2010年 01月 28日
端正なヴェルディ |
昨年末に新しいCDやらDVDやらに手を出したのが引き金になったようで、個人的第二次声楽ブームの兆しが見えております。
お気に入りの歌手をたどって新しい領域に手を広げることもありますが、そのうちにある1曲に落ち着き、今度は演奏陣を変えて楽しむ、というのがもっぱらです。音楽はメロディそのものが美しくて楽しめるばかりじゃなく、演奏する人によって様々に表情が変わってくるのが本当に面白い。オペラなんて、指揮者、オケ、ソリスト、合唱、演出など、比べる要素が多いのでかなり楽しめます。(本当にマニアックになってくると録音状態とか音源などが気になるらしいですが、さすがにそこまでは手を出しません)
しばらく前にも書いたヴェルディのレクイエム、実はまだしつこく追っています。そしてつい最近、お宝になりそうな演奏を見つけました。
ジュリーニ指揮フィルハーモニア管弦楽団&合唱団、ソリストがシュワルツコップ、ルードヴィヒ、ゲッダ、ギャウロフで1962年から64年にかけての録音です。
ソリストの名前を眺めただけで涙が出そうな組み合わせですが、予想を裏切らない素晴らしさでした。シュワルツコップの優美なソプラノ、ルードヴィヒの豊かで繊細なメゾ、ヒロイックなテノールのゲッダ、そして絶対に期待を裏切らないギャウロフのバスです。
この組み合わせの素晴らしいところは、重唱が本当に美しいこと。ソプラノが羽のように軽やかで、テノールもヒロイックな響きを持ちながら非常に繊細。メゾとバスは確実な音程と豊かな響きできっちり土台を固めています。そして特に女性陣の得意分野の影響(元帥夫人とオクタヴィアンですからね)でしょうか、重唱でぴったりと声が寄り添うのです。「Recordare」の女声二重唱は、一瞬ヴェルディを忘れるような響きです。そして四声が絡む「Offœrtorium」も素晴らしい。特に最後の部分、ソプラノが舞い上がるように高音域に歌い上がっていくところと、それに続く三声の重唱が天国的な美しさです。
例えばこれがプライス/コッソット/パヴァロッティ/ギャウロフの組み合わせだと、個性がぶつかりあって、声は絶対に寄り添いません。戦闘的な重唱になります。それがまたヴェルディらしさを醸し出しているともいえますが。
「怒りの日」の派手な部分ばかり知名度が高いレクイエムですが、聴きどころは他にたくさんあります。今日は、少し違ったタイプの演奏も紹介したくて書きました。
YouTubeでも両方見られるようです。
「Offœrtorium」
プライス/コッソット/パヴァロッティ/ギャウロフ
http://www.youtube.com/watch?v=z5_dwWfe97g
シュワルツコップ/ルードヴィヒ/ゲッダ/ギャウロフ
http://www.youtube.com/watch?v=Xzy9hMGq3Wo
お気に入りの歌手をたどって新しい領域に手を広げることもありますが、そのうちにある1曲に落ち着き、今度は演奏陣を変えて楽しむ、というのがもっぱらです。音楽はメロディそのものが美しくて楽しめるばかりじゃなく、演奏する人によって様々に表情が変わってくるのが本当に面白い。オペラなんて、指揮者、オケ、ソリスト、合唱、演出など、比べる要素が多いのでかなり楽しめます。(本当にマニアックになってくると録音状態とか音源などが気になるらしいですが、さすがにそこまでは手を出しません)
しばらく前にも書いたヴェルディのレクイエム、実はまだしつこく追っています。そしてつい最近、お宝になりそうな演奏を見つけました。
ジュリーニ指揮フィルハーモニア管弦楽団&合唱団、ソリストがシュワルツコップ、ルードヴィヒ、ゲッダ、ギャウロフで1962年から64年にかけての録音です。
ソリストの名前を眺めただけで涙が出そうな組み合わせですが、予想を裏切らない素晴らしさでした。シュワルツコップの優美なソプラノ、ルードヴィヒの豊かで繊細なメゾ、ヒロイックなテノールのゲッダ、そして絶対に期待を裏切らないギャウロフのバスです。
この組み合わせの素晴らしいところは、重唱が本当に美しいこと。ソプラノが羽のように軽やかで、テノールもヒロイックな響きを持ちながら非常に繊細。メゾとバスは確実な音程と豊かな響きできっちり土台を固めています。そして特に女性陣の得意分野の影響(元帥夫人とオクタヴィアンですからね)でしょうか、重唱でぴったりと声が寄り添うのです。「Recordare」の女声二重唱は、一瞬ヴェルディを忘れるような響きです。そして四声が絡む「Offœrtorium」も素晴らしい。特に最後の部分、ソプラノが舞い上がるように高音域に歌い上がっていくところと、それに続く三声の重唱が天国的な美しさです。
例えばこれがプライス/コッソット/パヴァロッティ/ギャウロフの組み合わせだと、個性がぶつかりあって、声は絶対に寄り添いません。戦闘的な重唱になります。それがまたヴェルディらしさを醸し出しているともいえますが。
「怒りの日」の派手な部分ばかり知名度が高いレクイエムですが、聴きどころは他にたくさんあります。今日は、少し違ったタイプの演奏も紹介したくて書きました。
YouTubeでも両方見られるようです。
「Offœrtorium」
プライス/コッソット/パヴァロッティ/ギャウロフ
http://www.youtube.com/watch?v=z5_dwWfe97g
シュワルツコップ/ルードヴィヒ/ゲッダ/ギャウロフ
http://www.youtube.com/watch?v=Xzy9hMGq3Wo
by poirier_AAA
| 2010-01-28 23:37
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