい気持ち、哀しい気持ちを
素直に表現できないところがありますね。
特にそれが身近な家族だとそうなる気がします。
ポルトガル人だったら、しばし別れるときは親子でも
涙を浮かべながらしっかりハグハグ^^
出会ったときも喜びいっぱいにハグハグですね^^
わたしは3年おきにしか帰国できませんでしたが、
帰るたびに母の老いが分かり、日本を後にするときは、
本当に涙がこぼれたものでした。
わたしたち日本人は照れくさがりやで、久しぶりに出会ったときも、
しばらく会えなくなる別れの時も、嬉しい気持ち、哀しい気持ちを
素直に表現できないところがありますね。
特にそれが身近な家族だとそうなる気がします。
ポルトガル人だったら、しばし別れるときは親子でも
涙を浮かべながらしっかりハグハグ^^
出会ったときも喜びいっぱいにハグハグですね^^
わたしは3年おきにしか帰国できませんでしたが、
帰るたびに母の老いが分かり、日本を後にするときは、
本当に涙がこぼれたものでした。
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by
poirier_AAA at 2010-05-10 22:36
spacesisさん、そうなんです、ポルトガル人は父も母も子もがしっと抱き合って喜んだり悲しんだりするんですよね。挨拶も必ず全員とビズ(頬にチュッ)か握手ですもんね。それと比べると日本人は、そもそも相手の体に触れるのがタブーに近いような感じでしょうか。個人的には挨拶のビズがいまだに苦手ですが、時にはためらわずにハグができたら、もうちょっと別れの辛さがこらえやすくなるかなぁという気もします。