2010年 05月 03日
東京にて |
いまさらと思いつつも、やはり一目見ないではいられませんでした。
歌舞伎座は121年の歴史があるのだそうです。そのあいだ、改築あり火事あり空襲ありで、いくつもの工事を経て現在の建物があります。その経緯を見ると、今回の建替えもそれほどショッキングなことではないのかもしれません。
それでも、やはりわたしは惜しいと思います。手を入れながらここまで大事に使われてきた建物が、損なわれたわけでもないのにすっかり取り壊されるのは痛ましい。歴史あるものを、不便だから時代にそぐわないからという理由で、ほとんど躊躇うことなく建替えてしまえと発想する人たちが怖いと思います。一度失われたものは二度と手に入れられないのに。激動の昭和を生き抜いて来た、その建物の歴史に畏れを感じたりはしませんか?
同じような違和感を、モダンなホテルの客室でも感じました。浴室の備品としておいてあるシャンプーや石けんの類いが全部外国製なのです。わたしは知らない名前ですが、名前がそれらしくプリントしてあるところを見ると知る人ぞ知るメーカーなのでしょう。原産国○○とヨーロッパ某国の名前が書いてありました。
これを使って喜ぶのは、海外ブランド好きの日本人だけなのでは?わたしが宿泊した海外のホテルは、いずれも自国のブランドを誇らしげに使っていました。海外から来たお客に、これがわたしたちの国ですと紹介しているわけです。外国人の滞在者も多いはずの都内のホテルで自国のブランドを使わないのは、どうやら日本人は自国の製品によほど自信がないんだね、と思われそうです。日本のホテルが鼻もひっかけない資生堂、フランスでは結構な高級ブランドなんですけれどね。日本に来て、安くはない料金を払って、その結果外国製品でもてなされるのはとても変な感じがします。ありがたみはまったくありません。日本の製品をアピールしようとは考えないんでしょうか?
きれいで新しいものが大好きで、海外の有名(or 知られざる)ブランドが大好きでという日本人の志向、ちょっとどうなのよと思うんです。自分たちの街や国の歴史を何とも思わず、自国ではなく外国で作られたものにせっせとお金をつぎ込んでいたら、そのうち日本なんて風船のように中身が空っぽでふわふわ漂う存在になってしまいそうですよ。
今日の東京は、太陽が熱く、木々の緑が濃かった。乾いた風景を見慣れた目には、ここは熱帯か?と感じられました。植物の茂っている様が禍々しいとすら思いました。ギラギラの太陽も、ぐんぐん茂る植物も、どんどん新しいビルが建つ街も、すべてがエネルギーを放っているようで眩しくてたまりません。自分がこの街で何年も楽しんで暮らしていたなんて・・今はとても信じられない。3年ですっかり田舎のネズミと化しています。
歌舞伎座は121年の歴史があるのだそうです。そのあいだ、改築あり火事あり空襲ありで、いくつもの工事を経て現在の建物があります。その経緯を見ると、今回の建替えもそれほどショッキングなことではないのかもしれません。
それでも、やはりわたしは惜しいと思います。手を入れながらここまで大事に使われてきた建物が、損なわれたわけでもないのにすっかり取り壊されるのは痛ましい。歴史あるものを、不便だから時代にそぐわないからという理由で、ほとんど躊躇うことなく建替えてしまえと発想する人たちが怖いと思います。一度失われたものは二度と手に入れられないのに。激動の昭和を生き抜いて来た、その建物の歴史に畏れを感じたりはしませんか?
同じような違和感を、モダンなホテルの客室でも感じました。浴室の備品としておいてあるシャンプーや石けんの類いが全部外国製なのです。わたしは知らない名前ですが、名前がそれらしくプリントしてあるところを見ると知る人ぞ知るメーカーなのでしょう。原産国○○とヨーロッパ某国の名前が書いてありました。
これを使って喜ぶのは、海外ブランド好きの日本人だけなのでは?わたしが宿泊した海外のホテルは、いずれも自国のブランドを誇らしげに使っていました。海外から来たお客に、これがわたしたちの国ですと紹介しているわけです。外国人の滞在者も多いはずの都内のホテルで自国のブランドを使わないのは、どうやら日本人は自国の製品によほど自信がないんだね、と思われそうです。日本のホテルが鼻もひっかけない資生堂、フランスでは結構な高級ブランドなんですけれどね。日本に来て、安くはない料金を払って、その結果外国製品でもてなされるのはとても変な感じがします。ありがたみはまったくありません。日本の製品をアピールしようとは考えないんでしょうか?
きれいで新しいものが大好きで、海外の有名(or 知られざる)ブランドが大好きでという日本人の志向、ちょっとどうなのよと思うんです。自分たちの街や国の歴史を何とも思わず、自国ではなく外国で作られたものにせっせとお金をつぎ込んでいたら、そのうち日本なんて風船のように中身が空っぽでふわふわ漂う存在になってしまいそうですよ。
今日の東京は、太陽が熱く、木々の緑が濃かった。乾いた風景を見慣れた目には、ここは熱帯か?と感じられました。植物の茂っている様が禍々しいとすら思いました。ギラギラの太陽も、ぐんぐん茂る植物も、どんどん新しいビルが建つ街も、すべてがエネルギーを放っているようで眩しくてたまりません。自分がこの街で何年も楽しんで暮らしていたなんて・・今はとても信じられない。3年ですっかり田舎のネズミと化しています。
by poirier_AAA
| 2010-05-03 02:00
| 日本
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