2010年 06月 01日
ブルックナーを聴く |
ブーレーズ指揮のウィーンフィルでブルックナーの交響曲第8番を聴いた(観た)。テレビをつけたらいきなりブルックナーが聞こえて来て「おおっ」と思い、コンサート会場の壮麗な内装を見て「うわ〜」と目がそらせなくなり、指揮者の顔が映ったので見たら、それがブーレーズだった。
ブルックナー没後100周年記念として1996年にリンツの聖フローリアン教会で行われたコンサートのライブ録音。調べたらCDもDVDも出ている。
ブーレーズとブルックナーの組み合わせは、多分選択の自由があったら選ばなかったかもしれない。わたしはそんなに詳しいわけじゃないけれど、このカップリングはちょっと違和感がある。例えば、軽やかさと流麗さを売りにしている指揮者が「ボリス・ゴドゥノフ」を振るような、クライバーが「ウェストサイド・ストーリー」を振るような、大袈裟にいえばそんな感じ。試みとしては面白そうだけれど、不発に終わるかもという不安がつきまとう。
ところが、これが良かった。こういうブル8もありだね、とすんなり納得できた。入魂の完全燃焼型ブルックナーを愛する人には受け入れられないかもしれないけれど、この曲を建築物として良く見せてもらったようで、面白かった。
多分指揮者の個性なんだと思うけれど、スコアから読みとった音がきちんと組み立てられているという印象。もともと曲自体が高揚感に満ちているから、演奏者は否が応でも気分が盛り上がって来ちゃうはず。そこに指揮者まで「わたしのブルックナーはこうだ、聴けぇ」と熱をあげれば、聴いている方には重くてたまらない。今回の演奏は、曲自体の熱さと演奏者の熱さに対して、指揮者の冷静さがうまくバランスをとっていた感じがする。
演奏も良かったし、聖フローリアン教会の素晴らしい内装を見られたのがまた良かった。ブルックナーはここでオルガニストとして活躍し、亡くなった後はここで眠っているのだそうだ。聖堂のように残響の長い場所で大編成のオーケストラが演奏するのは、きっととても大変なのではと演奏者の苦労を思う一方で、鳴り止まない音の洪水の真ん中に座ってみたいなぁという欲も芽生えた。
これを聴いてから、なんだかブル8熱に取り憑かれてしまい、今日はあれこれと聴いている。
ブルックナーは何枚か持っているけれど、聴くのはほとんど8番ばかり。わたしが愛聴しているのはクナッパーツブッシュ指揮のベルリンフィルで1951年のライブ録音。ステレオではないし音質も良くないのだけれど、それでも何故かこれが一番しっくり来る。2楽章3楽章も味があるし、4楽章は盛り上がる!オーケストラが熱くなっているのがよくわかって、それが楽しいの。密かに「燃えるブルックナー」と呼んでいる。
頭の中がこの曲でいっぱいで、気がつくと鼻歌がでてくる。3楽章だったらまだましなんだろうけれど、つい4楽章を歌ってしまい、あぁ人に聞こえていたらどうしようと思いながら、それでも止められない。ブルックナーの8番の4楽章の冒頭をふんふん歌いながらパリのアパルトマンで米を研いでいる、あやしい日本人女性とはわたしのことよ。
ブルックナーの8番の4楽章って?と思われた方は、こちらをご参考に。
http://www.youtube.com/watch?v=g47BktR8ASw&NR=1
ブルックナー没後100周年記念として1996年にリンツの聖フローリアン教会で行われたコンサートのライブ録音。調べたらCDもDVDも出ている。
ブーレーズとブルックナーの組み合わせは、多分選択の自由があったら選ばなかったかもしれない。わたしはそんなに詳しいわけじゃないけれど、このカップリングはちょっと違和感がある。例えば、軽やかさと流麗さを売りにしている指揮者が「ボリス・ゴドゥノフ」を振るような、クライバーが「ウェストサイド・ストーリー」を振るような、大袈裟にいえばそんな感じ。試みとしては面白そうだけれど、不発に終わるかもという不安がつきまとう。
ところが、これが良かった。こういうブル8もありだね、とすんなり納得できた。入魂の完全燃焼型ブルックナーを愛する人には受け入れられないかもしれないけれど、この曲を建築物として良く見せてもらったようで、面白かった。
多分指揮者の個性なんだと思うけれど、スコアから読みとった音がきちんと組み立てられているという印象。もともと曲自体が高揚感に満ちているから、演奏者は否が応でも気分が盛り上がって来ちゃうはず。そこに指揮者まで「わたしのブルックナーはこうだ、聴けぇ」と熱をあげれば、聴いている方には重くてたまらない。今回の演奏は、曲自体の熱さと演奏者の熱さに対して、指揮者の冷静さがうまくバランスをとっていた感じがする。
演奏も良かったし、聖フローリアン教会の素晴らしい内装を見られたのがまた良かった。ブルックナーはここでオルガニストとして活躍し、亡くなった後はここで眠っているのだそうだ。聖堂のように残響の長い場所で大編成のオーケストラが演奏するのは、きっととても大変なのではと演奏者の苦労を思う一方で、鳴り止まない音の洪水の真ん中に座ってみたいなぁという欲も芽生えた。
これを聴いてから、なんだかブル8熱に取り憑かれてしまい、今日はあれこれと聴いている。
ブルックナーは何枚か持っているけれど、聴くのはほとんど8番ばかり。わたしが愛聴しているのはクナッパーツブッシュ指揮のベルリンフィルで1951年のライブ録音。ステレオではないし音質も良くないのだけれど、それでも何故かこれが一番しっくり来る。2楽章3楽章も味があるし、4楽章は盛り上がる!オーケストラが熱くなっているのがよくわかって、それが楽しいの。密かに「燃えるブルックナー」と呼んでいる。
頭の中がこの曲でいっぱいで、気がつくと鼻歌がでてくる。3楽章だったらまだましなんだろうけれど、つい4楽章を歌ってしまい、あぁ人に聞こえていたらどうしようと思いながら、それでも止められない。ブルックナーの8番の4楽章の冒頭をふんふん歌いながらパリのアパルトマンで米を研いでいる、あやしい日本人女性とはわたしのことよ。
ブルックナーの8番の4楽章って?と思われた方は、こちらをご参考に。
http://www.youtube.com/watch?v=g47BktR8ASw&NR=1
by poirier_AAA
| 2010-06-01 22:04
| 聴く
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