2014年 11月 04日
クレルモン=フェランの3人 |
クレルモン=フェランで観光といえば、
ゴシック建築の素晴らしい大聖堂、
ロマネスク建築のバジリカ、
ぐっと新しいところでミシュランの博物館などがありますが、
地味なところでは、足下の石畳の中にこんなものを見つけることができます。 フランスの、おそらく最も古いヒーロー、ヴェルサンジェトリクスです。
紀元前1世紀は中頃、当時ローマの支配に屈していたガリア人(ゴロワ)が、
ヴェルサンジェトリクスの指揮のもと、ローマに反旗を翻します。
そして紀元前は52年、ジェルゴビーでの戦いでセザールに打ち勝つのです。
強大で組織立ったローマ軍に対し、部族の寄せ集め軍だったゴロワが勝つ、
フランスに生まれた人=ゴロワ(ガリア人)ではないとわかっていても、
この古代の英雄は、やっぱりフランスという土地が生んだヒーローなのです。
このヒーロー、ヴェルサンジェトリクスの出身がオーベルニュでした。
で、ゴロワがローマ軍に勝利したジェルゴビーは、
現在のクレルモン=フェランの近郊にあるのです。
そんなわけですから、クレルモン=フェランの広場の中央にも、
こんな立派な銅像が立てられています。 銅像が高すぎるし太陽の位置がいまひとつで、細かい部分までよく見えませんね。
石畳に隠れているのは、ヴェルサンジェトリクスだけではありません。
他にもこの街に縁の深い2人がいます。
まずはブレーズ・パスカル。
パスカルといえばパンセ、人間は考える葦である、が知られていますが、
哲学者、思索者としてだけでなく、数学者、物理学者としても活躍した人です。
クレルモン=フェラン出身のこの早熟の天才は、
街の西側にあるピュイ・ドゥ・ドームの山頂で大気圧の実験をしたそうです。
そして最後の1人がこのお方。
フランス語だとユルバン2世ですが、つまりはウルバヌス2世。
1095年のクレルモン教会会議で、第1回十字軍の派遣を呼びかけた教皇です。
11世紀も終わりのこの時期、西欧はすでに遠く離れた聖地エルサレムを想い、
その奪回を考えられるほどのエネルギーを蓄えており、
そして、そのエネルギーが12世紀ルネサンスに繋がって行くわけです。
そして同じ頃、イベリア半島はレコンキスタの真っ最中で、
12世紀にはポルトガル王国が建国するのですね。
あちらもこちらも大きな歴史のうねりに巻き込まれて動き始めた、
そんな時代を想像するだけで体がぐらりと動くような錯覚を覚えます。
紀元前のローマ軍との戦いから始まって
11世紀末の教会会議、13世紀から19世紀まで続いたカテドラルの建設、
それから現代のこの街を支えるミシュラン社の出現。
街を眺め、足下を見て歩いているだけで、
この街が見て来た歴史の重みを感じるのでした。
ゴシック建築の素晴らしい大聖堂、
ロマネスク建築のバジリカ、
ぐっと新しいところでミシュランの博物館などがありますが、
地味なところでは、足下の石畳の中にこんなものを見つけることができます。
紀元前1世紀は中頃、当時ローマの支配に屈していたガリア人(ゴロワ)が、
ヴェルサンジェトリクスの指揮のもと、ローマに反旗を翻します。
そして紀元前は52年、ジェルゴビーでの戦いでセザールに打ち勝つのです。
強大で組織立ったローマ軍に対し、部族の寄せ集め軍だったゴロワが勝つ、
フランスに生まれた人=ゴロワ(ガリア人)ではないとわかっていても、
この古代の英雄は、やっぱりフランスという土地が生んだヒーローなのです。
このヒーロー、ヴェルサンジェトリクスの出身がオーベルニュでした。
で、ゴロワがローマ軍に勝利したジェルゴビーは、
現在のクレルモン=フェランの近郊にあるのです。
そんなわけですから、クレルモン=フェランの広場の中央にも、
こんな立派な銅像が立てられています。
石畳に隠れているのは、ヴェルサンジェトリクスだけではありません。
他にもこの街に縁の深い2人がいます。
まずはブレーズ・パスカル。
哲学者、思索者としてだけでなく、数学者、物理学者としても活躍した人です。
クレルモン=フェラン出身のこの早熟の天才は、
街の西側にあるピュイ・ドゥ・ドームの山頂で大気圧の実験をしたそうです。
そして最後の1人がこのお方。
フランス語だとユルバン2世ですが、つまりはウルバヌス2世。
1095年のクレルモン教会会議で、第1回十字軍の派遣を呼びかけた教皇です。
11世紀も終わりのこの時期、西欧はすでに遠く離れた聖地エルサレムを想い、
その奪回を考えられるほどのエネルギーを蓄えており、
そして、そのエネルギーが12世紀ルネサンスに繋がって行くわけです。
そして同じ頃、イベリア半島はレコンキスタの真っ最中で、
12世紀にはポルトガル王国が建国するのですね。
あちらもこちらも大きな歴史のうねりに巻き込まれて動き始めた、
そんな時代を想像するだけで体がぐらりと動くような錯覚を覚えます。
紀元前のローマ軍との戦いから始まって
11世紀末の教会会議、13世紀から19世紀まで続いたカテドラルの建設、
それから現代のこの街を支えるミシュラン社の出現。
街を眺め、足下を見て歩いているだけで、
この街が見て来た歴史の重みを感じるのでした。
by poirier_AAA
| 2014-11-04 21:46
| フランスを歩く
|
Comments(2)
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by
Mtonosama at 2014-11-05 07:10
偉人を踏みつけにするというのも不思議な感じです。
そういえば、ヨーロッパでは教会の床下に偉い人のお墓があるんですよね。
そういえば、ヨーロッパでは教会の床下に偉い人のお墓があるんですよね。
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by
poirier_AAA at 2014-11-05 21:56
>Mtonosamaさん、こんにちは。
そうですよね、わたしもこういうものに一旦気がついてしまうと踏んでは歩けなくなります。夫も似たようなもので、人の印の上や教会内の墓石の上は避けて歩いています。
でも、たいていこういう印って長年踏みつけられて摩耗していますよね。ということは、西洋の人はあまり気にならないということでしょうか。それとも偉人程度なら平気だけれど、聖人とか聖母は踏みつけられないという一応の区別はあるのでしょうか? こんどアンケートをしてみなくては。
そうですよね、わたしもこういうものに一旦気がついてしまうと踏んでは歩けなくなります。夫も似たようなもので、人の印の上や教会内の墓石の上は避けて歩いています。
でも、たいていこういう印って長年踏みつけられて摩耗していますよね。ということは、西洋の人はあまり気にならないということでしょうか。それとも偉人程度なら平気だけれど、聖人とか聖母は踏みつけられないという一応の区別はあるのでしょうか? こんどアンケートをしてみなくては。