2016年 11月 08日
本をめぐる世間話など |
11月初旬のフランスは、有名な文学賞がつぎつぎ発表されて賑わう。
フェミナ賞、ゴンクール賞、ルノドー賞、メディシス賞、などなど。
この時期に本屋に行くと、
2016年⚪︎⚪︎賞受賞作、と大きく帯のついた本が山積みだ。
今年のゴンクール賞は、レイラ・スリマニというまだ若い作家がとった。
2作目にしてこの大きな賞を受賞してしまったという華々しさに加え、
本人がどこにいてもパッと目立ってしまう華やかな美貌の持ち主で、
受賞作品や経歴ばかりでなく、視覚的にも宣伝効果抜群。
筆で勝負している人(彼女は作家でもありジャーナリストでもある)に対して
外見の良さをあれこれ言うのは失礼な話かもしれないと思いながらも、
彼女を見ているとついつい思ってしまうのである。
「天は二物を与えず」なんて、あれは嘘っぱちだね。
彼女はモロッコ人の父とフランスとアルジェリアの血を引く母を持ち、
モロッコで生まれてフランス語教育を受けて育った。
この経歴を聞くとついアイデンティティの問題を書くのかと想像してしまうが、
彼女は、そういう典型的な話を書くつもりはなかった、と言う。
もっと誰にとっても身近な、日常に潜む違和感を書きたかった、と。
いくつかインタビューを聞いて、
彼女自身の強い個性と、彼女が目をつけた日常の「違和感」と、
これから何を書くのかなという期待と、俄然興味が湧いてきた。
ちらっとさわりだけ読んでみようと土曜日に本屋に行ったら、
なんと、もう1冊も残っていなかった。売れているらしい。
今年のノーベル文学賞は、出版業界と本屋をがっかりさせた。
でもガリマール社だけは一人勝ちで高笑いだろうと巷では噂されている。
ハリー・ポッターの第8巻を出し、
ゴンクール賞受賞作も出し、
さらにはミッテラン前大統領のプライベートな書簡集まで出している。
この3冊でクリスマス商戦もかなり期待できそうだ。
クリスマスに本を贈る人も多いので、
ここから年末にかけて平日夕方や週末の本屋はけっこう混雑する。
本屋に憩いに行っては、年末までの時間の短さを感じる時期になった。
by poirier_AAA
| 2016-11-08 22:04
| フランス語を読む
|
Comments(4)
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Mtonosama at 2016-11-09 05:42
そうです、そうです。
天はニ物を与えずというのはうそです。
アラブ系のお顔はゴージャスですよね。
日本でもきっと発売になるのでしょう。
楽しみにします。
天はニ物を与えずというのはうそです。
アラブ系のお顔はゴージャスですよね。
日本でもきっと発売になるのでしょう。
楽しみにします。
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pallet-sorairo at 2016-11-09 07:12
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poirier_AAA at 2016-11-09 17:08
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poirier_AAA at 2016-11-09 17:20
> pallet-sorairoさん、こんにちは。
そうそう、お人形さんっぽい人為的に作られた感じが全然ないんですよね。
強くて生き生きしていて、魅力的な人だなぁと思います。
これからの活躍が楽しみです。
そうそう、お人形さんっぽい人為的に作られた感じが全然ないんですよね。
強くて生き生きしていて、魅力的な人だなぁと思います。
これからの活躍が楽しみです。