2017年 04月 25日
bilangue と bilingue |
しばらく前、息子の担任の教師と面接してきた夫が、
「ビラングのクラスをとるように勧められた」と言う。
いわく、家庭が多言語環境だから外国語に対する心理的な垣根が低い。
ずっとこちらで教育を受けているからフランス語にも問題がない。
そういう子どもには是非積極的に外国語を勉強してほしい、と。
ビラングというと、なに、英語で授業を受けちゃうようなクラスのこと?
わかったようなわからないようなで質問すると夫は、違う、と言う。
ビラングじゃなくてビラングだってば。
はぁ?
だから、ビラング。英語だけじゃなくて他の外国語もやるの。
だからそれってインターナショナルスクールみたいな?
ちがうの。それはビラング。そうじゃなくてビラング。
何回か繰り返してようやくわかった。
同じように聞こえるけど、どうやら2種類あるらしい。
片方はbilangue、もう片方はbilingue。
文字にしてみると発音が違うこともハッキリわかる。
あ〜そうか、わたし、この音が聞き分けられないのか。。。とほほ。
つまりこうである。
インターナショナルスクールのように、
2つの言語をどちらも授業で使うようなやり方がbilingue。
必要に応じてどちらの言葉でも使えるようにするバイリンガル教育。
一方、中学で(今現在のカリキュラムでは小学5年生を含む)
第一外国語(大抵は英語と他1言語)を2つ履修することをbilangueと呼ぶ。
週に何時間と決められた外国語学習枠のなかで勉強する。
第二、第三外国語の選択肢ももちろんあるが、履修時間と到達目標が違う。
第一外国語が目指すのはヨーロッパ共通参照枠でB2。
うちの子が勧められたのはこちらのビラングだった。
その話を聞いた息子たちは大喜びで話に乗って、
今年(小学5年生)から始まったドイツ語のクラスにも参加し始めた。
垣根、本当に低いんだよね〜。
中学生になると英語が始まるというので怖気づいていた小6のわたしとは、
なんだかもう根本的に外国語に対する構え方が違う。
でも、言葉ってこのくらいのノリで始めるのがいいのかもしれない、とも思う。
勉強じゃないの。
面白そうだからやってみたい。もうちょっと知りたい。
そういう形で外国語と向き合う方がずっと楽しい。そして伸びる。
「あなたの名前はなんですか?」「わたしは〜ですよ」
子どもたちが拙いドイツ語を練習しているのを聞きながら、わたしは夢想する。
あと3年くらいしたらドイツ語圏に旅行に行ってもいいな〜。
男性3人を通訳にして、わたしは左団扇で連れて行ってもらうのだ。
あぁ夢のようだわ。
その夢を食卓でぽろっと口にしたら、子どもたちはすぐにのってきた。
いいねぇ、そうしたらドイツのサッカースタジアムを見学に行こう!
‥‥そ、そっちに行くか?
なんならスペイン語を勉強してスペインのスタジアムに行ってもいいよ。
‥‥もはや夢想をつづける元気もなし。
by poirier_AAA
| 2017-04-25 18:30
| 言葉を学ぶ
|
Comments(8)
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fusk-en25 at 2017-04-25 19:00
息子は第二外国語がドイツ語で。。
ホームスティにも2度も行かせました。。
ドイツに旅行してレストランに一緒に行った。
メニュー見てもわからへん。?。なんで?
僕レストランに来たの初めてやで。料理の名前なんか知らんもん。。
カトフーンがジャガイモってことはわかるけどなあ。。でした。笑。
ドイツ語を習ったことのない私の方が料理名を知っていたりして。。
ホームスティにも2度も行かせました。。
ドイツに旅行してレストランに一緒に行った。
メニュー見てもわからへん。?。なんで?
僕レストランに来たの初めてやで。料理の名前なんか知らんもん。。
カトフーンがジャガイモってことはわかるけどなあ。。でした。笑。
ドイツ語を習ったことのない私の方が料理名を知っていたりして。。
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poirier_AAA at 2017-04-25 19:23
> fusk-en25さん、こんにちは。
ははは。興味がないことは左から右に抜けていくんでしょうね。
なんか、男の子ってそういう部分がすごく多いような気がして。
目の前にこれみよがしに転がっているものでも、興味がないと認識しないんです。
食べ物の名前だって、自分の好きなものと嫌いなものの名しか覚えない。
あとはぜんぶ「しらない」ですよ(笑)
ははは。興味がないことは左から右に抜けていくんでしょうね。
なんか、男の子ってそういう部分がすごく多いような気がして。
目の前にこれみよがしに転がっているものでも、興味がないと認識しないんです。
食べ物の名前だって、自分の好きなものと嫌いなものの名しか覚えない。
あとはぜんぶ「しらない」ですよ(笑)
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germanmed at 2017-04-26 04:37
わーい、ドイツに旅行に来て下さい!
あ、でも梨の木さんはチロルの方がいいかな。
あ、でも梨の木さんはチロルの方がいいかな。
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Mtonosama at 2017-04-26 05:38
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poirier_AAA at 2017-04-26 15:43
> germanmedさん、こんにちは。
ふふ、くまさんに会いにドイツに行くと考えると、なんかすごくワクワクするんです。
でも、そうなんです。チロルも捨てがたいなぁと思っていて。農家に滞在するなら会話できないと楽しくないでしょうしね。やっぱり人と話ができるかどうかって、すごく大事なポイントですね。
ふふ、くまさんに会いにドイツに行くと考えると、なんかすごくワクワクするんです。
でも、そうなんです。チロルも捨てがたいなぁと思っていて。農家に滞在するなら会話できないと楽しくないでしょうしね。やっぱり人と話ができるかどうかって、すごく大事なポイントですね。
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poirier_AAA at 2017-04-26 15:51
> Mtonosamaさん、こんにちは。
ちょっとびっくりしますよね。
英語だってままならないのに他の言葉まで始めちゃって大丈夫なの?と。
どんなふうになっていくのか、ちょっと楽しみです。
ある程度のレベルまで達した言語は、しばらく使わなくてもその気になれば戻ってくるんですって(昨日読んだ本に書いてありました)。とのさんのドイツ語もだからきっと大丈夫。来日したドイツ語圏の監督や俳優さんと直に話す機会が巡ってきたりして。うわ〜、ドキドキしちゃう。
ちょっとびっくりしますよね。
英語だってままならないのに他の言葉まで始めちゃって大丈夫なの?と。
どんなふうになっていくのか、ちょっと楽しみです。
ある程度のレベルまで達した言語は、しばらく使わなくてもその気になれば戻ってくるんですって(昨日読んだ本に書いてありました)。とのさんのドイツ語もだからきっと大丈夫。来日したドイツ語圏の監督や俳優さんと直に話す機会が巡ってきたりして。うわ〜、ドキドキしちゃう。
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Yozakura
at 2017-05-08 14:42
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梨の木さま
この日の記事にて紹介されていた二つの類義語 "bilingue" と "bilangue" ですが、こうした概念上の区分が在る事実を今初めて知りました。
手許にある辞書「新スタンダード仏和辞典」(大修館書店、1988年の第2版)では、前者の "bilingue" しか記載がありません。初心者には縁遠い領域の話ですが、夢は壮大である方が楽しいでしょう。
御健闘下さい。
この日の記事にて紹介されていた二つの類義語 "bilingue" と "bilangue" ですが、こうした概念上の区分が在る事実を今初めて知りました。
手許にある辞書「新スタンダード仏和辞典」(大修館書店、1988年の第2版)では、前者の "bilingue" しか記載がありません。初心者には縁遠い領域の話ですが、夢は壮大である方が楽しいでしょう。
御健闘下さい。
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poirier_AAA at 2017-05-09 19:24
> Yozakuraさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
この二つの単語、実はフランス人でも使い方を迷う人が結構いるのです。
"bilingue" はどの辞書を引いても載っているような一般的な言葉(バイリンガルの意)なのですが、 "bilangue"は現在のカリキュラムの中で特定の履修方法を示すために使われている言葉なので、まだ辞書に載るほどの市民権を得ていないのだと思います。(←あくまでわたしの印象ですが)
夢は絶対に壮大な方が楽しいですよね。
現実的な即夢なんて、それこそ夢がなさすぎます(笑)
がんばります!
コメントありがとうございます。
この二つの単語、実はフランス人でも使い方を迷う人が結構いるのです。
"bilingue" はどの辞書を引いても載っているような一般的な言葉(バイリンガルの意)なのですが、 "bilangue"は現在のカリキュラムの中で特定の履修方法を示すために使われている言葉なので、まだ辞書に載るほどの市民権を得ていないのだと思います。(←あくまでわたしの印象ですが)
夢は絶対に壮大な方が楽しいですよね。
現実的な即夢なんて、それこそ夢がなさすぎます(笑)
がんばります!