2010年 04月 13日
笑い飛ばしたい |
カナルプリュス(Canal+)という有料放送局で、もう20年以上も続いている超有名人気番組があります。それが「Les Guignols de l'info(レ・ギニョール・ドゥ・ランフォ)」。人形を使っての風刺ニュース番組です。有料放送局ですが、このギニョールの時間帯は契約者以外でも視聴できます。ご参考までに以下のアドレスをご覧下さい。(毎度ご不便をおかけして申し訳ありません)
http://www.canalplus.fr/c-humour/pid1784-c-les-guignols.html
内容は、かなりmordant(辛辣な、強烈な)です。いささか度が過ぎるのではないかと感じて、笑えないことも多い。それでも、普通なら遠慮して言えないようなことでも容赦なく核心を突いて風刺するので、痛快でもあります。これがウィークデイの毎日見られるのですから、力の入れようがうかがえるというものです。
昨日、日本の首相が支持率低下を受けて、「踏ん張りどころだ。一生懸命やっている姿を必ずしも見せきれていない。見せるために努力をする」「改革の方向は絶対間違っていない。自信がある」「政治とカネの問題に隠れて、改革が大変大胆に行われているところが見えていない。政権は国民のために一生懸命仕事をしている」と述べたとか。
「一生懸命やっている姿を見せる」
・・・政治家の評価は広報活動の結果ではないと思うけど
「改革の方向は絶対間違っていない」
・・・地図がなくても山には登れるって?
「政権は国民のために一生懸命仕事をしている」
・・・一生懸命やっている仕事の内容が大事だよね
こういう悪い冗談のようなことを一国の政治の中枢にいる人がおおっぴらに言えちゃうんだから凄いです。これを言っても僕の国民なら許してくれちゃうんだもんねと、強固な信頼関係によほど自信があると見えます。
強烈な愛嬌発言には強烈な風刺で華を添えたいものです。残念ながら、日本には先に上げたギニョールのような風刺番組がありません。これがフランスの政界で起きたことなら、それはそれは楽しめたでしょうに。あ、こういう政治家はフランスでは生き残っていけないか。こんなアホらし発言を聞いても、はいそうでございますかと何事もなかったかのように報道するマスコミ(ここでいうマスコミは、庶民が最も身近に感じている新聞数紙やテレビ局の意)怖くありませんか?わたしは気持ち悪いです。ひょっとして、マスコミの人たちって読者に事の真意が伝わらないように気をつけている?それとも、読者が馬鹿になるように口当たりの良いお役立ち生活情報記事や番組を多発して周到に教育しているのかしらん。あ、そもそもマスコミが全然変だと感じていないという可能性もありますか。ペンは剣より強し、でもペンと剣が手を組んだら向うところ敵なしです。日本が忘れたくってたまらない「あの時代」に逆戻りしちゃうと思うんですけどね。
みなさまのために頑張っています、そんなリップサービスで政治家をやっていられるんだから、日本はしあわせな国です。老いも若きも政治の動向に目を光らせている国とは、国民の心のありかたが違うんでしょう。国がどうにかなったとしても初めからやり直せば済む、そんなゲーム感覚で国政が行われている国と、痛烈な風刺にさらされながらも解決策を模索する政治家のいる国と、等しい立場でつきあえるはずもありません。日本は相手にされてないと思いますよ、お金が欲しい場合を除いては。
これまで政治にはほとんど興味を持ってこなかったわたしなので、偉そうなことは言えません。でも、最近ようやく気がつきました(遅いよっ!)。パン(米)の味が落ちるのは生活の質を支える土台の問題、政治が迷うのは将来まで続く(事によると生死にも関わる)生活の根幹を揺るがす問題なのでありますよ。
http://www.canalplus.fr/c-humour/pid1784-c-les-guignols.html
内容は、かなりmordant(辛辣な、強烈な)です。いささか度が過ぎるのではないかと感じて、笑えないことも多い。それでも、普通なら遠慮して言えないようなことでも容赦なく核心を突いて風刺するので、痛快でもあります。これがウィークデイの毎日見られるのですから、力の入れようがうかがえるというものです。
昨日、日本の首相が支持率低下を受けて、「踏ん張りどころだ。一生懸命やっている姿を必ずしも見せきれていない。見せるために努力をする」「改革の方向は絶対間違っていない。自信がある」「政治とカネの問題に隠れて、改革が大変大胆に行われているところが見えていない。政権は国民のために一生懸命仕事をしている」と述べたとか。
「一生懸命やっている姿を見せる」
・・・政治家の評価は広報活動の結果ではないと思うけど
「改革の方向は絶対間違っていない」
・・・地図がなくても山には登れるって?
「政権は国民のために一生懸命仕事をしている」
・・・一生懸命やっている仕事の内容が大事だよね
こういう悪い冗談のようなことを一国の政治の中枢にいる人がおおっぴらに言えちゃうんだから凄いです。これを言っても僕の国民なら許してくれちゃうんだもんねと、強固な信頼関係によほど自信があると見えます。
強烈な愛嬌発言には強烈な風刺で華を添えたいものです。残念ながら、日本には先に上げたギニョールのような風刺番組がありません。これがフランスの政界で起きたことなら、それはそれは楽しめたでしょうに。あ、こういう政治家はフランスでは生き残っていけないか。こんなアホらし発言を聞いても、はいそうでございますかと何事もなかったかのように報道するマスコミ(ここでいうマスコミは、庶民が最も身近に感じている新聞数紙やテレビ局の意)怖くありませんか?わたしは気持ち悪いです。ひょっとして、マスコミの人たちって読者に事の真意が伝わらないように気をつけている?それとも、読者が馬鹿になるように口当たりの良いお役立ち生活情報記事や番組を多発して周到に教育しているのかしらん。あ、そもそもマスコミが全然変だと感じていないという可能性もありますか。ペンは剣より強し、でもペンと剣が手を組んだら向うところ敵なしです。日本が忘れたくってたまらない「あの時代」に逆戻りしちゃうと思うんですけどね。
みなさまのために頑張っています、そんなリップサービスで政治家をやっていられるんだから、日本はしあわせな国です。老いも若きも政治の動向に目を光らせている国とは、国民の心のありかたが違うんでしょう。国がどうにかなったとしても初めからやり直せば済む、そんなゲーム感覚で国政が行われている国と、痛烈な風刺にさらされながらも解決策を模索する政治家のいる国と、等しい立場でつきあえるはずもありません。日本は相手にされてないと思いますよ、お金が欲しい場合を除いては。
これまで政治にはほとんど興味を持ってこなかったわたしなので、偉そうなことは言えません。でも、最近ようやく気がつきました(遅いよっ!)。パン(米)の味が落ちるのは生活の質を支える土台の問題、政治が迷うのは将来まで続く(事によると生死にも関わる)生活の根幹を揺るがす問題なのでありますよ。
by poirier_AAA
| 2010-04-13 20:19
| 世情を考える
|
Comments(2)
はじめまして。「Les Guignols de l'info」についてのブログ記事を書いたのですが、こちらの記事もリンクさせていただきましたのでご挨拶にまいりました。突然で申しわけありませんがご了解いただければ幸いです。
ほかの記事も追い追い読ませていただきます。
ほかの記事も追い追い読ませていただきます。
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Commented
by
poirier_AAA at 2011-01-08 01:40
>村野瀬玲奈さん
ご連絡いただきましてありがとうございました。ブログを拝見しましたが、とても意欲的に発信していらっしゃるようですね。
フランスも、現大統領になってからメディアに対する締め付けが厳しくなりました。有名なユーモリストが2人職場を追われたし、風刺新聞やこのギニョルも標的予定に入っているだろうというのがもっぱらの噂です。こういった政治家を笑い飛ばしてみせる市民パワーは、絶対に失って欲しくないと思っています。
ご連絡いただきましてありがとうございました。ブログを拝見しましたが、とても意欲的に発信していらっしゃるようですね。
フランスも、現大統領になってからメディアに対する締め付けが厳しくなりました。有名なユーモリストが2人職場を追われたし、風刺新聞やこのギニョルも標的予定に入っているだろうというのがもっぱらの噂です。こういった政治家を笑い飛ばしてみせる市民パワーは、絶対に失って欲しくないと思っています。