2014年 05月 13日
これはいいかも?外国語勉強法 |
語学の話を続けますので、興味があれば読んで下さい。
わたし、今年に入ってから考えを改めました。
自分の傲慢さを人に話すのは恥ずかしいのですが、
ここ何年か、フランス語のことをかなり甘く見ていました。
だいたい話せる、まぁ聴き取れる、何となく書ける、あぁこんなものか。
だったらどんどん難しいことにチャレンジすれば良い。
そう思って、論文とか討論番組とか小難しい小説とか、
分不相応なものに挑んでばかりいたのです。
でも、あいかわらず家族との日常の会話では
文法事項やら発音やらを間違えては直される日々です。
気取った論説文を読んですごく勉強しているような気になっている一方で、
ええっ、この名詞の性を間違えるわけ!?と家族から呆れられる。
これって何かが根本的に間違っているのでは?
ぼんやりしているわたしも、ようやく異常さを自覚しました。
ここはひとつ、ぐっと簡単なところからやり直してみよう。
そう決心して選んだのが、小学生向きのディクテ(書き取り)です。
これを毎日1課題、暗誦して正しく書けるようにするぞ。
小学生向きなので単語も簡単だし文も短いし、
およそ勉強には必要不可欠(?)な緊張感は全然ありません。
にもかかわらず、これがすごく勉強になるのです。
フランス語の骨格模型or筋肉模型を指でなぞって
あ〜あ、こういうことか!!!
とあらためて目が開くような、そんな感じでしょうか。
言葉って、もちろん体系だった文法は存在するわけですが、
それを話す人たちは基本的に「肌感覚」で言葉を選んで組み合わせます。
理屈じゃないのです。
「ゾウは鼻が長い」で、どうして「ゾウは」になるのか、
どうしてここでは「鼻は長い」と続けないのか。
そんな理由をあれこれ考えて話しているわけではありません。
経験上「自分の言いたいことはこうしか表せない」と瞬時に判断しているのです。
外国語を勉強する場合、圧倒的にインプットが足りませんから、
なかなか「これはこうしか言えない」という感覚まで辿り着けません。
それを養うための助けになるのが「暗誦」ではないか、と思いました。
すらすら暗誦できるようになった文は、反射的に口から出るようになります。
その「反射的に出る」というのが、会話でも作文でもとても役に立ちます。
で、暗誦するとともにその文章をきちんと書けるようにする。
すると耳と口に馴染んだ文に、今度は書き言葉が追いつく、というわけで、
これはもう一挙両得どころではない、実り多い勉強になるのです。
この年で小学生用の教材か、と思わないでもありませんでしたが、
自分だって小学生のときの国語力を土台に今に至るわけですし、
実際に本を手に取ってみれば必要性は明らかだし、
(同じ文を書けるかと聞かれるとすごく怪しい。。。)
迷っている間にやり始めてみよう、と思いました。
すらすらっとすぐに覚えて言えるようになる文は、
自分ですでに使いこなしている文のバリエーションにすぎず、
逆になかなか覚えられない文は、
言葉の組み合わせや出て来る動詞が自分では使えないものであることが多い、
ということもわかってきました。
で、これを書こうとすると、思わぬところで変な間違いをしたりするのです。
あ〜あ、自分はここからすでにあやふやだったか。。。
まだ始めてわずかしか経ちませんから効果のほどは定かではありません。
でも、何より苦しくない(むしろ楽しい)のに得るものが多いのが気に入って、
長く続けて行こうと思っているところです。
<ご参考>
オートディクテと言われるやり方(自分で全部覚えて書けるようにする)で
独学するのに役に立つリンクをいくつか紹介します。
勿論、読んでくれる人がいれば普通のディクテとして使えます。
CE2(小学校3年生)用のディクテ
ごく易しいところから始めていますが、ここらへんがとても大事。
必須単語や文法事項が書いてあるのも参考になります。
CM1(小学校4年生)用のディクテ
保護者用の説明書+ディクテ素材ですが、やり方の部分は参考になります。
小学校後半向けの単文ディクテ
短いけれど侮れず。これも覚えたらかなり役に立ちそう。
CM2(小学校最終学年)用のディクテ
ここにくると、文もぐっと面白くなってきます。
わたし、今年に入ってから考えを改めました。
自分の傲慢さを人に話すのは恥ずかしいのですが、
ここ何年か、フランス語のことをかなり甘く見ていました。
だいたい話せる、まぁ聴き取れる、何となく書ける、あぁこんなものか。
だったらどんどん難しいことにチャレンジすれば良い。
そう思って、論文とか討論番組とか小難しい小説とか、
分不相応なものに挑んでばかりいたのです。
でも、あいかわらず家族との日常の会話では
文法事項やら発音やらを間違えては直される日々です。
気取った論説文を読んですごく勉強しているような気になっている一方で、
ええっ、この名詞の性を間違えるわけ!?と家族から呆れられる。
これって何かが根本的に間違っているのでは?
ぼんやりしているわたしも、ようやく異常さを自覚しました。
ここはひとつ、ぐっと簡単なところからやり直してみよう。
そう決心して選んだのが、小学生向きのディクテ(書き取り)です。
これを毎日1課題、暗誦して正しく書けるようにするぞ。
小学生向きなので単語も簡単だし文も短いし、
およそ勉強には必要不可欠(?)な緊張感は全然ありません。
にもかかわらず、これがすごく勉強になるのです。
フランス語の骨格模型or筋肉模型を指でなぞって
あ〜あ、こういうことか!!!
とあらためて目が開くような、そんな感じでしょうか。
言葉って、もちろん体系だった文法は存在するわけですが、
それを話す人たちは基本的に「肌感覚」で言葉を選んで組み合わせます。
理屈じゃないのです。
「ゾウは鼻が長い」で、どうして「ゾウは」になるのか、
どうしてここでは「鼻は長い」と続けないのか。
そんな理由をあれこれ考えて話しているわけではありません。
経験上「自分の言いたいことはこうしか表せない」と瞬時に判断しているのです。
外国語を勉強する場合、圧倒的にインプットが足りませんから、
なかなか「これはこうしか言えない」という感覚まで辿り着けません。
それを養うための助けになるのが「暗誦」ではないか、と思いました。
すらすら暗誦できるようになった文は、反射的に口から出るようになります。
その「反射的に出る」というのが、会話でも作文でもとても役に立ちます。
で、暗誦するとともにその文章をきちんと書けるようにする。
すると耳と口に馴染んだ文に、今度は書き言葉が追いつく、というわけで、
これはもう一挙両得どころではない、実り多い勉強になるのです。
この年で小学生用の教材か、と思わないでもありませんでしたが、
自分だって小学生のときの国語力を土台に今に至るわけですし、
実際に本を手に取ってみれば必要性は明らかだし、
(同じ文を書けるかと聞かれるとすごく怪しい。。。)
迷っている間にやり始めてみよう、と思いました。
すらすらっとすぐに覚えて言えるようになる文は、
自分ですでに使いこなしている文のバリエーションにすぎず、
逆になかなか覚えられない文は、
言葉の組み合わせや出て来る動詞が自分では使えないものであることが多い、
ということもわかってきました。
で、これを書こうとすると、思わぬところで変な間違いをしたりするのです。
あ〜あ、自分はここからすでにあやふやだったか。。。
まだ始めてわずかしか経ちませんから効果のほどは定かではありません。
でも、何より苦しくない(むしろ楽しい)のに得るものが多いのが気に入って、
長く続けて行こうと思っているところです。
<ご参考>
オートディクテと言われるやり方(自分で全部覚えて書けるようにする)で
独学するのに役に立つリンクをいくつか紹介します。
勿論、読んでくれる人がいれば普通のディクテとして使えます。
CE2(小学校3年生)用のディクテ
ごく易しいところから始めていますが、ここらへんがとても大事。
必須単語や文法事項が書いてあるのも参考になります。
CM1(小学校4年生)用のディクテ
保護者用の説明書+ディクテ素材ですが、やり方の部分は参考になります。
小学校後半向けの単文ディクテ
短いけれど侮れず。これも覚えたらかなり役に立ちそう。
CM2(小学校最終学年)用のディクテ
ここにくると、文もぐっと面白くなってきます。
by poirier_AAA
| 2014-05-13 18:20
| 言葉を学ぶ
|
Comments(8)
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らうとら
at 2014-05-13 20:57
x
うわお、リンクありがとうございます!
こういうのが欲しかったんですよ。学校でも時々ディクテをやるのですが、これがまあ、ものすごいことになってまして、毎回、家で夫に爆笑されています。自分で書いてても「意味が通らんだろ、これでは・・・」とは思うのですが、でも聞き取れないものは聞き取れないし、書けない単語は書けないのです。答え合わせは翌日なので、家に帰ってから辞書と首っ引きで、“聞こえた音”に近い音で意味が通る単語を探すのですが、これがなかなか・・・。
でも私、漫才師ではないのですから、夫の笑いを取って満足していないで、今後少しでもましになるように、貼っていただいたリンクで、地道に勉強いたします。
こういうのが欲しかったんですよ。学校でも時々ディクテをやるのですが、これがまあ、ものすごいことになってまして、毎回、家で夫に爆笑されています。自分で書いてても「意味が通らんだろ、これでは・・・」とは思うのですが、でも聞き取れないものは聞き取れないし、書けない単語は書けないのです。答え合わせは翌日なので、家に帰ってから辞書と首っ引きで、“聞こえた音”に近い音で意味が通る単語を探すのですが、これがなかなか・・・。
でも私、漫才師ではないのですから、夫の笑いを取って満足していないで、今後少しでもましになるように、貼っていただいたリンクで、地道に勉強いたします。
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saheizi-inokori at 2014-05-13 21:47
素読とか朗読の意味もそういうところにあるのでしょうか。
言語を骨肉化しないとそれを生み出した文化・伝統・精神の神髄にも迫れないのかもしれないと私はあきらめています。
言語を骨肉化しないとそれを生み出した文化・伝統・精神の神髄にも迫れないのかもしれないと私はあきらめています。
小学生用のテキストか・・・
良い考えですね。
暗誦も良いですね。実は、ドイツ語学校で詩の暗唱をさせられました。
ヘルマン・ヘッセの”September”という詩です。
一生懸命覚えました。素晴らしい詩句に「わたしはできる!」と
感激しましたが、すぐに忘れました。
もう一回覚えて暗誦してみます。
良い考えですね。
暗誦も良いですね。実は、ドイツ語学校で詩の暗唱をさせられました。
ヘルマン・ヘッセの”September”という詩です。
一生懸命覚えました。素晴らしい詩句に「わたしはできる!」と
感激しましたが、すぐに忘れました。
もう一回覚えて暗誦してみます。
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poirier_AAA at 2014-05-14 18:07
>らうとらさん、こんにちは。
>自分で書いてても「意味が通らんだろ、これでは・・・」とは思うのですが、でも聞き取れないものは聞き取れないし
ここを読みながら思わず噴き出してしまいました。まったくそのとおり!わたしもディクテを日課にしているのですけれど、毎日「これ絶対違うよな〜」と思いながら、でもそれ以上どうすることもできなくてドンヨリと答え合わせに臨んでいるのです。これを間違わずに楽々できる人がそのへんにゴロゴロいるなんて、ほんとに信じられんわ〜と思う毎日です。
わたしは性格的には突っ込み役なはずなのに、ことフランス語に関しては完全にボケ役に甘んじているものですから、もうストレスがたまって。。。。。あぁ、この辺が勉強の原動力になっているのかもしれませんね。
ともかく、地道にまいりましょう。
>自分で書いてても「意味が通らんだろ、これでは・・・」とは思うのですが、でも聞き取れないものは聞き取れないし
ここを読みながら思わず噴き出してしまいました。まったくそのとおり!わたしもディクテを日課にしているのですけれど、毎日「これ絶対違うよな〜」と思いながら、でもそれ以上どうすることもできなくてドンヨリと答え合わせに臨んでいるのです。これを間違わずに楽々できる人がそのへんにゴロゴロいるなんて、ほんとに信じられんわ〜と思う毎日です。
わたしは性格的には突っ込み役なはずなのに、ことフランス語に関しては完全にボケ役に甘んじているものですから、もうストレスがたまって。。。。。あぁ、この辺が勉強の原動力になっているのかもしれませんね。
ともかく、地道にまいりましょう。
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poirier_AAA at 2014-05-14 18:15
>saheiziさん、こんにちは。
今になって考えると、授業で俳句や短歌、詩も古文も漢文も暗誦させられたことが確かに自分の日本語力の肥になっていると感じます。暗誦でも音読でもいいから、声に出して繰り返すことって大事なことなのでしょう。
わたしはもうずうっと仏文学が嫌いで、自分とは合わない、こんなものを大学で学ぼうとする人の気が知れないと思っていました。でもフランス語で読むようになったら毛嫌いしていた作品がものすごく面白くなって、、、、言語にはお互いに翻訳しきれない「何か」が濃厚にあるという気がしています。それが翻訳の難しさであり面白さなのかな、と。
今になって考えると、授業で俳句や短歌、詩も古文も漢文も暗誦させられたことが確かに自分の日本語力の肥になっていると感じます。暗誦でも音読でもいいから、声に出して繰り返すことって大事なことなのでしょう。
わたしはもうずうっと仏文学が嫌いで、自分とは合わない、こんなものを大学で学ぼうとする人の気が知れないと思っていました。でもフランス語で読むようになったら毛嫌いしていた作品がものすごく面白くなって、、、、言語にはお互いに翻訳しきれない「何か」が濃厚にあるという気がしています。それが翻訳の難しさであり面白さなのかな、と。
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poirier_AAA at 2014-05-14 18:21
>とのさん、こんにちは。
わたしの場合、子どもの宿題として詩の暗誦がだされることがあって、その練習につきあっているうちに自分もなんとなく覚えてしまい、あれ、これは意外と役に立つかも、と思ったんですよ。
子どもの記憶力には全然敵いませんけれど、こどもにはない地道な努力(?)で頑張るぞ、と思っているところです。
ドイツ語ができると、ヘッセが読めるんですよねぇ。トマス・マンとかツヴァイクも読めるし、、、、、いいなぁ。ドイツ語も出来るようになったら楽しいだろうなぁ(←その前にポルトガル語をやれ!と声がかかりそうな。。。)
わたしの場合、子どもの宿題として詩の暗誦がだされることがあって、その練習につきあっているうちに自分もなんとなく覚えてしまい、あれ、これは意外と役に立つかも、と思ったんですよ。
子どもの記憶力には全然敵いませんけれど、こどもにはない地道な努力(?)で頑張るぞ、と思っているところです。
ドイツ語ができると、ヘッセが読めるんですよねぇ。トマス・マンとかツヴァイクも読めるし、、、、、いいなぁ。ドイツ語も出来るようになったら楽しいだろうなぁ(←その前にポルトガル語をやれ!と声がかかりそうな。。。)
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kanafr at 2014-05-15 01:00
小学生の教材を使うっていいですよね。本当に基本の基本ですし..。
でも№2が小さい時に、私も一応奮起せねば!で一度止めていたフランス語をもう一度習う事にしたんですが、その時、ディクテのテープを友人が貸してくれて試しに書き取りしてみました。
でも聞きとり、そして書くのに一生懸命になって文章として正しいかどうかなんか考える余裕もなく書いていたら、もうメチャクチャな訳です。試しに№2のやらせてみたら、その単語は知らずとも書けるし、何回聞いても私には聞き取れなかった単語も聞き取れていて、ちょっとショックでした。
一応、№2に見栄を張って、年齢のせいにして、誤魔化しました(苦笑)
最近では、本当に加齢で耳が悪くなって、困ったわぁ..です。
でも№2が小さい時に、私も一応奮起せねば!で一度止めていたフランス語をもう一度習う事にしたんですが、その時、ディクテのテープを友人が貸してくれて試しに書き取りしてみました。
でも聞きとり、そして書くのに一生懸命になって文章として正しいかどうかなんか考える余裕もなく書いていたら、もうメチャクチャな訳です。試しに№2のやらせてみたら、その単語は知らずとも書けるし、何回聞いても私には聞き取れなかった単語も聞き取れていて、ちょっとショックでした。
一応、№2に見栄を張って、年齢のせいにして、誤魔化しました(苦笑)
最近では、本当に加齢で耳が悪くなって、困ったわぁ..です。
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poirier_AAA at 2014-05-15 15:45
>kanafrさん、こんにちは。
子ども用の本って、簡単だろうと思って下手に絵本なんかに手を出すと初級の人にはひどく難しかったりするのですが、教材としてつくられたものは文章もよく考えられているので悪くないと思いました。土台を固めて行く感じですよね。
ディクテは、音が聴き取れるか(聴音の問題)と同じくらい、フランス語の構造が頭に入っているか(統辞の問題)が関わって来るらしいです。つまり、この流れだと後には必ずこれが来るはずというような感覚が身に付いていると、聞こえ難い音でもちゃんと耳に入って来るんですって。だから総合的な勉強だと言われるんでしょうね。
わたしは録音されたディクテが大嫌いなんです。ちょっと待って!と言えないから。ポーズの長さをある程度コントロールできるならディクテってすごく面白いのですけど、ポーズを強制されると気ばかり焦ってつまらない間違いを連発してしまいます。プレッシャーに弱いタイプなのかも?
子ども用の本って、簡単だろうと思って下手に絵本なんかに手を出すと初級の人にはひどく難しかったりするのですが、教材としてつくられたものは文章もよく考えられているので悪くないと思いました。土台を固めて行く感じですよね。
ディクテは、音が聴き取れるか(聴音の問題)と同じくらい、フランス語の構造が頭に入っているか(統辞の問題)が関わって来るらしいです。つまり、この流れだと後には必ずこれが来るはずというような感覚が身に付いていると、聞こえ難い音でもちゃんと耳に入って来るんですって。だから総合的な勉強だと言われるんでしょうね。
わたしは録音されたディクテが大嫌いなんです。ちょっと待って!と言えないから。ポーズの長さをある程度コントロールできるならディクテってすごく面白いのですけど、ポーズを強制されると気ばかり焦ってつまらない間違いを連発してしまいます。プレッシャーに弱いタイプなのかも?