2011年 02月 01日
闇の中に光を見出す |
読みとばせない言葉に出会った。
手元に本がないので孫引きになってしまうけれど、引用する。
闇の中に光を見出すなんていいますけど、光なんてものは、どこかにあるもんじゃありませんねぇ。なにがどんなにつらかろうと、それをきっちりひきうけて、こちらから出かけていかなきゃいけません。‥‥自分が光になろうとすることなんです。
それが、闇の中に光を見出すということじゃないでしょうか。
(藤本とし『地面の底が抜けたんです』より抜粋)
著者は18歳でハンセン病を患い、以降を療養所で暮らした女性。手足の感覚を失い、視力も失った。大変な病気を背負うだけでなく、社会的にも切り離される。その人が「自分が光になろうとすることなんです」と言う。「なにがどんなにつらかろうと、それをきっちりひきうけて、こちらからでかけていかなきゃいけません」と言う。
すごいね。
ありのままの自分を引き受けることは難しい。
本当に、言葉で言う程簡単なことじゃありません。
いやなこと、我慢のならないことがゴロゴロある。
それを全部引き受けて、更にこちらから出かけていくか?
自分を救う光は自分しか放てないってことか。
実は頭ではわかっていることだけれど、逃げ道はいっぱいあるからね。
自分が光になろうと頑張らなくても、なんとか生きていけちゃう。
なんとなく生きているわたしが、
逃げ道がなく正面から現実とぶつかるしかなかった著者の言葉にビリッと反応する。
自分が自分の光になるんだよ。忘れるな。
鶴見俊輔氏の「思い出袋」にはハンセン病回復者の家を建てるために尽力する学生たちの話が出てくる。その一環でこの作品にも触れている。気骨ある人の話はいつ読んでも気持ちが良い。そして「思い出袋」自体もいい。連載を一冊にまとめたものなので繰り返し出てくる話も多いけれど、わたしはこの方の話が好き。時々読み返すと、頭にすっと風が通ったような気分になる。
手元に本がないので孫引きになってしまうけれど、引用する。
闇の中に光を見出すなんていいますけど、光なんてものは、どこかにあるもんじゃありませんねぇ。なにがどんなにつらかろうと、それをきっちりひきうけて、こちらから出かけていかなきゃいけません。‥‥自分が光になろうとすることなんです。
それが、闇の中に光を見出すということじゃないでしょうか。
(藤本とし『地面の底が抜けたんです』より抜粋)
著者は18歳でハンセン病を患い、以降を療養所で暮らした女性。手足の感覚を失い、視力も失った。大変な病気を背負うだけでなく、社会的にも切り離される。その人が「自分が光になろうとすることなんです」と言う。「なにがどんなにつらかろうと、それをきっちりひきうけて、こちらからでかけていかなきゃいけません」と言う。
すごいね。
ありのままの自分を引き受けることは難しい。
本当に、言葉で言う程簡単なことじゃありません。
いやなこと、我慢のならないことがゴロゴロある。
それを全部引き受けて、更にこちらから出かけていくか?
自分を救う光は自分しか放てないってことか。
実は頭ではわかっていることだけれど、逃げ道はいっぱいあるからね。
自分が光になろうと頑張らなくても、なんとか生きていけちゃう。
なんとなく生きているわたしが、
逃げ道がなく正面から現実とぶつかるしかなかった著者の言葉にビリッと反応する。
自分が自分の光になるんだよ。忘れるな。
鶴見俊輔氏の「思い出袋」にはハンセン病回復者の家を建てるために尽力する学生たちの話が出てくる。その一環でこの作品にも触れている。気骨ある人の話はいつ読んでも気持ちが良い。そして「思い出袋」自体もいい。連載を一冊にまとめたものなので繰り返し出てくる話も多いけれど、わたしはこの方の話が好き。時々読み返すと、頭にすっと風が通ったような気分になる。
by poirier_AAA
| 2011-02-01 21:10
| 日本語を読む
|
Comments(2)
Commented
by
kanafr at 2011-02-02 07:07
「自分が自分の光になる」すごい言葉ですね。
なにがどんなにつらかろうと、それをきっちりひきうけて、自ら一歩踏み出すって事は、傷だらけになるのも覚悟の上って事でしょう?
ご苦労された方のお言葉だけに胸にズーンときました。
何を甘えて生きている!と自分が恥ずかしくなっています。
この方は、あらゆる自分を全て引き受け冷静な目で見た上で、自分自身の内なる力を知ったのではないでしょうか。
例え自信はなくても、まず一歩踏み出さなきゃ何事も始まらない、その勇気が私には不足しているなあ。
なにがどんなにつらかろうと、それをきっちりひきうけて、自ら一歩踏み出すって事は、傷だらけになるのも覚悟の上って事でしょう?
ご苦労された方のお言葉だけに胸にズーンときました。
何を甘えて生きている!と自分が恥ずかしくなっています。
この方は、あらゆる自分を全て引き受け冷静な目で見た上で、自分自身の内なる力を知ったのではないでしょうか。
例え自信はなくても、まず一歩踏み出さなきゃ何事も始まらない、その勇気が私には不足しているなあ。
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Commented
by
poirier_AAA at 2011-02-02 17:29
>Kanafrさん
本当にすごい言葉でしょう。私も初めて読んだとき、横っ面を張り倒されたような気がしました。言葉の重さが違いますよね。
この方の人生はとても大変だったはずです。でもその大変さや傷が人間を損なうどころか、逆に感性を研ぎ澄まし、生を全うするための原動力になっている。そう仕向けたのは彼女の心の強さでしょう。自分はこの方のようにあれるか?と考えてしまいますよね。自分には及ばない境地かもしれないけれど、こうやって生きた人のいることを心にとどめたいと思っています。
本当にすごい言葉でしょう。私も初めて読んだとき、横っ面を張り倒されたような気がしました。言葉の重さが違いますよね。
この方の人生はとても大変だったはずです。でもその大変さや傷が人間を損なうどころか、逆に感性を研ぎ澄まし、生を全うするための原動力になっている。そう仕向けたのは彼女の心の強さでしょう。自分はこの方のようにあれるか?と考えてしまいますよね。自分には及ばない境地かもしれないけれど、こうやって生きた人のいることを心にとどめたいと思っています。