2012年 02月 18日
ゆとり |
昨日、佐平次さんが記事にされた祝島の人達の反原発運動の話がとても気に入ってしまったので、こちらにも書き写しておこうと思う。
祝島の人たちが30年間続けた上関原発反対デモ。
毎週金曜日の夕方、7~80人の島民(全体470人の2割)が島内をデモする。
1400回以上続いているが最近は高齢化に伴って雨の日は休むし、距離も25分間まわっておしまい。
ときどき「原発、はんたぁ~い!」ってシュプレヒコールをやるけど、後はみんなずーっと世間話、「今日の晩御飯どうする?」「嫁がね」、そして、また「ふるさとの海を守れ~!」、「それでね、今晩はね、、」。
途中で「今味噌汁作ってた」といいながら手をふきふき参加する人もいるし、逆に「ご飯作るから」と帰っちゃう人もいる。
ときどき広島の本社まで遠征するのだが、その帰りに買い物ができるからみんなとても楽しみにしている。
いつも行くショッピングセンターには電話して特別にレジを増やしてもらう。
帰りのフエリーに間に合うように。
これ、いいよねぇ。
わたしはこれを読んでおもわず笑ってしまった。そして、笑いながら
よくぞここまで拝金主義に犯されることなく人間らしさを保ち続けて下さいました
と、頭を下げたくなったのだった。
自分と同じじゃないものを受け入れるのは、ちょっと難しい。
違いや例外を受け入れるのは、心にゆとりがないとできない。
できれば、常に心にゆとりを持ちたいと思う。難しそうだけれど。
話変わって、ヴァカンスに入る前、子どもたちが幼稚園から通知表を貰って来た。
できているかできていないかを親に通知するもので、他人との比較は一切なし。
その通知表の中に、こういう項目があった。
「自分が間違えたこと、すぐに理解できないことを受け入れられるか」
こちらの先生は、子どもが間違えても怒らない。
間違えることは全然悪いことじゃないのだ。
間違えても、あとできちんとわかるようになればそれでいい。
むしろ、わからないくせにわからないと言わないことが問題にされる。
間違えたということは、それが自分のウィークポイントだったということで、
ウィークポイントがわかったのなら、それを集中して勉強すれば良いだけの話。
間違えて良かったね、くらいの話だ。
だから、間違えた本人が間違えた事実を認めないのは×。
間違えたことを指摘されて怒り出すのも×。
理解するまでに時間がかかってもかまわない。すぐにわからなくてもいい。
最終的にわかるようになれば、それでいい。
わたしはこの項目を見て、これがゆとりなんじゃないかなと思った。
先生に、わかりません、もう一度説明して下さいと言えるゆとり。
教師には、わからない生徒がわかるようになるまで時間を割けるゆとり。
これがあるかないかで、勉強の楽しさはかなり違ってくるんじゃなかろうか。
子どもは、足場を確かめながら山を登る安心感があるだろう。
足場も確かめないまま、後ろから追い立てられるのとは全然違う。
子どもは勉強しながらたくさん間違えていい。
大人は味噌汁を作るために団体行動をはずれてもいい。
あなたは集団の中の1ピースじゃなくて、
唯一無二の独立した個人ですよ。
一人一人を集団の一部分として潰さないゆとりが、今すごく大事な気がする。
祝島の人たちが30年間続けた上関原発反対デモ。
毎週金曜日の夕方、7~80人の島民(全体470人の2割)が島内をデモする。
1400回以上続いているが最近は高齢化に伴って雨の日は休むし、距離も25分間まわっておしまい。
ときどき「原発、はんたぁ~い!」ってシュプレヒコールをやるけど、後はみんなずーっと世間話、「今日の晩御飯どうする?」「嫁がね」、そして、また「ふるさとの海を守れ~!」、「それでね、今晩はね、、」。
途中で「今味噌汁作ってた」といいながら手をふきふき参加する人もいるし、逆に「ご飯作るから」と帰っちゃう人もいる。
ときどき広島の本社まで遠征するのだが、その帰りに買い物ができるからみんなとても楽しみにしている。
いつも行くショッピングセンターには電話して特別にレジを増やしてもらう。
帰りのフエリーに間に合うように。
これ、いいよねぇ。
わたしはこれを読んでおもわず笑ってしまった。そして、笑いながら
よくぞここまで拝金主義に犯されることなく人間らしさを保ち続けて下さいました
と、頭を下げたくなったのだった。
自分と同じじゃないものを受け入れるのは、ちょっと難しい。
違いや例外を受け入れるのは、心にゆとりがないとできない。
できれば、常に心にゆとりを持ちたいと思う。難しそうだけれど。
話変わって、ヴァカンスに入る前、子どもたちが幼稚園から通知表を貰って来た。
できているかできていないかを親に通知するもので、他人との比較は一切なし。
その通知表の中に、こういう項目があった。
「自分が間違えたこと、すぐに理解できないことを受け入れられるか」
こちらの先生は、子どもが間違えても怒らない。
間違えることは全然悪いことじゃないのだ。
間違えても、あとできちんとわかるようになればそれでいい。
むしろ、わからないくせにわからないと言わないことが問題にされる。
間違えたということは、それが自分のウィークポイントだったということで、
ウィークポイントがわかったのなら、それを集中して勉強すれば良いだけの話。
間違えて良かったね、くらいの話だ。
だから、間違えた本人が間違えた事実を認めないのは×。
間違えたことを指摘されて怒り出すのも×。
理解するまでに時間がかかってもかまわない。すぐにわからなくてもいい。
最終的にわかるようになれば、それでいい。
わたしはこの項目を見て、これがゆとりなんじゃないかなと思った。
先生に、わかりません、もう一度説明して下さいと言えるゆとり。
教師には、わからない生徒がわかるようになるまで時間を割けるゆとり。
これがあるかないかで、勉強の楽しさはかなり違ってくるんじゃなかろうか。
子どもは、足場を確かめながら山を登る安心感があるだろう。
足場も確かめないまま、後ろから追い立てられるのとは全然違う。
子どもは勉強しながらたくさん間違えていい。
大人は味噌汁を作るために団体行動をはずれてもいい。
あなたは集団の中の1ピースじゃなくて、
唯一無二の独立した個人ですよ。
一人一人を集団の一部分として潰さないゆとりが、今すごく大事な気がする。
by poirier_AAA
| 2012-02-18 22:10
| 世情を考える
|
Comments(4)
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saheizi-inokori at 2012-02-18 22:23
ちょっと行って混ぜてもらいたくなりますね^^。
0
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poirier_AAA at 2012-02-19 19:54
>saheiziさん、こんにちは。
わたしも、これを読んで祝島に行ってみたくなりました。
で、祝島への行き方を詳しく調べてしまいました。フェリーの数が少ないので、行こうと思ったらまず広島辺りに一泊するしかないんですよね。不便な場所だからこそ、ここまで(日本中世界中の喧噪に巻き込まれずに)落ち着いて自分たちの生活を省みることができるのかなぁ、などと思いました。
わたしも、これを読んで祝島に行ってみたくなりました。
で、祝島への行き方を詳しく調べてしまいました。フェリーの数が少ないので、行こうと思ったらまず広島辺りに一泊するしかないんですよね。不便な場所だからこそ、ここまで(日本中世界中の喧噪に巻き込まれずに)落ち着いて自分たちの生活を省みることができるのかなぁ、などと思いました。
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by
kanafr at 2012-02-20 03:33
私もかつて祝島の人達のデモの様子を借りたビデオで見たことがあります。
あの人達は「原発がなくなったら、こんなに不便です」を売り込む原発推進に心が動かされてしまう人達へのいい手本になりますよね。そしてデモという言葉に敏感に反応してしまう世代の人達にも..。
祝島の人達は、日本がこれから変わるいい手本の人達だと思います。
かつてどこかの市長が講演で原発の良さを住民に「こんなに金が入る、身体に悪いとかいいけど50年後100年後の事なんか、そんなの遠い未来の事なんかはっきり言ってどうでもいい」と言うような事を言って、聴衆と共に高笑いしていましたが、50年後100年後も人達に胸を張って未来を渡せる祝島の人達こそ、我々が目指さなきゃいけない姿だと思います。
今回梨の木さんが記事にされた事、私が、日本人家庭でありながら日本人学校に行かさずフランスで教育を受けさせたいと思った理由です。
あの人達は「原発がなくなったら、こんなに不便です」を売り込む原発推進に心が動かされてしまう人達へのいい手本になりますよね。そしてデモという言葉に敏感に反応してしまう世代の人達にも..。
祝島の人達は、日本がこれから変わるいい手本の人達だと思います。
かつてどこかの市長が講演で原発の良さを住民に「こんなに金が入る、身体に悪いとかいいけど50年後100年後の事なんか、そんなの遠い未来の事なんかはっきり言ってどうでもいい」と言うような事を言って、聴衆と共に高笑いしていましたが、50年後100年後も人達に胸を張って未来を渡せる祝島の人達こそ、我々が目指さなきゃいけない姿だと思います。
今回梨の木さんが記事にされた事、私が、日本人家庭でありながら日本人学校に行かさずフランスで教育を受けさせたいと思った理由です。
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by
poirier_AAA at 2012-02-20 18:14
>kanafrさん、こんにちは。
祝島の人達は、現状を受け入れる覚悟があるんですよね。人口が減ること、人口が高齢化すること、島の収入源が限られること。頑張ればこうなるという夢のモデルパターンが必ずしも万能薬ではないと判断できるだけ、自分たちの生活のことが良くわかっているんだと思います。
日本はこれからどんどん高齢化します。言ってみれば弱者が増えるわけです。こんな危うい時代ですから、稼ぎ貯めたお金で優雅に老後を送るというような夢が現実になるかどうかもわかりません。自分があっさり切り捨てられる側にまわるかもしれない可能性も考えず、原発マネーや「勝ち組」の恩恵にあずかれると信じ切っている人達の、その認識の甘さに驚きます。
我が家はこの先日本で暮らす予定がないので、フランスで教育を受けさせます。でもフランスの学校も、この記事では良いことばかり書いてしまいましたけれど、問題もたくさんあるんですよね〜。フランスに対する幻想払拭のため、そのうち記事にしようと思います。
祝島の人達は、現状を受け入れる覚悟があるんですよね。人口が減ること、人口が高齢化すること、島の収入源が限られること。頑張ればこうなるという夢のモデルパターンが必ずしも万能薬ではないと判断できるだけ、自分たちの生活のことが良くわかっているんだと思います。
日本はこれからどんどん高齢化します。言ってみれば弱者が増えるわけです。こんな危うい時代ですから、稼ぎ貯めたお金で優雅に老後を送るというような夢が現実になるかどうかもわかりません。自分があっさり切り捨てられる側にまわるかもしれない可能性も考えず、原発マネーや「勝ち組」の恩恵にあずかれると信じ切っている人達の、その認識の甘さに驚きます。
我が家はこの先日本で暮らす予定がないので、フランスで教育を受けさせます。でもフランスの学校も、この記事では良いことばかり書いてしまいましたけれど、問題もたくさんあるんですよね〜。フランスに対する幻想払拭のため、そのうち記事にしようと思います。