2016年 04月 04日
こんな映画があったのか!? |
他の国のことはよくわからないけれど、
フランスに住んでよかったと思うことのひとつは、
日本映画を見る機会がわりあいあることだ。
例えば図書館のDVDコーナーに行くと、
小津、溝口、黒澤といった有名どころはもちろんのこと、
藤純子の「緋牡丹お竜」のボックスセットまであったりする。
日本にいた頃は「緋牡丹お竜」なんて知らなかった。
外国に住むようになって初めて知った日本がある。
なんだか変な感じ〜と思ったりもするが、それはそれでまた楽しい。
このあいだ図書館でDVDの棚を端から順番に眺めていたら、
名前を聞いたこともない日本の映画が出てきた。
「カタクリ家の幸福」というタイトルだった。
監督は三池崇史。
映画に詳しい人なら、
この監督の名を目にしただけでピン!とくるのかもしれない。
わたしは詳しくないので全然ピンとこなくて、
でも出演者に知っている人が多かったので、借りてみることにした。
結論から言うと、すご〜〜〜〜く変な作品だった。
昭和の雰囲気を満喫できる懐かしさと、
なんじゃこれは?というシュールさ加減と、
どういう顔をしてみたら良いのかわからない鈍臭さと、
思わずぷぷぷっと吹き出してしまう可笑しさと、
自分の消化能力以上の料理を食べてしまったような胃もたれ感と、
それらすべてが渾然一体となっているがゆえに、
「変な」という貧しい言葉でしか表現のしようがないという、
いや、とにかく、なんとも言えない不思議な作品だった。
予告編を貼っておくので、
これで興味をひかれたなら、ぜひ実際に見てみていただきたい。
見終わった時の余韻は、正直言ってあまり良くなかった。
でも、だからといって面白くなかったかというとそんなことはなくて、
苦いけれど珍しくて変わった料理を食べさせてもらった、とでも言おうか。
個人的に特筆したいのは、
沢田研二と忌野清志郎の歌のうまさがよくわかったこと。
声のつやも張りも歌い方も、他の出演者とは全然違う。
こんなに巧い人たちだったんだ。。。。
この作品は誰か(昭和を知る日本人)と一緒に見るのがオススメ。
見終わった後で感じたことを話す相手がきっと欲しくなる。
フランスに住んでよかったと思うことのひとつは、
日本映画を見る機会がわりあいあることだ。
例えば図書館のDVDコーナーに行くと、
小津、溝口、黒澤といった有名どころはもちろんのこと、
藤純子の「緋牡丹お竜」のボックスセットまであったりする。
日本にいた頃は「緋牡丹お竜」なんて知らなかった。
外国に住むようになって初めて知った日本がある。
なんだか変な感じ〜と思ったりもするが、それはそれでまた楽しい。
このあいだ図書館でDVDの棚を端から順番に眺めていたら、
名前を聞いたこともない日本の映画が出てきた。
「カタクリ家の幸福」というタイトルだった。
監督は三池崇史。
映画に詳しい人なら、
この監督の名を目にしただけでピン!とくるのかもしれない。
わたしは詳しくないので全然ピンとこなくて、
でも出演者に知っている人が多かったので、借りてみることにした。
結論から言うと、すご〜〜〜〜く変な作品だった。
昭和の雰囲気を満喫できる懐かしさと、
なんじゃこれは?というシュールさ加減と、
どういう顔をしてみたら良いのかわからない鈍臭さと、
思わずぷぷぷっと吹き出してしまう可笑しさと、
自分の消化能力以上の料理を食べてしまったような胃もたれ感と、
それらすべてが渾然一体となっているがゆえに、
「変な」という貧しい言葉でしか表現のしようがないという、
いや、とにかく、なんとも言えない不思議な作品だった。
予告編を貼っておくので、
これで興味をひかれたなら、ぜひ実際に見てみていただきたい。
見終わった時の余韻は、正直言ってあまり良くなかった。
でも、だからといって面白くなかったかというとそんなことはなくて、
苦いけれど珍しくて変わった料理を食べさせてもらった、とでも言おうか。
個人的に特筆したいのは、
沢田研二と忌野清志郎の歌のうまさがよくわかったこと。
声のつやも張りも歌い方も、他の出演者とは全然違う。
こんなに巧い人たちだったんだ。。。。
この作品は誰か(昭和を知る日本人)と一緒に見るのがオススメ。
見終わった後で感じたことを話す相手がきっと欲しくなる。
by poirier_AAA
| 2016-04-04 09:10
| 観る・鑑賞する
|
Comments(4)
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Mtonosama at 2016-04-04 15:38
15年前の作品なのですね。
ジュリーも松坂慶子も今ほど福々しくはなかった頃・・・
三池崇史監督もいまや大家然としてますが、
そもそもこういう映画から名をなしていったんだ^_^;
忌野清志郎はもちろん、ジュリーは歌うまいです。
その昔ジュリーに夢中になった人間ですから。
ジュリーも松坂慶子も今ほど福々しくはなかった頃・・・
三池崇史監督もいまや大家然としてますが、
そもそもこういう映画から名をなしていったんだ^_^;
忌野清志郎はもちろん、ジュリーは歌うまいです。
その昔ジュリーに夢中になった人間ですから。
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poirier_AAA at 2016-04-04 22:39
>Mtonosamaさん、こんにちは。
わたし、すごくすごく失礼なんですけど、ジュリーも松坂慶子も軽く見てました。あんな甘ったるい声なんて、あんなダイコン女優なんて、、、とか思っていて。
でもねぇ、違うんですよねぇ。
沢田研二は歌うまいし、松坂慶子のあの天性のほんわか加減も他の人の追随を許しませんね。このブラックな映画に、この松坂慶子の醸し出すホノボノ感が絶妙なアクセントになっていて、いやぁ配役の妙だなぁと思いました。
この映画の中の忌野清志郎、自称イギリス人(エリザベス女王と血縁関係がある!)との混血で、リチャード佐川と名乗っているのですけど、言うこと成すことすごく怪しくて、かなり笑えました。
わたし、すごくすごく失礼なんですけど、ジュリーも松坂慶子も軽く見てました。あんな甘ったるい声なんて、あんなダイコン女優なんて、、、とか思っていて。
でもねぇ、違うんですよねぇ。
沢田研二は歌うまいし、松坂慶子のあの天性のほんわか加減も他の人の追随を許しませんね。このブラックな映画に、この松坂慶子の醸し出すホノボノ感が絶妙なアクセントになっていて、いやぁ配役の妙だなぁと思いました。
この映画の中の忌野清志郎、自称イギリス人(エリザベス女王と血縁関係がある!)との混血で、リチャード佐川と名乗っているのですけど、言うこと成すことすごく怪しくて、かなり笑えました。
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kanafr at 2016-04-06 05:23
ェ~、ジュリーは、凄いです。
昔、ジュリーファンでした...と書いたのは、こちらに住むようになって、その後のジュリーを知らなかったからですが、友人が大ファンでパリに来た時にコンサートの話を聞き、さらに今のジュリーの歌を聞いたら、その声ののびやかな事!声に色気があります。
清志郎もジュリーと同じです。
魂を持った歌声だと思います。
今生きていたら、今の日本をどう歌っただろうって、いつも思っているんですよ。
昔、ジュリーファンでした...と書いたのは、こちらに住むようになって、その後のジュリーを知らなかったからですが、友人が大ファンでパリに来た時にコンサートの話を聞き、さらに今のジュリーの歌を聞いたら、その声ののびやかな事!声に色気があります。
清志郎もジュリーと同じです。
魂を持った歌声だと思います。
今生きていたら、今の日本をどう歌っただろうって、いつも思っているんですよ。
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by
poirier_AAA at 2016-04-06 20:26
>kanafrさん、こんにちは。
その凄さが、昔は全然わからなかったんですね。母親が嫌っていたこともあるし、楽器を始めてクラシックに傾斜していましたから、歌謡曲からかなり遠いところにいたのです。
こちらに来てから、ふとしたきっかけで「日本の歌謡界再発見」みたいな感じになりまして(笑)ちあきなおみとか井上陽水とか玉置浩二とか、きゃ〜こんなに上手い人がいたの?と思いながら聞いていたのです。そこに沢田研二とか忌野清志郎が加わって、、、いやぁ、いい歌手がたくさん居たんですねぇ。わたしもライブに行ってみたくなりましたよ。
その凄さが、昔は全然わからなかったんですね。母親が嫌っていたこともあるし、楽器を始めてクラシックに傾斜していましたから、歌謡曲からかなり遠いところにいたのです。
こちらに来てから、ふとしたきっかけで「日本の歌謡界再発見」みたいな感じになりまして(笑)ちあきなおみとか井上陽水とか玉置浩二とか、きゃ〜こんなに上手い人がいたの?と思いながら聞いていたのです。そこに沢田研二とか忌野清志郎が加わって、、、いやぁ、いい歌手がたくさん居たんですねぇ。わたしもライブに行ってみたくなりましたよ。