2013年 10月 18日
語学書専門店 |
サン・ミシェル広場周辺に Gibert Jeune という本屋があります。
専門別に店舗が別れておりまして、
そのうちの1つ、言語と文学専門の店舗はわたしのお気に入りの場所です。
外国人のためのフランス語学習の教科書や参考書も充実していますし、
その他の外国語の教科書や原書から
フランスの高校生や大学生向けの「書く」ための参考書もあります。
そして、新しい商品と並んで中古本も売られているので、
定価では買いたくないな、と思う時にも便利なのです。
最近始めたポルトガル語で、
教科書を補完するための詳しい文法書が一冊欲しくなり、探しに行きました。
やはり自分の目で内容を確かめてから買いたかったのです。
ポルトガル語はあまりニーズがないのか、売り場はごくわずかでした。
一方、スペイン語スペースはものすごい広さ。
たぶん、フランスでは英語に継いで学習されている言葉なのでしょう。
その次に多いのがドイツ語とイタリア語、ロシア語あたり。
階段を下りたところにはFLE(外国語としてのフランス語)参考書がずらり。
フランス語の辞書をあれこれ見比べている時に、
お客と店員の会話が耳に飛び込んできました。
お客は60歳くらいの女性で、
どうやらフランス語の教科書の初級の教科書を探している模様。
しかし、フランス語も英語もほんの片言しか話せません。
そこにときどきポルトガル語の単語が混じります。
若い男性の店員はフランス語での会話を諦めて英語で話しているのですが、
もちろん会話になりません。
ときどき混じるポルトガル語の単語を、どうやらスペイン語と勘違いして、
スペイン語の教科書を探しているのですか?などと問うています。
一瞬、ずうずうしく助け舟をだそうかと思ってしまいました。
ポルトガル語ならわたしの方が店員さんより話せるぞ、と。
でも「何をお探しですか?」と声をかけようとしてハタと困ってしまいました。
自分の語彙の中に、まだ「探す」という単語がなかったのです。
あぁ、わたしのポルトガル語ってまだこんなに未熟なんだわ
(当たり前です、まだ初めて1ヶ月と少しだもの)
ポルトガル語を試してみるチャンスだと思ったけれど、時期尚早だったか。。
その女性と店員は、ハタから見たらほとんど無理に近い会話を続けていました。
でも、お客は決して諦めることなく思いつく単語を並べて訴え続け、
店員もフランス人としては信じられないくらいの辛抱強さで相手をし続け、
きっと語学専門店のプロの勘もあるのでしょう、ついにお客のニーズをつきとめ
最終的には女性は必要なものを手に入れることができたのでした。
めでたし、めでたし。
わたしも無事に必要な文法書を見つけることができ、
さらには欲しかった発音の参考書を状態のいい古本で見つけてしまい、
めでたし、めでたし。
帰る道々、あの状況ではどんな言葉やフレーズが考えられるだろうかと
あれこれシミュレーションしてしまいました。
「なにをお探しですか」と言えないなら、
初級者の必殺単語である「欲しい」を使って
「なにが欲しいのですか」と聞くこともできたわけです。
でも、その簡単な言葉が思いつきませんでした。
そんな咄嗟の言い換えができないあたり、まだまだ全然足りてないのです。
うーん、もっと頑張っていろいろなことが言えるようになりたい。
Gibert Jeune は、語学の参考書ばかりでなく、
よしもっとがんばるぞ!というやる気も仕入れられる場所なのであります。
専門別に店舗が別れておりまして、
そのうちの1つ、言語と文学専門の店舗はわたしのお気に入りの場所です。
外国人のためのフランス語学習の教科書や参考書も充実していますし、
その他の外国語の教科書や原書から
フランスの高校生や大学生向けの「書く」ための参考書もあります。
そして、新しい商品と並んで中古本も売られているので、
定価では買いたくないな、と思う時にも便利なのです。
最近始めたポルトガル語で、
教科書を補完するための詳しい文法書が一冊欲しくなり、探しに行きました。
やはり自分の目で内容を確かめてから買いたかったのです。
ポルトガル語はあまりニーズがないのか、売り場はごくわずかでした。
一方、スペイン語スペースはものすごい広さ。
たぶん、フランスでは英語に継いで学習されている言葉なのでしょう。
その次に多いのがドイツ語とイタリア語、ロシア語あたり。
階段を下りたところにはFLE(外国語としてのフランス語)参考書がずらり。
フランス語の辞書をあれこれ見比べている時に、
お客と店員の会話が耳に飛び込んできました。
お客は60歳くらいの女性で、
どうやらフランス語の教科書の初級の教科書を探している模様。
しかし、フランス語も英語もほんの片言しか話せません。
そこにときどきポルトガル語の単語が混じります。
若い男性の店員はフランス語での会話を諦めて英語で話しているのですが、
もちろん会話になりません。
ときどき混じるポルトガル語の単語を、どうやらスペイン語と勘違いして、
スペイン語の教科書を探しているのですか?などと問うています。
一瞬、ずうずうしく助け舟をだそうかと思ってしまいました。
ポルトガル語ならわたしの方が店員さんより話せるぞ、と。
でも「何をお探しですか?」と声をかけようとしてハタと困ってしまいました。
自分の語彙の中に、まだ「探す」という単語がなかったのです。
あぁ、わたしのポルトガル語ってまだこんなに未熟なんだわ
(当たり前です、まだ初めて1ヶ月と少しだもの)
ポルトガル語を試してみるチャンスだと思ったけれど、時期尚早だったか。。
その女性と店員は、ハタから見たらほとんど無理に近い会話を続けていました。
でも、お客は決して諦めることなく思いつく単語を並べて訴え続け、
店員もフランス人としては信じられないくらいの辛抱強さで相手をし続け、
きっと語学専門店のプロの勘もあるのでしょう、ついにお客のニーズをつきとめ
最終的には女性は必要なものを手に入れることができたのでした。
めでたし、めでたし。
わたしも無事に必要な文法書を見つけることができ、
さらには欲しかった発音の参考書を状態のいい古本で見つけてしまい、
めでたし、めでたし。
帰る道々、あの状況ではどんな言葉やフレーズが考えられるだろうかと
あれこれシミュレーションしてしまいました。
「なにをお探しですか」と言えないなら、
初級者の必殺単語である「欲しい」を使って
「なにが欲しいのですか」と聞くこともできたわけです。
でも、その簡単な言葉が思いつきませんでした。
そんな咄嗟の言い換えができないあたり、まだまだ全然足りてないのです。
うーん、もっと頑張っていろいろなことが言えるようになりたい。
Gibert Jeune は、語学の参考書ばかりでなく、
よしもっとがんばるぞ!というやる気も仕入れられる場所なのであります。
by poirier_AAA
| 2013-10-18 17:43
| 日々の断片
|
Comments(8)
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saheizi-inokori at 2013-10-18 18:50
一見通じっこないような会話を諦めずに続けて遂に目的を果たす!彼の人は必ずやフランス語をものにしますね。
0
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kanafr at 2013-10-19 09:56
書かれた主題とは、ちょっと違うかもしれないコメでごめんなさい。
この国でこんな風に一生懸命お客の言いたい事を辛抱強く応対して、最後にお客のご希望通りのものを渡す事ができた店員さんがいるって聞くと過剰な位、嬉しくなりますね。
この国でこんな風に一生懸命お客の言いたい事を辛抱強く応対して、最後にお客のご希望通りのものを渡す事ができた店員さんがいるって聞くと過剰な位、嬉しくなりますね。
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poirier_AAA at 2013-10-19 18:19
>saheiziさん、こんにちは。
本当に。見ていて感心しました。こういうガッツは見習いたいです。
でも、どうやらフランス語のテクストはご主人のために必要だったようです。どういう事情のある人なのかなと、下世話な想像をしてしまいました。
本当に。見ていて感心しました。こういうガッツは見習いたいです。
でも、どうやらフランス語のテクストはご主人のために必要だったようです。どういう事情のある人なのかなと、下世話な想像をしてしまいました。
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poirier_AAA at 2013-10-19 18:23
>kanafrさん、こんにちは。
そうでしょう。わたしも本当に驚いたんですよ。
あまりにも会話が通じていないので、店員にはすぐに見放されるだろうから、その時には声をかけようと思っていたのです。でも、若い男性の店員さんが驚くほど粘り強かったし、イヤだとか面倒な客に当ってしまったというような迷惑そうな態度を示さなかったのです。その様子が誠に気持ちよく、嬉しかったですね。
そうでしょう。わたしも本当に驚いたんですよ。
あまりにも会話が通じていないので、店員にはすぐに見放されるだろうから、その時には声をかけようと思っていたのです。でも、若い男性の店員さんが驚くほど粘り強かったし、イヤだとか面倒な客に当ってしまったというような迷惑そうな態度を示さなかったのです。その様子が誠に気持ちよく、嬉しかったですね。
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まじ
at 2013-10-19 19:55
x
梨の木さん、こんにちは。
お久しぶりです。
無理な会話でも怯まない心の強さを習得したい!と今まさに思っていたところでの記事だったので、思わずコメントさせて頂きました。
記事上のお客さんの立場、店員さんの立場、どちらでも、動じずに対応できるようになりたいなぁと思います。
ついついすぐに縮こまってしまい、後で反省ばかりの日々です。
お久しぶりです。
無理な会話でも怯まない心の強さを習得したい!と今まさに思っていたところでの記事だったので、思わずコメントさせて頂きました。
記事上のお客さんの立場、店員さんの立場、どちらでも、動じずに対応できるようになりたいなぁと思います。
ついついすぐに縮こまってしまい、後で反省ばかりの日々です。
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fusk
at 2013-10-19 23:30
x
つめたい、そっけないフランス人と言うのが通り相場なんですが。
意外とこんな人がいますね。お客の方がしつこく聞きさえすれば。笑。
随分前ですが、日本大使館がどこなのか判らなくて
通りすがりのおばさんに尋ねたことがあったのですが。
彼女も知らなくて、すぐ側の銀行に私を連れていって
銀行員に電話帳を出させて場所を調べてくれた事がありました。
意外とこんな人がいますね。お客の方がしつこく聞きさえすれば。笑。
随分前ですが、日本大使館がどこなのか判らなくて
通りすがりのおばさんに尋ねたことがあったのですが。
彼女も知らなくて、すぐ側の銀行に私を連れていって
銀行員に電話帳を出させて場所を調べてくれた事がありました。
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poirier_AAA at 2013-10-21 18:33
>まじさん、こんにちは。
わたしもそうです。心の強さ、何より必要なんですよね。
慣れた人が相手だとつるつる出て来る言葉も、慣れない人が相手で特に自分がしくじってはいけないと緊張していると、びっくりするくらい出て来ないし、出て来ても間違いだらけだったりして、別れてからギリギリと後悔することもしょっちゅうです。でも、それでも黙っていたら始まらないんですよね。「何言ってるのかしら?この人?」というあからさまな表情にもめげず、当って砕けろで行きたいです。
わたしもそうです。心の強さ、何より必要なんですよね。
慣れた人が相手だとつるつる出て来る言葉も、慣れない人が相手で特に自分がしくじってはいけないと緊張していると、びっくりするくらい出て来ないし、出て来ても間違いだらけだったりして、別れてからギリギリと後悔することもしょっちゅうです。でも、それでも黙っていたら始まらないんですよね。「何言ってるのかしら?この人?」というあからさまな表情にもめげず、当って砕けろで行きたいです。
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poirier_AAA at 2013-10-21 18:38
>fuskさん、こんにちは。
そうなんですよ。フランスにもこういう忍耐強い人がきちんといるのですね。恵みの雨みたいな人達です。
その通りすがりのマダム、やりますね。きっと小粒でビリリと辛いタイプの女性だったのでは?にこやかに雑談しながら、罪のなさそうな微笑みを浮かべながら、そのくせきっちり自分の希望を通してくるタイプの人っていますよね。銀行員に電話帳を出させて調べてもらうなんて、想像しただけで快哉を叫びたくなってしまいました。
そうなんですよ。フランスにもこういう忍耐強い人がきちんといるのですね。恵みの雨みたいな人達です。
その通りすがりのマダム、やりますね。きっと小粒でビリリと辛いタイプの女性だったのでは?にこやかに雑談しながら、罪のなさそうな微笑みを浮かべながら、そのくせきっちり自分の希望を通してくるタイプの人っていますよね。銀行員に電話帳を出させて調べてもらうなんて、想像しただけで快哉を叫びたくなってしまいました。