2011年 07月 07日
今日の繰り言 |
今に始まったことじゃないけれど、政治がざわざわしすぎていてどうにも落ち着かない。あれかと思えばこれ、こう言ったかと思うと翌日は事情が変わっていたりして、それにいちいち反応する気になれないでいる。やってられない、と言おうか、もう勝手にしてくれ、と言おうか、そういう捨て台詞とともにゴミ箱に捨て去って忘れ去ってしまいたい気持ち。そうしちゃならないと思うから自分を制して頑張って注目しているけれど、これってすごいストレスだ。見ているのも辛いが、文句を言い続けるのも辛い。どっちを向いても辛い尽くしだ。
それでも、子どもだけはなんとか守らなきゃいけない。
先日、子ども尿からセシウムが検出されたというニュースがあった。事故後の状況を考えればこのような結果が出るのはわかっていたはずだけれど、それでもショックは大きかった。そして昨日はこんなニュースを目にした。
「福島第一周辺の子1000人調査 甲状腺微量被ばく45%」
これも大変な話だと思うのだけれど、非常に淡々とした書き方なり。そして、よくわからないことがいろいろあるのよ、この記事。
まず、原子力安全委員会は4日、3月下旬に福島県内の第一原発周辺の市町村に住む子供約千人を対象に行った放射線被ばく調査で、という部分。
3月下旬にそんな調査をしたなんて、これは一般には知らされていたのかしら?調査結果はいつ出た?調査結果を国民向けに発表した?少なくとも調査を受けた子どもの家族には知らされたんだろうか?IAEAには伝えても肝心の国民には伝えてないような気がするんだけれど、これはわたしの情報不足か?
それからこの発言も疑問満載、安全委によると、最高値は毎時0.1マイクロシーベルト(一歳児の甲状腺被ばく量に換算すると年50ミリシーベルト相当)に上ったが、99%は毎時0.04マイクロシーベルト以下。同様の換算で年20ミリシーベルトに相当するが、加藤審議官は4日の記者会見で「換算するには(調査の)精度が粗い。精密測定が必要な子供はいなかった」と述べた。
放射線量が年間20mSv相当とか50mSv相当だから大丈夫って、こんなに簡単に言っちゃっていいのか?だって、放射線に携わる仕事をしている成人男性の限度量が20mSvだったんでしょ。少し前に原発内で働く女性職員の被曝量が法の規定値を超えたとかで電力会社が責任を問われていなかっただろうか?成人を対象にそこまで厳しくしておいて、子どもに対しては「事故が起きた場合だから数値も非常時対応です」と20だの50だのという数字を当てはめるのは、どう考えても乱暴すぎる。
しかもよくわからないのは、調査の精度が低いと言いながら、精密測定が必要な子供はいなかったと言い切っているところ。調査の精度が低かったら、普通は結果を疑ってかかるものじゃないだろうか?それで大丈夫って言われても、言われた方は困る。
それから、国際放射線防護委員会(ICRP)勧告では、年間100ミリシーベルトの被曝で発がんリスクが0.5%高まるとして、同量を緊急時の年間被ばく限度としている。今回の調査でも100ミリシーベルトを基準とし、一歳児の甲状腺被曝の年換算でこれに相当する毎時0.2マイクロシーベルトを超えた場合、精密検査をする予定だった。
これもさっきの繰り返しになる。50なら大丈夫で100なら気にしようなんて、線を引けない話じゃなかったか?しかも年間100mSvで発ガンリスクが0.5%高まるっていう数字は、これは全世代の平均値でしょ?代謝がおちている中高年と、せっせと成長している子どもの発ガンリスクを同じ線上で語るのは不自然すぎる。しかも、1歳児が100mSv以上の場合だなんて、とても冷静には聞いていられない。
最後の部分、国が国際原子力機関(IAEA)に提出した報告書では、1080人の子供の甲状腺被ばくを調査したことを記しているが、何割の子供が実際に被ばくしていたかは明らかにしていなかった。
一般的に考えて、調査をしたら結果がついて来るものじゃないだろうか?結果を見せないで、でも調査はしたんですと言われても困っちゃうよねぇ。結果を見せなくても良いのなら何だって言えるわけだ。検査をしたという記述がありさえすれば結果はどうでもいい?結果がどうでもいいなら、調査する意味もないと思うんだけど。IAEAというのはその程度のレポートしか求めない、その程度のレポートでもハイハイと受け取ってくれる組織だっていうことかね。原子力関係の組織って、国内外を問わず、ものすごくおおらかな基準で動いているんだねぇ。
そして最後の疑問。これを書いた記者はまったく疑問を感じないでこの記事を書いたのかっていうこと。少なくともモノを書くことを生業にしている人なんだから、この話に潜む不自然さを多かれ少なかれ意識しながら書いていると思うんだけれど、それでもその不自然さを指摘するのは新聞記者の仕事の範囲を超えるということ?いわれたことを右から左に流してみせるのが新聞記事?記者会見の場で「精度が低いのに調査結果を信用するんですか」と聞いた記者はいたのだろうか?
なんだかね、こんな疑問だらけのよくわからない記事を読まされても、全然スッキリしないのだ。政治もモヤモヤ、記事もモヤモヤで、毎日毎日眉間のしわが深くなる。
それでも、子どもだけはなんとか守らなきゃいけない。
先日、子ども尿からセシウムが検出されたというニュースがあった。事故後の状況を考えればこのような結果が出るのはわかっていたはずだけれど、それでもショックは大きかった。そして昨日はこんなニュースを目にした。
「福島第一周辺の子1000人調査 甲状腺微量被ばく45%」
これも大変な話だと思うのだけれど、非常に淡々とした書き方なり。そして、よくわからないことがいろいろあるのよ、この記事。
まず、原子力安全委員会は4日、3月下旬に福島県内の第一原発周辺の市町村に住む子供約千人を対象に行った放射線被ばく調査で、という部分。
3月下旬にそんな調査をしたなんて、これは一般には知らされていたのかしら?調査結果はいつ出た?調査結果を国民向けに発表した?少なくとも調査を受けた子どもの家族には知らされたんだろうか?IAEAには伝えても肝心の国民には伝えてないような気がするんだけれど、これはわたしの情報不足か?
それからこの発言も疑問満載、安全委によると、最高値は毎時0.1マイクロシーベルト(一歳児の甲状腺被ばく量に換算すると年50ミリシーベルト相当)に上ったが、99%は毎時0.04マイクロシーベルト以下。同様の換算で年20ミリシーベルトに相当するが、加藤審議官は4日の記者会見で「換算するには(調査の)精度が粗い。精密測定が必要な子供はいなかった」と述べた。
放射線量が年間20mSv相当とか50mSv相当だから大丈夫って、こんなに簡単に言っちゃっていいのか?だって、放射線に携わる仕事をしている成人男性の限度量が20mSvだったんでしょ。少し前に原発内で働く女性職員の被曝量が法の規定値を超えたとかで電力会社が責任を問われていなかっただろうか?成人を対象にそこまで厳しくしておいて、子どもに対しては「事故が起きた場合だから数値も非常時対応です」と20だの50だのという数字を当てはめるのは、どう考えても乱暴すぎる。
しかもよくわからないのは、調査の精度が低いと言いながら、精密測定が必要な子供はいなかったと言い切っているところ。調査の精度が低かったら、普通は結果を疑ってかかるものじゃないだろうか?それで大丈夫って言われても、言われた方は困る。
それから、国際放射線防護委員会(ICRP)勧告では、年間100ミリシーベルトの被曝で発がんリスクが0.5%高まるとして、同量を緊急時の年間被ばく限度としている。今回の調査でも100ミリシーベルトを基準とし、一歳児の甲状腺被曝の年換算でこれに相当する毎時0.2マイクロシーベルトを超えた場合、精密検査をする予定だった。
これもさっきの繰り返しになる。50なら大丈夫で100なら気にしようなんて、線を引けない話じゃなかったか?しかも年間100mSvで発ガンリスクが0.5%高まるっていう数字は、これは全世代の平均値でしょ?代謝がおちている中高年と、せっせと成長している子どもの発ガンリスクを同じ線上で語るのは不自然すぎる。しかも、1歳児が100mSv以上の場合だなんて、とても冷静には聞いていられない。
最後の部分、国が国際原子力機関(IAEA)に提出した報告書では、1080人の子供の甲状腺被ばくを調査したことを記しているが、何割の子供が実際に被ばくしていたかは明らかにしていなかった。
一般的に考えて、調査をしたら結果がついて来るものじゃないだろうか?結果を見せないで、でも調査はしたんですと言われても困っちゃうよねぇ。結果を見せなくても良いのなら何だって言えるわけだ。検査をしたという記述がありさえすれば結果はどうでもいい?結果がどうでもいいなら、調査する意味もないと思うんだけど。IAEAというのはその程度のレポートしか求めない、その程度のレポートでもハイハイと受け取ってくれる組織だっていうことかね。原子力関係の組織って、国内外を問わず、ものすごくおおらかな基準で動いているんだねぇ。
そして最後の疑問。これを書いた記者はまったく疑問を感じないでこの記事を書いたのかっていうこと。少なくともモノを書くことを生業にしている人なんだから、この話に潜む不自然さを多かれ少なかれ意識しながら書いていると思うんだけれど、それでもその不自然さを指摘するのは新聞記者の仕事の範囲を超えるということ?いわれたことを右から左に流してみせるのが新聞記事?記者会見の場で「精度が低いのに調査結果を信用するんですか」と聞いた記者はいたのだろうか?
なんだかね、こんな疑問だらけのよくわからない記事を読まされても、全然スッキリしないのだ。政治もモヤモヤ、記事もモヤモヤで、毎日毎日眉間のしわが深くなる。
by poirier_AAA
| 2011-07-07 18:06
| 世情を考える
|
Comments(2)
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by
saheizi-inokori at 2011-07-07 18:39
確かに、もうどうでもいい!勝手にしやがれと言いたくなります。心理学でいう解離?
でも事が事だからほおってもおけません。結局新聞も3紙とることになりました。
いちいち疑って読むのって疲れます。落語がなかったら参ってしまいます。
IAEAとかICRPなどアメリカ製の核関係機関はかなり怪しいようですね。
でも事が事だからほおってもおけません。結局新聞も3紙とることになりました。
いちいち疑って読むのって疲れます。落語がなかったら参ってしまいます。
IAEAとかICRPなどアメリカ製の核関係機関はかなり怪しいようですね。
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by
poirier_AAA at 2011-07-08 17:09
>saheiziさん、こんにちは。
新聞3紙とは大変です。情報収集って、ネット経由であれ印刷物経由であれ、本当に時間を喰うものですねぇ。
チェルノブイリ後のIAEAの対応を見て、この機関の存在理由ははっきりとわかりました。皆が無意識に期待する「原発の安全性を監視し、必要があれば批判や良心的な判断をしてくれる組織」などではなく、現実を隠し、丸め、あたりを和らげて核の存在を守り続けるという、要は世論懐柔のための機関だと思います。
新聞3紙とは大変です。情報収集って、ネット経由であれ印刷物経由であれ、本当に時間を喰うものですねぇ。
チェルノブイリ後のIAEAの対応を見て、この機関の存在理由ははっきりとわかりました。皆が無意識に期待する「原発の安全性を監視し、必要があれば批判や良心的な判断をしてくれる組織」などではなく、現実を隠し、丸め、あたりを和らげて核の存在を守り続けるという、要は世論懐柔のための機関だと思います。