2010年 03月 09日
黒澤明「七人の侍」 |
言わずと知れたクロサワの代表作、わたしはこの歳になって初めて観ました。日本映画はフランスで評価が高いし、詳しい人もたくさんいます。案外、フランスにいる方が日本の古い作品を観るチャンスが多いかもしれません。
今回はラッキーなことに吹き替えではなく、日本語音声フランス語字幕で観ることができました。早口+怒鳴り声+口を動かさないしゃべり方で、日本語がよく聞き取れないところもあり、字幕にだいぶ助けられました。
狂言まわし的な菊千代を演じた三船敏郎、体つきも顔つきも群を抜いてバタ臭いですね。他の俳優たちがいかにも日本人的な小振りな体格でちょこまか動いているのと比べると、彼だけは動きがダイナミックで、そこだけスポットライトがあたっているかのように見えます。彼が1人いることで、画面にもストーリーにも動きが出て、映画全体が締まったんじゃないでしょうか。粗野な荒々しさといい、愛嬌といい、視線を引きつけてしまうオーラといい、三船敏郎の存在感はアンソニー・クインのそれと良く似ているぞ、などと思ってしまいました。
侍に農民、大掛かりな戦闘に初々しい初恋、笑いも怒りも悲しみもあって、確かに面白いのですが、いささか盛り込み過ぎな感じが否めませんでした。個人的には「羅生門」の方が、設定も人物描写もストーリーも凝縮していて好きかな、と思います。
こういう時代物をみると、好きか嫌いかは別として、日本人としての記憶をくすぐられるというか、無性に懐かしい感じがしませんか?
フランス人にとって、フランス人としての記憶をくすぐられる映画があるとしたら、例えば「Les Visiteurs(邦題:おかしなおかしな訪問者)」です。1993年の映画でジャン・レノが出演しています。いかにもフランス人好みの過激なユーモアに溢れた作品なので、日本ではあまり人気が出ませんでした。あと、映画ではありませんけれど「Astérix le Gaulois(アステリックス)」ですね。
日本人の子どもたちが、折り紙の兜をかぶりチャンバラごっこするように、こちらの子どもたちは鎖帷子とか胸に十字が描かれた十字軍の衣装をつけて盾と剣を持ち、仮装します。(今どきの日本の少年はチャンバラはしないか…。スターウォーズのライトサーベルですか?)
異国で観る日本映画に、なんとなくこそばゆいような郷愁をおぼえました。
今回はラッキーなことに吹き替えではなく、日本語音声フランス語字幕で観ることができました。早口+怒鳴り声+口を動かさないしゃべり方で、日本語がよく聞き取れないところもあり、字幕にだいぶ助けられました。
狂言まわし的な菊千代を演じた三船敏郎、体つきも顔つきも群を抜いてバタ臭いですね。他の俳優たちがいかにも日本人的な小振りな体格でちょこまか動いているのと比べると、彼だけは動きがダイナミックで、そこだけスポットライトがあたっているかのように見えます。彼が1人いることで、画面にもストーリーにも動きが出て、映画全体が締まったんじゃないでしょうか。粗野な荒々しさといい、愛嬌といい、視線を引きつけてしまうオーラといい、三船敏郎の存在感はアンソニー・クインのそれと良く似ているぞ、などと思ってしまいました。
侍に農民、大掛かりな戦闘に初々しい初恋、笑いも怒りも悲しみもあって、確かに面白いのですが、いささか盛り込み過ぎな感じが否めませんでした。個人的には「羅生門」の方が、設定も人物描写もストーリーも凝縮していて好きかな、と思います。
こういう時代物をみると、好きか嫌いかは別として、日本人としての記憶をくすぐられるというか、無性に懐かしい感じがしませんか?
フランス人にとって、フランス人としての記憶をくすぐられる映画があるとしたら、例えば「Les Visiteurs(邦題:おかしなおかしな訪問者)」です。1993年の映画でジャン・レノが出演しています。いかにもフランス人好みの過激なユーモアに溢れた作品なので、日本ではあまり人気が出ませんでした。あと、映画ではありませんけれど「Astérix le Gaulois(アステリックス)」ですね。
日本人の子どもたちが、折り紙の兜をかぶりチャンバラごっこするように、こちらの子どもたちは鎖帷子とか胸に十字が描かれた十字軍の衣装をつけて盾と剣を持ち、仮装します。(今どきの日本の少年はチャンバラはしないか…。スターウォーズのライトサーベルですか?)
異国で観る日本映画に、なんとなくこそばゆいような郷愁をおぼえました。
by poirier_AAA
| 2010-03-09 20:06
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