2010年 02月 03日
暦を読む |
少し調べ始めたら面白くなってしまい、教会の暦と二十四節気を比べてみました。
二十四節気と言っても、中心に見るのは天体の動きにちなんだもの、つまり八節(夏至と冬至、春分と秋分、立春、立夏、立秋、立冬)だけです。
教会の1年というのはキリストの誕生を待ちわびる待降節(アドヴェント)から始まるのだそうです。わたしはそんなことも知りませんでした。この待降節の始まりが、クリスマスの4つ前の日曜日です。以降、順に関係がありそうなものをピックアップして書き並べてみます。
待降節(クリスマスの4週間前)
降誕祭(12月25日) … 冬至(12月22日)
主の奉献(2月2日) … 立春(2月3日)
灰の水曜日(復活祭の46日前の木曜日)
四旬節(カレム、灰の水曜日から聖木曜日まで)
主の過ぎ越しの聖なる3日間(復活祭直前の木、金、土曜日)
受胎告知(3月25日) … 春分(3月21日)
復活祭(春分の日の後の最初の満月の直後の日曜日)
昇天祭(復活祭の40日後の木曜日)
精霊降臨祭(復活祭から数えて50日目) … 立夏(5月6日)
洗礼者ヨハネの日(6月24日) … 夏至(6月21日)
主の変容(8月6日) … 立秋(8月6日)
死者の日(11月1日) … 立冬(11月7日)
若干の日付のずれはありますが、季節の節目節目には必ず教会でも重要な日が割り当てられていることがわかります。ただし、復活祭を中心とした季節の配分があまりうまくいきません。これは復活祭が月の満ち欠けに支配された移動祝日だからです。ただ、こんなふうに強引に理屈を付けることができるかもしれません。復活祭=春分の日、です。キリストが復活してから昇天、降臨するまでの期間をみると、40日から50日で、これは1年の1/8にあたる日数です。そしてこの日数は春分と立夏の間の日数でもあるのです。復活祭がずれても、昇天祭か降臨祭のどちらかで夏の始まりのつじつまを合わせることができます。復活祭は1ヶ月近くの幅を持って移動する日ですから、念を入れて3月25日には受胎告知を割り当てた(受胎=豊穣ですから、春にぴったり)とか。 … どこまでも、わたしの勝手な推測です。
冬には土地を休ませ、春には種をまき、夏の成長期を経て実りの秋を迎える、そんな農作業のサイクルが、イエスの誕生、復活、昇天、変容、という流れにぴたりと一致します。
このなかでひとつ目をひくのが夏至に当たる洗礼者ヨハネの日です。イエスでもなく聖母でもないヨハネが何故?と思いましたが、洗礼者ヨハネというのはイエス、マリアについで重要人物なのだとか。そして、それを示すかのように命日ではなくて誕生日が振り当てられています。(誕生日が振り当てられているのは、イエス、マリア、洗礼者ヨハネだけ)ケルト=ゲルマン系には夏至の前夜のお祭りというのが存在したようで、布教に際してこの異教徒的な要素を隠すために重要な聖人を割り当てたのでは、と言われています。
今回、生まれて初めて二十四節気の説明を真剣に眺めてみましたが、面白いことに、こちらの気候にもかなり当てはまるような気がするのです。最近、日が少しずつ長くなって来たことが感じられますし、今日は雨が降ったおかげで寒さがぐんと和らぎました。まだ当分寒さは続くでしょうが、春に向って確かに一歩踏み出した気がする、そんな立春です。
(参考)
鹿島 茂「フランス歳時記」(中公新書)
上田 重雄「ヨーロッパ歳時記」(岩波新書)
Wikipedia 「教会暦」「Calendrier liturgique romain」「二十四節気」
二十四節気と言っても、中心に見るのは天体の動きにちなんだもの、つまり八節(夏至と冬至、春分と秋分、立春、立夏、立秋、立冬)だけです。
教会の1年というのはキリストの誕生を待ちわびる待降節(アドヴェント)から始まるのだそうです。わたしはそんなことも知りませんでした。この待降節の始まりが、クリスマスの4つ前の日曜日です。以降、順に関係がありそうなものをピックアップして書き並べてみます。
待降節(クリスマスの4週間前)
降誕祭(12月25日) … 冬至(12月22日)
主の奉献(2月2日) … 立春(2月3日)
灰の水曜日(復活祭の46日前の木曜日)
四旬節(カレム、灰の水曜日から聖木曜日まで)
主の過ぎ越しの聖なる3日間(復活祭直前の木、金、土曜日)
受胎告知(3月25日) … 春分(3月21日)
復活祭(春分の日の後の最初の満月の直後の日曜日)
昇天祭(復活祭の40日後の木曜日)
精霊降臨祭(復活祭から数えて50日目) … 立夏(5月6日)
洗礼者ヨハネの日(6月24日) … 夏至(6月21日)
主の変容(8月6日) … 立秋(8月6日)
死者の日(11月1日) … 立冬(11月7日)
若干の日付のずれはありますが、季節の節目節目には必ず教会でも重要な日が割り当てられていることがわかります。ただし、復活祭を中心とした季節の配分があまりうまくいきません。これは復活祭が月の満ち欠けに支配された移動祝日だからです。ただ、こんなふうに強引に理屈を付けることができるかもしれません。復活祭=春分の日、です。キリストが復活してから昇天、降臨するまでの期間をみると、40日から50日で、これは1年の1/8にあたる日数です。そしてこの日数は春分と立夏の間の日数でもあるのです。復活祭がずれても、昇天祭か降臨祭のどちらかで夏の始まりのつじつまを合わせることができます。復活祭は1ヶ月近くの幅を持って移動する日ですから、念を入れて3月25日には受胎告知を割り当てた(受胎=豊穣ですから、春にぴったり)とか。 … どこまでも、わたしの勝手な推測です。
冬には土地を休ませ、春には種をまき、夏の成長期を経て実りの秋を迎える、そんな農作業のサイクルが、イエスの誕生、復活、昇天、変容、という流れにぴたりと一致します。
このなかでひとつ目をひくのが夏至に当たる洗礼者ヨハネの日です。イエスでもなく聖母でもないヨハネが何故?と思いましたが、洗礼者ヨハネというのはイエス、マリアについで重要人物なのだとか。そして、それを示すかのように命日ではなくて誕生日が振り当てられています。(誕生日が振り当てられているのは、イエス、マリア、洗礼者ヨハネだけ)ケルト=ゲルマン系には夏至の前夜のお祭りというのが存在したようで、布教に際してこの異教徒的な要素を隠すために重要な聖人を割り当てたのでは、と言われています。
今回、生まれて初めて二十四節気の説明を真剣に眺めてみましたが、面白いことに、こちらの気候にもかなり当てはまるような気がするのです。最近、日が少しずつ長くなって来たことが感じられますし、今日は雨が降ったおかげで寒さがぐんと和らぎました。まだ当分寒さは続くでしょうが、春に向って確かに一歩踏み出した気がする、そんな立春です。
(参考)
鹿島 茂「フランス歳時記」(中公新書)
上田 重雄「ヨーロッパ歳時記」(岩波新書)
Wikipedia 「教会暦」「Calendrier liturgique romain」「二十四節気」
by poirier_AAA
| 2010-02-03 23:08
| 歴史と文化を学ぶ
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