2012年 10月 30日
君の名は |
以前、あるところで簡単なバリエーションを聴いた。
使っていた楽器はピアノ・フォルテで、曲の感じだと古典派。
わたしはバリエーション(変奏曲)が大好きで、この名前のわからない曲もたいそう気に入り、もう何年も前から名前を知りたいと思っていたのだ。
それが、ひょんなことからわかった。
先日買った電子ピアノの自動演奏の曲として入っていたのである。
使用説明書には、こう書いてあった。
The Harmonious Blacksmith
なんのこっちゃ、と思った。
古典派だと信じていたのに、このタイトル?
更に日本語にしてみてのけぞった。
なんと「調子の良い鍛冶屋」と出て来たのである。
う〜む、この愛らしい小曲の名前が「調子の良い鍛冶屋」だったとは。
そういう名前の曲があることなら、もうずっと前から知っている。
でも、お子様の発表会用の単純な曲だとばっかり思っていたよ。
これもまた先入観のせいだ。
通称「調子の良い鍛冶屋」のこの変奏曲も、正式な名前はこうだ。
ハープシコード組曲第5番 ホ長調 HWV.430 終曲「エアと変奏」
ちなみに作曲したのはヘンデル。
鍛冶屋 → ハンマーの響き
と言われれば、確かにそう聞こえなくもない。
でも、なんでこんな名前になっちゃったのだろう。
薔薇は、例えば雪見大福という名前であっても、同じように香しくスペシャルな花であれるだろうか?と思ってしまう。わたしは天の邪鬼だから。
ともあれ、曲の名前がわかったことは嬉しかった。
曲の名前がわかったのでYouTubeでも探すことができたし、
そこではなんと楽譜付きで曲をアップしている人もいる。
世の中は本当に便利になった。
「調子の良い鍛冶屋」というおよそ色気のない名前にも関わらず、
このバリエーションは愛らしいし、幸せな調和を醸し出している。
普通のピアノで弾くとこんな感じ。
でも、これをハープシコードで弾くとこうなる。
ハープシコードの音は、実はあまり好きではないけれど、この曲を聴き比べてみると断然ハープシコードで聴く方が面白い。なんてったって華がある。
変奏曲と言えば、モーツアルトの「きらきら星変奏曲」なんていうのもある。
これも愛らしくて、そのくせ面白いので大好きだ。
簡単なテーマだけれど、これを巧く弾くのはとっても難しいと思っている。
ピアノ以外の変奏曲なら、こんな曲もある。
チャイコフスキーのピアノ三重奏「偉大な芸術家の思い出」
そういえば、こんな楽しい変奏曲もある。
なんという豪華メンバー!
変奏曲の面白さは、例えるならレイモン・クノーの「文体練習」だ。
1つの素材が、ありとあらゆる方法で料理されていく面白さ。
同じものが、やり方次第でどんどん変わっていく面白さ。
聖書の解釈なんていうのも、実はこの興味に通じるのかもしれない。
何かが限られることで生まれる面白さには、
何でも欲しいものが手に入る時には気がつかない、極上の蜜が隠れている。
それにしても「調子の良い鍛冶屋」には恐れ入りやした。
使っていた楽器はピアノ・フォルテで、曲の感じだと古典派。
わたしはバリエーション(変奏曲)が大好きで、この名前のわからない曲もたいそう気に入り、もう何年も前から名前を知りたいと思っていたのだ。
それが、ひょんなことからわかった。
先日買った電子ピアノの自動演奏の曲として入っていたのである。
使用説明書には、こう書いてあった。
The Harmonious Blacksmith
なんのこっちゃ、と思った。
古典派だと信じていたのに、このタイトル?
更に日本語にしてみてのけぞった。
なんと「調子の良い鍛冶屋」と出て来たのである。
う〜む、この愛らしい小曲の名前が「調子の良い鍛冶屋」だったとは。
そういう名前の曲があることなら、もうずっと前から知っている。
でも、お子様の発表会用の単純な曲だとばっかり思っていたよ。
これもまた先入観のせいだ。
通称「調子の良い鍛冶屋」のこの変奏曲も、正式な名前はこうだ。
ハープシコード組曲第5番 ホ長調 HWV.430 終曲「エアと変奏」
ちなみに作曲したのはヘンデル。
鍛冶屋 → ハンマーの響き
と言われれば、確かにそう聞こえなくもない。
でも、なんでこんな名前になっちゃったのだろう。
薔薇は、例えば雪見大福という名前であっても、同じように香しくスペシャルな花であれるだろうか?と思ってしまう。わたしは天の邪鬼だから。
ともあれ、曲の名前がわかったことは嬉しかった。
曲の名前がわかったのでYouTubeでも探すことができたし、
そこではなんと楽譜付きで曲をアップしている人もいる。
世の中は本当に便利になった。
「調子の良い鍛冶屋」というおよそ色気のない名前にも関わらず、
このバリエーションは愛らしいし、幸せな調和を醸し出している。
普通のピアノで弾くとこんな感じ。
でも、これをハープシコードで弾くとこうなる。
ハープシコードの音は、実はあまり好きではないけれど、この曲を聴き比べてみると断然ハープシコードで聴く方が面白い。なんてったって華がある。
変奏曲と言えば、モーツアルトの「きらきら星変奏曲」なんていうのもある。
これも愛らしくて、そのくせ面白いので大好きだ。
簡単なテーマだけれど、これを巧く弾くのはとっても難しいと思っている。
ピアノ以外の変奏曲なら、こんな曲もある。
チャイコフスキーのピアノ三重奏「偉大な芸術家の思い出」
そういえば、こんな楽しい変奏曲もある。
なんという豪華メンバー!
変奏曲の面白さは、例えるならレイモン・クノーの「文体練習」だ。
1つの素材が、ありとあらゆる方法で料理されていく面白さ。
同じものが、やり方次第でどんどん変わっていく面白さ。
聖書の解釈なんていうのも、実はこの興味に通じるのかもしれない。
何かが限られることで生まれる面白さには、
何でも欲しいものが手に入る時には気がつかない、極上の蜜が隠れている。
それにしても「調子の良い鍛冶屋」には恐れ入りやした。
by poirier_AAA
| 2012-10-30 19:05
| 聴く
|
Comments(8)
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Mtonosama at 2012-10-31 11:52
コンサートでこんな風にしてHappy Birthdayを演奏されたら、
そして、その日が本当に誕生日だったら、メッチャ幸せな気持になりますね。
今日がお誕生日で、梨の木さんのブログを見た方、おめでとうございます♪
そして、その日が本当に誕生日だったら、メッチャ幸せな気持になりますね。
今日がお誕生日で、梨の木さんのブログを見た方、おめでとうございます♪
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at 2012-10-31 12:57
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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poirier_AAA at 2012-10-31 17:20
>mtonosamaさん、こんにちは。
本当に、こんなhappy birthdayを贈ってもらえたら最高に嬉しいですよね。
あるコンサートでオーケストラ版で聴いたことがあるんですけれど、「モーツアルト風」や「ベートーベン風」、「ワーグナー風」とか、いろいろなバージョンがあって滅茶苦茶楽しめましたよ。当日が誕生日じゃなくても、かなり幸せになれますよね。
本当に、こんなhappy birthdayを贈ってもらえたら最高に嬉しいですよね。
あるコンサートでオーケストラ版で聴いたことがあるんですけれど、「モーツアルト風」や「ベートーベン風」、「ワーグナー風」とか、いろいろなバージョンがあって滅茶苦茶楽しめましたよ。当日が誕生日じゃなくても、かなり幸せになれますよね。
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at 2012-11-01 13:34
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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saheizi-inokori at 2012-11-01 21:36
レイモン・クノー「文体練習」、カテゴリーを作りながら記事を書いてないです。
落語もある種の文体練習。変奏曲ですね。
落語もある種の文体練習。変奏曲ですね。
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poirier_aaa at 2012-11-02 02:02
>saheiziさん、こんにちは。
落語もそうですよね。話し手によって、後味が全然違ってくるでしょう。落語百選を本で読んでいてもやっぱりつまらない。生ものの個性が欲しくてたまらなくなります。
落語で、同じ話を複数の話し手がそれぞれのやり方で語ってみるというような試みはないのですか? 面白そうですけれど、さすがにちょっとくどくなりすぎちゃうでしょうか?
落語もそうですよね。話し手によって、後味が全然違ってくるでしょう。落語百選を本で読んでいてもやっぱりつまらない。生ものの個性が欲しくてたまらなくなります。
落語で、同じ話を複数の話し手がそれぞれのやり方で語ってみるというような試みはないのですか? 面白そうですけれど、さすがにちょっとくどくなりすぎちゃうでしょうか?
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saheizi-inokori at 2012-11-03 21:15
同じ噺の前と後をリレーでやることはありますが同じ噺そのものは聴いたことがありません。
毒蝮三太夫がやったのを小三治がすぐあと同じ噺をやったという話は読んだことがあります(趣向で)。
小三治は凄くやりにくかったそうで二度とやりたくないと語っていました。
違いを意識し過ぎるとぐちゃぐちゃになってしまうし、同じ喋り方ではつまらないし、、。
毒蝮三太夫がやったのを小三治がすぐあと同じ噺をやったという話は読んだことがあります(趣向で)。
小三治は凄くやりにくかったそうで二度とやりたくないと語っていました。
違いを意識し過ぎるとぐちゃぐちゃになってしまうし、同じ喋り方ではつまらないし、、。
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poirier_AAA at 2012-11-05 10:26
>saheiziさん、こんにちは。
やっぱり難しいでしょうね。あたり前ですよね。
同じ話の前と後をリレーするのならば、そこまで気を使わなくてもいいかもしれませんけれど、自分がイメージした人物が途中から違う人に変えられてしまうのは面白くないかもしれませんね。(ほら、話す人によって登場人物の様子も変わってしまいますから)
そういえば、日本から落語のDVDを持って来てもらったんですよ。観るのが楽しみです〜。
やっぱり難しいでしょうね。あたり前ですよね。
同じ話の前と後をリレーするのならば、そこまで気を使わなくてもいいかもしれませんけれど、自分がイメージした人物が途中から違う人に変えられてしまうのは面白くないかもしれませんね。(ほら、話す人によって登場人物の様子も変わってしまいますから)
そういえば、日本から落語のDVDを持って来てもらったんですよ。観るのが楽しみです〜。