2013年 11月 10日
父親は凶悪強盗殺人犯? 〜 9 mois ferme |
日本から来ていた家族も無事に帰途につき、
子どもの学校も始まり、
わたしは少しばかり日本語&日本モードになっていた頭を切り替えたくて、
今週は2回も映画館に行ってしまいました。
選んだのは結構評判のいいコメディ。
1つ目は Albert Dupontel 監督の「9 mois ferme」。
40歳、独身、恋人無しの独り暮しを快適に楽しみながら、
判事としてのキャリアを着々と積みあげているアリアンヌ。
ある年の大晦日もせっせとオフィスにこもって仕事をしているところに、
同僚たちが押し掛けてきます。
なに、あなた、こんな日にも仕事しているの?
そんなこと止めて、さぁ一緒に飲んで騒ぎましょうよ!
年越しパーティに引っ張り出されてシャンパンに口をつけて、、、、
そこで彼女の記憶はふっとびます。
6ヶ月が経った頃、なんと妊娠が判明。
父親は誰?ひょっとして、年明け以降みょうに馴れ馴れしい同僚?
こっそりとDNA鑑定を試した結果、
なんと世間を騒がせている強盗殺人犯が父親であることが判明します。
仕事にかこつけて街角に設置された防犯カメラの映像を調べてみると、
信じられないようなことをしている自分の姿がばっちり映っている!
下手をするとドタバタのくだらないコメディになってしまいそうな内容なのに、
それが気持ちよく、ほどよく品も良くまとまっているのは、
役者と監督のセンスなんだろうな、と思いました。
主役のアリアンヌを演じたのが Sandrine Kiberlain。
アゴが細くて色素も薄くて、ぱっと見ると薄幸そうに見える人なのですが、
きっちりと髪をまとめてマニッシュなスーツに身を包み、
口をひきむすんで仕事をしている姿は、紛うことなきキャリア・ウーマン。
不器用で飾ることもせず、真っ正直に正面から事にぶつかっていってしまう、
その姿がすごくチャーミングで好感を持ちました。
彼女の一夜の相手、子どもの父親であるところの強盗殺人犯役も良かった。
なんと監督本人が演じているのです。
この人がまた、いかにも人のいい凶悪犯で、全然憎めません。
風貌に愛嬌があるだけでなく、喋り方も悪くない。
こんな人が本当に強盗殺人犯なの?と何度も思いました。
‥‥実は彼は盗みのプロではあっても、殺人は犯していなかったのです。
ただ、それを証明するのが大変なことでして。。。
がははは、と笑いこそしませんでしたが、
むふむふっと可笑しい、誰一人とってもイヤな登場人物のない、
気持ちの良いコメディ作品でした。
長くなりそうですので、2作目については、また次の機会に。
9 mois ferme
監督:Albert Dupontel(2013)
子どもの学校も始まり、
わたしは少しばかり日本語&日本モードになっていた頭を切り替えたくて、
今週は2回も映画館に行ってしまいました。
選んだのは結構評判のいいコメディ。
1つ目は Albert Dupontel 監督の「9 mois ferme」。
40歳、独身、恋人無しの独り暮しを快適に楽しみながら、
判事としてのキャリアを着々と積みあげているアリアンヌ。
ある年の大晦日もせっせとオフィスにこもって仕事をしているところに、
同僚たちが押し掛けてきます。
なに、あなた、こんな日にも仕事しているの?
そんなこと止めて、さぁ一緒に飲んで騒ぎましょうよ!
年越しパーティに引っ張り出されてシャンパンに口をつけて、、、、
そこで彼女の記憶はふっとびます。
6ヶ月が経った頃、なんと妊娠が判明。
父親は誰?ひょっとして、年明け以降みょうに馴れ馴れしい同僚?
こっそりとDNA鑑定を試した結果、
なんと世間を騒がせている強盗殺人犯が父親であることが判明します。
仕事にかこつけて街角に設置された防犯カメラの映像を調べてみると、
信じられないようなことをしている自分の姿がばっちり映っている!
下手をするとドタバタのくだらないコメディになってしまいそうな内容なのに、
それが気持ちよく、ほどよく品も良くまとまっているのは、
役者と監督のセンスなんだろうな、と思いました。
主役のアリアンヌを演じたのが Sandrine Kiberlain。
アゴが細くて色素も薄くて、ぱっと見ると薄幸そうに見える人なのですが、
きっちりと髪をまとめてマニッシュなスーツに身を包み、
口をひきむすんで仕事をしている姿は、紛うことなきキャリア・ウーマン。
不器用で飾ることもせず、真っ正直に正面から事にぶつかっていってしまう、
その姿がすごくチャーミングで好感を持ちました。
彼女の一夜の相手、子どもの父親であるところの強盗殺人犯役も良かった。
なんと監督本人が演じているのです。
この人がまた、いかにも人のいい凶悪犯で、全然憎めません。
風貌に愛嬌があるだけでなく、喋り方も悪くない。
こんな人が本当に強盗殺人犯なの?と何度も思いました。
‥‥実は彼は盗みのプロではあっても、殺人は犯していなかったのです。
ただ、それを証明するのが大変なことでして。。。
がははは、と笑いこそしませんでしたが、
むふむふっと可笑しい、誰一人とってもイヤな登場人物のない、
気持ちの良いコメディ作品でした。
長くなりそうですので、2作目については、また次の機会に。
9 mois ferme
監督:Albert Dupontel(2013)
by poirier_AAA
| 2013-11-10 02:35
| 観る・鑑賞する
|
Comments(8)
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saheizi-inokori at 2013-11-10 11:57
日本ではまだ公開されてないのかな。
面白そうです。
潜在欲望?
面白そうです。
潜在欲望?
0
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kanafr at 2013-11-11 11:51
これ面白そうですね。
何だか最近コメディで癒されています。
何だか最近コメディで癒されています。
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らうとら
at 2013-11-11 21:30
x
ああ、この女優さん、“Les femmes du 6eme etage”とか“Mademoiselle Chambon”にも出ていましたね。特に美人というわけではないし、フランスによくいるコケティッシュにキュートな女優さんというわけでもないのに、妙に印象に残る人だったので覚えています。
嫌な人が一人も出て来ない映画って貴重ですよね。DVDが出たら、ぜひ見てみます。
嫌な人が一人も出て来ない映画って貴重ですよね。DVDが出たら、ぜひ見てみます。
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poirier_AAA at 2013-11-12 06:52
>saheiziさん、こんにちは。
フランスでも公開されたばかりです。日本には行くかなぁ?
ちょっと刺激の強い場面もあるので買ってもらえるかどうか。
潜在欲望とか、そういうややこしい話はないままでフッと可笑しかったですよ。
フランスでも公開されたばかりです。日本には行くかなぁ?
ちょっと刺激の強い場面もあるので買ってもらえるかどうか。
潜在欲望とか、そういうややこしい話はないままでフッと可笑しかったですよ。
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poirier_AAA at 2013-11-12 07:20
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poirier_AAA at 2013-11-12 07:24
>kanafrさん、こんにちは。
コメディって、いいですよね。
肩の力がふっと抜けるというか、日常のあれこれをすっぱり忘れて笑えると、すっきりするんですよね。
kanafrさんはどんなコメディをご覧になっているのでしょう。
わたしは最近テレビのコメディ・ドラマも好きでときどき観ているんですよ。
コメディって、いいですよね。
肩の力がふっと抜けるというか、日常のあれこれをすっぱり忘れて笑えると、すっきりするんですよね。
kanafrさんはどんなコメディをご覧になっているのでしょう。
わたしは最近テレビのコメディ・ドラマも好きでときどき観ているんですよ。
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poirier_AAA at 2013-11-12 07:36
>らうとらさん、こんにちは。
そうです、そうです、その人です。妙に印象に残りますよね。
実はわたし、この女優さんには積極的に好意を持っていなかったのです。影があって薄幸そうで、なんとなくひねくれた部分を持っている感じが苦手で。でも、この映画を観てかなり好きになりました。見た目と役の乖離が大きいのがとにかく面白くて、笑えました。
バカバカしい話なので、是非観て下さい!とは言えないんですけれど、巡り会うことがあれば手に取ってみて下さい。気持ちよくクスクス笑えます。
そうです、そうです、その人です。妙に印象に残りますよね。
実はわたし、この女優さんには積極的に好意を持っていなかったのです。影があって薄幸そうで、なんとなくひねくれた部分を持っている感じが苦手で。でも、この映画を観てかなり好きになりました。見た目と役の乖離が大きいのがとにかく面白くて、笑えました。
バカバカしい話なので、是非観て下さい!とは言えないんですけれど、巡り会うことがあれば手に取ってみて下さい。気持ちよくクスクス笑えます。