2011年 01月 27日
忘れ難いシーン |
新聞を見ていて、今夜8時40分から「ショーシャンクの空に(仏題 Les évadés)」があるのに気がつきました。(でもきっとフランス語吹替版)
前にも書いたことがあったと思いますが、わたしはこの映画がかなり好きです。何度も観ているのに、それでも放送があるとやっぱり観たくなってしまう。そして中でも特にお気に入りの場面があります。時間がなくてもここだけは見たい、この場面が見られなかったらこの映画を観た気がしない、そんなシーン。
主人公のアンディが、刑務所内の図書館用にと贈られた本やレコードの詰まった箱の中からモーツアルトの「フィガロの結婚」を見つけます。予想もしなかった幸運に出会ったという顔でレコードの外箱を撫でるアンディ。彼は部屋の鍵を全部閉めてレコードを聴き始めます。傍には所内放送用のマイクがあって、大音量のモーツアルトが突如刑務所内に響き渡る。囚人も看守もあっけにとられて茫然と聞き入ります。アンディも恍惚とした表情で聞いています。やがて我に返った看守たちによってアンディは取り押さえられ、狭い明かりのない懲罰房にいれられてしまうのですが、そこから出て来たとき「あの懲罰房は大変だっただろう」とねぎらう仲間にこう返事をするのです。「平気だよ。いつもモーツアルトが一緒だったから」
このシーンは何回観てもいい気持ちになります。殺伐とした男ばかりの世界。そこに響き渡る女声の2重唱。もともととても美しい曲だけれど、こんなふうに人の心を溶かしていくシーンを目にすると、涙が出るくらい感動してしまうんです。
ちなみにこの時の曲はこれです。
モーツアルト「フィガロの結婚」から「手紙の二重唱(そよ風が)」
(前半)エリザベート・シュワルツコップ&アンナ・モッフォ
(後半2:40から)グンドゥラ・ヤノヴィッツ&エディト・マティス
http://www.youtube.com/watch?v=yFU74UeBgpo&NR=1
特に後半のヤノヴィッツ&マティス組が素晴らしい!うっとり。
他にもこんなふうに、ある場面だけのために観てもいいという映画があるかなぁと考えてみました。あった!「アラビアのロレンス」です。アラビアのロレンスは最後までみると辛い。しかし途中には忘れ難い場面が沢山あります。
そんな中で一番好きなのが、ロレンスが砂漠から帰還する場面。
ギラギラと照り付ける太陽の下、ロレンスが仲間を救って戻ってくるのを待つ少年。その少年が突然ぴくりと反応します。蜃気楼に揺らぐ地平線に微かな点が現れたのです。(観客には何も見えない)目を凝らしながらゆっくりラクダを進ませる少年。やがて彼は狂喜して名前を連呼しながらラクダを駆ります。(ここでもまだ観客には何も見えない)情け容赦のない、美しい砂漠の風景。2頭のラクダが交差し、やがて並んで歩き始めます。野営地に近づくと他の仲間たちも気がついて集まってきます。水を差し出し口々に帰還を祝す人々。でもロレンスは水を受け取りません。彼はアリを目で捜す。それに気がついたアリはロレンスに歩み寄り、黙って水を差し出す。ロレンスはじっとその目を見返して一言「nothing is written」というなりごくごくと喉をそらせて水を飲みます。
あぁ、この映画のピーター・オトゥールは素晴らしかった。白い砂漠の中のニ点の青い目。オマー・シャリフも良かった。そして何よりも砂漠の美しさが忘れ難いです。
このシーンがなかったらこの映画を見た気がしない、って他にもあるかなぁ?
過去にみた映画を記憶の底から呼び出してはさっきから考えている暇人です。
前にも書いたことがあったと思いますが、わたしはこの映画がかなり好きです。何度も観ているのに、それでも放送があるとやっぱり観たくなってしまう。そして中でも特にお気に入りの場面があります。時間がなくてもここだけは見たい、この場面が見られなかったらこの映画を観た気がしない、そんなシーン。
主人公のアンディが、刑務所内の図書館用にと贈られた本やレコードの詰まった箱の中からモーツアルトの「フィガロの結婚」を見つけます。予想もしなかった幸運に出会ったという顔でレコードの外箱を撫でるアンディ。彼は部屋の鍵を全部閉めてレコードを聴き始めます。傍には所内放送用のマイクがあって、大音量のモーツアルトが突如刑務所内に響き渡る。囚人も看守もあっけにとられて茫然と聞き入ります。アンディも恍惚とした表情で聞いています。やがて我に返った看守たちによってアンディは取り押さえられ、狭い明かりのない懲罰房にいれられてしまうのですが、そこから出て来たとき「あの懲罰房は大変だっただろう」とねぎらう仲間にこう返事をするのです。「平気だよ。いつもモーツアルトが一緒だったから」
このシーンは何回観てもいい気持ちになります。殺伐とした男ばかりの世界。そこに響き渡る女声の2重唱。もともととても美しい曲だけれど、こんなふうに人の心を溶かしていくシーンを目にすると、涙が出るくらい感動してしまうんです。
ちなみにこの時の曲はこれです。
モーツアルト「フィガロの結婚」から「手紙の二重唱(そよ風が)」
(前半)エリザベート・シュワルツコップ&アンナ・モッフォ
(後半2:40から)グンドゥラ・ヤノヴィッツ&エディト・マティス
http://www.youtube.com/watch?v=yFU74UeBgpo&NR=1
特に後半のヤノヴィッツ&マティス組が素晴らしい!うっとり。
他にもこんなふうに、ある場面だけのために観てもいいという映画があるかなぁと考えてみました。あった!「アラビアのロレンス」です。アラビアのロレンスは最後までみると辛い。しかし途中には忘れ難い場面が沢山あります。
そんな中で一番好きなのが、ロレンスが砂漠から帰還する場面。
ギラギラと照り付ける太陽の下、ロレンスが仲間を救って戻ってくるのを待つ少年。その少年が突然ぴくりと反応します。蜃気楼に揺らぐ地平線に微かな点が現れたのです。(観客には何も見えない)目を凝らしながらゆっくりラクダを進ませる少年。やがて彼は狂喜して名前を連呼しながらラクダを駆ります。(ここでもまだ観客には何も見えない)情け容赦のない、美しい砂漠の風景。2頭のラクダが交差し、やがて並んで歩き始めます。野営地に近づくと他の仲間たちも気がついて集まってきます。水を差し出し口々に帰還を祝す人々。でもロレンスは水を受け取りません。彼はアリを目で捜す。それに気がついたアリはロレンスに歩み寄り、黙って水を差し出す。ロレンスはじっとその目を見返して一言「nothing is written」というなりごくごくと喉をそらせて水を飲みます。
あぁ、この映画のピーター・オトゥールは素晴らしかった。白い砂漠の中のニ点の青い目。オマー・シャリフも良かった。そして何よりも砂漠の美しさが忘れ難いです。
このシーンがなかったらこの映画を見た気がしない、って他にもあるかなぁ?
過去にみた映画を記憶の底から呼び出してはさっきから考えている暇人です。
by poirier_AAA
| 2011-01-27 18:48
| 観る・鑑賞する
|
Comments(2)
こんにちは。
この映画2本とも、それと「ジョー・ブラック」も観ています。
「ショーシャンクの・・」は、映画もいいですが、原作「刑務所の
リタ・ヘイワース」もいいです。
わたしはあの中の最後に出てくる、「希望はいいものだ。多分なによりもいいものだ。
そして、いいものは決して死なない」この言葉にじぃ~~んとしびれてしまったものです。
アラビアのロレンスのピーター・オトゥール、最高でしたね。
実在したロレンスは最後に事故で亡くなりましたが、それも
謎が残っているそうですよ。
わたしは好きな映画は何度でも見返すマニアックなところがあり、
親しい友とは映画200選を作るほどですw
いい映画、いい本からは生き方が学べるような気がします。
梨の木さんが映画ファンとは知りませんでしたよ!
この映画2本とも、それと「ジョー・ブラック」も観ています。
「ショーシャンクの・・」は、映画もいいですが、原作「刑務所の
リタ・ヘイワース」もいいです。
わたしはあの中の最後に出てくる、「希望はいいものだ。多分なによりもいいものだ。
そして、いいものは決して死なない」この言葉にじぃ~~んとしびれてしまったものです。
アラビアのロレンスのピーター・オトゥール、最高でしたね。
実在したロレンスは最後に事故で亡くなりましたが、それも
謎が残っているそうですよ。
わたしは好きな映画は何度でも見返すマニアックなところがあり、
親しい友とは映画200選を作るほどですw
いい映画、いい本からは生き方が学べるような気がします。
梨の木さんが映画ファンとは知りませんでしたよ!
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Commented
by
poirier_AAA at 2011-01-29 20:43
>Spacesisさん こんにちは。
映画200選ですか。それは凄いですね〜。数はそれほど見てないんですが、わたしも映画は大好きです。そして気に入ったものはとことんしつこく見返すタイプです。
ショーシャンクの「希望」といえば、映画の途中でこんな会話があったのを覚えていらっしゃいますか?懲罰房から出て来たアンディが「どんなに悲惨な状況におとしめられても、他人には絶対に汚せないものが人には備わっている。それは希望だ」と言います。するとレッドが答えます「アンディ、気をつけろ。希望はとても危険だ。とくにこういう環境にある者にとっては」(台詞は正確ではありません)これが最後の台詞に繋がっているんですよね。
映画でも本でも、感動する作品には人の生き様が描かれていることが多いと思います。あと、映画だと映像的な満足感もありますよね。Spacesisさんの200選、すごく興味があります。
映画200選ですか。それは凄いですね〜。数はそれほど見てないんですが、わたしも映画は大好きです。そして気に入ったものはとことんしつこく見返すタイプです。
ショーシャンクの「希望」といえば、映画の途中でこんな会話があったのを覚えていらっしゃいますか?懲罰房から出て来たアンディが「どんなに悲惨な状況におとしめられても、他人には絶対に汚せないものが人には備わっている。それは希望だ」と言います。するとレッドが答えます「アンディ、気をつけろ。希望はとても危険だ。とくにこういう環境にある者にとっては」(台詞は正確ではありません)これが最後の台詞に繋がっているんですよね。
映画でも本でも、感動する作品には人の生き様が描かれていることが多いと思います。あと、映画だと映像的な満足感もありますよね。Spacesisさんの200選、すごく興味があります。