2009年 10月 19日
平成狸合戦ぽんぽこ |
1994年のジブリ作品「平成狸合戦ぽんぽこ」、夫が仏版DVDを買って来ました。
正直に告白しますと、公開された当時は全然食指が動かなかった作品で、子ども用としても多分自分では選ぼうとはしなかったと思うのです。山を崩して街を作ろうとする人間とそれに戦いを挑むたぬきという設定は、結末が見えるだけに痛ましさばかりを感じます。
それでも観るともなく観ていたら、これが面白かった。
これは日本文化の集大成?のような見所満載の作品です。異国に住んでいるから余計クリアに見えるのかもしれないけれど、この作品が見せる圧倒的な“日本文化”は故郷を懐かしむためにしろ、日本の事情を良く知るためにしろ、ものすごく貴重なものだと思いました。
ナレーションの小気味よい語り口。日本人にとってのたぬきのイメージ。狸が化けてみせる正統派和製妖怪たち。那須与一の逸話。和製のメロディーと歌。それから自然破壊のこと、日本のサラリーマンの実態、などなど、現在から過去までごちゃごちゃに混ざっているけれど、この一切合切が日本なんだと客観的に眺めました。
監督の高畑勲氏の作品としては「火垂るの墓」が強く印象に残っています。素晴らしい映画だと自信を持って言えるけれど、話が話だけに切なくて、見直すには相当覚悟がいる作品です。「平成狸合戦」は題材はシリアスな現実でありながら、狸たちの有様が救いになっているぶん、強烈なショックのようなものは感じないで済みます。
宮崎駿監督の作品が楽しかったり美しかったりわくわくがあったりしながらも、時として鑑賞後にすっきりしないもやもや感を感じさせるのと比べると、高畑作品は語ろうとする焦点がはっきりしていますよね。そんなところを好ましく感じながら観ました。
ちなみにフランス語音声でも聞いてみましたが、講談調というんでしょうか、あの調子の良い語りはきちんとフランス語のリズミカルなナレーションになっていて楽しめました。
正直に告白しますと、公開された当時は全然食指が動かなかった作品で、子ども用としても多分自分では選ぼうとはしなかったと思うのです。山を崩して街を作ろうとする人間とそれに戦いを挑むたぬきという設定は、結末が見えるだけに痛ましさばかりを感じます。
それでも観るともなく観ていたら、これが面白かった。
これは日本文化の集大成?のような見所満載の作品です。異国に住んでいるから余計クリアに見えるのかもしれないけれど、この作品が見せる圧倒的な“日本文化”は故郷を懐かしむためにしろ、日本の事情を良く知るためにしろ、ものすごく貴重なものだと思いました。
ナレーションの小気味よい語り口。日本人にとってのたぬきのイメージ。狸が化けてみせる正統派和製妖怪たち。那須与一の逸話。和製のメロディーと歌。それから自然破壊のこと、日本のサラリーマンの実態、などなど、現在から過去までごちゃごちゃに混ざっているけれど、この一切合切が日本なんだと客観的に眺めました。
監督の高畑勲氏の作品としては「火垂るの墓」が強く印象に残っています。素晴らしい映画だと自信を持って言えるけれど、話が話だけに切なくて、見直すには相当覚悟がいる作品です。「平成狸合戦」は題材はシリアスな現実でありながら、狸たちの有様が救いになっているぶん、強烈なショックのようなものは感じないで済みます。
宮崎駿監督の作品が楽しかったり美しかったりわくわくがあったりしながらも、時として鑑賞後にすっきりしないもやもや感を感じさせるのと比べると、高畑作品は語ろうとする焦点がはっきりしていますよね。そんなところを好ましく感じながら観ました。
ちなみにフランス語音声でも聞いてみましたが、講談調というんでしょうか、あの調子の良い語りはきちんとフランス語のリズミカルなナレーションになっていて楽しめました。
by poirier_AAA
| 2009-10-19 21:00
| 観る・鑑賞する
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