2014年 07月 14日
新しい言葉 |
昨日一昨日で、新しい言葉を2つ覚えた。
1つは、馬のくつわを意味する「mors」という単語で、
もう1つは、空襲を意味する「raid」という単語である。
馬のくつわは、子ども用の辞書をばらばら眺めていた時に、
馬の横顔の写真を見つけて、そこに書かれていた単語を覚えた。
わたし、生まれて初めて馬が棒をくわえて走っていることを知った。
空襲の方はお察しの通り、
イスラエルによるガザ空爆のニュース記事を読んでいるうちに覚えた。
一方は、うわぁそうだったのか!と喜びを持って覚え、
名前を覚えるだけにとどまらず、人と動物の長い関係にも思いを馳せた。
もう一方は、こんな言葉は知らないままで生きたかった、と思った。
言葉は人間の歴史である。
人間が関わりもせず、認識もしていないものには名前はない。
空爆だけじゃない。
原子爆弾だとか地雷だとか、拷問だとかジェノサイドだとか、
人間が手を染めなかったら存在しない言葉だった。
言葉は、
人類の勲章でもあれば、
人類の愚かさの証人でもあるんだな、と思ったことだった。
1つは、馬のくつわを意味する「mors」という単語で、
もう1つは、空襲を意味する「raid」という単語である。
馬のくつわは、子ども用の辞書をばらばら眺めていた時に、
馬の横顔の写真を見つけて、そこに書かれていた単語を覚えた。
わたし、生まれて初めて馬が棒をくわえて走っていることを知った。
空襲の方はお察しの通り、
イスラエルによるガザ空爆のニュース記事を読んでいるうちに覚えた。
一方は、うわぁそうだったのか!と喜びを持って覚え、
名前を覚えるだけにとどまらず、人と動物の長い関係にも思いを馳せた。
もう一方は、こんな言葉は知らないままで生きたかった、と思った。
言葉は人間の歴史である。
人間が関わりもせず、認識もしていないものには名前はない。
空爆だけじゃない。
原子爆弾だとか地雷だとか、拷問だとかジェノサイドだとか、
人間が手を染めなかったら存在しない言葉だった。
言葉は、
人類の勲章でもあれば、
人類の愚かさの証人でもあるんだな、と思ったことだった。
by poirier_AAA
| 2014-07-14 05:31
| 日々の断片
|
Comments(4)
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at 2014-07-14 10:00
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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poirier_AAA at 2014-07-14 23:12
>鍵コメさん、こんにちは。
同じ名詞という立場でありながら、1つは時事用語として覚えるに値する単語として扱われ、もうひとつは別に無視してもかまわない単語とみなされてしまうんだろうなぁと思ったら、なんだか無性に腹が立ちました。どちらも人間の歴史ですのにね。
その作家のことは知らなかったので調べてみたところ、本屋に並んだ本の表紙でよく見かける人でした。フィクションかと思ったら実話のようで、びっくりです。いつかわたしも読んでみます。
同じ名詞という立場でありながら、1つは時事用語として覚えるに値する単語として扱われ、もうひとつは別に無視してもかまわない単語とみなされてしまうんだろうなぁと思ったら、なんだか無性に腹が立ちました。どちらも人間の歴史ですのにね。
その作家のことは知らなかったので調べてみたところ、本屋に並んだ本の表紙でよく見かける人でした。フィクションかと思ったら実話のようで、びっくりです。いつかわたしも読んでみます。
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wildrose53 at 2014-07-15 00:04
「言葉は人間の歴史である。
人間が関わりもせず、認識もしていないものには名前はない。」
まったく、そのとおりですね。
最近、学童保育の仕事を通じて子どもと接する機会を得て、学ぶことばかりの日々です。
「出兵」ってなあに、という子どもの問いかけに様々考えをめぐらせています。
奥会津ではかつて馬がとても大事にされて、馬の草鞋(ウチにあるのですが、とても大きい!)が作られていましたが、そちらにも「わらじ」のような言葉、あるでしょうか。
人間が関わりもせず、認識もしていないものには名前はない。」
まったく、そのとおりですね。
最近、学童保育の仕事を通じて子どもと接する機会を得て、学ぶことばかりの日々です。
「出兵」ってなあに、という子どもの問いかけに様々考えをめぐらせています。
奥会津ではかつて馬がとても大事にされて、馬の草鞋(ウチにあるのですが、とても大きい!)が作られていましたが、そちらにも「わらじ」のような言葉、あるでしょうか。
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by
poirier_AAA at 2014-07-15 00:55
>wildroseさん、こんにちは。
そうなんです。言葉を説明するって難しいですよね。自然界の事象を名づけたものならなんとか説明できても、多分に政治的な意味合いを含む言葉の場合はどうやって説明しようかと悩んでしまいます。歴史上の出来事だって、どちらサイドで見るかによって言葉は変わりますしね。
さっきwikiで調べたら、日本は蹄鉄の歴史が浅くて江戸時代まではずっとわらじを使っていたと書いてありました。知りませんでした。擦り減るのも早かったでしょうから、馬の面倒をみることだけでも大変だったでしょうねぇ。わたしは馬のことはまったく知らないのですけれど、こちらで「馬のわらじ」を説明するとしたら「蹄鉄に相当する草で編んだサンダル」とでも言うしかないかもしれません。
そうなんです。言葉を説明するって難しいですよね。自然界の事象を名づけたものならなんとか説明できても、多分に政治的な意味合いを含む言葉の場合はどうやって説明しようかと悩んでしまいます。歴史上の出来事だって、どちらサイドで見るかによって言葉は変わりますしね。
さっきwikiで調べたら、日本は蹄鉄の歴史が浅くて江戸時代まではずっとわらじを使っていたと書いてありました。知りませんでした。擦り減るのも早かったでしょうから、馬の面倒をみることだけでも大変だったでしょうねぇ。わたしは馬のことはまったく知らないのですけれど、こちらで「馬のわらじ」を説明するとしたら「蹄鉄に相当する草で編んだサンダル」とでも言うしかないかもしれません。