2017年 08月 02日
和音の響きと音律と |
子どもたちのピアノの譜読みに付き合っていると、
ときどき、無性に気持ち悪くなることがあるのです。
楽譜に示されている音と指で押している音はあっているのです。
でも、そこから出てくる音がなんともいえずに気持ち悪い。
響きが綺麗じゃないだろうと感じてしまうのです。
低い音域や高い音域に行けば行くほど、その不快感は強くなります。
ピアノは平均律で調整されているので、瞬間的な音程の調整はできません。
奏者がその都度微妙に音程調整することができる弦楽器や管楽器、合唱なら
こういった不快感を感じることはないのですが。
小さい頃からピアノを習っている人だと耳が平均律に慣れてしまって
違う音律を聞くと音程が狂っているように感じるのだそうです。
わたしの耳はまだピアノ(平均律)に染まっていないということでしょうか。
ところで、音律にはかなりたくさんの種類があるのだそうです。
平均律、純正律、ピタゴラス音律、キルンベルガー音律、、、、
そして、これが現代の面白さ、便利さといいますか、
そういった音律で演奏した曲をネットで簡単に聞くことができるのです。
試しにピタゴラス音律で弾いたショパンの「黒鍵」を聞いてみたら、
あまりにも気持ちよくて、目の前がぱーっと開けるような気がしました(笑)。
ただ、最後の和音はかなり気持ち悪いです。
一方、キルンベルガー音律で聞く「別れの曲」は、、、
最初に聞いたときは船酔いに似た、なんともいえない不快感を覚えました。
何回か聞いているうちに慣れてきましたが。
音律の気持ち良さも、慣れによる部分が大きいのかもしれません。
いろいろ探していたら、こんな面白い動画を見つけました。
同じ曲を音律を変えて演奏してくれています。
響きの違いがよくわかってとてもおもしろいです。
様々な音律を比べる動画もありました。
どの音律に調律するかによって、和音がこれだけ変わるのですね。
いろいろ聞いてみたところで、耳を落ち着かせて終わることにしましょう。
フォーレの「ラシーヌ讃歌」、調和に満ちた美しい曲です。
by poirier_AAA
| 2017-08-02 19:42
| 聴く
|
Comments(2)
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by
Ich
at 2017-08-03 00:00
x
梨の木さま 流石です。昨日ピーター・ゼルキンの古典調律のピアノリサイタルを聴いてきたばかりなのですがご説明で少し解りました。私の耳はかなり平均律に近いのですが自然の響きに共鳴を感じます。音は深いですね。素晴らしい、有り難うございました(^^♪
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by
poirier_AAA at 2017-08-03 03:02
>Ichさん、こんにちは。
古典調律のピアノ、わたしも生で聴いてみたいです!
聴き慣れたピアノ曲ですと平均律の演奏の響きが頭に染み付いているので、こうして違う調律で聞くとハッとするほど衝撃がありますね。
この数種類の音律を比べる動画をつくったのは、ピアノ調律をなさっている方のようです。この動画を見るまでは、こんなにたくさんの音律があることなどまったく知りませんでした。調律も、そもそも音自体も、奥深い世界ですね。
古典調律のピアノ、わたしも生で聴いてみたいです!
聴き慣れたピアノ曲ですと平均律の演奏の響きが頭に染み付いているので、こうして違う調律で聞くとハッとするほど衝撃がありますね。
この数種類の音律を比べる動画をつくったのは、ピアノ調律をなさっている方のようです。この動画を見るまでは、こんなにたくさんの音律があることなどまったく知りませんでした。調律も、そもそも音自体も、奥深い世界ですね。