2009年 12月 29日
贅沢する |
我が家では、人を招待したときはノリタケの磁器とクリストフルの銀食器、クリスタルのグラスとダマスク織の厚手のクロスを使う。理由は簡単、5人分以上揃っているのがこれしかないから。
義母から譲り受けたグラス以外は、結婚祝いに頂いたお金で買いそろえたもので、いわば一張羅。我が家には家族用食器を除くと、一張羅のよそ行き食器しかない。
せっかく来ていただくお客様なんだから、いいものでもてなしたい、それがわたしのポリシーよ、と最初は思った。
でも、これが大変なの。
ノリタケの磁器は薄手で繊細。
銀食器はがちゃがちゃ扱うとすぐ傷がついてしまう。
クリスタルのグラスはとにかく薄くて割れやすい。
綿クロスは、一度シミが付くとなかなか落ちない。
お客を招いたときの料理の段取りなんかは随分慣れて来たんだけれど、後片付けの煩わしさは回数を重ねるごとに悩みの種と化している。少人数なら平気でも、10人が使った銀食器とグラスの数は半端じゃない。端が欠けて数が揃わなくなったグラスも困るし、シミが落ちきらないクロスも困る。
そう感じているのはわたしだけではないようで、最近はフランスでもシミにならないポリエステルのクロスが流行っているし、ここぞという時以外はカジュアルな食器を使う家庭も多い。
わたしはきちんとしたレストランが好きだ。
アイロンのきいた真っ白なクロスを膝に広げ、素晴らしい食器とピカピカに磨き上げられた銀食器、ボトルごとに新しくなるグラスなんかを使って、美味しいものきちんとサービスされるのなんて大好きだ。(注:ここ何年もご無沙汰中)
でも、今度そんなレストランに行ったら、とても冷静じゃいられないかもと思う。
油でべっとり汚れた口元を、真っ白なクロスで拭くなんて!
ワインの味見の度に新しいグラスを使うなんて!
贅沢って、つまりはこういうことなんだな。
簡便さではなく、美しさや心地良さを追求すること。
シミが付いてもいいから、肌に心地良く見た目にも美しい吸水性のあるクロスを使うこと。
洗うのが大変でも、味が混ざらないように食器を変えること。
使用人が何人もいて、後片付けのことなんて全然考える必要がなかった時代ならいざ知らず、現代人が贅沢しようと思ったら、お金を払って人に頼るか、自分で腹をくくって働くしかない。
もっと気軽に人を招けるようにカジュアル食器を揃えるか、それとも一張羅の食器でわがやの心意気を見せるか、そこらへんが微妙なところなのである。
義母から譲り受けたグラス以外は、結婚祝いに頂いたお金で買いそろえたもので、いわば一張羅。我が家には家族用食器を除くと、一張羅のよそ行き食器しかない。
せっかく来ていただくお客様なんだから、いいものでもてなしたい、それがわたしのポリシーよ、と最初は思った。
でも、これが大変なの。
ノリタケの磁器は薄手で繊細。
銀食器はがちゃがちゃ扱うとすぐ傷がついてしまう。
クリスタルのグラスはとにかく薄くて割れやすい。
綿クロスは、一度シミが付くとなかなか落ちない。
お客を招いたときの料理の段取りなんかは随分慣れて来たんだけれど、後片付けの煩わしさは回数を重ねるごとに悩みの種と化している。少人数なら平気でも、10人が使った銀食器とグラスの数は半端じゃない。端が欠けて数が揃わなくなったグラスも困るし、シミが落ちきらないクロスも困る。
そう感じているのはわたしだけではないようで、最近はフランスでもシミにならないポリエステルのクロスが流行っているし、ここぞという時以外はカジュアルな食器を使う家庭も多い。
わたしはきちんとしたレストランが好きだ。
アイロンのきいた真っ白なクロスを膝に広げ、素晴らしい食器とピカピカに磨き上げられた銀食器、ボトルごとに新しくなるグラスなんかを使って、美味しいものきちんとサービスされるのなんて大好きだ。(注:ここ何年もご無沙汰中)
でも、今度そんなレストランに行ったら、とても冷静じゃいられないかもと思う。
油でべっとり汚れた口元を、真っ白なクロスで拭くなんて!
ワインの味見の度に新しいグラスを使うなんて!
贅沢って、つまりはこういうことなんだな。
簡便さではなく、美しさや心地良さを追求すること。
シミが付いてもいいから、肌に心地良く見た目にも美しい吸水性のあるクロスを使うこと。
洗うのが大変でも、味が混ざらないように食器を変えること。
使用人が何人もいて、後片付けのことなんて全然考える必要がなかった時代ならいざ知らず、現代人が贅沢しようと思ったら、お金を払って人に頼るか、自分で腹をくくって働くしかない。
もっと気軽に人を招けるようにカジュアル食器を揃えるか、それとも一張羅の食器でわがやの心意気を見せるか、そこらへんが微妙なところなのである。
by poirier_AAA
| 2009-12-29 03:18
| 日々の断片
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