2017年 07月 23日
からたちの花 |
ふっと「からたちの花」の歌のことを思い出した。
からたちの花が咲いたよ。
白い白い花が咲いたよ。
からたちのとげはいたいよ。
青い青い針のとげだよ。
からたちは畑の垣根よ。
いつもいつもとほる道だよ。
からたちも秋はみのるよ。
まろいまろい金のたまだよ。
からたちのそばで泣いたよ。
みんなみんなやさしかつたよ。
からたちの花が咲いたよ。
白い白い花が咲いたよ。
日本にいた頃に愛唱していたというわけでもないのだが、
むしろ、日本にいた頃は気にもとめていなかったのだが、
フランスに来てからときどきこうして、ふっと日本の歌を思い出すことがある。
子どもがまだうんと小さい頃、
昼寝の寝かしつけで、こんな歌を思いつくままに歌っていたことがあった。
「からたちの花」とか「赤とんぼ」とか「椰子の実」とか。
雨が降れば「雨降り」を歌い、夏になれば「海」を歌った。
われながら、かなり古い選曲だと思う。
はっきりいって祖母の世代の歌である。
それでも他のどんな歌を歌うよりもしっくり気分に馴染んだのは、
自分の子どもの頃の感覚が、そこに根ざしていたからかもしれない。
ものがなしいメロディもそうだし、
歌詞の日本語がものすごく懐かしく感じられた。
「からたちの花」は北原白秋の詞に山田耕筰が音をつけた。
メロディが詞を喰ってしまうことなく、
むしろ言葉を引き立てるような流れになっているのが好きだ。
この曲はたくさんの声楽家が歌っているようだけれども、
そしてみないい声を持っていることは確かなのだけれども、
個人的には語りに近いうたい方をしているのが一番しっくりくる。
楽器としての声ではなくて、言葉を伝えるための声で聞きたい。
こんな動画を見つけた。
by poirier_AAA
| 2017-07-23 19:52
| 聴く
|
Comments(4)
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Mtonosama at 2017-07-24 05:54
おはようございます。今朝は少し涼しく「からたちの花」の歌詞がすんなり入ってきます。北原白秋の詩は150歳にも懐かしく、美しい詩です。白秋ですものね。彼も秋には思い入れがあるのでしょうか。
白い秋と金色のからたちの実。
ああ、もうすぐ秋になり、また1年が終わってしまう・・・
白い秋と金色のからたちの実。
ああ、もうすぐ秋になり、また1年が終わってしまう・・・
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ひかり
at 2017-07-24 07:13
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ああ、なんででしょうね、私も
寝かしつけるときは童謡でしたし
今もたまにせがまれて歌うのは
春の小川(断乳の時に夜中夫婦でずっと唄っていました…)
や海や…
テンポもゆっくりで、ことばもシンプルで美しくて
心に染み入る感じですものね…
寝かしつけるときは童謡でしたし
今もたまにせがまれて歌うのは
春の小川(断乳の時に夜中夫婦でずっと唄っていました…)
や海や…
テンポもゆっくりで、ことばもシンプルで美しくて
心に染み入る感じですものね…
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poirier_AAA at 2017-07-24 21:40
> Mtonosamaさん、こんにちは。
美しい詞ですよね。
北原白秋はわたしも好きなのです。
ときどきふっと頭に浮かぶのも、だから白秋の詩が多いんですよ。
>ああ、もうすぐ秋になり、また1年が終わってしまう・・・
まだまだですよぉ、これからヴァカンスなんですから!
「もう秋かぁ」と思うのはヴァカンスが終わってからでも間に合いますからね(笑)。
美しい詞ですよね。
北原白秋はわたしも好きなのです。
ときどきふっと頭に浮かぶのも、だから白秋の詩が多いんですよ。
>ああ、もうすぐ秋になり、また1年が終わってしまう・・・
まだまだですよぉ、これからヴァカンスなんですから!
「もう秋かぁ」と思うのはヴァカンスが終わってからでも間に合いますからね(笑)。
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poirier_AAA at 2017-07-24 21:45
> ひかりさん、こんにちは。
ひかりさんもそうですか?
なんででしょうね。
テンポも言葉も、ものがなしい旋律までも、なぜだかしっくりくるんです。
小さい頃祖母がよく「ねんねんころりよ、おころりよ」と歌ってくれました。
これもなんともさみしくて、子ども心を不安にするような旋律なんですよね。
その思い出があるからかなぁなんて思うのです。
ひかりさんもそうですか?
なんででしょうね。
テンポも言葉も、ものがなしい旋律までも、なぜだかしっくりくるんです。
小さい頃祖母がよく「ねんねんころりよ、おころりよ」と歌ってくれました。
これもなんともさみしくて、子ども心を不安にするような旋律なんですよね。
その思い出があるからかなぁなんて思うのです。