2010年 01月 07日
簡単開封は簡単ならず |
台所で使っていたラップが終わってしまったので、前回帰国した折に1本荷物に入れて持って来た日本製ラップを開けた。
フランス製日本製に拘らず、ラップを使い始める前には側面の一部をペリペリと剥いで箱を開けなければならない。でも、この「剥ぐ」という単純な作業だけでも感触が全然違うから驚く。
日本製の場合、「ここから矢印方向に向かって紙を剥がして下さい」と書いてあったら、ほとんど何の問題もなくするすると簡単に剥がせる。切り口が変に汚くなって焦ることもないし、力の入れ加減を考えながら慎重に引っ張ったりする必要もない。
フランス製の場合は、そうじゃないの。切取線の入り方が甘いのか、そおっと慎重に少しずつ剥いでいかないときれいにはがれない。切り口がすっきり切れないことはしょっちゅうだし、下手をすると剥がす部分が途中で破けてしまったりする。
箱を開けてからも大変。日本製なら小さな紙片がついていて、引っ張ればするすると端が出てくる。フランス製は引っ張ってもラップが張り付いていて全然出てこない。仕方がないので箱からロールを取り出して自力で剥がさなければならない。
何もラップに限ったことじゃない。一事が万事似たような有様で、3年も暮らすとおのずと自衛するようになる。
「簡単開封」と書いてあっても信ずるべからず、適当なところをはさみで切る。
なぜなら、簡単開封できないことがほとんどだから。簡単開封すると袋全体がびりびりになってしまうから。全体がびりびりにならないまでも、変なところまで切れてしまって残ったものを入れておけなくなってしまうから。
「残った場合はこのシールで袋を閉じられます」と書いてあっても、シールの接着力はほとんど期待できない。輪ゴムかクリップで留めるべし。
紙パックに入っている食品、「ここを開けて」「ここを切って」とガイドがあっても信ずるべからず。指示に従うと、絶対に最後まで使い切れない。
飲み物、トマトピュレ、インスタントスープ、グラニュー糖などなど、紙パックに入って売られているものも多い。それがなぜか変な場所に口がついているもので、最後になると音はすれども取り出せず、の状態に陥る。ここは腹を決めて、箱の上部を分解(切断)するか、何も聞こえなかったことにして捨てる。
缶詰、プルトップを引き上げたとたんにちぎれることも多いので、缶切りは身近に置くべし。
商品保護の透明フィルム(CDなんかについているやつ)、切り口がついていても、ぐるりときれいに1周出来たことがない。切り口はあくまで突破口ってことか。
日本製品って本当にすごい。ラップを売る時に、ラップの品質だけじゃなく取り出しやすさや開封しやすさ、使用時の使い勝手まで考えているんだから。こちらの商品の多くは、ラップがラップとして機能すれば入れ物はどうでもいいでしょ、という方針のようだ。それはそれで潔いとも言えるが。
日本にいる限りは当然と思って享受して来た便利さも、1歩外へ出れば「なんとびっくり」と驚くことばかり。というより、外から見ると日本の至れり尽くせりが、かなり特殊に見える。考えてみれば、日本だってこんなに便利で簡単で清潔な生活が普通になったのってごく最近のことじゃないかな? 一度慣れてしまうと、昔どんなふうに工夫して不便さを補っていたかなんて忘れちゃうけれど。
フランス製日本製に拘らず、ラップを使い始める前には側面の一部をペリペリと剥いで箱を開けなければならない。でも、この「剥ぐ」という単純な作業だけでも感触が全然違うから驚く。
日本製の場合、「ここから矢印方向に向かって紙を剥がして下さい」と書いてあったら、ほとんど何の問題もなくするすると簡単に剥がせる。切り口が変に汚くなって焦ることもないし、力の入れ加減を考えながら慎重に引っ張ったりする必要もない。
フランス製の場合は、そうじゃないの。切取線の入り方が甘いのか、そおっと慎重に少しずつ剥いでいかないときれいにはがれない。切り口がすっきり切れないことはしょっちゅうだし、下手をすると剥がす部分が途中で破けてしまったりする。
箱を開けてからも大変。日本製なら小さな紙片がついていて、引っ張ればするすると端が出てくる。フランス製は引っ張ってもラップが張り付いていて全然出てこない。仕方がないので箱からロールを取り出して自力で剥がさなければならない。
何もラップに限ったことじゃない。一事が万事似たような有様で、3年も暮らすとおのずと自衛するようになる。
「簡単開封」と書いてあっても信ずるべからず、適当なところをはさみで切る。
なぜなら、簡単開封できないことがほとんどだから。簡単開封すると袋全体がびりびりになってしまうから。全体がびりびりにならないまでも、変なところまで切れてしまって残ったものを入れておけなくなってしまうから。
「残った場合はこのシールで袋を閉じられます」と書いてあっても、シールの接着力はほとんど期待できない。輪ゴムかクリップで留めるべし。
紙パックに入っている食品、「ここを開けて」「ここを切って」とガイドがあっても信ずるべからず。指示に従うと、絶対に最後まで使い切れない。
飲み物、トマトピュレ、インスタントスープ、グラニュー糖などなど、紙パックに入って売られているものも多い。それがなぜか変な場所に口がついているもので、最後になると音はすれども取り出せず、の状態に陥る。ここは腹を決めて、箱の上部を分解(切断)するか、何も聞こえなかったことにして捨てる。
缶詰、プルトップを引き上げたとたんにちぎれることも多いので、缶切りは身近に置くべし。
商品保護の透明フィルム(CDなんかについているやつ)、切り口がついていても、ぐるりときれいに1周出来たことがない。切り口はあくまで突破口ってことか。
日本製品って本当にすごい。ラップを売る時に、ラップの品質だけじゃなく取り出しやすさや開封しやすさ、使用時の使い勝手まで考えているんだから。こちらの商品の多くは、ラップがラップとして機能すれば入れ物はどうでもいいでしょ、という方針のようだ。それはそれで潔いとも言えるが。
日本にいる限りは当然と思って享受して来た便利さも、1歩外へ出れば「なんとびっくり」と驚くことばかり。というより、外から見ると日本の至れり尽くせりが、かなり特殊に見える。考えてみれば、日本だってこんなに便利で簡単で清潔な生活が普通になったのってごく最近のことじゃないかな? 一度慣れてしまうと、昔どんなふうに工夫して不便さを補っていたかなんて忘れちゃうけれど。
by poirier_AAA
| 2010-01-07 19:57
| 日々の断片
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Comments(2)
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らうとら
at 2012-04-06 19:47
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昔の記事へのコメントでごめんなさい。でも、これ「そーなの、そーなの、そーなのよ!!」と、ご指摘の一つ一つに大声で唱和したいくらい常日頃骨身にしみて感じていることで、おおEUよ、お前もか!という感じです。おまけついでに言えば、ラップは箱についているカッターではまともに切れないし、両面テープはいくら頑張っても剥離紙がはがれないし、ボールペンは頭を押しても出てこなかったり、引っ込まなかったり。アジアに住んでいた時は街に日本製品があふれていたので、どうしようもない時は高くても日本製を買っていましたが、北米の田舎に移動したら生活圏から日本製品がコツゼンと消えてしまい、いうことを聞かない品々と格闘する毎日です。
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poirier_AAA at 2012-04-06 22:38
>らうとらさん、こんにちは。
従兄弟がアメリカに住んでいるのですが、世間話をしているうちに、納豆の値段が全然違うことがわかりました。もちろんアメリカの方が格段に安いのです。だから北米の方が欧州よりも絶対に日本製品は手に入りやすいんだろうと思っていました。‥‥でも、アジアは更に上を行くんですね。いいなぁ。。。
外国に住んでいると日本製品って、わあぉミラクルっ!ですよね。ラップは切れないし、開封はこちらと書いてある部分が強力にのり付けしてあるし、プルトップカンは蓋が開く前に取っ手がちぎれちゃうし。でも期待値が大幅に下がったので、普通にパッケージを開けられただけで感動できるようになりました。ささやかな喜びが前より増えたような気がします。
従兄弟がアメリカに住んでいるのですが、世間話をしているうちに、納豆の値段が全然違うことがわかりました。もちろんアメリカの方が格段に安いのです。だから北米の方が欧州よりも絶対に日本製品は手に入りやすいんだろうと思っていました。‥‥でも、アジアは更に上を行くんですね。いいなぁ。。。
外国に住んでいると日本製品って、わあぉミラクルっ!ですよね。ラップは切れないし、開封はこちらと書いてある部分が強力にのり付けしてあるし、プルトップカンは蓋が開く前に取っ手がちぎれちゃうし。でも期待値が大幅に下がったので、普通にパッケージを開けられただけで感動できるようになりました。ささやかな喜びが前より増えたような気がします。