2009年 11月 04日
上橋菜穂子「守り人シリーズ」 |
先週末、日本で注文しておいた本がどっさりと届いて、以来どっぷりと本に浸かった幸せな生活を送っている。(もうほとんど読み終わってしまったんだけど)
今回のメインは、上橋菜穂子。
前に「精霊の守り人」を読んで面白かったので、他の作品も読んでみたくなり今回は文庫になっている作品を大人買いしてしまった。
この「守り人シリーズ」と呼ばれている一連の作品は、用心棒を生業とする女性の短槍使いバルサを主人公とした異世界ファンタジーとでもいう物語だ。バルサは主人公ではあるのだけれど、物語は彼女によって守られる人々をめぐって展開して行く。
シリーズの中で一番好きだったのは「闇の守り人」。
これは自分の過去や心の中の闇を弔う、というのがテーマで、ある意味「精霊の守り人」とこの「闇の守り人」の2冊で完結してしまってもいいんじゃないかと思われるくらい、話としては収まりよくできていたと思う。
人とのかかわり合いの中で生まれてしまった歪み、自分の人生にふりかかって来た不幸、それによって傷ついた自分の心。心の闇は誰でも気がつかないように見ないようにしながら生きているものだ。でも、そんな見たくない自分こそが、実はこれまでの自分の人生を左右していたりする。自分がどう生きたいのか、結局のところは自分と向き合って自分で始末をつけるしかない。当たり前のようだけれど説得力がある。
わたしがこのシリーズを気に入った理由は、多分バルサがとてもプロフェッショナルな仕事人だから、だと思う。それも身体をはった仕事の。自分の身体を道具として極めた人たちには、理屈でどうこう立ち向かうことができない説得力がある。自分でできることの限界を知っている潔さだと思う。媚びず、侮らず、他人ときちんと関わって行く彼女の、毅然とした生き方に憧れる。
今回のメインは、上橋菜穂子。
前に「精霊の守り人」を読んで面白かったので、他の作品も読んでみたくなり今回は文庫になっている作品を大人買いしてしまった。
この「守り人シリーズ」と呼ばれている一連の作品は、用心棒を生業とする女性の短槍使いバルサを主人公とした異世界ファンタジーとでもいう物語だ。バルサは主人公ではあるのだけれど、物語は彼女によって守られる人々をめぐって展開して行く。
シリーズの中で一番好きだったのは「闇の守り人」。
これは自分の過去や心の中の闇を弔う、というのがテーマで、ある意味「精霊の守り人」とこの「闇の守り人」の2冊で完結してしまってもいいんじゃないかと思われるくらい、話としては収まりよくできていたと思う。
人とのかかわり合いの中で生まれてしまった歪み、自分の人生にふりかかって来た不幸、それによって傷ついた自分の心。心の闇は誰でも気がつかないように見ないようにしながら生きているものだ。でも、そんな見たくない自分こそが、実はこれまでの自分の人生を左右していたりする。自分がどう生きたいのか、結局のところは自分と向き合って自分で始末をつけるしかない。当たり前のようだけれど説得力がある。
わたしがこのシリーズを気に入った理由は、多分バルサがとてもプロフェッショナルな仕事人だから、だと思う。それも身体をはった仕事の。自分の身体を道具として極めた人たちには、理屈でどうこう立ち向かうことができない説得力がある。自分でできることの限界を知っている潔さだと思う。媚びず、侮らず、他人ときちんと関わって行く彼女の、毅然とした生き方に憧れる。
by poirier_AAA
| 2009-11-04 22:55
| 日本語を読む
|
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