2014年 01月 11日
マ・メール・ロア |
子どもたちが新しい連弾の楽譜を貰って来た。
ラヴェルの組曲「マ・メール・ロア」の第一曲目。
「眠りの森の美女のパヴァーヌ」と題された曲は、
それぞれのパートが1頁で終わってしまうくらいの短い曲で、
しかも家の子どもたちくらいの力でも音符だけは追うことができる。
この組曲は、もともとは4手のピアノ曲として書かれた。
それが後にオーケストラ版にも編曲され、今はそちらで聴くことが多いかと思う。
わたしも昔オーケストラで演奏したことがあるのだけれど、
それはそれは美しい曲なのだ。
そんなわけで、久しぶりに聴き直してみた。
個人的な好みとしては、
第1曲目の「眠りの森の美女のパヴァーヌ」はピアノ連弾で、
第5曲目の「妖精の森」はオーケストラで聴くのが好き。
「妖精の森(Le jardin féerique)」の、特に前半の弦楽主体の部分は、
弦楽器の幾重にも重なった響きが実にすばらしく、
目を閉じて聴いていると体の実体が響きの中に消えて、
自分という存在のエッセンスだけが音の海に浮かんでいるような気分になる。
厚い響きが盛り上がって、それが一瞬後にはすうっと細くまとまる。
波に身を任せているような安心感と不安定感にぞくぞくする。
途中までしかないのだけれど、
この動画のベルリンフィルの弦の響きは、何度聴いても圧倒的。
メロディライン以外の音に耳を澄ませてみるのが楽しい。
この息の長い音の厚みは、ピアノの連弾ではちょっと出せない。
でも、ピアノはピアノで何とも言えない音の楽しさがあって、
こちらも捨て難し。
例えば、こんな息のあった演奏を聴くと嬉しくなってしまう。
フレーレがアルゲリッチにぴったり付けて、彼女の本領を存分に発揮させている。
ころころ転がる音がエキサイティングで楽しい。
アルゲリッチはランランとの連弾で組曲全部を弾いている。
(検索すればすぐに見つかる)
こちらは強い個性がぶつかりあっているところが面白さかと。
オーケストラ版で全曲を聴くとしたら、こちら。
これは演奏自体もまとまっていて気持ちがいいのだけれど、
会場の光の加減、色と音のトーンが落ち着いているのが気に入った。
家事をしていると、つい鼻歌が出る。
しばらくはこのメロディーの虜になりそうだ。
ラヴェルの組曲「マ・メール・ロア」の第一曲目。
「眠りの森の美女のパヴァーヌ」と題された曲は、
それぞれのパートが1頁で終わってしまうくらいの短い曲で、
しかも家の子どもたちくらいの力でも音符だけは追うことができる。
この組曲は、もともとは4手のピアノ曲として書かれた。
それが後にオーケストラ版にも編曲され、今はそちらで聴くことが多いかと思う。
わたしも昔オーケストラで演奏したことがあるのだけれど、
それはそれは美しい曲なのだ。
そんなわけで、久しぶりに聴き直してみた。
個人的な好みとしては、
第1曲目の「眠りの森の美女のパヴァーヌ」はピアノ連弾で、
第5曲目の「妖精の森」はオーケストラで聴くのが好き。
「妖精の森(Le jardin féerique)」の、特に前半の弦楽主体の部分は、
弦楽器の幾重にも重なった響きが実にすばらしく、
目を閉じて聴いていると体の実体が響きの中に消えて、
自分という存在のエッセンスだけが音の海に浮かんでいるような気分になる。
厚い響きが盛り上がって、それが一瞬後にはすうっと細くまとまる。
波に身を任せているような安心感と不安定感にぞくぞくする。
途中までしかないのだけれど、
この動画のベルリンフィルの弦の響きは、何度聴いても圧倒的。
メロディライン以外の音に耳を澄ませてみるのが楽しい。
この息の長い音の厚みは、ピアノの連弾ではちょっと出せない。
でも、ピアノはピアノで何とも言えない音の楽しさがあって、
こちらも捨て難し。
例えば、こんな息のあった演奏を聴くと嬉しくなってしまう。
フレーレがアルゲリッチにぴったり付けて、彼女の本領を存分に発揮させている。
ころころ転がる音がエキサイティングで楽しい。
アルゲリッチはランランとの連弾で組曲全部を弾いている。
(検索すればすぐに見つかる)
こちらは強い個性がぶつかりあっているところが面白さかと。
オーケストラ版で全曲を聴くとしたら、こちら。
これは演奏自体もまとまっていて気持ちがいいのだけれど、
会場の光の加減、色と音のトーンが落ち着いているのが気に入った。
家事をしていると、つい鼻歌が出る。
しばらくはこのメロディーの虜になりそうだ。
by poirier_AAA
| 2014-01-11 22:30
| 聴く
|
Comments(10)
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Mtonosama at 2014-01-12 07:11
ああ、いいですね。聴きながらコメしてます♪
フランス印象派音楽って高校時代からなぜか大好きです。
ラヴェル大好き。フランスではないのですが、
最近モンポーを知りました。この人も大好きです。
フランス印象派音楽って高校時代からなぜか大好きです。
ラヴェル大好き。フランスではないのですが、
最近モンポーを知りました。この人も大好きです。
0
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ayusham at 2014-01-13 06:42
メロディが感染ってしまいました。ララリーララ …ああ
ラヴェルやかばレフスキーを子どもの頃に弾きたかったなあ。双子君達がとっても羨ましいです。
娘の課題曲が今ドビュッシーです。いつも音楽家の伝記や学習漫画を日本から取り寄せているのでドビュッシーもと思ったのでが、子ども向けのがない! で調べてみたら彼は子どもに語れないくらいどうしようもない女たらしなんですね。婚約者二人を自殺未遂させて逃避行したり。
こんな美しい旋律を作るラヴェルは万華鏡を覗くように世界を見ていたような気がしてなりません。(膝と一緒に昼寝などはしていなかったでしょうね…)
ラヴェルやかばレフスキーを子どもの頃に弾きたかったなあ。双子君達がとっても羨ましいです。
娘の課題曲が今ドビュッシーです。いつも音楽家の伝記や学習漫画を日本から取り寄せているのでドビュッシーもと思ったのでが、子ども向けのがない! で調べてみたら彼は子どもに語れないくらいどうしようもない女たらしなんですね。婚約者二人を自殺未遂させて逃避行したり。
こんな美しい旋律を作るラヴェルは万華鏡を覗くように世界を見ていたような気がしてなりません。(膝と一緒に昼寝などはしていなかったでしょうね…)
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ayusham at 2014-01-13 07:26
↑猫と一緒に昼寝でした…
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およう
at 2014-01-13 10:22
x
いい選曲でいらっしゃいますねー。やはりフランスならではでしょうか。
お母様はバイオリンですか?お弾きになるのは・・・。
お母様はバイオリンですか?お弾きになるのは・・・。
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poirier_AAA at 2014-01-13 16:57
>mtonosamaさん、こんにちは。
とのさんのコメントを読んで、くすっと笑ってしまいました。
わたし、高校2年生の頃だったかドイツ・リートに夢中になって、NHKドイツ語講座まで聞いていたんですよ。ラヴェルだのフランスだのなんてまるっきり眼中になかったんです。それが今では否応なくフランス語漬けの生活。一方高校生でラヴェルが大好きだったとのさんは、今はドイツ語を頑張っていらっしゃる‥‥まるっきりクロスしていますよね、わたしたち。
モンポーという作曲家のことはほとんど知りませんでした。これから聴いてみますね。キッカケをありがとうございました!
とのさんのコメントを読んで、くすっと笑ってしまいました。
わたし、高校2年生の頃だったかドイツ・リートに夢中になって、NHKドイツ語講座まで聞いていたんですよ。ラヴェルだのフランスだのなんてまるっきり眼中になかったんです。それが今では否応なくフランス語漬けの生活。一方高校生でラヴェルが大好きだったとのさんは、今はドイツ語を頑張っていらっしゃる‥‥まるっきりクロスしていますよね、わたしたち。
モンポーという作曲家のことはほとんど知りませんでした。これから聴いてみますね。キッカケをありがとうございました!
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poirier_AAA at 2014-01-13 17:26
>ayushamさん、こんにちは。
「人物」と「作品」は別物なんだな〜とつくづく思いますよね。ドビュッシーなんて音楽だけ聴いていたらそれはそれは繊細なのに。。。。社会的にしごくまっとうで健全な人が、あっといわせる作品や心にしみいる作品を生むわけじゃない。でも子ども向けシリーズとしては「ほら、こういう立派な人が立派な仕事を成し遂げたんですよ」と書きたい。難しい企画だわ。ドビュッシーもヴェルレーヌもデュマもワーグナーも仲間には入れてもらえないし。。。。
わたしもすごく羨ましいです。こういう曲なら練習していて楽しいだろうなぁっていつも思う。それにレッスンものびのびと楽しそうなの。テクニックもそれなりに伸びてはいるのだろうけれど、音遊びを楽しんでいるところがいいなぁと思いながら見ています。
「人物」と「作品」は別物なんだな〜とつくづく思いますよね。ドビュッシーなんて音楽だけ聴いていたらそれはそれは繊細なのに。。。。社会的にしごくまっとうで健全な人が、あっといわせる作品や心にしみいる作品を生むわけじゃない。でも子ども向けシリーズとしては「ほら、こういう立派な人が立派な仕事を成し遂げたんですよ」と書きたい。難しい企画だわ。ドビュッシーもヴェルレーヌもデュマもワーグナーも仲間には入れてもらえないし。。。。
わたしもすごく羨ましいです。こういう曲なら練習していて楽しいだろうなぁっていつも思う。それにレッスンものびのびと楽しそうなの。テクニックもそれなりに伸びてはいるのだろうけれど、音遊びを楽しんでいるところがいいなぁと思いながら見ています。
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poirier_AAA at 2014-01-13 17:29
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poirier_AAA at 2014-01-13 17:38
>おようさん、こんにちは。
ピアノの先生の好みとわたしの好みが似ているのか、今までの選曲で「こんな曲をやるの?」と思ったことがないのです。いつも綺麗な曲を選んでもらえるのでありがたいです。今回はたまたまフランスものですが、今練習中の曲は確か東欧の作曲家の曲だったと思います。
ヴァイオリン、一度は弾いてみたいなぁと思っているのですが、まだチャンスが訪れません。上手く弾けるようになって、シャコンヌなんか弾けたら楽しいだろうなぁと思っているんですよ。
ピアノの先生の好みとわたしの好みが似ているのか、今までの選曲で「こんな曲をやるの?」と思ったことがないのです。いつも綺麗な曲を選んでもらえるのでありがたいです。今回はたまたまフランスものですが、今練習中の曲は確か東欧の作曲家の曲だったと思います。
ヴァイオリン、一度は弾いてみたいなぁと思っているのですが、まだチャンスが訪れません。上手く弾けるようになって、シャコンヌなんか弾けたら楽しいだろうなぁと思っているんですよ。
「眠りの森の美女のパヴァーヌ」は、比較的易しくて、でも美しいメロディーとハーモニーを楽しめるのでいいですよね。私も、昨年に上の子といっしょに弾きました。簡単そうに見えてもそれなりに音域が広いので、ちゃんと運指を考えないと弾きにくい曲で、子供といっしょにあれこれ試しながら楽譜に指番号を書き込んだのを覚えています。
梨の木さんちでは兄弟で弾くのかしら? それとも、それぞれ先生といっしょに弾くのかしら?
「妖精の森」も、子供のピアノの先生といっしょに連弾したのですが、おっしゃるようにオーケストラ版を聴いてしまうと、ちょっと寂しいんですよね。
梨の木さんちでは兄弟で弾くのかしら? それとも、それぞれ先生といっしょに弾くのかしら?
「妖精の森」も、子供のピアノの先生といっしょに連弾したのですが、おっしゃるようにオーケストラ版を聴いてしまうと、ちょっと寂しいんですよね。
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poirier_AAA at 2014-01-14 19:18
>かずひこさん、こんにちは。
これは子ども2人で弾くんですよ。連弾って(例えばテニスとか卓球とかと同じように)上手い相手と一緒にやるのがやりやすいし楽しいと思うので、正直言ってどうなのかなぁとも思ったのですが、先生は折角2人いるんだからこのチャンスを生かしましょうと積極的なのです。で、わたしも練習相手になれるので役得でホクホク喜んでいるところです。
ところで、息子たちが通う音楽教室で冬休み中に大規模な水漏れがあったそうで、教室のアップライトピアノも一部音が出なくなってしまったんですって。早くちゃんとしたピアノで練習できるようになるといいなぁと願っています。
これは子ども2人で弾くんですよ。連弾って(例えばテニスとか卓球とかと同じように)上手い相手と一緒にやるのがやりやすいし楽しいと思うので、正直言ってどうなのかなぁとも思ったのですが、先生は折角2人いるんだからこのチャンスを生かしましょうと積極的なのです。で、わたしも練習相手になれるので役得でホクホク喜んでいるところです。
ところで、息子たちが通う音楽教室で冬休み中に大規模な水漏れがあったそうで、教室のアップライトピアノも一部音が出なくなってしまったんですって。早くちゃんとしたピアノで練習できるようになるといいなぁと願っています。