2010年 11月 29日
服の整理 |
子ども用の衣装棚がかなり手狭になって来たなぁと感じ始めたのがつい2ヶ月前。ようやく重い腰を上げて子供服の整理に着手しました。
棚がいっぱいと書きましたが、実際にいま着られる服は全体の四分の一くらい。残りはみな小さくなってしまった服ばかりです。ほんの半年前までは着られた服が、今は軒並み小さくなってしまいました。今年買った4歳用のTシャツが、もうなんだか丈が足りなそうな気配です。
人に使ってもらえそうなものは箱にしまい、着古したTシャツやパジャマを適当な大きさに切って掃除用布にする作業をしました。両袖を切り落とし、身頃の両脇を切り開き、不揃いながら平らな1枚布の状態にします。
洗いざらしたTシャツでも、いざハサミを入れる瞬間はわずかに躊躇います。あぁ、このTシャツを着てあんなことをしていたなぁ、こんなことを言っていたなぁと記憶が蘇るのです。思い出に浸っていても仕方ないのでえいやっと一思いにハサミを入れてしまいますが、やはり心がしくしく痛むような気がします。
これが親の感傷なんでしょうね。
小さくなってしまった子どもの服は、小さかった子どもたちと過ごした幸せな時間の象徴です。ハサミを入れたからといって思い出が損なわれるわけではない。でもハサミを入れるたびに、もうあの時代とは決別してしまったのだ、親も子ももう二度とあそこには戻れない、という揺るぎない現実と向き合うのです。
昔、何かの記事で読みました。あるお父さんが、自分の娘の生まれた時から幼稚園くらいまでの靴を全部取っておいたんだそうです。それを見せられたとき、その娘はお父さんの深い愛情を感じたと言っていました。
余分なスペースのない我が家では到底そんなことは出来ないし、ほんの数年前の服ですら既に雑巾に回そうとしているわけで、愛情の物的証拠はとてもじゃないけれど用意できません。
でも、べつに物に頼らなくても愛情は伝えられるのだと思いたい。わたしが今日、こうして服の整理をしながら過ぎ去った時間を惜しんだように、子どもたちにもいつか親と過ごした時間を懐かしく思い出すときが来るかもしれない。学校までの道、一緒に聞いた音楽、一緒に食べたもの、笑ったこと怒ったこと泣いたこと、そういったなんてことのない毎日の生活が、やがて全部思い出になります。だったら、わたしに出来るのは、子どもたちがせいぜい毎日を楽しく幸福に送れるように気を配ることだけじゃない?
着られなくなった服をジョキジョキ切り開く作業をしていたら、右手の指の皮が2ヶ所剥け、おまけに水ぶくれまでひとつできてしまいました。裁ちバサミのネジがキツくて刃の開閉にものすごく力が要るせいなのですが、まあ皮が剥けるほど作業量が多かったと言えなくもない。自分の、物に対する執着心の強さの証拠を突きつけられた気がして、苦笑いしながらちょいと反省したことでした。
追伸:今日はぜんぜん暖房が効かないなぁと思って見たら、なんと13時現在気温マイナス2℃なり。家族内の体温の高い人が全部出払っている家は、しんしんと冷えるばかりであります。
棚がいっぱいと書きましたが、実際にいま着られる服は全体の四分の一くらい。残りはみな小さくなってしまった服ばかりです。ほんの半年前までは着られた服が、今は軒並み小さくなってしまいました。今年買った4歳用のTシャツが、もうなんだか丈が足りなそうな気配です。
人に使ってもらえそうなものは箱にしまい、着古したTシャツやパジャマを適当な大きさに切って掃除用布にする作業をしました。両袖を切り落とし、身頃の両脇を切り開き、不揃いながら平らな1枚布の状態にします。
洗いざらしたTシャツでも、いざハサミを入れる瞬間はわずかに躊躇います。あぁ、このTシャツを着てあんなことをしていたなぁ、こんなことを言っていたなぁと記憶が蘇るのです。思い出に浸っていても仕方ないのでえいやっと一思いにハサミを入れてしまいますが、やはり心がしくしく痛むような気がします。
これが親の感傷なんでしょうね。
小さくなってしまった子どもの服は、小さかった子どもたちと過ごした幸せな時間の象徴です。ハサミを入れたからといって思い出が損なわれるわけではない。でもハサミを入れるたびに、もうあの時代とは決別してしまったのだ、親も子ももう二度とあそこには戻れない、という揺るぎない現実と向き合うのです。
昔、何かの記事で読みました。あるお父さんが、自分の娘の生まれた時から幼稚園くらいまでの靴を全部取っておいたんだそうです。それを見せられたとき、その娘はお父さんの深い愛情を感じたと言っていました。
余分なスペースのない我が家では到底そんなことは出来ないし、ほんの数年前の服ですら既に雑巾に回そうとしているわけで、愛情の物的証拠はとてもじゃないけれど用意できません。
でも、べつに物に頼らなくても愛情は伝えられるのだと思いたい。わたしが今日、こうして服の整理をしながら過ぎ去った時間を惜しんだように、子どもたちにもいつか親と過ごした時間を懐かしく思い出すときが来るかもしれない。学校までの道、一緒に聞いた音楽、一緒に食べたもの、笑ったこと怒ったこと泣いたこと、そういったなんてことのない毎日の生活が、やがて全部思い出になります。だったら、わたしに出来るのは、子どもたちがせいぜい毎日を楽しく幸福に送れるように気を配ることだけじゃない?
着られなくなった服をジョキジョキ切り開く作業をしていたら、右手の指の皮が2ヶ所剥け、おまけに水ぶくれまでひとつできてしまいました。裁ちバサミのネジがキツくて刃の開閉にものすごく力が要るせいなのですが、まあ皮が剥けるほど作業量が多かったと言えなくもない。自分の、物に対する執着心の強さの証拠を突きつけられた気がして、苦笑いしながらちょいと反省したことでした。
追伸:今日はぜんぜん暖房が効かないなぁと思って見たら、なんと13時現在気温マイナス2℃なり。家族内の体温の高い人が全部出払っている家は、しんしんと冷えるばかりであります。
by poirier_AAA
| 2010-11-29 21:12
| 日々の断片
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