2015年 07月 20日
ピアノの音 |
久しぶりにテレビをつけて、
久しぶりにクラシック・チャンネルを見たら、
ちょうどベートーヴェンのピアノ協奏曲が始まったところだった。
ピアノ協奏曲の第4番。
ピアニストはアンドラーシュ・シフ。
最初は、実はそれほど一所懸命聴いていなかった。
それがむむむっと身を乗り出すことになったのは、
耳に入ってきたピアノの音が聞き慣れた音ではなかったからだった。
聞き慣れた音、というのは多分スタインウェイの音だと思う。
大きなコンサートホールのピアノはスタインウェイであることが多いし、
なんだかんだいって録音等でも一番使われているピアノではなかろうか。
電子ピアノだってスタインウェイの音をモデルにしているそうだし。
だからこの日も、耳は聞き慣れた響きを待っていたのだった。
それが全然違う音が飛び込んで来たので、ひっくり返りそうに驚いた。
なに、この音?
このピアノはなに?
目を凝らして楽器を見ていたら字が読めた。
Bechstein(ベヒシュタイン)とあった。
へぇ、こんな音がするピアノがあるのだ。知らなかった。
一目惚れならぬ、一耳惚れした。
スタインウェイだってすごくいい音だ。
キラキラして華やかで軽やかで、高みに燦然と輝く王者の風格がある。
でも、そのスタインウェイがうわべだけのちゃらちゃら美人に感じられるほど、
もっと内省的な、それでいて表情が自在に変化する、実に魅力的な楽器。
こんな音です、というのを紹介しようとYoutubeで探してみたが、
今回聴いた演奏のように劇的にわかるものがなかった。
どの人もさらっと上手く弾くのだが、そういう弾き方ではわからない。
あの楽器の音にあれだけ感動したのは、
たぶんシフという演奏家の力によるところも大きいのだろうと思った。
楽器の音も魅力的なら、演奏もエキサイティングで、
全然ベートーヴェンという気分ではなかったのに、
終った時には思わず満足のため息が出たくらい。
すごく良いものを聴かせてもらった。
良い方向で予想が裏切られるって、とても嬉しい。
それで一気に幸福感が増してしまうんだから、あきれるほど単純なのだ、わたしは。
シフが弾く、これまた違うピアノ。
久しぶりにクラシック・チャンネルを見たら、
ちょうどベートーヴェンのピアノ協奏曲が始まったところだった。
ピアノ協奏曲の第4番。
ピアニストはアンドラーシュ・シフ。
最初は、実はそれほど一所懸命聴いていなかった。
それがむむむっと身を乗り出すことになったのは、
耳に入ってきたピアノの音が聞き慣れた音ではなかったからだった。
聞き慣れた音、というのは多分スタインウェイの音だと思う。
大きなコンサートホールのピアノはスタインウェイであることが多いし、
なんだかんだいって録音等でも一番使われているピアノではなかろうか。
電子ピアノだってスタインウェイの音をモデルにしているそうだし。
だからこの日も、耳は聞き慣れた響きを待っていたのだった。
それが全然違う音が飛び込んで来たので、ひっくり返りそうに驚いた。
なに、この音?
このピアノはなに?
目を凝らして楽器を見ていたら字が読めた。
Bechstein(ベヒシュタイン)とあった。
へぇ、こんな音がするピアノがあるのだ。知らなかった。
一目惚れならぬ、一耳惚れした。
スタインウェイだってすごくいい音だ。
キラキラして華やかで軽やかで、高みに燦然と輝く王者の風格がある。
でも、そのスタインウェイがうわべだけのちゃらちゃら美人に感じられるほど、
もっと内省的な、それでいて表情が自在に変化する、実に魅力的な楽器。
こんな音です、というのを紹介しようとYoutubeで探してみたが、
今回聴いた演奏のように劇的にわかるものがなかった。
どの人もさらっと上手く弾くのだが、そういう弾き方ではわからない。
あの楽器の音にあれだけ感動したのは、
たぶんシフという演奏家の力によるところも大きいのだろうと思った。
楽器の音も魅力的なら、演奏もエキサイティングで、
全然ベートーヴェンという気分ではなかったのに、
終った時には思わず満足のため息が出たくらい。
すごく良いものを聴かせてもらった。
良い方向で予想が裏切られるって、とても嬉しい。
それで一気に幸福感が増してしまうんだから、あきれるほど単純なのだ、わたしは。
シフが弾く、これまた違うピアノ。
by poirier_AAA
| 2015-07-20 21:45
| 聴く
|
Comments(4)
Commented
by
fusk-en25 at 2015-07-20 22:25
おぉ「ベヒシュタイン」
音楽嫌いな私はこの音色を聴いたことはありませんが
文字好きの方が覚えていた単語。
高橋治の短編のタイトル「ベヒシュタイン歌う」調律家の話ですが。男女の出会いが居酒屋?のカウンターで音のない曲を奏でるところから始まる。ちょっと切なくて?ハッピーエンドの物語。
音楽嫌いな私はこの音色を聴いたことはありませんが
文字好きの方が覚えていた単語。
高橋治の短編のタイトル「ベヒシュタイン歌う」調律家の話ですが。男女の出会いが居酒屋?のカウンターで音のない曲を奏でるところから始まる。ちょっと切なくて?ハッピーエンドの物語。
0
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by
poirier_AAA at 2015-07-21 16:40
>fuskさん、こんにちは。
おぉ、ベヒシュタインの名がそんなところに出てきましたか。
いい音だったんですよ。
スタインウェイ的な恋愛は、わたしの場合はたとえば何回生まれ変わっても縁はなさそうです。でも、ベヒシュタイン的な恋愛だったら一度くらい身を置いてみたい、いや一度くらい経験させて欲しい(似合うかどうか、相応しいかどうかは別としてですよ)なんて思いますよ。
おぉ、ベヒシュタインの名がそんなところに出てきましたか。
いい音だったんですよ。
スタインウェイ的な恋愛は、わたしの場合はたとえば何回生まれ変わっても縁はなさそうです。でも、ベヒシュタイン的な恋愛だったら一度くらい身を置いてみたい、いや一度くらい経験させて欲しい(似合うかどうか、相応しいかどうかは別としてですよ)なんて思いますよ。
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by
kitaoni at 2015-07-21 21:08
ベヒシュタイン...... 知りませんでした。
聴いてみたい......
聴いてみたい......
Commented
by
poirier_AAA at 2015-07-21 23:49